「Gファイター」の版間の差分

提供: ガンダムWiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
 
(2人の利用者による、間の5版が非表示)
33行目: 33行目:
  
 
== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]が開発した[[ガンダム]]のサポートメカ「Gパーツ(Gメカとも)」のAパーツとBパーツから構成される重戦闘機。
+
[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]が開発した[[ガンダム]]用サポートメカ。ガンダムは元々[[V作戦|RX計画]]の粋を凝らしたハイエンド機であった事もあり、C.F.V.開発計画ともリンクする遠大な構想が当初から立案されており、その一部を実現させたのがGファイターである。
  
Aパーツが機首やメガ粒子砲などの前半部分と無限軌道、Bパーツが後半部分の推進器となっており、これらとガンダムのAパーツとBパーツ、[[コア・ファイター]]を組み合わせた様々な運用形態を採る事ができる他、Gファイターの上部にガンダムを載せて[[サブ・フライト・システム|サブフライトシステム]]として運用することも可能(当時は定義確立前の時代の為「サブフライトシステム」というワードそのものは存在しないが)。
+
ガンダムはその装甲強度や武装の威力などのスペック面において[[ジオン軍]][[ザクII|ザク]]を圧倒していたが、地上での運用においてはザクと同様、移動能力の低さという問題も抱えていた。[[モビルスーツ]]単独での移動能力の低さそのものは[[V作戦|RX計画]]発動当時から指摘されていたが、移送に関しては[[ガンペリー]]で対応可能と考えられていた。しかし、ガンペリーは移動速度が低く防御能力は脆弱であり、戦闘力を殆ど持たない事が指摘された他、ガンダムの実戦投入によってその他様々な問題も浮き彫りになっていき、さらなる改善の余地があることが判明していった。それを補うために開発されたのが「Gパーツ(Gメカ)」であり、GファイターはそのGパーツ単独で構成される戦闘機であった<ref>「Gメカ」の名称は「G-MECHA=G-Multiple Expansion of Changeable Armament」の略称であるとする説があり、「(ガンダム用)多目的拡張可変武装(群)」を意味する。また、「Gパーツ」も「G-Practical Advanced Research for Tactical System」の略称であり、「(ガンダムを中核とする)戦術システムのための実用的先端研究」を意味していた。</ref>。
  
Aパーツのコクピットはコア・ファイターと同じ構造とすることで機種転換の期間を短縮させているほか、キャノピーは被弾時に瞬間的に装甲シャッターが降りることで防弾性を確保している。また無限軌道によって戦車のような運用もできるほか、旋回式の連装ビームキャノンと機首に2基のミサイル発射管を備えている。
+
「Gパーツ」は元来、V作戦の進展に伴う連邦軍のMS開発部局の一部が自発的に進めていたプロジェクト名(G-P.A.R.T.S.)で、本来はパーツそのものではなく[[FSWS計画]]などと同様、MS=ガンダムの兵器としての発展を模索する包括的な研究全般を意味していた<ref>ただし、実際にこれを運用した[[ホワイトベース]]では本来の意味でそう呼ばれる事は殆どなかったらしく、「部品」と同じ綴りであり慣用句としてそれぞれのモジュールを指す言葉として扱われている。</ref>。G-P.A.R.T.S.計画に携わっていた技術者達はガンダムのさらなる発展を志向していたが、連邦軍は標準的なMSの早期適性配備を最優先課題として要請していた。しかし、ジオン軍の新型MSの開発サイクルが急激に早まった事と、[[ホワイトベース隊]]の「囮部隊」としての運用が決定したことを受け、MS単機のパワーアップが検討される事になった<ref>ガンダムとホワイトベースが置かれた状況は、敵に鹵獲される危険性がある反面、実戦によるトライアルには願ってもない条件が揃っており、「正規の職業軍人による運用ではない」という問題点こそあったものの、現実的には援軍すら派遣されない孤立無援の状態であるにも関わらず赫々たる戦果を上げ続けた事を奇貸として活用すべきとし、[[レビル]]将軍の強い意向もあって、ホワイトベース隊はV作戦を更に拡張した開発計画の一環として運用される事になった。</ref>。
<br/>Bパーツは4基のメインスラスター(熱核ハイブリットエンジンとされる)と主翼を備えた左右の補助推進ユニット(熱核ジェット/ロケットエンジン)、底部の4連装ミサイル発射管2基で構成されており、内部に無限軌道やガンダムのBパーツを収納できるスペースがある。補助推進ユニットは回転する事で状況に応じて前後に備える推進器の内、効率の良い方を選んで使用できる。
 
  
実際には製造から実戦配備までわずか2か月であったとされ、[[ホワイトベース]]隊に2機が配備。スレッガー機は[[ソロモン]]における[[ビグ・ザム]]との戦闘でコクピットを潰され大破、セイラ機は[[ア・バオア・クー]]攻略戦終盤で損傷・遺棄されている。
+
Gファイターはガンダムと連携した[[サブ・フライト・システム]]として立体的な戦闘能力をガンダムに付与する他、Gパーツはガンダムの各パーツと相互に組み合わせる事で様々なモードに形態を変え、更に多彩な戦術に対応する事が可能である。このため、Gパーツとガンダムをまとめて「ガンダム・システム」と呼ぶ場合もある。ガンダム・システムは[[コアブロックシステム]]を最小単位とする機動兵器の総合体系であり、陸、海、空、宇宙の各環境においてMSの適応進化を図るというものであった。既にザクのバリエーションが地球環境に適応拡散を果たしていたが、機体全体の改造や調整を必要とするバリエーショをその都度調達する時間的余裕は連邦軍にはなく、また既存の航空機や戦闘車両との置き換えや代替にMSを運用する際のノウハウ蓄積も必要であったため、MSが持つ能力の各要素そのものを分割して運用するという手法が採用された<ref>強力な火力を持つ大型砲や無限軌道など、RXシリーズの他の機体の各要素がGメカに分散して装備されているのもそういった理由がある。</ref>。
  
なお、本機は元々旧来のロボットアニメ戦略(合体変形機構の多用による玩具的な要素の付与)に基づいたスポンサーからの要請によって設定された機体であり、劇場版では代わりに[[コア・ブースター]]が設定され、「本機がホワイトベースに配備された」という事項は「異説」と呼ばれることもある。とはいえ後の作品やMSVには双方の派生機が登場しており<ref>双方の派生機が同時に登場する作品はほぼないため、その意味では整合性が取れているのかもしれない</ref>、完全になかったことにされたわけではない。
+
Gファイターはガンダムを搭載しない分軽量であるため、空戦能力も非常に高く、コクピットもコンピュータ以外は[[コア・ファイター]]のものとほぼ同等の機能を持ち、操縦及び火器管制が可能であった。また、主翼はモードによって前進翼または後退翼として機能する。構造強度と耐弾性はガンダムやシールドなどの最終装甲と同等であり、大気圏内での変形時の急激な応力変化にもびくともしない。メイン・スラスターは熱核ハイブリッドエンジンが生み出す膨大な推力によってガンダムを積んだままでも高速で移動する事が出来る他、低速飛行時には機体各所に設けられたサブスラスターによるV-TOL(垂直離着陸)及びS-TOL(短距離離着陸)が可能となる。
 
 
Gファイターの運用思想と実績は「モビルスーツに装着・合体できるサポートユニット」や「独立して運用できるサポートメカ」という新たな兵器ジャンルを生み出すこととなり、宇宙世紀の世界観の内外で類似する運用法をとるサポートメカが多数設定された。
 
  
 
== その他の運用形態 ==
 
== その他の運用形態 ==
 
;[[Gアーマー]]
 
;[[Gアーマー]]
 
;(GメカAパーツ+ガンダムAパーツ+コア・ファイター+ガンダムBパーツ+GメカBパーツ)
 
;(GメカAパーツ+ガンダムAパーツ+コア・ファイター+ガンダムBパーツ+GメカBパーツ)
:ガンダムをAパーツとBパーツの間にドッキングした姿。エネルギーを全てビームキャノンに回すため装弾数が増加するほか、この形態の時はガンダムは両手にシールドを保持することで腹部の防御と空力特性の改善を図る。分離(ボルトアウト)時は1枚のシールドを投棄していたが、後に2枚重ねにして運用するようになる。
+
:実戦において最も多用された形態。ガンダムをAパーツとBパーツの間にドッキングしたもので、ガンダムそのものを高速で前線に搬送する機能を持つ他、ガンダム本体のエネルギーゲインを援用する事で[[メガ粒子砲]]の連射や[[モビルアーマー]]並みの高速戦闘が可能となる。<br/>この形態の時はガンダムは両手にシールドを保持することで腹部の防御と空力特性の改善を図る。分離(ボルトアウト)時は1枚のシールドを投棄していたが、後に2枚重ねにして運用するようになる。なお、AパーツのカナードはGアーマーの飛行特性が「飛翔体」に近くなるため、高速領域での機体制御を行うために装備された。
 
;[[Gスカイ]]
 
;[[Gスカイ]]
 
;(コア・ファイター+ガンダムBパーツ+GメカBパーツ)
 
;(コア・ファイター+ガンダムBパーツ+GメカBパーツ)
:高速戦闘機形態。機体重量に比して推力が高く高い機動性を持つが、搭乗者の生存性や武装はコア・ファイターと大差ない。
+
:高速戦闘機形態。高速かつ長時間の運用が可能だが、武装がコア・ファイターに依存するため、攻撃力はさほど期待出来ない。
 
;[[Gスカイ・イージー]]
 
;[[Gスカイ・イージー]]
 
;(コア・ファイター+GメカBパーツ)
 
;(コア・ファイター+GメカBパーツ)
:GスカイからガンダムBパーツを抜いた状態。第25話のオデッサ作戦でガンダムが上部に乗るシーンがあるが、作画・設定考証ミスによりコア・ファイターがオーバースケールで描かれ、'''本来腹部に収まるはずのコア・ファイターにガンダムが乗る'''という事態が発生している。
+
:GスカイからガンダムBパーツを抜いた状態。<br/>第25話のオデッサ作戦でガンダムが上部に乗るシーンがあるが、作画・設定考証ミスによりコア・ファイターがオーバースケールで描かれ、'''本来腹部に収まるはずのコア・ファイターにガンダムが乗る'''という事態が発生している。
 
;[[Gブル]]
 
;[[Gブル]]
 
;(GメカAパーツ+ガンダムAパーツ+コア・ファイター)
 
;(GメカAパーツ+ガンダムAパーツ+コア・ファイター)
:重戦車形態。Aパーツの腹部装甲が無いためコア・ファイターが露出している。火器管制はコア・ファイターおよびGメカAパーツの双方から可能だが、後者の方が楽。ガンダムBパーツ側の出力補機類が無いためビームライフルは携帯しているが使用不可。
+
:重戦車形態。Aパーツの腹部装甲が無いためコア・ファイターが露出している。通常、操縦火コアブロックのコクピットから行うが、Gメカのコクピットでの運用も可能。また、運動性は低下するが宇宙空間でも運用出来ないことはない。<br/>ガンダムBパーツ側の出力補機類が無いためビーム・ライフルは携帯しているが使用不可。
 
;[[Gブル・イージー]]
 
;[[Gブル・イージー]]
 
;(GメカAパーツ+ガンダムAパーツ)
 
;(GメカAパーツ+ガンダムAパーツ)
:Gブルにコア・ファイターが付属しない状態。Gメカの機首側が正面になる。
+
:Gブルにコア・ファイターが付属しない状態。操縦はGメカのコクピットから行う。
 
;[[ガンダム+Bパーツ]](ガンダムMAモード)
 
;[[ガンダム+Bパーツ]](ガンダムMAモード)
 
;(ガンダムAパーツ+コア・ファイター+ガンダムBパーツ+GメカBパーツ)
 
;(ガンダムAパーツ+コア・ファイター+ガンダムBパーツ+GメカBパーツ)
:ガンダムの下半身にBパーツを装着した状態。第32話で[[ザクレロ]]の高機動戦闘に対抗するべく急遽換装された。機動力は向上しているものの、[[AMBAC]]制御が行えないため、運動性は低下している。
+
:ガンダムの下半身にBパーツを装着した状態。MS単体の場合に比べて推力が飛躍的に向上しているものの、[[AMBAC]]制御が行えないため、運動性は低下している。<br/>第32話で[[ザクレロ]]の高機動戦闘に対抗するべく急遽換装された。
  
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
;[[機動戦士ガンダム]] (TV版)
 
;[[機動戦士ガンダム]] (TV版)
:第23話で[[マチルダ・アジャン]]率いる[[ミデア]]の輸送部隊で[[ホワイトベース]]に届けられ、[[ド・ダイYS]]と[[グフ]]の連携で空中戦を仕掛ける襲撃部隊を撃退したのを皮切りにホワイトベースの強力な戦力となる(メタ的に言えば、たった2機のメカを登場させたことで味方メカの種類に大きく幅を持たせることに成功した)。
+
:初登場作品。第23話で[[マチルダ・アジャン]]率いる[[ミデア]]の輸送部隊で[[ホワイトベース]]に届けられ、[[ド・ダイYS]]と[[グフ]]の連携で空中戦を仕掛ける襲撃部隊を撃退したのを皮切りにホワイトベースの強力な戦力となる(メタ的に言えば、たった2機のメカを登場させたことで味方メカの種類に大きく幅を持たせることに成功した)。
:劇場版では代わりにコア・ブースターが登場したが、作画ミスで「めぐりあい宇宙」のワンシーンで登場してしまっている。これについて後年では両機種が同一世界に存在していたと後付けで設定されている。
+
:劇場版では代わりに[[コア・ブースター]]が登場したが、作画ミスで「めぐりあい宇宙」のワンシーンで登場してしまっている。これについて後年では両機種が同一世界に存在していたと後付けで設定されている。
 
;[[機動戦士ガンダム サンダーボルト]]
 
;[[機動戦士ガンダム サンダーボルト]]
 
:[[ア・バオア・クー]]にて[[ビリー・ヒッカム]]の[[サイコミュ高機動試験用ザク]]と交戦するほか、「砂鼠のショーン」にて[[陸戦型ガンダム (サンダーボルト版)|陸戦型ガンダム]]を搭載した機体が登場する。
 
:[[ア・バオア・クー]]にて[[ビリー・ヒッカム]]の[[サイコミュ高機動試験用ザク]]と交戦するほか、「砂鼠のショーン」にて[[陸戦型ガンダム (サンダーボルト版)|陸戦型ガンダム]]を搭載した機体が登場する。
75行目: 72行目:
 
== 装備・機能 ==
 
== 装備・機能 ==
 
=== 特殊機能 ===
 
=== 特殊機能 ===
;分離
+
;ガンダム・システム
:AパーツとBパーツに分離できる(それぞれ単体での運用は不可)。
+
:ガンダム及びGファイターを中核としたMSの総合体系。コア・ブロックを最小単位として各種環境におけるMSの適応進化を図るものであり、ガンダムとGファイターの各パーツを相互に組み合わせる事で様々なモードに形態を変え、更に多様な戦術に対応する。<br/>なお、Bパーツにガンダムの下半身を収納する際、上下どちらを向いても対応出来るようホールド及びコネクトシステムが構成されている。
;合体
+
;補助推進ユニット
:ガンダムと合体して[[Gアーマー]]になる。
+
:[[熱核ジェットエンジン]]/[[熱核ロケットエンジン]]とプロペラントタンクなどが一体化されたユニット。大気圏内では巡航時に効率のよい熱核ジェットとして機能し、SFSとして運用される際は、垂直尾翼が乗降の障害とならないよう回転し、MSの「足がかり」となる。<br/>このユニットの内部は先端と後端の双方がインテークまたはスラスターとして機能するよう設計されており、将来的には[[AMBAC]]機能の付与も想定されていたとされる。
 +
;キャタピラユニット
 +
:主にGブル/Gブル・イージー形態で仕様される陸戦用装備。Gメカの戦車的運用を可能とし、機能的には全ての形態時に使用が可能。<br/>車輪自体にリニアモーターが内装されており、必要に応じて動輪のクラッチを外し、ランディングにも対応可能な構造となっている。飛行時は車輪や履帯そのものはデッドウェイトとなるが、中央部のムーブモジュールはエネルギー経路組み換えのガイドやGアーマー形態時の構造補助に不可欠なユニットでもある。
  
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
;ビームキャノン
+
;[[メガ粒子砲]]
:機体前方に装備した大口径の2連装メガ粒子砲。ガンキャノンのビームライフル以上の出力を持ち、ガンダムのビームライフルの3倍(約45回)の連射が可能。
+
:Gファイターの主兵装。ガンダムの[[ビーム・ライフル]]を上回る威力を持ち、ガンダムとドッキングする事で出力向上や砲撃間隔の短縮が可能となる。
;ミサイル発射管
+
;ミサイル発射管(ノーズミサイル)
:機首に2連装1基(前部ミサイル)、Bパーツに4連装2基(後部ミサイル)を装備。
+
:機首に搭載された各種弾頭を射出可能なランチャーサイロ。戦況に応じてミサイルや魚雷を発射可能。
 +
;小型ミサイル・ランチャー
 +
:機体後部に内装された小型ミサイル。
  
 
== 対決・名場面 ==
 
== 対決・名場面 ==
115行目: 116行目:
 
;[[オーライザー]]
 
;[[オーライザー]]
 
:「ガンダムに合体できるサポートメカ」として他に設定された機体。
 
:「ガンダムに合体できるサポートメカ」として他に設定された機体。
 +
 +
;[[Gボンバー]]
 +
:『[[ガンダムビルドファイターズトライ]]』に登場する、本機をベースに爆撃機として製作された[[ガンプラ]]。
  
 
;[[スカイグラスパー]]
 
;[[スカイグラスパー]]

2024年10月30日 (水) 12:50時点における最新版

Gファイター
外国語表記 G Fighter
登場作品
テンプレートを表示
スペック
分類 重戦闘機兼ガンダムサポートメカ
型式番号 G-P.A.R.T.S.
全長 15.2mまたは26.5m
全幅 18.5m
本体重量 58t
主動力 熱核融合炉
最高速度 マッハ2.1
装甲材質 ルナ・チタニウム合金
開発組織 地球連邦軍
所属組織 地球連邦軍
所属部隊 ホワイトベース隊など
主なパイロット スレッガー・ロウ
セイラ・マス
ハヤト・コバヤシ、他
テンプレートを表示

概要[編集 | ソースを編集]

地球連邦軍が開発したガンダム用サポートメカ。ガンダムは元々RX計画の粋を凝らしたハイエンド機であった事もあり、C.F.V.開発計画ともリンクする遠大な構想が当初から立案されており、その一部を実現させたのがGファイターである。

ガンダムはその装甲強度や武装の威力などのスペック面においてジオン軍ザクを圧倒していたが、地上での運用においてはザクと同様、移動能力の低さという問題も抱えていた。モビルスーツ単独での移動能力の低さそのものはRX計画発動当時から指摘されていたが、移送に関してはガンペリーで対応可能と考えられていた。しかし、ガンペリーは移動速度が低く防御能力は脆弱であり、戦闘力を殆ど持たない事が指摘された他、ガンダムの実戦投入によってその他様々な問題も浮き彫りになっていき、さらなる改善の余地があることが判明していった。それを補うために開発されたのが「Gパーツ(Gメカ)」であり、GファイターはそのGパーツ単独で構成される戦闘機であった[1]

「Gパーツ」は元来、V作戦の進展に伴う連邦軍のMS開発部局の一部が自発的に進めていたプロジェクト名(G-P.A.R.T.S.)で、本来はパーツそのものではなくFSWS計画などと同様、MS=ガンダムの兵器としての発展を模索する包括的な研究全般を意味していた[2]。G-P.A.R.T.S.計画に携わっていた技術者達はガンダムのさらなる発展を志向していたが、連邦軍は標準的なMSの早期適性配備を最優先課題として要請していた。しかし、ジオン軍の新型MSの開発サイクルが急激に早まった事と、ホワイトベース隊の「囮部隊」としての運用が決定したことを受け、MS単機のパワーアップが検討される事になった[3]

Gファイターはガンダムと連携したサブ・フライト・システムとして立体的な戦闘能力をガンダムに付与する他、Gパーツはガンダムの各パーツと相互に組み合わせる事で様々なモードに形態を変え、更に多彩な戦術に対応する事が可能である。このため、Gパーツとガンダムをまとめて「ガンダム・システム」と呼ぶ場合もある。ガンダム・システムはコアブロックシステムを最小単位とする機動兵器の総合体系であり、陸、海、空、宇宙の各環境においてMSの適応進化を図るというものであった。既にザクのバリエーションが地球環境に適応拡散を果たしていたが、機体全体の改造や調整を必要とするバリエーショをその都度調達する時間的余裕は連邦軍にはなく、また既存の航空機や戦闘車両との置き換えや代替にMSを運用する際のノウハウ蓄積も必要であったため、MSが持つ能力の各要素そのものを分割して運用するという手法が採用された[4]

Gファイターはガンダムを搭載しない分軽量であるため、空戦能力も非常に高く、コクピットもコンピュータ以外はコア・ファイターのものとほぼ同等の機能を持ち、操縦及び火器管制が可能であった。また、主翼はモードによって前進翼または後退翼として機能する。構造強度と耐弾性はガンダムやシールドなどの最終装甲と同等であり、大気圏内での変形時の急激な応力変化にもびくともしない。メイン・スラスターは熱核ハイブリッドエンジンが生み出す膨大な推力によってガンダムを積んだままでも高速で移動する事が出来る他、低速飛行時には機体各所に設けられたサブスラスターによるV-TOL(垂直離着陸)及びS-TOL(短距離離着陸)が可能となる。

その他の運用形態[編集 | ソースを編集]

Gアーマー
(GメカAパーツ+ガンダムAパーツ+コア・ファイター+ガンダムBパーツ+GメカBパーツ)
実戦において最も多用された形態。ガンダムをAパーツとBパーツの間にドッキングしたもので、ガンダムそのものを高速で前線に搬送する機能を持つ他、ガンダム本体のエネルギーゲインを援用する事でメガ粒子砲の連射やモビルアーマー並みの高速戦闘が可能となる。
この形態の時はガンダムは両手にシールドを保持することで腹部の防御と空力特性の改善を図る。分離(ボルトアウト)時は1枚のシールドを投棄していたが、後に2枚重ねにして運用するようになる。なお、AパーツのカナードはGアーマーの飛行特性が「飛翔体」に近くなるため、高速領域での機体制御を行うために装備された。
Gスカイ
(コア・ファイター+ガンダムBパーツ+GメカBパーツ)
高速戦闘機形態。高速かつ長時間の運用が可能だが、武装がコア・ファイターに依存するため、攻撃力はさほど期待出来ない。
Gスカイ・イージー
(コア・ファイター+GメカBパーツ)
GスカイからガンダムBパーツを抜いた状態。
第25話のオデッサ作戦でガンダムが上部に乗るシーンがあるが、作画・設定考証ミスによりコア・ファイターがオーバースケールで描かれ、本来腹部に収まるはずのコア・ファイターにガンダムが乗るという事態が発生している。
Gブル
(GメカAパーツ+ガンダムAパーツ+コア・ファイター)
重戦車形態。Aパーツの腹部装甲が無いためコア・ファイターが露出している。通常、操縦火コアブロックのコクピットから行うが、Gメカのコクピットでの運用も可能。また、運動性は低下するが宇宙空間でも運用出来ないことはない。
ガンダムBパーツ側の出力補機類が無いためビーム・ライフルは携帯しているが使用不可。
Gブル・イージー
(GメカAパーツ+ガンダムAパーツ)
Gブルにコア・ファイターが付属しない状態。操縦はGメカのコクピットから行う。
ガンダム+Bパーツ(ガンダムMAモード)
(ガンダムAパーツ+コア・ファイター+ガンダムBパーツ+GメカBパーツ)
ガンダムの下半身にBパーツを装着した状態。MS単体の場合に比べて推力が飛躍的に向上しているものの、AMBAC制御が行えないため、運動性は低下している。
第32話でザクレロの高機動戦闘に対抗するべく急遽換装された。

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダム (TV版)
初登場作品。第23話でマチルダ・アジャン率いるミデアの輸送部隊でホワイトベースに届けられ、ド・ダイYSグフの連携で空中戦を仕掛ける襲撃部隊を撃退したのを皮切りにホワイトベースの強力な戦力となる(メタ的に言えば、たった2機のメカを登場させたことで味方メカの種類に大きく幅を持たせることに成功した)。
劇場版では代わりにコア・ブースターが登場したが、作画ミスで「めぐりあい宇宙」のワンシーンで登場してしまっている。これについて後年では両機種が同一世界に存在していたと後付けで設定されている。
機動戦士ガンダム サンダーボルト
ア・バオア・クーにてビリー・ヒッカムサイコミュ高機動試験用ザクと交戦するほか、「砂鼠のショーン」にて陸戦型ガンダムを搭載した機体が登場する。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

特殊機能[編集 | ソースを編集]

ガンダム・システム
ガンダム及びGファイターを中核としたMSの総合体系。コア・ブロックを最小単位として各種環境におけるMSの適応進化を図るものであり、ガンダムとGファイターの各パーツを相互に組み合わせる事で様々なモードに形態を変え、更に多様な戦術に対応する。
なお、Bパーツにガンダムの下半身を収納する際、上下どちらを向いても対応出来るようホールド及びコネクトシステムが構成されている。
補助推進ユニット
熱核ジェットエンジン/熱核ロケットエンジンとプロペラントタンクなどが一体化されたユニット。大気圏内では巡航時に効率のよい熱核ジェットとして機能し、SFSとして運用される際は、垂直尾翼が乗降の障害とならないよう回転し、MSの「足がかり」となる。
このユニットの内部は先端と後端の双方がインテークまたはスラスターとして機能するよう設計されており、将来的にはAMBAC機能の付与も想定されていたとされる。
キャタピラユニット
主にGブル/Gブル・イージー形態で仕様される陸戦用装備。Gメカの戦車的運用を可能とし、機能的には全ての形態時に使用が可能。
車輪自体にリニアモーターが内装されており、必要に応じて動輪のクラッチを外し、ランディングにも対応可能な構造となっている。飛行時は車輪や履帯そのものはデッドウェイトとなるが、中央部のムーブモジュールはエネルギー経路組み換えのガイドやGアーマー形態時の構造補助に不可欠なユニットでもある。

武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

メガ粒子砲
Gファイターの主兵装。ガンダムのビーム・ライフルを上回る威力を持ち、ガンダムとドッキングする事で出力向上や砲撃間隔の短縮が可能となる。
ミサイル発射管(ノーズミサイル)
機首に搭載された各種弾頭を射出可能なランチャーサイロ。戦況に応じてミサイルや魚雷を発射可能。
小型ミサイル・ランチャー
機体後部に内装された小型ミサイル。

対決・名場面[編集 | ソースを編集]

関連機体[編集 | ソースを編集]

ガンダム
支援対象。
ガンタンク / ガンキャノン / コア・ファイター
V作戦で開発された関連機。
コア・ブースター
諸事情あって設定された代替機。
ジム (サンダーボルト版)
陸戦型ガンダム (サンダーボルト版)
『サンダーボルト』でドッキング、Gアーマーとして運用される。
プロトGファイター
Gファイター宇宙型
Gファイター強襲揚陸型
Gファイター爆撃型
汎用型Gファイター
GファイターII
派生型。
フルドド / フルドドII
Gディフェンサー
Gファルコン
GNアームズTYPE-EGNアームズTYPE-D
オーライザー
「ガンダムに合体できるサポートメカ」として他に設定された機体。
Gボンバー
ガンダムビルドファイターズトライ』に登場する、本機をベースに爆撃機として製作されたガンプラ
スカイグラスパー
『SEED』における本機のオマージュ。

商品情報[編集 | ソースを編集]

ガンプラ[編集 | ソースを編集]

フィギュア [編集 | ソースを編集]

リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 「Gメカ」の名称は「G-MECHA=G-Multiple Expansion of Changeable Armament」の略称であるとする説があり、「(ガンダム用)多目的拡張可変武装(群)」を意味する。また、「Gパーツ」も「G-Practical Advanced Research for Tactical System」の略称であり、「(ガンダムを中核とする)戦術システムのための実用的先端研究」を意味していた。
  2. ただし、実際にこれを運用したホワイトベースでは本来の意味でそう呼ばれる事は殆どなかったらしく、「部品」と同じ綴りであり慣用句としてそれぞれのモジュールを指す言葉として扱われている。
  3. ガンダムとホワイトベースが置かれた状況は、敵に鹵獲される危険性がある反面、実戦によるトライアルには願ってもない条件が揃っており、「正規の職業軍人による運用ではない」という問題点こそあったものの、現実的には援軍すら派遣されない孤立無援の状態であるにも関わらず赫々たる戦果を上げ続けた事を奇貸として活用すべきとし、レビル将軍の強い意向もあって、ホワイトベース隊はV作戦を更に拡張した開発計画の一環として運用される事になった。
  4. 強力な火力を持つ大型砲や無限軌道など、RXシリーズの他の機体の各要素がGメカに分散して装備されているのもそういった理由がある。