フルアーマーΖΖガンダム
フルアーマーΖΖガンダム | |
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外国語表記 | Full Armor ΖΖ Gundam |
登場作品 | 機動戦士ガンダムΖΖ |
デザイナー | 明貴美加 |
スペック | |
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分類 | 試作型モビルスーツ |
生産形態 | 試作機 |
型式番号 | FA-010S |
頭頂高 | 19.86m |
全高 | 23.14m |
本体重量 | 32.7t |
全備重量 | 87.2t |
主動力 | 熱核融合炉 |
ジェネレーター出力 | 7,860kW |
スラスター総推力 | 124,800kg |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
センサー有効半径 | 16,200m |
素体 | 強化型ΖΖガンダム |
開発組織 | アナハイム・エレクトロニクス社 |
所属組織 | エゥーゴ |
所属部隊 | ガンダムチーム |
母艦 | ネェル・アーガマ |
主なパイロット | ジュドー・アーシタ |
概要
ΖΖガンダムにオプションとして用意された追加装甲システムを装備した形態。この追加装甲はΖΖの持つMSとしてのポテンシャルを最大限に発揮させるための有る得べきスタイルであり、開発当初から設計に盛り込まれていた。追加装甲はFAZZの運用結果からのフィードバックを受け、更に改良されたプランに基づいて開発されており、その際にΖΖガンダム本体の改良も懸案となり、コードナンバーもMSZ-010Sに変更されている。
宇宙世紀0087年、エゥーゴが推進したΖ計画によって誕生したΖΖガンダムは、当時最強の機体と呼べるスペックを達成したものの、問題が皆無だったわけではなく[1]、性能の要求値はインフレーションを起こし、多機能化や武装の強化はもとより、ジェネレーターの高出力化に伴ってMSの機体そのものは恐竜的に巨大化していった。ΖΖはそれらのファクターを高いレベルで、しかし危ういバランスで成立させた強力なMSであったものの、2機のコア・ファイターはMS形態時に余剰パーツとなる上、ドッキングの際の接合部が致命的に脆弱だった。分離変形による戦術の選択肢の拡大は確かに有効であったが、MS単体としての機能を考えた場合、ΖΖはシステムとして複雑になりすぎたとも言える。また、最大出力での稼働時間も短く、整備性も劣悪であり、それらの問題を解決するために考案されたのが追加装甲システムである。
ΖΖは「ガンダムの復活」をコンセプトにシステムとしてのガンダムをリファインする目的を持っており、単機によるガンダム(Gメカなどのオプション兵装を含む)の再現を指標としていた。いわゆるフルアーマーオペレーションも当然再現すべきファクターであり、装甲や武装の追加による機能向上は、一年戦争以降のMS開発者にとって既に至極スタンダードな手法となっていたが、ΖΖは機体そのもののブロック化によって非常にシステマティックな構造を採用し、運用方針による仕様変更(非変形バージョンなど)も当初から想定され、単機能のMSとしての運用に限定すれば、ある意味でFA化された状態がΖΖガンダムの完成形と言えた。
ΖΖガンダムのボディユニットはドッキング部位の構造的脆弱さがウィークポイントであり、戦術的な広範さを獲得するために敢えてその構造を採用していたが、ネオ・ジオン製MSに搭載される火力の向上ペースは凄まじく、具体的な対抗策を講じる必要が生まれていた。ΖΖのFA化において重視されたのは、追加装甲による乾重量の増加があっても機動力を損なわないことであり、胸部増加装甲そのものは基本的にガンダリウムコンポジットを多用したスペースド・アーマーとなっていた。装甲のその空間そのものもマイクロミサイルポッドやプロペラントタンク、またはスラスターなどに有効利用されている。腹部には本体頭部とほぼ同出力のハイ・メガ・キャノンが装備され、胸部にはマイクロミサイルとセンサーを搭載。また、高出力のビーム兵器への対抗策として、短時間であれば胸部全面にIフィールドを展開することも可能であったとされている。
FA化に際し、腕部は火器のプラットホームとして、脚部は多くの空間戦闘用MSと同様に巨大なベクタードノズルとして単機能化されている。脚部の増加装甲は構造的にスラスターとプロペラントのコンフォマーブルタンクを内蔵したスペースド・アーマーとして固定され、本体のかどう部分を保護するようデザインされている。腕部はウイングシールドが基部ごとミサイルポッドやダブルビーム・ライフルのジョイントと換装され、肩部にもミサイルポッドと追加スラスターが装備されている。特筆すべきなのは、これらの装備を追加したにも関わらず、四肢は通常と同様のスペックを発揮しており、慣性重量が増加している文、本来各部のレスポンスは低下してしまう筈だが、フルアーマーΖΖの運動性はノーマル状態とほとんど変化がなかったと言われている。
登場作品と操縦者
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- 初登場作品。第一次ネオ・ジオン抗争の終盤に投入され、ハマーン軍に協力してグレミー軍を攻撃、ラカン・ダカランのドーベン・ウルフを撃破している。アクシズ内部での戦闘ではクィン・マンサと交戦してグレミーから離反したプルツーを保護し、大破したΖガンダムとガンダムMk-IIからルーとエルを回収して離脱。その後のハマーンとの戦いでは追加装備を全て外した状態で出撃している。
装備・機能
特殊機能
- 耐ビームコーティング
- 装甲の表面に施されたコーティングで、フッ素樹脂をネマティック状にして幾重にも塗り重ねている。数秒間ならばビームの直撃をも無効化できるが、3秒を越えると溶けだすとされる。
アストナージがグレミー軍との戦闘前に施している。 - Iフィールド・ジェネレーター
- 高出力ビーム兵器への対抗策として採用された対ビームバリア。胸部追加装甲内に発生装置を内蔵しているとされ、ボディ部分の前面に短時間ながら展開可能とされる。
- バイオセンサー
- 機体各部に分散配置された簡易型サイコミュシステム。パイロットからの脳波を受信して操縦の補助や機体の追従性を向上させる。
武装・必殺攻撃
- ダブル・バルカン
- 頭部左右2門ずつ内蔵されているバルカン砲。頻繁な機材のアップデートによって搭載位置は一定しておらず、戦闘でも使用されていない。
- ダブル・ビーム・ライフル
- 右腕部に固定装備されている連装式の高出力ビーム・ライフル。メガ・バズーカ・ランチャーに匹敵する威力を持ちながらも連射が可能。FA化に際して、このモジュールはコネクタージョイントを介して腕部の固定武装となり、さらなる連射が可能となっている。
- ハイパー・ビーム・サーベル / ダブル・キャノン
- バックパックに2基装備されている高出力ビーム・サーベル。ビームキャノンの砲身を兼ねる為サーベルグリップというより大きな筒を振り回す様な状態になっている。従来の1.5倍のサイズのビーム刃を形成可能であり、大型MSを両断できる程の火力を誇っている。
- 18連装2段階ミサイル・ランチャー
- バックパック上部左右に2基装備されているミサイル・ランチャー。ΖΖの21連装ミサイル・ランチャーから換装されている。
- ハイ・メガ・キャノン
- 額部に発射孔を有する頭部内蔵式の高出力ビーム砲。バックパックのジェネレーターブロックと直結した専用回路を経由し、メガコンデンサに爆発寸前まで充填した高エネルギー状態のメガ粒子を一挙に放出する。50MWもの出力を誇り、一説にはコロニーレーザーの20%に匹敵するとされており、一撃で多数の目標を撃破できる火力を有する。
追加装備
- 胸部ミサイル・ポッド
- 胸部の追加装甲内にAMA-09Sミサイルを16発、AMA-13Sミサイルを4発格納している。また追加装甲にはミサイル用のセンサーも内蔵されている。
- 左腕部ミサイル・ポッド
- 左腕部に追加されているミサイル・ポッド。装弾数は8発。弾種はAMA-09Sミサイルであり、これはコア・ファイターに装備されているのと同じ物である。ドーベン・ウルフに対して使用した際は、命中こそしたものの大したダメージを与えられなかった。
- スプレー・ミサイル・ランチャー
- 両肩部に装着されている6連装ミサイル・ランチャー。
- 腹部ハイ・メガ・キャノン
- 腹部の追加装甲内に1門内蔵されている大出力メガ粒子砲。頭部ハイ・メガ・キャノンと同程度の威力を持つが、消耗度もほぼ同等で、一度の戦闘で一回の使用が限界であるとされる。エネルギーはバックパック内のジェネレーターから供給される。
- ハイパー・メガ・キャノン
- フルアーマーΖΖガンダムのオプションとして用意された大型ビーム砲。出力79.8MW。いわゆる強化型ΖΖガンダムの主武装として考案されていたもので、当時の標準的な宇宙艦艇の主砲並みの威力を持つ。ハイパー・メガ・キャノンは頭部はい・メガ・キャノンの約60%増しの威力を持ち、当時のネオ・ジオンの重武装MSの火力に十二分に対抗し得る火力を持ち、しかも数秒のインターバルでの連射も可能であったという。しかし、ネェル・アーガマに配備された機体が実戦においてこの武装を使用したかどうかは定かではない。
対決・名場面
関連機体
- 強化型ΖΖガンダム
- 素体。
- FAZZ
- フルアーマーシステムの評価試験機。
- スーパーGフォートレス
- 本機とは異なる強化プラン。こちらは制式採用されていない。
- シータプラス
- シータプロジェクトの集大成として開発された機体。本機のデータも反映されている。
商品情報
ガンプラ
フィギュア
リンク
脚注
- ↑ 元々、当時のMS開発状況は混沌としており、多種多様なコンセプトが乱立しており、開発現場では本来なら相反する要素を比較検討してすり合わせ、その「落とし所」を模索する作業と化しており、ΖΖもその最先端を疾走していた。