ガンダムMk-III

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ガンダムMk-III
外国語表記 Gundam Mk-III
登場作品 Ζ-MSV
デザイナー
  • 藤田一巳 (デザイン)
  • ときた洸一 (色指定)
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スペック
分類 汎用試作型モビルスーツ
型式番号 MSF-007
頭頂高 19.5m
全高 22.0m
本体重量 32.1t
全備重量 48.2t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 2,022kW
スラスター総推力 107,500kg(87,500kgとする資料もある)
装甲材質 ガンダリウム合金
センサー有効半径 11,500m
開発組織 アナハイム・エレクトロニクス社
所属 エゥーゴ
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概要[編集 | ソースを編集]

アナハイム・エレクトロニクス社が、エゥーゴティターンズから奪取したガンダムMk-IIを解析し、そのデータを基にフジタ博士が中心となって開発した発展機。機体コードの「F」はフジタのイニシャルを表すとされている。

Mk-IIに採用されていた各種技術は画期的なものが多く、当時アナハイムが推進していたΖ計画に多大な影響をもたらした。特にムーバブルフレーム関連の概念や技術に魅了されたフジタ博士は、Mk-IIが指向していたであろう[1]コンセプトを更に推し進め、独自の発展的改良を加えて開発された。各部にガンダリウムγを積極的に導入する事でいくつかの脆弱性を改善し、構造の単純化やパーツ単位でのブラッシュアップを加え、自身の持つ技術を横断的に採用する事によって、軽量化やレスポンスの改善などが促され、ムーバブルフレームはより人体に近い挙動の再現が可能となった。

ジェネレーターや各種武装も新規に与えられたこの機体は、「人体の模倣」という点において、Mk-II以上の完成度を持つと言われる程のスペックを獲得するに至った。

バックパックに設置されたアクティブスラストバインダーはΖガンダムのロング・テールスタビライザーと百式のフレキシブルバインダーを組み合わせたような機能を持ち、バックパックのメインスラスターと組み合わせる事で機体の運動性を最大限に活かした高い機動性を発揮した。特に近接戦闘時の挙動は、武術や剣技の達人さながらで、あたかも騎士であるかの様な華麗さを兼ね備えていたという証言も残されている。

頭部はバルカン砲に代わりビーム・キャノンと連動した独自のシーカーデバイスを搭載。外見はΖガンダムに採用された部材を多く使用している為、所謂「Ζ系」の顔立ちをしている[2]

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

Ζ-MSV
出典元。詳細は不明だが、一説にはこの時期は第3世代である可変モビルスーツの全盛期だった為、設計段階で開発が中止されたと言われる。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

特殊機能[編集 | ソースを編集]

換装
Mk-IIIは強化プランとしてフルアーマー化が計画されており、増加装甲の追加が可能。
アクティブスラストバインダー
バックパック左右に装備された、百式のウイングバインダーとΖガンダムのロングテール・スタビライザーを組み合わせた機構を持つユニット。バックパックのメインスラスターと併用する事で、優れた運動性と高い機動性を発揮した。

武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

ビーム・ライフル
百式およびMk-IIと同型のEパックを使用可能なデュアルサプライシステムを試験的に採用した専用ビーム・ライフル。2系統のメガ粒子キャパシタを組み合わせたビームドライブ機構を併用する事で出力を変更、例えば一射でエネルギーを使い果たす様な運用法も想定されていた。
ビーム・キャノン
背部に二基搭載したビーム・キャノン。バックパックに大容量のエネルギーCAPとアクセラレーターを組み合わせたビームレギュレーターデバイスを備え、最大出力で連射しても機体がエネルギーダウンしないよう配慮されている。また、専用の照準システムにより、パイロットはトリガー操作のみに集中出来る。なお、一部資料[3]には砲身を取り外し手に持つ事でビーム・サーベルとしての使用が可能との記述が見られる。
専用シールド
本体の装甲材と同じ組成のガンダリウム合金を採用した専用シールド。裏側にEパックをマウントして携行する事が出来る他、表面に専用ビーム・サーベルを備える。ネモ系に採用されていた部材を使い、機体とのバランスに配慮して設計されている。
ビーム・サーベル
シールドの表面に2基マウントされている専用の近接白兵武装。手に持っての使用の他、シールドに装着した状態でもドライブが可能。

対決・名場面[編集 | ソースを編集]

関連機体[編集 | ソースを編集]

別仕様・装備バリエーション [編集 | ソースを編集]

ガンダムMk-III 8号機
数機開発されたガンダムMK-IIIの1機。シャアが搭乗することを目指していたため機体カラーが赤色となっている。
フルアーマーガンダムMk-III
追加装甲を装着したガンダムMk-III。

系列機・派生機など [編集 | ソースを編集]

ガンダムMk-II
ベース機。
ガンダムMk-IV
ガンダムMk-IIIの設計データを極秘裏に入手したティターンズオーガスタ研究所に開発させた機体。

技術的関与のある機体 [編集 | ソースを編集]

Ζガンダム / 百式
アクティブスラストバインダーはロング・テールスタビライザーとフレキシブルバインダーの機能を併せ持っている。
また頭部の部材はΖから流用している。
デルタガンダム
百式の前段階の機体。ビーム・ライフルはこの機体に使用されているBR-M-87系列に属する物を採用している。
ネモ
エゥーゴの量産型MS。シールドの部材はこの機体の系列で採用されている物が流用されている。

その他 [編集 | ソースを編集]

ガンダムテルティウム
ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』に登場する本機のビルドカスタム機。「テルティウム」はラテン語で「3」を意味する。更なる改造機としてガンダムゼルトザームガンダムアドバンスドテルティウムが存在する。

余談[編集 | ソースを編集]

  • 本機は月刊OUTに掲載された藤田氏デザインの「アドバンスドガンダム」を基にしており、アレンジしてB-CLUB誌上で『Ζ-MSV』として発表したのが本機である。
  • 「ガンダムMk-III」という機体は本機の他にも「ハーピュレイ」や「イグレイ」と呼ばれる機体が存在する。これらは月刊モデルグラフィックスやその別冊『PROJECT Ζ』『MISSION ΖΖ』で発表されたオリジナルの作例であり、公式ではない(先に発表されたのはこの2機であり、『Ζ-MSV』版はその後に発表された)。
    • 「RX-272 ガンダムMk-IIIハーピュレイ」はグリプスにおいてティターンズが対Ζガンダム用として開発した高機動機体で、作戦に応じて装備を換装する可変機。Mk-IIに見切りをつけたフランクリン・ビダンによって新たに設計され、彼の死後は別の担当者によってギャプランの研究データを参考に大幅な設計変更が加えられている。
      「ハーピュレイ」は2号機の愛称であり、他に1号機「フリーア」と3号機「デュライ」が存在する(正式名称は「ガンダムMk-III」)。これらはデータ収集の為に全て異なる装備と愛称が与えられているとされ、3号機はウェイブライディング・ボートによる大気圏突入が可能。装甲材に使用しているガンダリウムβの精錬に限界があり(装甲材はガンダリウムβではなくチタン・セラミック複合材と表記されている事もある)、この時点ではまだガンダリウムγの技術をティターンズが持っていなかった為に性能が想定を下回ってしまい、結局制式採用はされなかった。
    • 「RX-166 ガンダムMk-IIIイグレイ」は当初「地球連邦正規軍によって開発されたMk-IIの機能強化型」という設定だったが、『MISSION ΖΖ』ではティターンズ・ガンダムの1機として紹介されている。
      Mk-IIのフレームが持つポテンシャルの高さに注目したキリマンジャロ基地の開発グループがグリプスから設計図を取り寄せて造っていた機体で、複製したフレームに宇宙戦に特化した高機動型スラスターユニットを装着している。装甲にはガンダリウムγを採用した事でMk-IIよりも本体重量が軽量化され、オプション武装のペイロードが増加した。出力も強化されている。開発中に生産配備を却下され、更に基地がカラバの攻撃を受けた事で試作機、設計データ共に失われたとされる。なお「イグレイ」は愛称で、こちらも正式名称は「ガンダムMk-III」。先行して開発されていたRX-272と機体名が被ってしまっているが、あちらも軍の承認は得られていないので問題は無いとされている。
      ちなみに、この機体のデザインもアドバンスドガンダムが基になっている。
    • 更にこの他にも数機の「ガンダムMk-III」が存在する。
  • SDガンダム外伝』に登場する騎士ガンダムはガンダムMk-IIIをモチーフとしてデザインしているとされる。

商品情報[編集 | ソースを編集]

ガンプラ[編集 | ソースを編集]

フィギュア[編集 | ソースを編集]

リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. Mk-IIのフレームはまだ成熟しきったものではなく、素材による強度不足の問題も指摘されており、改良の余地を残していた。
  2. これは単に調達の問題であったとされているが、詳細は不明。
  3. 双葉社「モビルスーツ全集7 Z計画&アナハイム・エレクトロニクス社製モビルスーツBOOK」など