ザクIIS型

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ザクIIS型
外国語表記 Zaku II S
Zaku II Commander Type
登場作品
デザイナー 大河原邦男
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スペック
分類 汎用量産型モビルスーツ
生産形態 少数生産機
型式番号 MS-06S
頭頂高 17.5m
本体重量 56.2t
全備重量 74.5t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 976kW
スラスター総推力 51,600kg
装甲材質 超硬スチール合金
センサー有効半径 3,200m
開発組織 ジオニック社
所属 ジオン公国軍
主なパイロット ダグ・シュナイド
ノイエン・ビッター
ジオン兵
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概要 [編集 | ソースを編集]

ジオニック社が開発したザクIIF型の総合性能向上型。主に指揮官向けに配備されたことから「指揮官用ザク」と呼称されることもあるが、これはあくまで通称で正式な名称ではない。

S型はF型に不満を持った練度の高いパイロットの要望に応じて開発されたモデルであり、主に機動性能の向上が図られている。一年戦争が本格化する前のジオン公国軍は機能より生産性の向上を重視する傾向にあったため、S型はF型からエクステリアの大規模な変更を実行することなく性能を向上させる、という制約の中で開発する必要があった。そのため既に試案として提出されていたR型の設計思想に基づいた機体を、F型の生産設備で建造する、という手法を用いて生産されることとなった。

機動性を向上させるためにランドセルや脚部に新設計のスラスターユニットを採用し、その周りの冷却システムや燃焼システム等も新型に対応した物に換装されている。これによりスラスターが大型化し、推力は30%の向上を果たすこととなった。それに合わせて内部の各種構造材にはF型と異なる特殊な素材が用いられ、強化されたスラスターの熱やGに耐えられる仕様に変更。装甲材の組成や構造もより改善され、自重の軽量化がなされている。ジェネレーターのチューンナップにより流体パルスシステムのトルクも向上し、レスポンスを初めとする動力系全体が強化された。加えて軽量化によりジェネレーターへの負荷が減り、パワーレイトウェシオも飛躍的に向上している。

推力の向上に伴い燃料積載量の増加が図られており、プロペラントタンクの増大に伴い大腿部の形状が変更されている。F型の基礎フレーム自体は変更されていないため大きく変わってはおらず、可動に支障がでないように動力パイプのターミナルや装甲厚の削減、タンク形状の調整などが行われている。そのため外見的には外径が若干異なる程度で、F型から大きく変わってはいない。なおこの変更でも燃料搭載量の増加は要求値を満たすことなく完成に至り、機動性の向上と引き換えに稼働時間がF型から短縮したと言われている。だがこれは、戦闘時におけるスラスターの使用頻度が上がることによる誤解であり、実際には戦闘時間は各自に拡大されている。

他にも燃料積載量を増加するための措置が取られており、空間の確保のため各種の自動制御用のパーツなどが削減されている。無論、それに代わる装置に置換されているため稼働に支障はなく、逆に熟練パイロットには不要な多くのリミッターをオフラインにすることが可能となった。極端に言えば、機体の構造限界まで機能させることができるようになったということで、充分な技量を持つパイロットからは高い評価を得ることとなった。逆に代わる装置が有るとはいえ、F型で重視されていた操縦性は犠牲となっており、不慣れなパイロットではまともに操縦することができないと言われている。他にもインターフェースやドライバソフトなどもF型の規格に準拠しながら微調整が可能なように更新されており、その中でも脚部を1つのスラスターユニットとして扱うアプリケーションは高い技能を持つパイロットから好評であったとされている。

主に中隊指揮官以上のパイロットに配備することを前提としていたため、頭部にブレードアンテナが標準装備されているのが特徴である。F型と同様に重力下での運用も想定していたため、特に換装することなく宇宙と地上の双方に対応しており、優れたパイロットであれば強化された推力と軽量化により、F型に倍する機動性を発揮したと言われている。だが流石に重力下におけるトータルでの稼働時間は短く、地上での総合性能はJ型の方が優秀であったとされる。

S型はFS型と同様に新鋭機の機密保持の観点から、全てジオン本国でF型の生産ラインで製造されており、開戦初期まではF型として運用するなどの情報操作も行われていた。その生産数は約100機で、エースパイロット用の機体としては多い生産数となっている。その中にはR型の開発を見越してR型用の部材を試験的に採用し、データ収集を行っていた機体も存在したという説がある。このことから一部ではS型がR型の先行試作機とも呼ばれており、機動性向上のための技術開発の実戦投入試験機としての側面を持つ機体であったともしている。

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

ガンダムセンチュリー
出典元。『1st』に唯一指揮官機として登場したシャア専用ザクIIに対し、より詳細な設定を付与するため設定された。以降、公式設定にも用いられるようになる。
機動戦士ガンダム (劇場版)
『ガンダムセンチュリー』発行直前に公開された1作目で配布されたパンフレットのシャア専用機の説明文に「型式MS-06(S)」と記載されている。3作目「めぐりあい宇宙」ではア・バオア・クー攻防戦の新規作画シーンにブレードアンテナ付きのザクIIが数秒登場しているが、公開当時にザクIIの機種毎の公式設定が存在していないため、F型の隊長機かS型かは不明。
MSV
黒い三連星の過去の搭乗機の1つとして文字設定が設けられており、チームカラーもこの機体に用いられたのが最初となっている。
機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY (小説版)
ノイエン・ビッターの搭乗機としてザクIIF2型の代わりに本機のカスタム機が登場した。
ガンプラ
「MG シャア・アズナブル専用ザクII (旧版)」において、オリジナルデザインとして脚部スラスターが造形されており、後出の量産型ザクとは背部バーニア・脚部スラスターが異なる形状となっている。以降、S型の特徴として後の各媒体でも形状を変えつつ反映されている。
MSV-R
『MSV』では文字設定のみで主にゲーム作品や漫画作品などに登場していた黒い三連星専用機に、新規デザイン・武装などの追加設定が設けられた。
また、ジョニー・ライデンロバート・ギリアムギャビー・ハザードなど、それぞれの専用機が新規追加された。
機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク
ダグ・シュナイドの初期機体として登場。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

ザク・マシンガン
口径120mmの大型機関砲で、最も多く使用された主兵装。上部に装填する大型のドラムマガジン(厳密にはパンマガジンといったほうが正しい)が特徴で、スコープや銃身下部のフォアグリップによって高精度の射撃ができる。連邦製のジムやボール、軍艦のブリッジさえ数発で撃破できる威力があるが、シールドやガンダムの装甲を貫通することはできない。対空戦闘に使用できるほどの連射性や銃床による格闘戦ができるほどの耐久性も備えており、グフやドムなど他のMSが使用した例もある。
ザク・バズーカ
口径は280mm。元々は対艦用のロケットランチャーで、ザク・マシンガンより高い攻撃力が求められる敵に対して使用する。
ヒート・ホーク
近接戦闘用の格闘兵装。不使用時は左腰に携帯していることもある。文字通り刃の部分が高熱化することで高い破壊力を発揮する斧型の武器で、刃はプラズマ化するためビーム・サーベルとの打ち合いが可能。ガンダムジムルナ・チタニウム合金製シールドを割ることができるなど、直撃すれば大きなダメージを与えられる。
シールド
右肩部に固定装備されているシールド。F型が装備する物とほぼ同等品。

対決・名場面など[編集 | ソースを編集]

関連機体[編集 | ソースを編集]

パーソナルカスタム機 [編集 | ソースを編集]

シャア専用ザクII
本機の内、シャア・アズナブルの専用機。S型を代表する機体である。
ザクII (黒い三連星・ガイア中尉機)
チームカラーである黒を基調として塗装された黒い三連星ガイア専用機。他のメンバーも同じ色のS型である。
ザクII (ジョニー・ライデン大尉機)
パーソナルカラーの紅を基調として塗装されたジョニー・ライデン専用機。
ザクII (ロバート・ギリアム中佐機)
パーソナルカラーのスカイブルーを基調として塗装されたロバート・ギリアム専用機。
ザクII (ギャビー・ハザード少佐機)
パーソナルカラーのブラウンとブラックのツートンで塗装されたギャビー・ハザード専用機。
釈由美子専用ザクII
ピンク色に塗装された釈由美子の専用機。

派生機など [編集 | ソースを編集]

ザクIIF型
ベース機。
ザクIIFS型
本機が開発されるまでの繋ぎとしてF型をベースに開発された機種。
ヴィッシュ・ドナヒュー専用ザクII
FS型をベースにS型と同様の脚部スラスターが増設されている。

商品情報[編集 | ソースを編集]

フィギュア [編集 | ソースを編集]

リンク[編集 | ソースを編集]