ザックトレーガー

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ザックトレーガー (Sackträger)[編集 | ソースを編集]

∀ガンダム』に登場する宇宙往還システム。

ドイツ語で「ミノムシ」を意味する巨大構造物であり、「天の階段」「天のミノムシ」「アデスの枝」などとも呼ばれている。現実世界においても提唱されているロータベータ (回転紐) という回転式軌道エレベーターであり、中心点となるセンターハブとそこから伸びる長大なバトンの両端にある樽状のドック「スクープバレル」で構成されている。バトンは8,500km(8,000kmとも)にも渡る長さを誇り、その姿は僅かな光の筋として地上から見る事ができる程。

地球から見た時に垂直方向に回転しながら衛星軌道を巡っており、スクープバレルが最も地球に近づいた時には高度100km程度となる。そして地球の低軌道上の宇宙船をタイミング良くすくい上げ、回転運動を使って地球から最も離れた高度8,100km程で月へと打ち出す低コスト質量射出システムとなっている。

ロータベータの特性として、射出後に失われた運動エネルギーは宇宙から帰還する際にザックトレーガーに返還されるため、地球と宇宙の間に一定の行き来があればエネルギーを殆ど使わずに済む事になる。ただ、長期にわたって使用されなかった場合、構造物の疲労や大気摩擦によるエネルギーの欠損などがあるため、メンテナンスを怠れば回転が無くなり、やがて地球へ落下する危険性がある。それがいかに回避されてきたかについては劇中では明らかにされていない。

登場作品[編集 | ソースを編集]

∀ガンダム
初登場作品。第35話で宇宙へ上がったウィルゲムが月に向かうために利用した。そこには先んじてジャンダルムが到着しており、乗船しているミーム・ミドガルドによる妨害とそれを打破しようとするウィルゲム一行の駆け引きが繰り広げられた。

各施設 [編集 | ソースを編集]

スクープバレル
センターハブから伸びるバトンの両端にある巨大なドック。シリンダーとも。内部の上下左右に宇宙船が係留可能であり、回収した宇宙船はドッキングアームで接続され、射出タイミングに合わせて射出される。低軌道上を超高速で通り過ぎる性質上、上昇してきた宇宙船は突入方向や相対速度に細心の注意を払う必要がある。
バトン
スクープバレルとセンターハブを繋ぐ巨大ケーブル。外部にはスクープバレルとセンターハブを行き来するモビルスーツ用の手すり(リニアモーターカー)がある。
センターハブ
ザックトレーガーの中心部。ここを基部に2本のバトンが伸びており、地球からの高度を変えずに回転を続けている。
管制室
センターハブにあるコントロールルーム。保守点検を担うディアナ・カウンターの部隊が駐留している。

保有戦力 [編集 | ソースを編集]

ウォドム
進駐している保守点検部隊が使用。普段は外部に係留されている。
『∀』劇中では真っ黒な宇宙空間に黒い機体色が潰れないよう赤紫で描かれているものの、実際の色は通常のウォドムと同一。同様にジャンダルムに搭載されていたフラットも赤紫で描かれている。

リンク [編集 | ソースを編集]

余談[編集 | ソースを編集]

  • 書籍「ターンエーガンダム Vol.2(ニュータイプ100%コレクション)」によれば、ローターベータを採用したのは初期の初期からスタジオぬえの森田氏が「これはいい!」と推していたのが理由との事。作るのが大変な軌道エレベーターよりも低コストなローターベータやスカイフックの方を、という後付けも行われたが、「見た目に違うもの」というのが最優先だったようだ。

資料リンク [編集 | ソースを編集]

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