ストライクフリーダムガンダム

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ストライクフリーダムガンダム
外国語表記 Strike Freedom Gundam
作中名称 ストライクフリーダム
登場作品
デザイン 大河原邦男
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スペック
分類 試作型モビルスーツ
生産形態 ワンオフ機
型式番号 ZGMF-X20A
全高 18.88m
重量 80.09t
動力 ハイパーデュートリオンエンジン
装甲材質 ヴァリアブルフェイズシフト装甲
開発組織 ザフト軍ターミナル
所属組織 ターミナルオーブ軍
所属部隊 エターナル
パイロット
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概要[編集 | ソースを編集]

第1次連合・プラント大戦末期にザフトが完成させたモビルスーツフリーダム」の直接の後継機。開発自体はフリーダムと同時期に進められていたが、完成を見る事なく戦争は終結。更にユニウス条約の締結に伴い、開発データは封印された。しかし、秘密機関ターミナルの手によって設計データがザフトから強奪され、第2次連合・プラント大戦を終わらせるための切り札としてセカンドステージシリーズの技術を投入するなどの改修が加えられた上で秘匿工廠ファクトリーで完成した。機体名称は最終的に開発の決定を承認したであろうラクス・クラインによって、最愛の人が望まずも再び戦場に立つ決意をした時に新たなる剣として彼と共に駆け抜けた名機の名を冠し、「祈り」としたとされる。

前身機にあたるフリーダムに酷似した機体形状もあり、単に「フリーダム」と呼ばれる事も多かった。ミーティアとのドッキング機構に代表されるギミック、核エンジン搭載機用のOSであるG.U.N.D.A.M.COMPLEX(Generation Unsubdued Nuclear Drive/Assault Module Complex)や、ZGMF-Xシリーズ用コクピットなどのインターフェイス類も改修を施しつつ継承されている。

機体はラクスの指示のもと、二度の大戦を通じて人類圏トップエースと言っても良いスコアを挙げたスーパーコーディネイターであるキラ・ヤマトの搭乗を前提に、彼に合わせて極限までチューニングが施された結果、コズミック・イラ戦史上最強と謳われる評価を得る事になった。

ストライクフリーダムにはドラグーンシステムが搭載され、一気に攻撃レンジの拡大が可能となった。このシステムは、特別な適性を持たない通常のパイロットであっても操作が可能な新世代型をベースにキラによる運用を想定した設計が成されている。また、フリーダムと同様に壮麗な光学効果を発揮する背部の折りたたみ翼はD.S.S.Dが開発した惑星間航行用パルス推進システム「ヴォワチュール・リュミエール」を発展させた高推力スラスターが搭載されているが、高機動戦闘における操作には優れた判断力と熟練が要求されるため、キラ以外のパイロットは使いこなす事が困難であるとされる。

ハイパーデュートリオンエンジンを搭載し、核エンジンそのものはより大出力かつ小型のウルトラ・コンパクト・ニュークリア・リアクター(超小型核原子炉)を搭載しているとされ、フェイズシフト装甲技術の多用、各種推進システムや多数のビーム/電磁式兵器などで消費される膨大な電力を半永久的に賄う事ができる。ここで言う「PS装甲技術の多用」とは、最終装甲に採用されたヴァリアブルフェイズシフト装甲をフェイズシフトダウンする事なく稼働する事だけを意味するのではなく、外装だけでなく内部フレームにもPS装甲材が用いられており、稼働時にはフレーム部が金色にフェイズシフトする。

頭部にマウントされた複合センサーも、大量に装備した火砲、特にドラグーンの情報需要に対応するため、機能の強化と処理情報量の増大を目的に多層マルチアレイ化されている。また、背面にはドラグーンシステムとヴォワチュール・リュミエールの複合可動翼を搭載するため、強度の高い大型マウントが接合されており、このマウント内部には大容量エネルギー流路を確保するための高品位パワーコンジットが組み込まれている。

内部フレームはキラの運用を想定し、最終設計段階で各部装甲を細かく分割し、その動きに合わせてより人間に近い動きを取る設計が採用された。これは、極限まで運動性能を上げる事により被弾率を0にまで下げるというものであり言い換えれば「敵の攻撃に当たらなければ装甲など必要ない」というものである。量子コンピューターによるシミュレーションでは被弾率0を達成できなかったものの、僅かに生まれる装甲の隙間によるデメリットよりも、運動性の向上によるメリットが大きいと判断され、また開発を担当した技術者達によるキラに対する絶大な信頼が、この機構の採用を後押しする事になった。完成した機体の脚部はほぼ人間と同じ動くを取る事が可能となったが、その対価として装甲と装甲の間に無防備な空間が生まれる事になった。しかし、実戦ではキラの卓越した操縦テクニックによって被弾するケース自体が稀であり、それどころか、もしこのシステムを採用していなかった場合、キラの反応速度に機体が追随出来なかったであろう事が判明している。また、装甲の隙間は関節部から機体内部に溢れ出た余剰出力の排出にも役立っていた。

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダムSEED DESTINY
初登場作品。フリーダムを失ったキラ・ヤマトが、ラクス・クラインからフリーダムに代わる愛機として託され、エターナルを攻撃する25機のザクウォーリアグフイグナイテッドを2分で戦闘不能にし、更にナスカ級3隻も一瞬のうちに航行不能とするなど、圧倒的な戦闘力を見せた。
その後もレイ・ザ・バレルレジェンドを始めとするザフト軍MSの多数を戦闘不能に追い込み、シン・アスカデスティニーとも互角以上に戦ったが、一方でオーブでの戦闘でシンとレイの連携攻撃に押されて危うく撃墜されかける場面もあった。
機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
本編の半年前、アークエンジェルに引き渡された機体がテロリストに強奪され、地上の施設の襲撃に使用された所をファウンデーション王国ブラックナイトスコード ルドラによって撃墜されたことが語られている。その後、回収された機体はオーブの地下工場でストライクフリーダムガンダム弐式に改装された。
ガンダムEXA
レオス・アロイアイオス・フェースを完成させる為に本機とレジェンドの戦闘を観戦し、データの収集を行っている。
ガンダムビルドダイバーズ バトローグ
クジョウ・キョウヤの使用ガンプラとして登場。マギーガンダム・バエルを撃墜したメイの前にミーティアと合体した状態で現れ、弾幕を回避しつつこれを撃破した。続いて現れたヒロトガンダム・バルバトスルプスレクスにミーティアを真っ先に破壊されるも、「ナノラミネートアーマーによるビームの軽減」という悪条件を腕前と武装を駆使して打破し、頭部と右肩に損傷を与えた。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

特殊機能[編集 | ソースを編集]

ヴァリアブルフェイズシフト装甲
フェイズシフト装甲の改良型。装甲に流す電流の量を調整する事でエネルギーの効率的な配分を可能としており、稼働時間の延長等が可能となった。また、この影響で一部の機体は装備の換装等によってカラーリングが異なる事がある。
ハイパーデュートリオンエンジン
核エンジンとデュートリオンビーム送電システムのハイブリッド動力機関。相互にエネルギーを補完しあう事で理論上はエネルギー切れを起こさないとされる。
光の翼
スーパードラグーン機動兵装ウイングに搭載されている高推力スラスターから展開される。色は青。
スターゲイザーヴォワチュール・リュミエールシステムを独自発展させた物であるが、あくまでも基礎技術のみが共通している近縁種とされ、全くの同一という訳ではない。
システム的にはスターゲイザーが搭載しているタイプよりもマーシャンデルタアストレイが搭載しているタイプの方が近い。ドラグーン装着時には展開不可能。
マルチロックオンシステム
複数の敵を同時にロックオンし、精密射撃を行うことが可能な火器管制システム。フルバースト時やミーティアとドッキングした際に使用される。

武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

MMI-GAU27D 31mm近接防御機関砲
頭部に2門内蔵されているCIWS。ザフトが新たに制式化した機関砲弾口径で、自動制御により近接滞空防御を担当する。
PS装甲が普及し、ビーム兵器が主力となった現在でも、依然として実体弾兵器に対する信頼は強く、ストライクフリーダムの設計段階でも弾倉のために大きな空間が必要となるCIWSを搭載しない事も検討されていたが、最終的に残される事が決定された。
MA-M21KF 高エネルギービームライフル
MA-M20ルプス ビームライフルを改良した本機専用の携行武装。ストライクフリーダム仕様に大幅な変更がなされており、最大の特徴として、2本を前後に直列でジョイントする事でより長射程高出力のロングライフルとして使用する事が出来る。
遠距離・近距離・敵の数の多さなど、本機が単機であらゆる状況に対応できるよう考えられた装備の一つだが、使いこなすには高い状況判断能力が必要とされる。
劇中での描写[1]から、携行武装としては珍しく外装にPS装甲材もしくはVPS装甲材が使用されていると思われる。
非使用時は左右腰部にマウントが可能。
MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲
腹部に設けられた大口径大出力のビーム砲。ストライクフリーダムの武装の中でも特に威力が高い。アビスに採用されたものと同型のユニットを使用しているが、ストライクフリーダムのそれはアビスのものより連射性や出力が増している。
短砲身はコクピット直下に配されており、不測の事態からパイロットを保護するため超高精度の鏡面壁とエネルギー防壁により厳重に遮蔽されている。
MMI-M15E クスィフィアス3レール砲
両腰に装備されているレール砲。オリジナルであるフリーダムに搭載されたMMI-M15クスィフィアスの発展改良型。従来より小型化され、三つ折り構造から二つ折りに構造が単純化されているが、威力は向上している。
連結部には回転式のビームサーベルラックが実装され、腰部にビームライフルをマウントする際には後部スカート側にスライドするが、その状態ではレール砲がジョイントごと後部にスライドされるため、使用出来ないという欠点を持つ。
MA-M02G シュペールラケルタ ビームサーベル
フリーダムが装備していたMA-M01ラケルタの改良強化版。セカンドステージシリーズに採用されたヴァジュラ系に対抗するために強化が施されており、「シュペール」とはフランス語で「スーパー」を意味する。
インフィニットジャスティスと同一のもので、柄部分を連結させて使用する事も可能であるが、パイロットのキラが二刀流の高速戦闘を得意としていたため、利用する事はほとんどなかったと言われている。
MX2200 ビームシールド
腕部に装備されたビームシールド。ユーラシア連邦の「アルテミスの傘」の改良版としてハイペリオンに搭載されていたモノフェーズ光波シールドに、さらなる改良が加えられて完成した。通常のシールドが防御使用によるダメージ蓄積でいずれは破壊されるのに対し、ビームシールドはダメージの蓄積がないという利点がある。使用には多くのパワーを消費するデメリットがあるが、ハイパーデュートリオンから動力を得る事ができる本機では特に問題は無いとされる。
EQFU-3X スーパードラグーン機動兵装ウイング
機体に連動制御された8枚のウイング。機体の姿勢制御や放熱板としての機能を持っていたが、ストライクフリーダムではこれをスーパードラグーンのプラットフォームと高推力スラスターとしての機能を併せ持つ機動兵装ウイングとしている。ザフトの次期セカンドステージシリーズのデータやD.S.S.Dの開発したヴォワチュール・リュミエールの技術を拠り所にしている。
スーパードラグーンは、ザフトによって開発された「使用者の空間認識能力に依存しない次世代システム」をベースとしながらも、キラによる運用を想定して設計された結果、マルチロックオンではフリーダム以上の同時攻撃機能と、遠隔操作によるオールレンジ攻撃能力を獲得している。通常、これだけの情報量の処理は常人には到底不可能名領域であり、スーパーコーディネイターであるキラ以外には、この兵装を最大限に活用する事は不可能とされる。
MA-80V ビーム突撃砲
スーパードラグーンに各1門内蔵されているビーム砲で、カオス、ガイアに搭載された「MA-81R ビーム突撃砲」の改良型。砲門数でいえば、ストライクフリーダムの火砲の半分以上を担っている。
高い連射性や威力を持つほか、砲口からはビームスパイクが展開可能。
フルバーストモード
全武装を展開した一斉砲撃。地上では2丁のビームライフルと腹部のカリドゥス複相ビーム砲、腰のクスィフィアス3レール砲の5門、宇宙では更にスーパードラグーンを加えた13門で行う。
尚、媒体によってはドラグーンを使用しないフルバーストを「ハイマット・フルバースト」、ドラグーンを使用するフルバーストを「ドラグーン・フルバースト」と分けて呼ばれることもある。

対決・名場面[編集 | ソースを編集]

天空のキラ
ラクスの危機を知って宇宙へ上がったキラは、エターナルに着艦。大破したストライクルージュからストライクフリーダムへと乗り換えて出撃する。
エターナルに向かって放たれたミサイルを全基撃ち落とし、展開していた25機のザクとグフを2分で全機戦闘不能にすると、敵母艦のナスカ級にクスィフィアス3とスーパードラグーンを放って武装とメインスラスターのみを破壊し、追撃不能に陥らせたのだった。
デスティニーガンダム
オーブ防衛戦にて交戦。キラの高い操縦技術だけでなく、デスティニーのパイロットであるシンが撃墜した筈のフリーダムの出現に動揺していた事もあり、相手を翻弄。デスティニーの対艦刀を白刃取りし、至近距離からクスィフィアス3を撃ち込んでもぎ取る等の活躍を見せたが、レイの指示でシンが態勢を立て直す為に撤退した事で決着は付かなかった。
ちなみに白刃取りの後にクスィフィアス3を撃ち込んだのは衝撃でパイロットを気絶させる為だったらしいが、当のシンからは「これがビームなら勝負が決まっていた」と挑発や煽りとして受け取られてしまった。
レジェンドガンダム
メサイア攻防戦にて交戦。双方のドラグーンを使った激戦の中、レイがラウ・ル・クルーゼとして向かって来た事にキラは動揺するものの、「レイはレイ・ザ・バレルという一人の人間であり、ラウ・ル・クルーゼではない」と反論。それによって今度はレイが動揺してしまう。その隙にキラはレジェンドのドラグーンを全て撃ち落とし、さらに本体へフルバーストを撃ち込んだことがトドメとなり、レジェンドは大破した。

関連機体[編集 | ソースを編集]

装備バリエーション [編集 | ソースを編集]

ストライクフリーダムガンダム (ミーティア)
ミーティア07とのドッキング形態。

系列機・派生機など [編集 | ソースを編集]

フリーダムガンダム
ストライクフリーダムはこの機体の後継機とされているが、実質的には兄弟機に近い。
ストライクフリーダムガンダム弐式
ストライクフリーダムを改修し、一部のパーツをアップデートした機体。
マイティーストライクフリーダムガンダム
ストライクフリーダム弐式にプラウドディフェンダーを装備した形態。
ライジングフリーダムガンダム
本機の運用データとムラサメで培った可変技術を流用して開発された可変機。
インフィニットジャスティスガンダム
ファクトリーで同時期に開発されていたアスラン・ザラ専用機。ストライクフリーダムとの連携を前提としている。

技術的関与のある機体[編集 | ソースを編集]

ドムトルーパー
ファクトリーで開発されていた機体。ビームシールド等の技術がこの機体に転用された。
スターゲイザー / デルタアストレイ / ターンデルタ
ガンダムアストレイ レッドフレーム改 / デスティニーガンダム
それぞれヴォワチュール・リュミエールやその近縁種の推進システムを搭載している。
カオスガンダム / アビスガンダム / ガイアガンダム / セイバーガンダム / インパルスガンダム
ザフトが開発したセカンドステージシリーズの機体。装備やシステムが流用、改良されて使われている。
エターナル
母艦。搭載されているミーティアは本機も引き続き使用可能。

その他 [編集 | ソースを編集]

エクストリームガンダム type-レオス アイオス・フェース
ストライクフリーダムの戦闘を観戦した際に得られたデータが使用されている。
アメイジングストライクフリーダムガンダム
ガンダムビルドファイターズA-R』に登場するガンプラで、ストライクフリーダムの改造機。三代目メイジン・カワグチの操縦の下で驚異的な戦闘力を発揮している。
ガンダムラヴファントム
ガンダムビルドダイバーズ』に登場する本機をベースにしたガンプラ。スーパードラグーン機動兵装ウイングをノワールストライカーをベースにした「ラヴストライカー」に変更し、巨大なビームカマを装備した接近戦を重視した改造がされている。
ガンダムフリーダムナイト
キャプテン・ジオンカザミジャスティスナイトの対となる魔法騎士をイメージして製作したガンプラ。
ストライクフリーダムガンダムMR-G
ガンダムビルドダイバーズ GIMM&BALL'S WORLD CHALLENGE』に登場するガンプラ。MGをベースに全部盛りをコンセプトにビルドされている。
ガンダムパーフェクトストライクフリーダム
ガンダムブレイカー バトローグ』に登場するガンプラ。本機にパーフェクトストライクガンダムの要素を組み合わせた機体となっている。

余談[編集 | ソースを編集]

  • 発表当初は「スーパーフリーダムガンダム」という名前だったが、諸般の事情[2]から、本編中に登場するまでの間に変更となっている。
  • 劇中では「ストライクフリーダム」と呼ばれたのは2回だけであり、大抵の場合は敵味方問わず、従来機と同様「フリーダム」と呼ばれている。
  • 放映当時は「開発の経緯はほとんど分かっていないものの『クライン派がフリーダムガンダムとセカンドステージシリーズの設計データを混成して開発した機体』という見方が有力である」という設定であり、動力も「新型エンジン」あるいは「レーザー核融合エンジン」等と表記され不明瞭な点が多かった。
    その後、ガンプラのMGが発売された際に設定が変更され、また動力も特殊設定を担当した森田繁氏が「ハイパーデュートリオンエンジンを搭載している」と説明。その後に発売されたゲーム等では変更後の設定が適用される事が多くなった。
  • 初登場は2ndエンディング。最後に登場する機体はフリーダムではなく本機である。HDリマスター版では12話のEDで既に登場している。

商品情報[編集 | ソースを編集]

ガンプラ[編集 | ソースを編集]

フィギュア[編集 | ソースを編集]

資料リンク[編集 | ソースを編集]

リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 発進シーンにおいて、機体の装甲と同時に着色されていく描写がみられる。
  2. 現実世界で2003年に「スーパーフリー事件」が発生してから間もない頃だった