ゼハート・ガレット

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ゼハート・ガレット
外国語表記 Zeheart Galette
登場作品 機動戦士ガンダムAGE
声優 神谷浩史
能登麻美子 (幼少期)
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プロフィール
種族 人間 (Xラウンダー)
性別
年齢 17歳 ⇒ 18歳
没年月日 A.G.164年
出身 火星
身長 175.5cm
職業 特殊工作員 ⇒ 地球制圧部隊総司令官 (第二部) ⇒ イゼルカント直属司令官 (第三部) ⇒ ヴェイガン新指導者 (第四部)
所属 ヴェイガン
主な搭乗機
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概要

長い銀髪と色黒の肌が特徴の美男子。デシル・ガレットの弟で、ヴェイガンで最高位の能力を持つとされるXラウンダー。幼い頃から敬愛する指導者イゼルカントの意思に従い、また故郷である火星の人々を救うためにヴェイガンの最終目標である地球帰還を果たすべく戦い続ける。

その為、同胞に対する仲間意識が非常に強いが、計画の障害になるのであれば実の兄のデシルを見捨てたり、オリバーノーツを躊躇う事なく攻撃させると言う非情さも持っているが計画の為であっても潜入中に友情を育んでしまったアセムに対してだけは非情になり切る事が出来ずにヴェイガンの戦士である自分とアセムの友人としての自分の間で揺れ動く事になる。

第二部開始当初はEDでの描写もあり、アセムロマリーとの三角関係になるかと思われていたが、ヴェイガンに戻った後もアセムの事は戦場で殺す事が出来ずに見逃したり、独断で接触したりとして戦場から去るように忠告していたが、ロマリーの事は特に気にしていない様子だった。これは、元々スパイとして彼らを欺く立場にあり、アセムに対してのみ心を開いてしまったために苦悩することになったが、それ以外の人々に対しては割り切っていたか、裏切っているという後ろめたさから、愛情や恋慕といった感情は抱かなかった、または抱かないように心がけていたからだろう。

高いXラウンダー能力を持っている為、ゼダスRが反応速度が追いつかなくなり、ゼイドラに乗り換えた時にXラウンダー能力を抑制し、安定させる為に仮面型制御デバイスを常に身に付けているが、ウロッゾRのようにXラウンダー能力に対応させているMSでもXラウンダーが乗る事を前提に開発されていないMSではゼハートの反応速度に付いて来れない事がある。

後にガンダムレギルスに搭乗してからはレギルスのXラウンダー能力の相互感応性能が桁違い為、全力を出しても付いて来る事が可能であったので仮面型制御デバイスは必要がなくなりつけていない。

一人称はトルディアにいた時の普段は「俺」だったが、ダズとの会話やヴェイガンに戻って(但し、アセムとの会話の時に「俺」に戻る事はある)からは「私」。アセムたちの友人であるゼハート・ガレットの一人称は「俺」で、本来のヴェイガンの戦士としてのゼハート・ガレットの一人称は「私」であると推測でき、全編を通して使い分けられている。ただし、小説版では一貫して一人称は「私」で固定されている。

イゼルカントにプロジェクト・エデンの全権を委ねられて、次第に精神的に追い詰められていき、最終的には今まで自分の希望を託した者やデシルの幻影を見るまでに追い詰められる。イゼルカントと死者たちが目指した理想の完遂のため、部下を大切に思っていた本来の心を殺して、遂には自分を愛してくれたフラムにまで間接的にエデンのために死ねと命じるまでになってしまう。

イゼルカントの後継者として結果を出そうと必死になり、最後は道を踏み外して何も成す事が出来ずに戦死した事はフリット・アスノの息子として結果を出そうとして焦り迷走したアセムの有り得たかも知れない未来だったのかも知れない。結果として、自らの背負わされた宿命という呪縛を断ち切れたアセムは生き残ったが、彼は戦場で散ることとなってしまった。

また、幼少期より才能を認められ、同胞の為に戦い、同胞から未来を託され、それを背負って戦い続けて来たと言う点ではフリット・アスノと似た境遇ではあるが、フリットは全てを救い真の救世主となった事に対して、ゼハートは多くの物を失い戦死すると言う対極的な最後を迎えている。

これは長い人生を生きる中で人の道を外れそうになった時に正面から間違っていると否定され、多くの人々に支えられて来たフリットとコールドスリープにより20年程の短い人生しか生きておらず、人の道を外れそうな時に否定される事なく受け入れられてしまった違いで、ゼハートに対して正面から向き合ったのが敵となったアセムしかいなかったと言う事や支えてくれる相手がいなかった事が原因で、もしもゼハートの傍にフリットにとっての家族や戦友、アセムにとってのウルフのような人物がいれば、あるいはこのような結末は避けられたのかもしれない。

最後はアセムに敗北するが、死の間際に浮かんだ事がイゼルカントが示したエデンではなく、アセムたちと過ごしたMSクラブでの日々でその時間こそがゼハートにとってのエデンだったと最後に気づくことができた。

仮面キャラ、パーソナルカラーが赤、ゼイドラの初陣でドラドの三倍の速度で接近した事から、シャアのオマージュと思われる。

登場作品と役柄

機動戦士ガンダムAGE(第二部)
AGEシステム並びにAGE-1強奪の特命を帯びて「トルディア」に潜入し、素性を隠してアセムの学校に転校してきた。 AGE-1がアスノ邸に隠されている情報を掴むと、アスノの血縁であるアセムに接触を図り、その優秀さと人柄でアセムやロマリーたちと親交を深めていく。
だが、次第に彼らとの友情とヴェイガン兵士としての矜持との間で葛藤していくようになっていく。そのため優しすぎるアセムが連邦軍に入隊することには否定的な考えを持ち、自分とも敵対することになるという理由から、ほかの進路を模索するよう説得しようとする。卒業式の日、偶発的に発生した戦闘でアセムと対峙し、彼と偶然その場に居合わせたロマリーに自らの素性を明かす。そして、アセムに戦うことへの覚悟を問い、最後に「お前のような優しい奴は、戦うべきじゃない……!」と言い残して「トルディア」を去った。
ダズ・ローデンと共に本隊に帰還した後はイゼルカントから直々に地球制圧軍の総司令に任命され、アセムの乗艦するディーヴァを追う。
機動戦士ガンダムAGE(第三部)
コールドスリープの影響で姿を変わらず若いままの容姿で登場。オリバーノーツに侵攻した時は、民間人の犠牲をも厭わない攻撃を繰り広げた。しかしガンダムAGE-3によって母艦ファ・ゼオスを沈められ、撤退を余儀なくされる。
戦場が宇宙に移った後、イゼルカントよりEXA-DBの捜索を命じられる。
機動戦士ガンダムAGE(第四部)
キオが火星から帰還したのと同時期、地球連邦軍司令官のアローン・シモンズと同基地所属のジラード・スプリガン大佐を抱き込んで彼等の管轄であるルナベースの乗っ取りに成功する。
後に、アスノ家を筆頭に奪還作戦を決行した連邦軍と戦うが、ジラードの暴走と戦死。セリック・アビスの降伏勧告によって基地は奪還され、フラムや多くの兵士達と共に撤退する。その後、アセムから聞いた話が真実かをイゼルカントに聞き質し、イゼルカントの真実を知り、イゼルカントの意思を継ぐ事を決意する。ラ・グラミス攻防戦にてガンダムレギルスでキオのガンダムAGE-FXと交戦し、フラムと共に追い詰めるが、ザナルドの反乱で仕留める事が出来ずにその場をフラムに任せて撤退する。その後、フラムにガンダムとディーヴァの近くで足止めをするように指示を出し、ラ・グラミスのディグマゼノン砲にてガンダムとディーヴァを一掃すべくディグマゼノン砲を放つ様に指示を出すが、その攻撃はフリットに見抜かれており、ディーヴァを沈めるもガンダムを一機も仕留める事が出来なかった為、再びレギルスにて出撃するもアセムに敗北し、アセムに自分の方がアセムに嫉妬していた事を告げ戦死する。

人間関係

第二部

フェザール・イゼルカント
幼少期より信望する指導者。ゼハートの事を高く評価している。一度は疑うも最終的に彼の後継者となった。
アセム・アスノ
「トルディア」に潜入していた頃からの親友。戦場で幾度も敵として相対するが、ダウネス落下阻止の際にはアセムを戦士として認め、敵味方の域を超えて地球を守るという目的のため共闘した。第四部では再び敵対する事になる。
デシル・ガレット
兄。当初は肉親だったと言う事もあり、独断行動に対してある程度は甘い対応をしていたが、フリットへの特別な感情で動き、勝手な行動も度が過ぎて来た事もあって、イゼルカントの理想の障害となると判断し、最終的にはデシルの窮地を知りつつも何もしなかった。
マジシャンズ8
若輩の司令官として当初はゼハートを見下していた。しかし、次々に仲間が減っていく中で、最終的にドール・フロストは彼に全てを託して戦死する。
ダズ・ローデン
ゼハートの目付け役として共にトルディアへと潜入する。卒業式の際は彼を逃がす為、自ら囮となって連邦軍を引き付けた。ゼハートが総司令官となった後も、彼の良き補佐となる。
ロマリー・ストーン
同級生。アセムと三人で仲が良かったのだが、ヴェイガンに戻ってからは戦場に立つアセムの事を考える事はあったが、彼女の事を考える事はなかった。
メデル・ザント
地球制圧軍副司令。元はゼハートの上官であったが、ゼハートが総司令に任命されて部下になる。若いゼハートに対しても総司令と認めて補佐をする。
シャーウィー・ベルトン / マシル・ボイド
トルディア潜入時の同級生。同じMSクラブに所属した。
ロッド・アブス
転校してすぐに因縁を付けられるが謝罪をするフリをして軽くあしらった。
小説版では、下級生の弁当を踏み付けにした様を見て、激昂して殴り掛かっている(火星ではその日の食事すらままならない民が多く、大切な糧となる料理を邪険にする様子は見過ごせるものではなかった)
フリット・アスノ
直接的な面識はないが、ビッグリング攻防戦やロストロウラン攻防戦などと言った戦局を左右する重要な作戦でことごとく失敗させられている。

第三部

フラム・ナラ
部下兼監視役。ゼハート自身は彼女を高く評価する描写が見られる。ちなみに彼自身は、彼女がドール・フロストの妹だと以前から気付いていたらしい。当初はザナルドが粗探しの為に送り込まれたが、ゼハートと接するうちにゼハートに惹かれるが彼女自身、ゼハートの「大切な部下」である事に満足して甘んじそれ以上を望む事は無かったが、そこから後一歩踏み出す事が出来ればゼハートの未来を変えられたかも知れない。
レイル・ライト
部下。EXA-DBの捜索を命じる。
ダレスト・グーン
部下。ロストロウラン攻撃作戦で独断でガンダムAGE-3に仕掛けてシャナルアと相打ちになって戦死する。
ザナルド・ベイハート
ゼハートと同じくイゼルカントの側近同士。しかし折り合いが悪く、隙あらば出し抜こうとされている。後にイゼルカントの後継者である事を認める事が出来ずに決戦のドサクサに紛れて謀反を起こす事になる。
キオ・アスノ
アセムの息子。オリバーノーツ襲撃時に対峙し、ロストロウランで交戦した時に人の弱みに付け込んでスパイをさせた事を避難されるが、キオを「坊や」と評価する。

第四部

ジラード・スプリガン
ヴェイガンの拠点と化したルナベースに所属する連邦軍大佐。実はヴェイガンに寝返った人物であり、ゼハートやフラムと共にキオ達を襲撃する。Xラウンダー能力の暴走をさせないためにも後退命令を出すが、無視して戦い能力を暴走させて戦死するが、自身の正義を貫いた為、最後は戦士として認めた。

名台詞

第二部

「お前のような優しい奴は、戦うべきじゃない……!」
この言葉はアセムの心に留まり、一度はアセムを戦場から遠ざけるキッカケとなるが……。
「私が私であるために!」
アセムとの友情とヴェイガンの兵士として矜持の狭間で揺れ動きヴェイガンの兵士であろうとしているセリフ。第二部のEDとも連動している。
「あなたはフリット・アスノへの特別な感情で動いている」
ノートラム侵攻の際に最前線に配置されていない事に抗議に来たデシルに放った言葉。だが、それはアセムへの特別な感情で動いた自分への皮肉なのかも知れない。

第三部

「ガンダム……またもや私の前に立ちはだかるのか」
オリバーノーツ襲撃時に起動した新型のガンダム、ガンダムAGE-3と対峙した時の台詞。
「お前はこの作戦で死んだ兵の名を知っているか?」
「サム・カレル、リン・フォスター。そしてグラット・オットー、気性は荒くとも腕の立つパイロットだった。覚えておいてやれ」
ビシディアンとの戦いの後、フラムに言った言葉。この言葉から彼の真意を読み取ったフラムは、次第にゼハートを信じるようになる。
「スパイは人類が戦争を覚えた時代から存在している。それをとやかく言われる筋合いは無い……戦争はゲームではないのだよ、坊や!!」
ロストロウラン基地でキオと対峙した時の言葉。シャナルアの弱みに付け込んでスパイに仕立て上げた事を糾弾されたが、ゼハートはこの言葉で逆に切り返した。かつて、戦争を自分本位のゲームとしか見ていなかったとは真逆の考えで戦争を捉えている事が伺える。

第四部

「私は……もう後へなど退けない!私に残された道は……エデンに続く道のみだ!」
エデンへの希望を様々な人から託され、幻影を見る程追い詰められて例え部下を切り捨ててでも前に進むしか無くなった時のセリフ。
「わかっている!何としてもガンダムは落とす!この戦いに…勝利してみせるッ!」
味方を犠牲にしてまでもガンダムを落とせず、これまでに死んでいったヴェイガンの者達がゼハートを嘲笑する、という幻覚を見た時の台詞。ゼハートは再びレギルスに乗り込む。
「必ずやり遂げねばならないのだ…!人の感情など、とうに捨てている!」
精神的に追い詰められて、イゼルカントの理想が狂気であろうとも「人が人として生きられる世界」であった事すら忘れてしまっている。
「やっと……俺に追いついたな…。大したものだ…」
ラ・グラミス攻防戦にてXラウンダー能力を持たないアセムに敗北した時のセリフ。一人称がになっており、ヴェイガン指揮官としてはなく、一人の人間としてアセムと向き合っているのがわかる。
「全てがこぼれ落ちていく……どうして……掴めないんだ」
自分を慕う部下を犠牲にしても尚、何も掴む事は出来なかった。
「やり遂げたかったんだ。イゼルカント様のなさろうとした事を……私達の夢を……でなければ、私は何のために生きたのか…わからないんだ」
「お前たちと過ごしたMSクラブでの毎日……あの時、私は満たされていた…。お前は力を持った私に嫉妬していたのだろう…しかし、本当は俺もお前が羨ましかったんだ…」
「俺も愛する人と子をつくり…お前のように生きたかった…」
アセムに敗北し、自身の胸の内を明かした時のセリフ。ゼハートにとってはイゼルカントの理想を実現する事よりもアセム達を過ごした日々こそが「エデン」だったのだろう……。
「ありがとう、アセム」
最期の台詞。この直後にダークハウンドをレギルスの左足で蹴って離れさせ、ゼハートは機体と共に宇宙に散った。
「人で…ありたかった…」
ゲーム版第四部にて最期に放った台詞。以前、イゼルカントが言ったことに繋がっている。

MEMORY OF EDEN

「いつもいつも…お前は俺の邪魔ばかりする! 貴様はいつもそうだ! 消えてなくなれぇぇ!」
ラ・グラミス攻防戦でアセムと対峙した時の台詞。
「俺は前に進むしかないのだぁぁぁ!」
アセムに人が人である為のエデンを作る為に人の感情を捨てると言う矛盾を指摘された時の台詞。もはや彼に引き返す道は無かった。
「アセム……お前の勝ちだ」
「変わらないな。お前は……」
「プロジェクトエデンの真の目的は私だって知っている。それが私の望まぬ未来であったことも……」
「イゼルカント様の望んだエデンは確かに私の望んだ未来では無かった。だが、それを認めてしまったら、今までの戦いで死んで逝った者達はどうなる? 彼らが命を賭けて求めたエデンはどうなる? それを無為にする事は出来ない」
「200年もの間紡がれ積み重ねて来た人々の思いを私は負わねばならない。例え、イゼルカント様の真意と違えていたとしても……彼らの歴史の中の消えているだけの命の痕跡を、ただ僅かばかりの願いを私は刻み叶えたかったのだ」
「それが私の望んだ。エデン……」
「私は命を代償にしてしか未来を望めなかった……だが、もしお前達のように命と命の繋がりから命を……未来を紡げたら違っていたのかも知れないな。お前達とも、友達でいられたのかも知れない」
「ありがとう……アセム」
最後、アセムに敗北した時の台詞。

小説版

「アセム!お前はこんなところで何をやっているんだ!お前は父親をやっていなければダメじゃないか!アセムゥゥゥゥ!」
ガンダム鹵獲作戦時にアセムのダークハウンドを見つけた時の台詞。この時、ゼハートは作戦も戦術も全部忘れてアセムを殴りに行っている。おそらく某海賊ガンダムキャラの迷台詞のパロディ。ロマリーと結婚しキオの父親であると言う人間らしい生活を捨ててまで海賊になった事に対する嫉妬心の表れでもある。この時の行動が結果としてAGE-3の鹵獲に繋がる。

搭乗機体・関連機体

ゼダスR
トルディア潜入時の搭乗機。
ゼイドラ
第二部での搭乗機。
ギラーガ
第三・四部での搭乗機。
ウロッゾR
ロストロウラン攻撃時に搭乗。
ガンダムレギルス
終盤の搭乗機。
ガンダムレギルス ゼハート機
『MOE』での搭乗機。
ガンダムレギルスR
ゼハート専用として開発が進められていた機体。実際に搭乗する事はなかった。
ファ・メナス
第二部での座乗艦。
ファ・ブラン
小説版第二部にてゼハートが使用した母艦の1つ。
ファ・ザード
第三部での座乗艦。
ファ・ゼオス
第三部にてオリバーノーツを襲撃したゼハート隊の母艦。

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