ロンド・ミナ・サハク

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ロンド・ミナ・サハク(Rondo mina Sahaku)[編集 | ソースを編集]

オーブ連合首長国の五大氏族の一つ、サハク家の当主。長く美しい漆黒の長髪に、刃物のような鋭い眼光を持つ美女。190cmはあろうかという長身を持ち、否応なく一目を惹く。

サハク家は優れた人物のみが継ぐものとされ、優秀な遺伝子を持つコーディネイターとして設計されて生まれたため、家門とは血縁関係にない。彼女にとって家族と呼べるものは同一の遺伝子から生み出された弟、ロンド・ギナ・サハクのみである。

第一世代コーディネイターとして生み出されたその能力は非凡のさらに非凡なものがあり、戦闘用コーディネイターとして設計された叢雲劾ですら太刀打ちできないほどであった。このあまりにも高い能力故に、初登場となる「ASTRAY」物語序盤では、自らが生み出された理由とおなじく、すなわち「世界は優れた一握りの者によって導かれるべきである」という理念を持つ様になっている。
この為、冷酷そうな雰囲気を持っているが、実は極めて柔軟なものの考え方のできる人物で、しかも一見ナンセンスな「意地」という非合理的な情緒も解するという人格者でもある。彼女の(物語当初の)理念は、決して支配欲や名誉欲、地位といったものが目的ではなく、あくまでもオーブのため、という私心のないものだったため、合理的なものの考え方をする一方、カイト・マディガンを「いい男だ」と評するなど(これは女性的な意味ではなく、人間としての評価とする意見もあるが)、人を見る目もある。ハマーン・カーン同様の女傑ではあるが、男女関係のもつれから転じた彼女と異なり、男女の機微も理解する大人の女性として描かれている。
一方で、弟のギナの方は、民を軽んじる傲慢な考えが目立っており、目的の為には民間施設の攻撃等といった過激な手段も辞さない危険な面を持っていた。

彼女のみならずサハク家はウズミ・ナラ・アスハの謳う中立国家としてのオーブのあり方を「あいまいな態度」と評し、その意思を明確にしない方針を非常に嫌っていた。自分達の理念こそが絶対と信じるその強固な意志と、優れた能力で世界統一を画策。キラ・ヤマトを中心とした「歴史の表側」の物語に対し、「歴史の裏側」とでも呼ぶべき物語の中で暗躍していく事になる。
独自の外交ルートを利用して地球連合政府へ新型モビルスーツ開発を持ちかける一方で、敵対するザフトにはケナフ・ルキーニを通じてその情報をリークするなど二勢力間を死の商人として立ち回り、オーブ連合首長国を世界の根幹に組み込もうとした。その事実に気付いたウズミ・ナラ・アスハは、そうした世界への能動的な介入はいずれオーブを窮地に陥れるものとしてサハク家を糾弾(実際、ザフトへのリークはヘリオポリスにて多大な犠牲者を出してしまっただけでなく、コロニーも崩壊してしまっている)。その勢力を削ぐとともに自らは代表を辞して表向き責任を取った形でサハク家の思惑を潰すことになった。

だが、ミナとギナの姉弟は、世界への介入を止めようとせず、ブルーコスモスの盟主であるムルタ・アズラエルに接触。技術提供だけでなく自分達もザフトとの戦闘に力を貸す事で、オーブへの不介入を約束させていたのだが、逆にアズラエルがオーブの技術の独占を考えさせてしまう事態となり、自身がアメノミハシラ、ギナが第三次ビクトリア攻防戦に参戦している間、アズラエルの指揮する艦隊がオーブに武力侵攻を行う形で約束は反故にされてしまう事になり、オーブ解放作戦が開戦となってしまう。それでも、ロンド姉弟は、オーブが敗北する事は無いだろうと判断していたようだが、ストライク・ダガーを中心とする圧倒的物量戦の前では、アークエンジェル等の協力を得たオーブ軍でも太刀打ちできず(そもそもM1アストレイ部隊は、数に劣っている上、対モビルスーツ戦に不慣れだった)、マスドライバーやオーブの技術をブルーコスモスに渡さず、また政府高官の死で政府機能を無くす事でこれ以上の戦闘継続を防ぐべく、ウズミ達高官によって自爆が行われる形でオーブは陥落してしまう結果となった。以上の事から、国を守りきれなかった責任はウズミにあっても、国が侵攻される原因はアズラエルに協力していたサハク姉弟の方に会ったのだが、アズラエルとの裏事情が公表されなかった上に、被災したオーブ国民を「アメノミハシラ」に受け入れた事から、サハク姉弟は責任を問われず、ウズミ一人に責任を押し付ける形となった。

オーブ陥落後、オーブ本国に見切りをつけたサハク姉弟であったが、幾多の戦いを、そのたびに「世界とは一握りの人間が指揮するのではなく、多くの人々の上に成り立っている」という事実に、ミナは少しずつ気づいていく。一方で、完成したゴールドフレーム・天でザフトに無差別攻撃を仕掛けたギナは、自らの力を過信していた事もあって、ロウ・ギュール叢雲劾の二人に敗れる形で命を落としてしまう事になった。その後、故郷を追われた人々を軌道エレベーターアメノミハシラ内部へと匿うあいだ、偶然居合わせたロウ・ギュールの何気ない一言によって「国とは民であり、場所ではない」という結論に達する。
この結論によって「一握りの優れた人間によって支配される世界」という理念を捨て、「人は(他者の権利を侵害しない限り)自由になるべき」として、その理想の体現者として、人々の守り手となることを決意する。以降は、ウズミの娘であるカガリ・ユラ・アスハが当主を引き継いだアスハ家とも歩み寄るようになり、影ながらオーブを守るべく行動する事から「オーブの影の軍神」という異名で呼ばれる様にもなっている。

ザフト軍を脱走したテロリストによるブレイク・ザ・ワールド発生後は、「天空の宣言」と呼ばれる計画を全世界に向けて発表し、これに賛同する者達に対しての援助を約束した。

登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダムSEED ASTRAY

人間関係[編集 | ソースを編集]

ロンド・ギナ・サハク
同じ遺伝子から生まれた双子の弟。当初は同じ信念のもと行動していたが、ギナの死後は徐々に考えを変えていったミナに対し、カーボンヒューマンとして蘇った彼はその妄執から脱することができなかったため、最終的には対決することになった。
コトー・サハク
義父。オーブ解放作戦でウズミと共に死亡。
ロウ・ギュール
Xアストレイのパーツを造る際に彼からファクトリーの使用許可を求められる。その時のロウの何気ない一言が彼女を呪縛から解き放った。
叢雲劾
傭兵として戦うことはあったが、お互い「戦い」というものを極めて冷静に見ていたため、敵対するでもなく、かといって同調するわけでもなかった。
ウズミ・ナラ・アスハ
オーブ連合首長国の代表であったが、彼の理念には作品を通じて真っ向から反対していた。序盤と後半とではその理由が異なるが、いずれにせよ「民を守れなかった」というウズミに対しては極めて辛辣。ただし、自分たちの行動が一因でヘリオポリス崩壊を招ているのだが…。
カガリ・ユラ・アスハ
当初は彼女の事を「何もできない小娘」と見下していた。
「天空の宣言」の後にオーブ本国がこの計画を黙認する立場をとった際は内心で彼女に感謝の意を示した。またカガリとユウナの結婚式にも出席している。
ソキウス
部下。
ジェス・リブル
「天空の宣言」の賛同者。その発表の際にもジェスの名を出し、「彼のように信念を持って生きてさえいれば世界は変わる」と説いた。
カイト・マディガン
ジェスが窮地に陥った際、彼に自らの愛機を貸し出すと共に「良い男」と評した。
リーアム・ガーフィールド
ジャンク屋組合の崩壊を事前に予測しており、彼にその事を伝えた。
アグニス・ブラーエ
カガリを拉致したフリーダムガンダムを追撃する彼の前に立ちはだかった。その後アグニスの話に耳を傾け、また「多くの人を救った英雄のはずのキラが何故カガリ個人の為だけに動いたのか理解できない」とする彼に対し「キラの事を理解できないのは、お前がキラの一面だけしか見ていないからだ」と諭した。
サー・マティアス
彼の死後、屋敷を訪れている。
風花・アジャー
劾と同じくサーペントテールの一員。ユニウス戦役の後、彼女を自らの後継者とするべく世界中を回らせる。
ラス・ウィンスレット
ミナが風花と共に自身の後継者候補として選んだ少女。

名台詞[編集 | ソースを編集]

搭乗機体・関連機体[編集 | ソースを編集]

ガンダムアストレイ ゴールドフレーム天ミナ
搭乗機。