Ex-Sガンダム

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Ex-Sガンダム
読み イクスェスガンダム
外国語表記 Ex-S Gundam
登場作品
デザイナー カトキハジメ
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スペック
分類 試作型可変モビルスーツ
型式番号 MSA-0011〔Ext〕
頭頂高 21.73m
全高 25.90m
本体重量 69.24t
全備重量 162.50t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 7,180kw
スラスター推力 267,500kg(MAX)×4
56,000kg×2
スラスター総推力 1,182,000kg
姿勢制御バーニア数 15
装甲材質 ガンダリウムγコンポジット
センサー有効半径 18,800m
搭載システム ALICE
開発組織 アナハイム・エレクトロニクス社
所属組織 地球連邦軍
所属部隊 α任務部隊
母艦 ペガサスIII
主なパイロット リョウ・ルーツ
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Gクルーザー
全長 43.63m
全幅 22.89m
本体重量 78.28t
全備重量 242.36t
ジェネレーター出力 12,250kw[1]
スラスター総推力 118,2000kg
センサー有効半径 18,800m
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概要 [編集 | ソースを編集]

アナハイム・エレクトロニクス社が開発した地球連邦軍の試作型モビルスーツSガンダムの重装仕様である。型式番号の「Ext」は「Extraordinary」の略[2]であり、機体名称の「Ex-S」は「イクスェス」と呼称する。

MSの欠点の一つとして、その航続距離・行動時間の短い点が挙げられ、ことガンダム系MSに関しては、その欠点を克服する目的で一年戦争当時Gアーマー構想が存在していた。戦後、MSのムーバブルフレーム化が進んだ事でMSの飛行形態は再び見直され、アナハイム系ガンダムではΖガンダムがウェイブライダー形態への変形機構を導入。Ζ計画ではこれにコアブロックシステムをも導入したプランを進め、ΖΖガンダムSガンダムが開発された。Sガンダムでは、ΖΖで問題のあった脱出システムや変形の際のコア・ブロックにかかる負担等をクリアする為に、追加パーツ方式を採用。これにより、MSの飛行・巡航形態としては理想的な「Gクルーザー・モード」化を実現し、またそのGクルーザーからMSモードへの変形により、Ex-Sガンダムと呼ばれる攻撃/防御強化型重装MSモードをも同時に手中に収めた。

Ex-Sガンダムには、Sガンダムに対し8つの強化パーツが追加・換装されている。特に胸部パーツは、胸部可変機構の構造的な補強とIフィールド発生器を兼ねており、コクピット・ブロック周辺だけにビーム・バリアーを生じさせパイロット保護に務めている。

バックパックはブースター・ユニットに換装され、内蔵された熱核ロケットとプロペラントにより推力が通常バックパックの11倍にまで強化された。このユニットは中央で27°まで折れ曲がり、複雑に入り乱れている各部ユニットとの干渉を極力回避させる。ブースター・ユニット自体が作動肢と同等の可動範囲を持つ事もあり、機動性だけでなく運動性も高める効果があった。また側面にはラッチが2基ずつ存在し、武装はもとより、コ・ジェネレーターからのエネルギー供給も可能。また、両肩部には増加プロペラント・タンクを装備でき、これを装備した状態でGクルーザーへの変形が可能となる。大気圏を離脱する程の総推力を発揮可能であるが、MS形態では変形時点で排除される事が殆どとなる。

Ex-Sガンダムでは乾重量時でもノーマルのSガンダムに比べて8割増しになってしまったが、脚部、バックパック共に推力が強化され、プロペラント容量も増した事で、トータルでの機動性は向上している。これらの特性は、言うまでもなく先見性のあるシステム設計と、4基の熱核ジェネレーターを搭載したSガンダムの出力の余裕によるものである。2種類のインコムを始めとする多数の武装や「ALICE」も搭載されている事からニュータイプ専用機並の戦闘力があると言われ、それらを駆使すれば実戦経験がほとんど無いパイロットでも経験豊富な熟練パイロットを相手に対等以上に戦える程のポテンシャルを有しているとされる。

Gクルーザー[編集 | ソースを編集]

Ex-Sガンダムの飛行/巡航形態。Ex-SガンダムはガンダムタイプMSにおけるフルアーマーファミリーに属する形態であるが、増加パーツの設計はSガンダム本体も含めて同時進行で行われ、MS形態はGクルーザーを変形させたものとして扱われている。

MS形態からGクルーザーへの変形は、肩部や増加プロペラント・タンク、Aパーツ主翼ユニットが可動する事で行われる。また、胴体部を中心に背部ブロックが前方に移動し、分離しない点が特徴となる。胸部増加パーツはパイロット保護の他に剛性面の強化にも一役買っており、Gフォートレスのようにコア・ブロックが機体下面にむき出しになる事はなく、コア・ブロックへの負担も軽減されている。

なお、SガンダムのA・B・Cパーツへの分離は想定されていないが、A、BパーツはEx-Sパーツを排除する事で分離する事は可能である。

変形シーケンス (MS形態 ⇒ Gクルーザー) [編集 | ソースを編集]

本機は全体のユニット数が極端に多いため、変形機構が可変機体の中でも屈指の複雑さとなっている。

  1. 両肩部のサイド・ジャケットのラッチに懸架されているプロペラント・ユニットを機体前方へ折り曲げる。脛部のフェアリングが足部に被さるように可動する。テール・スタビライザーがGクルーザー時の定位置への展開を開始する。
  2. サイド・ジャケットが肩部の取付部を支点に機体前方へと回転。プロペラント・ユニット側の基部は常時機体前方を向くように半回転する。頭部の一部は胴体へと収納され、背部ブロックに接続されていた尾部ムーバブル・フレームが外れる。
  3. Aパーツ主翼ユニットが上部へと展開。肩ブロックが基部ムーバブル・フレームを支点に後部へと折れ曲がる。背部ブロックは前方へ折れつつ回り込んで頭部を胴体へ収容、背部ブロックでバックパックを支持しているムーバブル・フレームが下部へと展開する。リフレクター・インコム・ユニットが下がりつつ、脚部が後方へ外旋する。
  4. 肩ブロックのジェネレーター・ユニットが機体前方へと回転し展開。Aパーツ主翼ユニットがねじれながら更に前方へと展開する。大腿部ビーム・カノンが前方へと展開する。背部ユニットに続いて胸部ブロックも起き上がる。胸部増加パーツ・ユニットも途中から2つに割れ、胸部ユニットと共に展開する。
  5. サイド・ジャケット及びプロペラント・ユニットがショルダー・ジャケットの隙間を通って上方へ移動。脚部が後方の外旋を完了させる。背部と胸部のブロックが面一で合わさって固定される。
  6. プロペラント・ユニットが基部ムーバブル・フレームに被さり始めると共にサイド・ジャケットは切り離されショルダー・ジャケット上部の蓋をする。Aパーツ主翼ユニットも定位置へと移動を完了する。
  7. プロペラント・ユニットが基部ムーバブル・フレームへ完全に被さり、テール・スタビライザーも定位置への移動を完了し、先端のセンサーユニットを展開。尾部ムーバブル・フレームはバックパック中央のラッチと接続されGクルーザーのメイン・フレームを構成。Bパーツが主翼を展開し、計6門のビーム・カノンが機体前方、バックパックと脚部のノズルが機体後方を向く。以上で変形は完了となる。

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

ガンダム・センチネル
初登場作品。パイロットはリョウ・ルーツ。第七章にGクルーザーの状態で初登場し、同章ラストでMS形態へと変形した。
エアーズ攻防戦で実戦投入され、月面降下に失敗したネロ部隊の救援やホワイト・フォースとの戦闘を行っている。ブレイブ・コッドガンダムMk-Vとの戦闘ではパイロットの技量差とリョウが迫りくるMk-Vへの恐怖でパニック状態になった事から窮地に陥るものの、それを受けて覚醒したALICEが機体を操作して勝利した。その後、Ζプラスと共に単独で月から離脱して帰投、以降の戦闘では再びSガンダムに換装して運用されている。
アナハイム・ジャーナル
製造された4機の内、地球のネパール地区にある高地に立つ1機の姿が撮影されている。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

特殊機能[編集 | ソースを編集]

ALICE(アリス)
MSの完全自動化を目指して造られたコンピューターシステム。正式名称は「Advanced Logistic & Inconsequence Cognizing Equipment(発展型論理・非論理認識装置)」。
Gコアに搭載された学習型コンピューターとA、Bパーツに搭載された補助機器で構成され、戦闘や機動を全て自身で判断して行う事を可能としている。ただし機体が分離した状態ではただの学習型コンピューターでしかなく、あくまでもMS形態時での運用が前提である。
α任務部隊に配備される際に封印されたと思われていたが実はそのままとなっており、時折リョウの制御下を離れては勝手に戦闘を行う事があった。
Iフィールド発生器
胸部増加パーツに搭載された対ビーム・バリア。ジェネレーターから供給されるエネルギーの一部をチャージし続ける事で、コクピット周辺への着弾が予想されるタイミングで瞬間的に展開される。
4基のジェネレーターを搭載しているとは言え、機体全体を覆うだけの範囲のフィールドを常時展開する事は不可能[3]で、コクピットブロックにのみ数秒間だけ展開するようになっている。
変形
GクルーザーまたはMS形態に変形可能。胸部増加パーツは変形時の構造補強を兼ねている事から、Gクルーザーへの変形を実現した。
分離
プロペラント・パックやコクピットブロックを分離可能。
強化パーツをパージした上でGアタッカー、Gボマー、Gコアへ分離する事も可能とされる。
換装
Sガンダムブースター・ユニット装着型ディープストライカーに換装可能。
テール・スタビレーターを換装可能。

武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

60mmバルカン
頭部に左右二対4門内蔵されている近接防御用武器。炸裂弾を発射する。
テール・スタビレーター60㎜バルカン
テール・スタビレーターに4門内蔵。主にGクルーザー時の武装として使用されるが、MS形態時にも後方の敵機に対して使用可能。
固定武装ではなくオプションであり、装備する場合はテール・スタビレーターそのものをバルカン砲内蔵型に換装する必要がある。
インコム・システム
頭部に1基装備されている有線式の準サイコミュ兵器。出力3.8MW。オーガスタ研究所からの流出技術を使用している。その為、ガンダムMk-Vが装備している物と基本設計を共有している。
左右にビームの発射口を3門ずつ、計6門備える。1回の使用につき3発まで発射でき、回収してエネルギーを再充填すれば再使用も可能。
2次元的な軌道しか描けない為に簡易的ではあるものの、オールドタイプの一般兵でもオールレンジ攻撃を行う事が可能。ビームの出力はあまり高くないが、不意打ちに使えるなど有効性が高い。
大腿部ビーム・カノン
大腿部に2門装備されているビーム砲。出力14MW。ムーバブルフレームに直接接続され、広範囲への攻撃を可能とする。Ζプラスが装備していた物の改良型で、通常のビーム・ライフル以上の射程距離や命中精度を有するなど高性能化されている。携行武装ではないので、攻撃しながら別の武器を手にして使用する事が可能。
Sガンダムではビーム・スマートガンとの選択式だったが、本機では同時に装備する事が可能。
バック・パック部ビーム・カノン
ブースター・ユニットに4門装備。こちらもムーバブルフレームに直に接続される。出力12MW。
コストパフォーマンスが比較的に良好であり、FAZZにも転用されている。
リフレクター・インコム
両膝部に追加された有線式の準サイコミュ兵器。円筒形の端末を射出し、そこからIフィールドを展開させて自機が発射したビーム・カノンやビーム・スマートガンのビームを反射・屈折させる事で攻撃を行う。その為、端末自体には攻撃能力は付与されていない。使用する際にはどんな相手に対しても致命的な攻撃力を発揮できるよう、機体に搭載されたコンピューターがこの武装と各ビーム砲の組み合わせの最適値を弾き出す。
Iフィールドの展開に必要なエネルギー量が非常に多く、射出中のビーム反射・屈折は一度が限界で、収納してチャージしなければ再使用は不可能。それでも本機と別方向からの奇襲や障害物越しの攻撃に使えるという点では有効性が非常に高い。
ビーム・サーベル
リフレクター・インコム・ユニットに計2本格納されている。出力0.9MW。
このリフレクター・インコム・ユニットもムーバブルフレームに接続され、AMBACユニットとして機能する。質量は小さいので、射撃時などの微調整が主な役割となる。またユニット自体もニークラッシャーとして攻撃に使用可能。
ビーム・スマートガン
本機のオプションとして採用された長砲身のビーム・ライフルメガ・バズーカ・ランチャーと比較して出力は劣る(それでも通常のビーム・ライフルを凌駕するレベル)が、使い勝手はこちらの方が良い。装備時には腹部のムーバブルフレームに接続され、大腿部ビーム・カノンとの同時使用が可能となった。
この武装自体にもオプションが用意されており、Ζプラスのビーム・スマートガンと同じディスク・レドームが装着できる。この場合、通常時よりも広範囲のスキャンが行えるようになるというメリットがある。他にも大容量冷却装置を持つ砲身に換装する事で連射性が向上するが、こちらはコストの高騰化と重量増加が問題視されている。

対決・名場面[編集 | ソースを編集]

VS:ガンダムMk-V

関連機体[編集 | ソースを編集]

Sガンダム
素体。Ex-Sガンダムはこの機体に8つの強化パーツを装着する事で構成されている。
Sガンダム (ブースター・ユニット装着型)
Sガンダムのバックパックと下半身をブースター・ユニットに交換した高機動仕様。
ディープストライカー
Sガンダムにブースター・ユニットやレドーム、艦艇の主砲、Iフィールドと多数の装備を追加した状態。

商品情報[編集 | ソースを編集]

ガンプラ[編集 | ソースを編集]

フィギュア[編集 | ソースを編集]

資料リンク[編集 | ソースを編集]

リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 可変に伴い出力が向上しているが、これについての解説は行われていない。
  2. 「異常な」や「驚くべき」等を意味する形容詞。
  3. ゲーム作品等ではシステムの兼ね合いの関係で普通に展開している。