三日月・オーガス

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三日月・オーガス(Mikaduki Augus)

火星の民間警備会社「クリュセ・ガード・セキュリティ(CGS)」の参番組に所属する少年兵。
モビルワーカー等の機動兵器の操縦技術に長けており、後に起動したガンダムバルバトスの正規パイロットとなる。
幼少の頃から幼馴染であるオルガ・イツカと行動を共にしており、彼とは実の兄弟以上の信頼関係で結ばれている。また、若年ながらも兵士としての訓練を受けており、その肉体は鍛錬によって鍛え抜かれている(その反面、就学経験がないため文字の読み書きや世界情勢には疎く、それを本人も自覚しており鉄華団内の会議にも参加しない事も少なくない)。

CGSの方針として、非人道的な『阿頼耶識システム』を3度にわたって受けているため、前述のような機動兵器の操縦に加えて高い空間認識能力を有する。 鉄華団のメンバーの中では小柄な体格をしているが年はオルガと一つ違いでこれは阿頼耶識システムによる成長阻害が示唆されている。

細かい事を気にしない大らかな性格の持ち主だが、同時に戦場育ち特有のシビアな思考も同時に備える。 また自らが敵と認識した相手には一切の容赦はしないが、決して冷淡な人間ではなく、仲間と認めた相手に対して情深く礼節も弁える。 しかし、その一方で行動の決定権をオルガに強く依存しており、部隊内では積極的な自己主張をせず、オルガが下した指示の内容に対しても深い詮索は行わない。ただし、自分の意志を持っていないと言う訳ではなくオルガへの信頼の表れである。

将来は農園を経営すると言う夢を持っており、その為とバルバトスの整備の手伝いをする為にクーデリアから字の読み書きを習う事となる。

全話を通して自らの言葉で語ることは少なく周囲の人間から見た「三日月・オーガス」という形で描写されている。また、彼自身はあまり感情を表に出すことが上手ではなく、満足な教育を受けていないため倫理的なタブー意識が希薄。そのためか序盤は人間味の希薄な酷薄なキャラクターのように描写されていたが、物語が進むにつれ周囲の人々の描写が充足されるにしたがって三日月の人間性も徐々に視聴者に伝わるようになっていく。 しかし第二期に入ると三日月の超人性、優秀さだけが強調されるようになる。ハッシュ・ミディの孤児時代の兄貴分ビルスが、三日月の優秀さに対して阿頼耶識システムの搭載手術に失敗した自らを「産廃」と呼び自殺したエピソードを始め、(もちろん実戦で強いということはそれだけで十分な理由になるのだが)特にこれといった魅力的なエピソードもないまま団員からは強い羨望を受ける。戦闘においてはライバルが存在せず、モビルアーマー「ハシュマル」は1機で撃破、それまでの「モビルスーツは宇宙という極限環境で運用されるものだから丈夫にできているはずで、ビーム一発で沈むのはおかしい」というコンセプトを無視したような「三日月無双」に終始。ほとんどの敵勢力が全く歯が立たないという状態で勝ち続けていったが、「三日月無双」以上の「ダインスレイヴ」の乱発によりモビルスーツ戦は事実上陳腐化。それでも対モビルスーツ戦では比較にならない強さを維持し続けたものの、最終的にはダインスレイヴの掃射により大破。ジュリエッタ・ジュリスにより打ち取られ、そのまま死亡したものと思われる。

三日月の希薄な人間性に対して内面の描写が充足されることが期待されたが、ストーリーの展開との都合で彼の変化や魅力を感じさせるエピソードが極めて少なく、特に第二期に入ってからはライバル不在であったため単純に強いだけのアイコンとしてしか活躍することができなかった。対して、敵対勢力であるところのガエリオ・ボードウィンマクギリス・ファリドのライバル関係、変化したものと変化しなかったもの激しいぶつかり合いは両者の魅力を存分に引き出したことを考えれば、そのポジションに据えられることがなかったのは不幸といえようか。


登場作品と役柄

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第一期
CGS所属時は、オルガ率いる参番組のモビルワーカーパイロットの1人であり、阿頼耶識を3度受けた影響もあってチームの中では一番の腕前を有していた。
しかし、クーデリアの護衛依頼に端を発したギャラルホルンとの抗争において、オルガ達の提案で基地の動力としてエイハブ・リアクターを利用していたガンダムバルバトスに搭乗。侵攻する敵をことごとく退けた。
その後、元参番組メンバー一同によって鉄華団が組織されると、改めて自身達に護衛を依頼するクーデリアを伴って地球への旅に向かっている。
道中で接触したテイワズとの提携が進む中、宗主マクマード・バリストンの意向によってバルバトスを大幅に強化して貰い、また鉄華団とタービンズが兄弟分となった折にも名瀬から漢字名を与えられている。
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第二期
第一期の最終盤、エドモントン市街での戦闘でグレイズ・アインを相手にガンダム・バルバトスのリミッターを解除して稼働させた反動から、左半身が不自由となってしまう。それでも不自由ながら日々農作業などをしながら過ごすもテイワズ内部の対立やギャラルホルンとの協力関係などの要因から各地で戦端が開かれ、三日月も戦場へと赴くことになる。モビルアーマー「ハシュマル」との総力戦では再びガンダム・バルバトスのリミッターを解除して下半身不随になり、日常生活に支障が出るほどにまで進行してしまう。鉄華団を取り巻く状況は悪化の一途をたどり、オルガ・イツカが暗殺されると、団員たちを逃がすために「俺たちの居場所」である鉄華団本部の防衛にあたる。絶対的不利な状況でありながら次々に敵機を撃破していくも、衛星軌道上からのダインスレイヴの掃射を受け機体は大破。最後はジュリエッタ・ジュリスによって打ち取られ、死亡。

人間関係

鉄華団

オルガ・イツカ
幼馴染にして最大の友人。鉄華団の代表であり、家族の一員でもある。
ビスケット・グリフォン
アトラ・ミクスタ
自分に想いを寄せる少女。働かされていた店を飛び出し、空腹で途方に暮れていた彼女を馴染みの雑貨屋であるハバに紹介するなど世話を焼いたことで、好意を持たれている。三日月自身はそれに気付いてはいないが、普段からあまり感情を見せない三日月が「アトラの作る料理は美味しい」と欲目を見せたり、彼女が傷付けられたと知るや激しい殺意をあらわにするなど、大切な存在として認識しているのは確かである。
昭弘・アルトランド
同じ鉄華団のMSパイロット。CGS時代からの実力者で、三日月もその実力を信頼している他、よく一緒にトレーニングに励んでいる。その為、低軌道ステーションではグレイズ改の操縦に慣れていないにも関わらず援護を任せるという無茶振りをかますが、昭弘はきっちり役目を果たした。
ユージン・セブンスターク
タカキ・ウノ
三日月を慕う少年。
ナディ・雪之丞・カッサパ
鉄華団のメカニック。参番組にも友好的だった為、CGS時代からメカニックとして信頼している。
ハッシュ・ミディ
エドモントン戦以降に鉄華団に入隊した新規参入組のパイロット。当初は三日月を強く意識していたが、地球で彼との実力差を見せつけられて以降は三日月に本気でついていくことを決めている。

火星

クーデリア・藍那・バーンスタイン
護衛対象。当初はきつい物言いをする事もあったが、後に仲間と認めたのか理想と現実の差を突きつけられた時に自分なりの励ましのアドバイスを送っている。
桜・プレッツェル
ビスケットとクッキー、クラッカ姉妹の祖母。

テイワズ

名瀬・タービン
ラフタ・フランクランド
タービンズとの戦闘の際に戦い、互角の勝負をした事から興味を持たれる。
マクマード・バリストン
テイワズの代表。三日月の事を気に入りバルバトスのオーバーホールをやらせている。

ギャラルホルン

マクギリス・ファリド
火星で諸事情から出会う事になる。その際にクッキーとクラッカにお詫びとしてチョコを上げた事から後に戦場で再会した時に「チョコレートの人」と呼んだ。また、基本的に敵対者に関心を払わない三日月をして「こいつは違う」と言わしめるほどの技量の持ち主として強く印象に残った様子。そのため、モンタークと名乗った際も正体を見抜き、グリムゲルデを駆って援護に駆け付けた時にも、その動きからすぐに見破った。
クランク・ゼント
ギャラルホルンのパイロット。バルバトスのパイロットが少年だと知り、三日月達をあくまでも大人の犠牲になっている子供として身を案じながらも軍人として命令を果たす為に決闘を申し込む。最後は三日月に敗北し重傷を負い、三日月に介錯を頼み銃を向ける三日月に感謝する……が、三日月はクランクを介錯するのではなくあくまでも自分の敵を殺しただけなのか感謝の言葉を最後まで口にする前に引き金を引いて射殺している。
ガエリオ・ボードウィン
火星でビスケットの妹たちを轢きそうになり、カッとなって首に掴みかかった相手。その件で対抗心と敵意を抱かれる。後に戦場で再会した時にはマクギリスの隣にいた事から「チョコの隣の人」と呼んだ。再戦時には相手に名乗られたにもかかわらず「ガリガリ」と呼び、以後はそう呼ぶようになる。
アイン・ダルトン
ギャラルホルンのパイロット。クランクの仇である三日月や鉄華団に対して強い恨みを持つようになる。
カルタ・イシュー

その他

マルバ・アーケイ
クダル・カデル

名台詞

一期

「ねぇ。次は何をすれば良い? オルガ」
オルガへの信頼を表す言葉。一方のオルガからは三日月から寄せられる信頼に応えればならないと言うプレッシャーからオルガに対する呪いの言葉でもある。
「マジでやめてよ」
火星の情勢を知らずに不用意にやさしい言葉をかけるクーデリアに対しての一言。この時の三日月はクーデリアが世間知らずなこともあってとにかく辛辣。
「…その声、そういうアンタはチョコレートの隣の人か」
機体を拘束し投降を進めてきたガエリオに対しての台詞。この台詞からガエリオは視聴者からチョコレートの隣の人呼ばわりされることに。この時ガエリオは直後に名乗っているのだが…
「かわいいと思ったから。嫌だった?」
名瀬達のキスを見た後、影響されてかクーデリアが可愛いと思ったという理由だけでクーデリアにキスした際の台詞。彼の欠落した人間性を表す印象的なシーン
「…もう、フミタンじゃない」
フミタンの死後、死を認められずその場から離れないクーデリアに対して。フミタンの死を糧に彼らは先へ進むのだった…。
「そうだ…俺はその場所を見たい。お前はどうだ!?バルバトス!」
第19話「願いの重力」より。限界点を超え、機体が燃え尽きるのを覚悟で格闘戦を挑んできたグレイズリッターを沈めたものの、そのせいで既にバルバトスは仲間たちが乗るシャトルとはぐれてしまい、合流が不可能になっていた。機体は完全に地球の重力圏に捕まり、このままでは燃え尽きる。そんな時、三日月の脳裏に、幼き日にオルガと交わした言葉が過る。「俺達の本当の居場所。今まで見たことがないところに行こう」――瞬間、三日月の瞳に強烈な光が宿る。
生きんとする意志に満ちた契約者の叫びに、白き悪魔は応えた――。
「ここが俺達の場所なの?」
「ダメだよオルガ。オルガが連れてってくれる場所に付くために俺達は止まらない。止まれない。そう決めたんだ。」
「そう…あの日に…決まったんだ。」
「その為にはあと何人殺せばいい?どれだけ殺せばいいんだ?教えてくれオルガ。オルガ・イツカ」
ビスケットの死後、意気消沈としているオルガに向かっての激励。たとえ彼が死んだとしても自分達は止まるわけにはいかない。これまで死んでしまった仲間の為に。そして自分達の為に。そういった感情が爆発した瞬間だった。ヒイロ・ユイの名台詞と似ているが、あちらとは意味が真逆。
「そうだ…オルガが連れてってくれる場所にたどり着くためなら…なんだってやってやるよ」
「…誰そいつ?」
クランクの仇をとろうと突撃してきたグレイズ・アインに対して。いくらなんでもこれはひどい。
「…おい、バルバトス…お前の力…全部よこせ。」
「まだだ…もっと…もっと寄越せ…バルバトス!」
アイン相手に苦戦した際、バルバトスへ語り掛けた言葉。同時にこれにこたえるように阿頼耶識を通じて情報量が三日月の中に流れていき、それに同調して三日月は片目の視力を失う。…悪魔はパイロットの一部を糧として、その者に強大な力を与えた。
「うるさいなぁ…オルガの声が聞こえないじゃないか…」
強大な力を持ってしても、純粋な阿頼耶識による力はそれよりも高く、一度は倒される事を覚悟した三日月…。しかし、オルガによる激励で目覚めたのだった。それに呼応するかのようにグレイズ・アインの反応速度をも超える力をもたらす悪魔。その後、やっとの事で太刀の使い方を知った三日月は、フレームごと腕部装甲を切り裂くという芸当を見せ、両腕を切断されたアインによる叫びを太刀でコックピットを突き刺して邪魔した後の台詞。

搭乗機体・関連機体

CGSモビルワーカー(地上型)
CGS時代の搭乗機で、白で塗装されている。
ガンダム・バルバトス
愛機。阿頼耶識システム対応施術を三度にわたって受けている三日月に合わせて調整されたため、三日月以外には扱えない事実上の専用機であり、三日月本人も愛着を持っている。因みに三日月が不在の際に別のパイロットがバルバトスの阿頼耶識を繋げた際、「バルバトスの阿頼耶識は三日月に合わせてあるんだ、おめぇなんかが乗れる機体じゃねぇぞ」と雪之丞のおやっさんが叱るシーンがある。
ガンダム・バルバトスルプス
バルバトスの改修機。エドモントンの決戦後に右目の視力と右腕の感覚を失った三日月の為に阿頼耶識の感度を引き上げてある。流線的なフォルムとなっている他、前腕部を伸ばしている為、原型機であるバルバトスのシルエットとは少しばかり離れている。ルプスとはラテン語の「狼」を意味する。
ガンダム・バルバトスルプスレクス
バルバトスルプスを更に改修した機体。両腕を大型化し、テイルブレード等を追加した為本来のバルバトスのシルエットとはかけ離れてしまった。レクスとはラテン語で「王」を意味する為、ルプスと合わせてマクギリスが作中にて「狼の王」と称している。
百錬
MSの操縦訓練で使用している。