ガンダムタイプ(Gundam Type)
ガンダムシリーズにおいて、主役あるいはそれに準ずる立場に据えられる[[モビルスーツ]]。外見上の特徴として、V字型アンテナとツインアイを有している場合が多い。
その定義は世界観ごとに異なっているが、所謂「量産機」と呼ばれる機体とは一線を画した性能を有したハイエンド機として開発され、ビーム兵器の搭載といった何らかのアドバンテージを持つ。
各世界観におけるガンダムタイプ
[[宇宙世紀]]
[[一年戦争]]時、[[ジオン公国軍]]の[[ザクII]]に対抗するべく[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]が開発した[[ガンダム]]と、それを祖とする機体群。戦後はガンダムの活躍に肖って装甲材に使われた[[ルナ・チタニウム合金]]を「ガンダリウム合金」と呼ぶようになり、連邦軍内でも予算獲得の名目や政治的アピールとして後継機開発を推し進めるなど、その影響力は計り知れない。
様々な実験的システムを搭載した実験機、試験機としての意味合いが強く、「その時代において求められる戦術を体言するべく、技術の粋を集めて作られた試作機」とも定義されるが、ハイエンド機として生産性や整備性を度外視してその性能を達成している機体も存在する。中には[[ガンダムTR-1[ヘイズル]]]のように外見をガンダムタイプに似せた上で強化改修を施した機体も存在し、その外見がもたらす敵味方への心理的影響も大きい<ref>中には[[エンデ・アベニール]]の[[ジムII]]や、[[ウモン・サモン]]の[[Bガンダム]]のように頭だけがガンダムになった機体に敵が動揺するというケースもある。特に前者については搭乗者のメンタルにも影響を及ぼしている。</ref>。
ガンダムはそのパイロットである[[アムロ・レイ]]が[[ニュータイプ]]であったことから、「ガンダム伝説」はニュータイプ神話と不可分なところが大きく、その結果戦後のニュータイプ研究の活発化を招き、以降の戦乱においてもニュータイプパイロットがガンダムタイプに乗り、その伝説を実証するかのように活躍を重ねていった。これは結果的にガンダムタイプが非正規部隊によって運用さるという歴史を積み重ねることになり、更には[[エゥーゴ]]の活躍や[[マフティー動乱]]によって「ガンダムは反抗の象徴」としての意味合いが大衆の中に浸透していった。
その後、宇宙世紀0120年代に連邦軍が極度に保守化したことで、非正規部隊や反連邦組織で運用されてきた機体の名称である「ガンダム」を継ぐことは憚られるようになっていく。ガンダムの意匠を受け継ぐ[[ガンダムF90]]や[[ガンダムF91]]も現場では「ガンダム」の名で呼ばれていたものの、それは非公然のものであり、連邦軍はこれら機体にペットネームを与えていなかったが、[[コスモ・バビロニア建国戦争]]で[[スペース・アーク]]の士官たちがF91に「[[ガンダムF91]]」のコードを与え、それが正式な敵味方識別に組み込まれる形で歴史に名を残すことになった。
宇宙世紀153年にはガンダムの反抗のシンボルとして伝説化しており、[[ザンスカール戦争]]時に開発された[[Vガンダム]]もガンダム伝説に肖った機体であり、その後も「希少価値が高く強力なモビルスーツ」としてガンダムの名前は語り継がれている。
[[未来世紀]]
[[ガンダムファイト]]に用いられる[[モビルファイター]]を指し、ガンダムファイトで使用されるガンダムは「'''G'''overn of '''U'''nverse '''N'''ation '''D'''ecide '''A'''dvanced '''M'''obile-suit (宇宙を支配する国を決める新たなモビルスーツ)」の略称とされている。また、それと同時にガンダリウム合金を使用した機体全般を指す語としても用いられる。
モビルファイターはガンダムファイトの理念である「人機一体」を体現する機体群であり、そのために全機がバーチャルコクピットと[[モビルトレースシステム]]の搭載が義務付けられている。
頭部に重要システムを集約させるなどのレギュレーションに則って競技用に開発された機体だが、世界の支配権を賭けた代理戦争であるガンダムファイトに用いられる機体は国の威信の象徴であり、国家の持てる技術の粋を集めた高性能機となっている。
[[アフターコロニー]]
宇宙でのみ精製可能な[[ガンダニュウム合金]]を主構造材として建造されたMSの総称。その中でも[[ウイングガンダムゼロ]]を基礎として[[オペレーション・メテオ]]に運用された機体と、その系譜に属する機体を指し、コロニーの反抗の象徴としても扱われている。
ガンダニュウム合金を使用したビーム兵器は、その素材強度によって各装置の出力や耐熱性、耐久性が向上しており、水中でも減衰することのない高出力を発することができ、ジェネレーターも同様に稼働効率が劇的に向上しており、[[リーオー]]などと比較しても破格の高性能を実現している。
また、これら5機のガンダムとは別系統の機体として[[ドクター・ペルゲ]]が設計した[[G-UNIT]]が存在するが、G-UNITの装甲材に使用されているG-METALもその実態はガンダニュウム合金である。
[[アフターウォー]]
[[第七次宇宙戦争]]で旧連邦軍が決戦兵器として投入したニュータイプ専用高性能モビルスーツ。基本的にニュータイプに反応する[[フラッシュシステム]]を搭載し、ビットMSの遠隔操作やサテライトシステムの初期起動が可能な機体を指しており、第一次宇宙戦争では試作一号機があるパイロットをニュータイプに覚醒させたとも言われている。
大戦でそのほとんどは失われたが、戦後もその伝説は喧伝されており、天下の象徴として[[バルチャー]]たちの間で垂涎の的となっていった。また、旧連邦が[[新連邦軍]]に再編される過程で複数機のガンダムタイプが試作されていることからも、その象徴性の高さがうかがえる。
[[コズミック・イラ]]
[[ストライクガンダム|ストライク]]など連合軍製MSに搭載されている機体OS(M.O.S.)「'''G'''eneral '''U'''nilateral '''N'''euro-Link '''D'''ispersive '''A'''utonomic '''M'''aneuver」の略称である「[[GUNDAM (OS)|G.U.N.D.A.M.]]」に起因する俗称。
当初は連合軍の技術だったもののザフトによるG強奪を機にザフト側にも技術が流出。これ以降、勢力を問わずOSの略称を「G.U.N.D.A.M.」にする事が技術者の間で流行したようで、勢力や機体ごとに複数のパターンが存在する。その為、そのようなOSを持つMSが「ガンダム」に分類される事が多い。
機体名称として「ガンダム」という呼称を用いたのはストライクに搭乗した[[キラ・ヤマト]]が始まりであり、当初その呼称はごく限られたコミュニティでのみ通じるあだ名の様なものだったが、キラから[[ヘリオポリス]]の学生達、[[アークエンジェル]]のクルー、[[アルテミス]]の軍人達…という経緯で他へ伝わっていった。中には[[ライゴウガンダム]]や[[インパルスガンダムブランシュ]]など機体名称に「ガンダム」が入る機体も出現しており、それ以外の機体であっても外見的特徴から「ガンダム」と呼称した人物も存在している。
『SEED』以降も、作中世界で「ガンダム」があくまで俗称としてのみ用いられる作品が登場しているが、いずれにおいてもガンプラや資料、ゲーム等の媒体においては(恐らく商標の都合上)従来通り機体名に「ガンダム」が付いた状態で登場している。
[[西暦]]
[[ソレスタルビーイング]]の所有する機動兵器。広義には[[GNドライヴ]]([[太陽炉]])を搭載した兵器のことを指し、必ずしもMSとは限らない<ref>[[イオリア・シュヘンベルグ]]がソレスタルビーイングの行動理念を世界に宣言した際には、その映像を収録した当時MSがどのような兵器になるか定かではなかったため、「機動兵器ガンダム」と発言している</ref>。ソレスタルビーイングに所属するガンダムパイロットはガンダムマイスターと呼ばれ、[[刹那・F・セイエイ]]は紛争根絶の理念を体現する姿勢を貫かんとする自らや仲間たちをして「ガンダム」と呼んでいる。
[[GN粒子]]を用いたジャミング、慣性制御、ビーム兵器の運用など既存のMSの先を行く性能を有し、少数精鋭でありながら各国軍隊に対抗出来る存在であったが、各国に[[GNドライヴ[Τ]]]([[擬似太陽炉]])と、それを搭載した[[ジンクス]]がもたらされたことでその優位性を失うことになる。
一方、ジンクスの後継機として開発された[[アヘッド]]は性能を高めた結果ガンダムに近い構造を有するようになっており、それらの意匠をあえて装甲で隠すなどガンダムに否定的な感情を持った市民に配慮した設計が成されている。ジンクス系列機はジンクスIVの開発に際してソレスタルビーイングから得たデータを元に大幅な性能向上を果たしており、それをして「ガンダムタイプ」と呼ばれるケースも存在する。
また、「ガンダムを超えるガンダム」として[[ダブルオーライザー]]と[[ダブルオークアンタ]]は敢えて名称から「ガンダム」の呼称が外されているが、機体分類上はガンダムタイプとなっている。
[[A.G.|アドバンスド・ジェネレーション]]
[[MS鍛冶]]達の間で語り継がれている、過去の戦争を終わらせた伝説の救世主の名。
その後、[[地球連邦軍 (AGE)|地球連邦軍]]と[[UE]]([[ヴェイガン]])の戦争が始まると[[フリット・アスノ]]によって制作されたMSに「UEから人類を救う救世主」になると言う願いを込めて「ガンダム」と名付けられ、フリットが幼少期に過ごしたコロニー「オーヴァン」のアスノ邸に飾られていた肖像画のガンダムの姿を模して[[ガンダムAGE-1 ノーマル|ガンダムAGE-1]]が生み出され14年間一度も勝つ事の出来なかったUEのガフランに勝利し多大な戦果を挙げている。
[[コウモリ退治戦役]]後は連邦軍の英雄的存在として祭り上げられ、後にAGE-2、AGE-3と新たなガンダムが生み出されている。[[AGEシステム]]を搭載するために、ヴェイガンからは進化するMSとして脅威とされた。一方、ヴェイガン側も[[A.G.]]160年代には[[ガンダムAGE-3 オービタル]]のデータを使い[[ガンダムレギルス]]を造り上げている。
[[リギルド・センチュリー]]
基本設計がR.C.以前の年号である宇宙世紀のガンダムタイプに由来されるとされる「G系」の兵器軍が宇宙世紀の技術遺産である「ヘルメスの薔薇の設計図」の中に残されている。作中では[[G-セルフ]]がガンダムと呼ばれ、G-セルフ及び、[[G-アルケイン]]、[[G-ルシファー]]がガンプラ化の際にガンダムの名称が付けられたが、同様にG系の[[ジャイオーン]]、[[カバカーリー]]、[[ジャスティマ]]等にはつけられていない為、G系=ガンダムと言う訳ではないと思われる。
[[ポスト・ディザスター]]
本編より約300年前に起きた全地球圏規模の大戦・「厄祭戦」時に製造された「[[ガンダム・フレーム]]」と呼ばれるフレームを有したMSの総称。
ガンダム・フレームは後の世に[[ギャラルホルン]]と呼ばれる武装組織によって開発された代物で、専用設計された1対2基の[[エイハブ・リアクター]]を並列同期稼働させる「ツインリアクターシステム」を有することが最大の特徴であり、現行機を大きく上回る高出力を誇る。また、[[阿頼耶識システム]]との親和性が非常に高いのも特徴。ガンダム・フレームは厄祭戦末期に全部で72体製造され、それぞれにソロモン72柱の悪魔から取られた固有の名称が与えられている。また、厄祭戦から300年経っても稼動状態の機体も存在し、P.D.323年時においては最低でも26機が確認されている。
基本設計が古いため、現行機に比してフレーム構造が複雑で、整備性は良くない。また、製造から300年が経ったことで[[ガンダム・バルバトス]]の様に機体の各部が劣化して本来の性能を出せない機体や、[[ガンダム・グシオン]]の様に様々な勢力を渡り歩き改造されている機体、また[[ガンダム・キマリス]]の様に本来の製造元であるギャラルホルンが所有している機体も存在しているが、いずれも現行のMSを凌駕する性能を誇り、ガンダム・フレームを有するMSは時代の節目に現れては多大な影響を与えたとされている。
[[アド・ステラ]]
宇宙での生活に適応する為の福祉工学「GUND」をMS用に発展させた「[[GUNDフォーマット]]」を搭載したMSの総称。「[[GUND-ARM]]」がやがて「ガンダム」と呼ばれるようになった。
その試作機となる[[ガンダム・ルブリス]]は[[オックス・アース・コーポレーション]]と[[ヴァナディース機関]]が開発を行い、量産試作モデルの生産にも着手していたが、パイロットへのリスクの高さに加え、スペーシアンとアーシアンのパワーバランスを崩す可能性がある事を危惧した[[モビルスーツ開発評議会]]によってその存在が否定され、[[ヴァナディース事変]]と共にその開発や保有が禁止された。
事変後も「魔女のMS」や「呪いの機体」といった風評とともに嫌悪されているが、一方で協約に反して水面下でGUND-ARMを開発する企業も複数存在している。
関連用語
;[[モビルスーツ]]
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;[[ガンダリウム合金]]
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;[[モビルファイター]]
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;[[ガンダニュウム合金]]
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;[[GUNDAM (OS)]]
:
;[[GNドライヴ]]
:
;[[AGEシステム]]
:
;[[ガンダム・フレーム]]
:
;[[GUND-ARM]]
:
;[[GUNDフォーマット]]
:
余談
*「ガンダム」の名前の由来は、『Gun』+『Freedom』…つまり自由の為の銃と言った意味合いが込められている。また、当初の名前は「フリーダム・ファイター」の案があったが、「ガンボーイ」から「ガンボン」から「ガンダム」へと変化したとも言われている。
リンク
*[[小辞典]]
*[[登場メカ]]
脚注
<references/>
{{DEFAULTSORT:かんたむたいふ}}
[[Category:技術]]
[[Category:登場メカか行]]