各世界観におけるガンダリウム合金
ガンダリウム合金(宇宙世紀)
当初は「ルナ・チタニウム合金」と呼称されていたチタン系合金。その名が示す通り、開発当初は月でしか精製出来なかった為、その名で呼ばれている。正式名称は「超硬合金ルナチタニウム」。[[一年戦争]]で[[ガンダム]]を始めとする[[モビルスーツ]]やシールドの装甲部材の他、[[ケンプファー]]のショットガンの散弾などに幅広く使用された。
チタンを基幹素材としてアルミニウム、希土元素類などが混合された合金とされ、高い剛性や対放射線能力を誇り、軽量かつ腐食にも強い。その反面、原材料の希少さ(特に希土元素類が希少・高額)や精製・加工の困難さから通常の装甲材質よりも高価であり、[[ジムシリーズ]]本体の装甲やシールドにはより安価な[[チタン合金]]系素材が、[[ジオン公国軍]]の機体には[[超硬スチール合金]]が採用されている。
一年戦争前はその性質から[[熱核融合炉]]の構造材として着目されていた<ref>高い熱耐性や放射線遮断能力により、炉の小型化が期待されていた。ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉が実用化された際も、これと併用する事で性能を維持したまま小型化が出来ると期待された。</ref>が、生産性の問題により実用化の目処は立たなかったとされる。
[[V作戦|RX計画]]で積極的にMSの構造材・装甲材として用いられた事で装甲材としての実用性を証明し、戦後の一時期(後述のガンダリウムγの浸透まで)はガンダムの活躍に肖って「ガンダリウム合金」と呼ばれるようになった。
ガンダリウムα
[[アクシズ]]がルナ・チタニウム合金(ガンダリウム合金)の再現・復元物として開発した素材。装甲材としての性能はルナ・チタニウムと同一と言われている。資料によっては[[ガンダム]]に使用されたルナ・チタニウム合金を指して「ガンダリウムα」が記載されている場合もある。
ガンダリウムβ
ガンダリウムα同様にアクシズが開発した合金素材。名称的にαとγの中間に位置するため開発時期・性能もそれらの間と思われる。一部資料では[[ネモ]]や[[マラサイ]]の装甲にガンダリウムβが使用されているとする記述や[[ジェガン]]に用いられるチタン合金セラミック複合材がガンダリウムβ相当の強度・性能を有するという比較記述がある。
ガンダリウムγ
宇宙世紀0087年の[[グリプス戦役]]以降使用される合金素材。ルナ・チタニウム(ガンダリウムα)合金に用いられていた希土元素類を、マグネシウムやケイ素で代替している。ガンダリウムαに比べ生産性に優れながらも高い耐久力は維持されており、加工性の問題も工作機械の性能向上や軟性の改善によってクリアされている。グリプス戦役以降、一般的に「ガンダリウム合金」と言えば(宇宙世紀作品では)これを指す事がほとんど<ref>グリプス戦役以降、特に第一次ネオ・ジオン紛争以後はガンダリウムαやβ合金製の機体が無いため、区別の必要性が無いというのが最も大きい。</ref>である。
アクシズの研究者達がガンダリウムα・βを経て宇宙世紀0083年に開発した非結晶金属の一種であり、生成炉内超高温プラズマの操作といったミノフスキー物理学から派生した諸技術によって完成した。
なお「ガンダリウム」というガンダム由来の名称の採用については開発に携わった[[アルレット・アルマージュ]]の意向によって敢えて自戒の意味を込めて敵側の優秀な機体から命名した物である。
この技術は、[[クワトロ・バジーナ]]が偵察を兼ねて[[アクシズ]]から地球圏に帰還した際に[[アナハイム・エレクトロニクス社]]に持ち込まれ、[[リック・ディアス]]を始めとする[[エゥーゴ]]の新型モビルスーツ群に採用。耐久力に優れたこの新素材は[[ムーバブルフレーム]]の実用化と[[可変モビルスーツ]]の開発に貢献し、[[マラサイ]]がAE社から[[ティターンズ]]へ譲渡されたことでグリプス戦役に登場する全陣営に技術が普及、第二世代モビルスーツの基本的特徴の一つとなっていった。
その後
第一次ネオ・ジオン抗争においてもガンダリウムγを使用するMSが主力を飾り、一部機体には'''ガンダリウム・コンポジット'''を採用するケースもあった。
第二次ネオ・ジオン抗争以後は冶金技術系の発展(ガンダリウムγ生成技術のスピンオフ応用)により、チタン合金セラミック複合材<ref>[[ジェガン]]、[[ギラ・ドーガ]]の系列機など</ref>の性能が向上しガンダリウム合金との性能差が埋まった為、より安価であるチタン合金セラミック複合材の方が主に使用されるようになる。
宇宙世紀0100年代に入ると[[ヘビーガン]]以降の連邦軍の量産型モビルスーツの装甲材として再び採用されており、その後は[[ガンダムF90]]でマイクロハニカム構造によって高い強度を維持しつつ劇的な軽量化を果たした'''ガンダリウム合金セラミック複合材'''に始まり、'''ガンダリウム合金ハイセラミック複合材'''、'''ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材'''など主にガンダリウム合金を基幹素材にセラミック系素材を複合化した装甲材として発展していった。
ガンダリウム合金(未来世紀)
「[[機動武闘伝Gガンダム]]」に登場するガンダリウム合金は、ガンマ・ユニフィケイショナル・ディマリウム合金(Gamma Unificational Dimalium Amalgam)が正式名称とされる。
[[モビルファイター]]等に用いられる装甲ではレアメタルハイブリッド多層材(積層材とも)という素材の中で複数の性質を持つ層が状況に応じて現れ、性能が変化するものが用いられている。その中でも慣性制御装置の開発過程で開発されたこの合金は'''人間の精神に反応して分子の振る舞い(=形状や色など)を変化させる性質'''までも持ち、発光現象さえ引き起こすこともある生物的な性質を持つ。[[ゴッドガンダム]]がハイパーモード時に金色に変色するのもまた、この合金の性質である。
[[未来世紀]]におけるガンダムはこのガンダリウム合金を用いたモビルスーツ(Gamma UNificational Dimalium Amalgam Mobile-suit)という定義がある。また、ガンダリウム合金の万能な特性を研究して生まれたのが[[DG細胞]]である。
合金の供給と生産は厳密に制限されており、その大半がモビルファイターへの使用が優先される為、軍用モビルスーツにはザクリウム合金、ジムニウム合金などの下位素材が用いられる。
ルナ・チタニウム合金(アフターウォー)
「[[機動新世紀ガンダムX]]」に登場するルナ・チタニウム合金は宇宙世紀に登場する材質と同名だが、設定上の関連性は無い別物である。非常に軽量かつ強固であり、これを使用した装甲は主力MSレベルの火力ではほぼダメージを与えられない程の耐久性を持つ。
第7次宇宙戦争時代に開発された「ガンダム」タイプのモビルスーツ([[ガンダムX]]、[[ガンダムレオパルド]]、[[ガンダムエアマスター]])、およびそれらの発展型や改修機、支援戦闘機である[[Gファルコン]]に採用されている。また、ガンダムタイプの使用する専用[[ビームライフル]]であるバスターライフルにも材質として使用例が見られる。