名台詞
;「お前は正しいのか?」/「正しいのかと聞いている!」
:五飛を象徴するセリフ。まず戦う相手に投げかけ、「自分の行動が(少なくとも自分自身が)正しいと思っているのか自分自身に問え」という意味であり、言い換えればお互いが正しいと考えている者同士が戦場で相対すれば、戦って決着をつけるしかない、という悲壮な覚悟の言葉でもある。大抵は意味を捉えかねて返答できないため、もう一度問い直すことになる。
:彼は「正しいのか」と問うことはあっても「強いのか」と問うことはない。これが五飛の正義が「正義は強い(正しいから勝つ)」ことであって「強いものが正義(勝ったから正しい)」ではないことの根拠となっている。
;「弱い者は戦うな!」
:彼が失い続けたものは、みな「弱かった」からであり、「弱い」のに戦ったために失われてしまった。これは彼なりの「失いたくない」という思いのこもった言葉で、「戦うのは強い者(=正義の味方)にまかせておけ」という意味。額面どおりに捉えると、「弱者はされるがまま蹂躙されろ」という意味になってしまい、非常に傲慢と思われてしまう。このあたりはセリフ回しの問題であり、意図的に誤解を受けやすくなっていながら、その割りにフォローがない。大変損なキャラクターである。
;「正しい奴が強くなくてどうする!」
:17話より。OZとコロニーとの関係が良好になっていくなか、OZの真の目的を知るガンダムパイロットたちはそれを知らしめようとするも、実利を取るコロニー側から見捨てられる運命にあった。危機に陥ったカトルとデュオだったが、間一髪で五飛が救出に現れてこのセリフ。これこそが五飛の『正義』の本質である。とても格好いい。
;「俺は『犠牲』の上に成り立つ『平和』という名の正義が本当に正しいのか確かめたいだけだ!そのために…俺は『悪』になる!」
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;「人類は変わらなかった…倒すべき敵を倒しても、地球は何も変わらなかったんだ!!」
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;「だから兵士はいらんのか!戦争のためだけに生きた兵士は切り捨てるのか!」
:五飛や兵士達は今まで戦ってきたことの結末を見届ける権利と義務がある。だが、その結末は自分たちが「切り捨て」られるに値するだけのものではなかった。五飛もまた戦争を憎むパイロットであるが、だからといってとにかく戦争がなくなればいいというわけではない。理想のために戦ってきた結末が満足行くものでなければ、満足の行く結末まで戦い続けることもまた正しいのではないのか。自己否定と自己肯定のあいだで、五飛もまた煩悶していた。
;「俺と貴様はこうして戦っている。戦っている時こそ、俺も貴様も充実しているのではないのか!?」
;「俺と貴様は同類だ!戦場でしか、己の存在意義を見出すことが出来んのだ!!」
:マリーメイアの反乱に加担した五飛と、そんな彼を止めるために応戦するヒイロ。互いに戦うために存在意義を見出された者として、五飛はヒイロに自身の心中を吐露していく……
;「これで俺も戦いを棄てられる……さらばだ、トレーズ」
:デキムに反抗して、自らの意志で立ち上がるブリュッセルの人達を見守っていた時の言葉。トレーズを撃破した時から苛まれていた葛藤から、五飛はようやく前に進み見始めた。