本編
;「いまのままでも充分じゃないか…仲間のことをもっと考えてくれ。みんなを危険な目に合わせず火星に帰る手はきっとあるはずだ!」
;「また危険な道をあえて選ぼうとするのは辞めてくれ、って言ってるだけだ!」:
;「ここで無理してまた誰かが死んだらどうなる?こんなことを続けて将来も何も…」
:20話より。兄、サヴァランの死にショックを受けていたビスケットに、そうと知らずに「アガリはデカいほうがいい」「全部奪い取る」と危険を顧みない方針を持ちかけるオルガ。決してオルガは団員を軽んじていたわけではないが、その影響は利益対立関係にある相手側にも及びうるということに気づいていなかった。鉄華団の利益を最優先するオルガの方針は当然だが、そうした波風を立てるやり方を改めてほしい、というビスケットの要求もまた当然であった。そこに兄の死を持ち出さないあたり、ビスケットの切実な思いが見え隠れする。
;「文句は言ってたよ。オルガが聞いていなかっただけだ。」
:1期21話より。衝突し、険悪になっていたオルガとビスケットだったが、お互いが冷静になって自身を見つめ直したことで歩み寄ることができた。その会話のなかで。この返しにオルガは苦笑するしかなかった。
;「島を出たら、話をしよう…俺達の『これから』のことを…」
:オルガの自嘲を聞き、苦笑いしながら優しく答える。ビスケットはオルガを支え続け、オルガもまたビスケットに支えられていたということをお互いが改めて知り、オルガもビスケットも「これから」に向けて前を向こうとしていた。
;「これからは少し先のことも考えていかなければならないんですね『俺達』は」
:モビルワーカーの整備中、カッサバとのやり取りで。もうビスケットの心は鉄華団と共にあると定まっていることが伺える。これを聞いたカッサバは「そいつを聞けりゃあ安心だ」と微笑みかけた。
;「オルガ、手を放して!」
:カルタ・イシューの駆るグレイズリッターの猛追を受け、逃げきれないと判断したビスケット。スピードを出すのでしっかりと掴まっていろと指示することはあっても放せということは普通ない。これでオルガはモビルワーカーから振り落とされ、大怪我を負ってしまったが命だけは助かった。だがそのビスケット本人はグレイズリッターの一撃を受け、木の葉のように吹き飛ばされてしまう…。
;「行かないと…まだ、こんなところで…俺は…死ねない…!」
;「全部終わったら火星に帰って、クッキーとクラッカを学校に入れて、またみんなで一緒に…だから死ねない…死にたくない…俺にはまだオルガとの約束が…」
;「オルガ…俺たちの…鉄華団…」
:致命傷を負い、朦朧とした意識のなかでなおも生きようともがくビスケット。最後にオルガと手を取り合い、何かを言いかけてこと切れた。かけがえのない戦友の死にオルガは慟哭する。その後の鉄華団の前のめりな方針は加速し、結果としてビスケットの死は鉄華団の崩壊を決定づけたともいえる。