ビーム・ローター(Beam rotor)
[[ビーム・シールド]]の応用技術の一つ。ビーム・シールドを基部ごと回転させ、ヘリのローターのように用いる飛行技術であり、大気圏内での長距離飛行と、エネルギー消費の抑制を両立させている。
[[ザンスカール帝国]]の[[ベスパ]]が開発した技術であり、同技術の完成によって[[モビルスーツ]]の長距離行動と多目的化を実現し、ザンスカール帝国を地球侵攻に踏み切らせたとする見方がある一方、[[宇宙世紀]]0136年時点で[[木星帝国]]がその雛形を完成させている。
ビームを展開させたままビーム・シールドを回転<ref>『Vガンダム』劇中では複数のビームを棒状に展開し、それを回転させる描写がある。</ref>させた際、[[ミノフスキークラフト]]よりも立方格子形成能力の高い[[Iフィールド]]が展開出来ると判明した事から開発がスタートした。ビーム・ローターはこのIフィールドの発生方向を一方に偏向させる事で、ビーム表面に立方格子を形成。この際、立方格子に密度差が発生することで、自重がある程度相殺される。また、重力下であれば鉛直方向に回転軸を傾ける事で、若干の推進効果も得られる事が確認されている。
ビームを形成する電力と[[ミノフスキー粒子]]の供給が可能であれば、プロペラントを消費せずに飛行する事ができ、更に大気圏内では機体の周辺に斥力を伴った立方格子が形成され、空気抵抗の減免によるある程度の整流効果が獲得できる為、[[モビルスーツ]]のプロペラント消費も大幅に減らす事が可能。
駆動時には独特な駆動音が発生するが、これは高熱のビームと大気が接触した時の衝撃音が連続的に発生し、同時にビーム同士が干渉し、周期的に大気の共鳴が起こる為であるとされる。
ベスパの機体はこれをビーム・シールドと兼用させる事で飛行と防御を両立させているが、MS形態での飛行中は片腕が飛行の為に使用出来なくなり、逆に防御時にはローターとしての使用が出来なくなるといった運用上の欠点も目立った<ref>一方で[[メッメドーザ]]など、その欠点を解消する為の機体の開発も行われている。</ref>。
ビーム・ローターはローター全てをビーム化したモデルと実体型ローターと併用したモデルの二種が存在する。前者はローター全てがビームで構成されている為、既存のヘリコプターとは違い多少無茶な運用も可能。後者は技術開発の過渡期に生み出された物であり、主に木星系の技術として語られている。
また、これと連動した制御システムとしてミノフスキーコントロールが存在し、限られた範囲内ではあるが、ミノフスキー粒子の格子振動を用いた通信によって子機([[ゾロ]]のボトム・ターミナルなど)を遠隔操作する事が出来た。
登場作品
;[[機動戦士Vガンダム]]
:初登場作品。[[ゾロ]]や[[トムリアット]]といった[[ベスパ]]の機体に装備されたが、空中飛行が可能な[[アインラッド]]が登場すると、地上での戦闘でもその姿を消していった。
;[[機動戦士Vガンダム ニューモビルスーツバリエーション]]
:ゾロの前段階の機体として[[ゾロアット]]を改修した[[ゾロローター]]が開発された事が語られている。
;[[機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人]]
:[[木星帝国]]の開発した[[エルコプテ]]が装備。この時点では後のベスパの物よりも完全ではなく、実体型ローターを併用したモデルが使用されている。エルコプテは更にこれを脚部として併用する設計を採用していた。
;[[機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト]]
:[[デスフィズ]]のビーム・ファングは回転させる事によってビーム・ローターとしての機能を有し、状況に応じて機能を使い分けている。
;[[機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST]]
:[[ザンスカール戦争]]後の技術衰退によってこれを使用する組織は大幅に減っていった。一方で、[[ファントムV2]]は[[ミノフスキードライブ]]の負担軽減を目的としてデスフィズのビーム・ファングを参考にしたノーズローターを装備。また、ザンスカール帝国本土に温存されていた[[ビガン]]の運用も確認されている。
関連用語
;[[ビーム・シールド]]
:
;[[ミノフスキークラフト]]
:
;[[ミノフスキー・フライト]]
:
リンク
*[[小辞典]]
*[[技術]]
脚注
<references/>
{{DEFAULTSORT:ひいむろおたあ}}
[[Category:技術は行]]
[[Category:機動戦士クロスボーン・ガンダムシリーズ]]
[[Category:機動戦士Vガンダム]]