ロンド・ミナ・サハク
ロンド・ミナ・サハク(Rondo mina Sahaku)
- 登場作品:機動戦士ガンダムSEED ASTRAY、その他ASTRAYシリーズ全般
- 声優:勝生真沙子
- 種族・性別:第一世代コーディネイター・女性
- 年齢:不詳
- 所属:オーブ連合首長国
- 役職・称号など:サハク家当主、オーブの影の守り神
- 主な搭乗機:ガンダムアストレイゴールドフレーム天ミナ
オーブ連合首長国の五大氏族の一つ、サハク家の当主。長く美しい漆黒の長髪に、刃物のような鋭い眼光を持つ美女。190cmはあろうかという長身を持ち、否応なく一目を惹く。
サハク家は優れた人物のみが継ぐものとされ、優秀な遺伝子を持つコーディネーターとして設計されて生まれたため、家門とは血縁関係にない。彼女にとって家族と呼べるものは同一の遺伝子から生み出された弟、ロンド・ギナ・サハクのみである。
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彼女のみならずサハク家はウズミ・ナラ・アスハの謳う中立国家としてのオーブのあり方を「あいまいな態度」と評し、その意思を明確にしない方針を非常に嫌っていた。
そのため独自の外交ルートを利用して地球連合政府へ新型モビルスーツ開発を持ちかけ、一方でザフトへその情報をリークするなど二勢力間を死の商人として立ち回ることで、オーブ連合首長国を世界の根幹に組み込もうとした。
一方、ウズミ・ナラ・アスハはそうした世界への能動的な介入はいずれオーブを窮地に陥れるものとしてサハク家を糾弾し、その勢力を削ぐとともに自らは代表を辞して表向き責任を取った形でサハク家の思惑を潰すことになった。
初登場となる「ASTRAY」物語序盤では、自らが生み出された理由とおなじく、すなわち「世界は優れた一握りの者によって導かれるべきである」という理念を持ち、その強固な意志と、優れた能力で世界統一を画策。キラ・ヤマトを中心とした「歴史の表側」の物語に対し、「歴史の裏側」とでも呼ぶべき物語の中で暗躍する。
第一世代コーディネーターとして生み出されたその能力は非凡のさらに非凡なものがあり、戦闘用コーディネーターとして設計された叢雲劾ですら太刀打ちできないほどであった。しかし、幾多の戦いを経てさまざまな場面に遭遇し、そのたびに「世界とは一握りの人間が指揮するのではなく、多くの人々の上に成り立っている」という事実に少しずつ気づいていく。
最終的にはオーブ解放戦線によって故郷を追われた人々を軌道エレベーターアメノミハシラ内部へと匿うあいだ、偶然居合わせたロウ・ギュールの何気ない一言によって「国とは民であり、場所ではない」という結論に達する。
この結論によって「一握りの優れた人間によって支配される世界」という理念を捨て、「人は(他者の権利を侵害しない限り)自由になるべき」として、その理想の体現者として、人々の守り手となることを決意した。
その理念や普段の口調から冷酷そうな雰囲気を持っているが、実は極めて柔軟なものの考え方のできる人物で、しかも一見ナンセンスな「意地」という非合理的な情緒も解するという人格者でもある。彼女の(物語当初の)理念は、決して支配欲や名誉欲、地位といったものが目的ではなく、あくまでもオーブのため、という私心のないものだったため、合理的なものの考え方をする一方、カイト・マイディガンを「いい男だ」と評するなど(これは女性的な意味ではなく、人間としての評価とする意見もあるが)、人を見る目もある。ハマー・カーン同様の女傑ではあるが、男女関係のもつれから転じた彼女と異なり、男女の機微も理解する大人の女性として描かれている。
登場作品と役柄
人間関係
- ロンド・ギナ・サハク
- 同じ遺伝子から生まれた双子の弟。当初は同じ信念のもと行動していたが、ギナの死後は徐々に考えを変えていったミナに対し、カーボンコピーのクローン体として蘇った彼はその妄執から脱することができなかったため、最終的には対決することになった。
- ロウ・ギュール
- 幾度も剣を交えながらも決着は付かず。アメノミハシラでの何気ない一言が彼女を呪縛から解き放った。
- 叢雲劾
- 傭兵として戦うことはあったが、お互い「戦い」というものを極めて冷静に見ていたため、敵対するでもなく、かといって同調するわけでもなかった。
- ウズミ・ナラ・アスハ
- オーブ連合首長国の代表であったが、彼の理念には作品を通じて真っ向反対していた。序盤と後半とではその理由が異なるが、いずれにせよ「民を守れなかった」というウズミに対しては極めて辛辣。