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| == 概要 == | | == 概要 == |
− | [[ガンダムF90]]の換装パックフォーマットの一つであるVタイプこと新型火器試験仕様。[[フォーミュラ計画]]において、新世代主力モビルスーツ用兵装のテストベースとして開発された。 | + | [[ガンダムF90]]の新型火器試験仕様。[[フォーミュラ計画]]において、新世代主力モビルスーツ用兵装のテストベースとして開発された。 |
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− | 本タイプで特筆すべき点は、[[ヴェスバー]](V.S.B.R.=Variable Speed Beam Rifle)と呼ばれる新型ビーム兵器の試作型と次期モビルスーツの標準装備として新たに開発された試作型[[ビームシールド]]を装備している事にある。
| + | Vタイプは、[[ヴェスバー]]と呼ばれる新型ビーム兵器のテストヘッドとして作られたオプションである。ヴェスバーは通常は背部に折りたたまれ必要に応じて手前に引き出す大型ビーム・キャノンだが、ジェネレーターから[[エネルギーCAP]]等を使わず直に大電力を受け発射する為、その威力はそれまでのビーム兵器とは比較にならない。更に高速で貫通力の強いビームから低速で破壊力の強いビームを撃ち分ける事が出来る。 |
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− | ヴェスバーは通常は背部に設置され、必要に応じて脇の下を通し手前に引き出す[[メガ粒子砲|ジェネレーター直結式ビーム砲]]であるが、ジェネレーターから[[エネルギーCAP]]等を用いずに直接高出力を受け発射するため、その威力は従来のビーム兵器とは比べ物にならないものとなっている。さらに収束率や加速度合いを連続無段階で調整変化させ「高速で貫通力の高いメガ粒子ビーム」から「低速で破壊力のあるメガ粒子ビーム」まで射出するメガ粒子ビーム弾体の性質を変化させ用途に応じて撃ち分ける事でより効率的な攻撃が可能。その稼動を安定させるため、ジェネレーターはF90本来の規格である新型単基ジェネレータに換装されVタイプ装備に搭載されているサブジェネレータも併用する事で大出力を確保している。大出力化はリアスカート部の収束スラスターユニットにフロントスカート部の補助スラスターユニットの追加も可能とし、機動性や運動性の向上にも繋がっており、またこれらの装備を加えてもジェネレーター出力には余力があり、ヴェスバーに加えビームシールドの同時装備が可能である。
| + | ヴェスバーを稼働させる為にジェネレーターも出力の大きい新型に換装されており、その大出力を受け脚部スラスターを追加して機動力の向上を図っている。しかし、この新型ジェネレーターには未だ問題点が多く、特に限界作動時の放熱処理が最大のネックとなっている。これはジェネレーター出力が高過ぎるがために機体内に余剰熱が残り、下手をすると機体が作動不能になってしまう<ref>F90本体のニューロコンピュータ自体ただでさえ熱に弱い</ref>というもので、その問題の解決のために、肩部と脚部に放熱フィン兼スタビライザーが増設されている。この放熱フィンとの併用が必須の為、このタイプのみ他のッミッションパックとの混成装備が不可能となる。 |
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− | しかしこの新型ジェネレーターには未だ問題点が多く、特に限界作動時の放熱処理が最大のネックとなっている。これはジェネレーター出力が高過ぎるがために機体内に余剰熱が残り、下手をすると機体が作動不能になってしまう<ref>F90本体のニューロコンピュータ自体ただでさえ熱に弱い</ref>というもので、その問題の解決のために、肩部と脚部に放熱フィン兼スタビライザー(脚部のパーツは増設スラスターも兼用)が増設されている。
| + | 一方で、ジェネレーターの大出力によって次期モビルスーツの標準装備として予定されている[[ビーム・シールド]]が搭載可能となっている。ただし、ジェネレーターへの負担からF90の他のタイプでシールドを長時間持続させる事は不可能。Vタイプでも機体の状態によってはシールドを均一に張る事が出来ない事もある。 |
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− | ビームシールドはそれまでの実体装甲板型のシールドとは異なり、ビームサーベルと同タイプのメガ粒子ビームをシールド状に形成(または[[ミノフスキー粒子]]の「場」をビームシールド・ジェネレーターの周囲に平面状に展開)した「シールドビーム」により、実体弾やビーム弾を攻撃の種類を問わず防御しようというものである。これにより[[Iフィールド]]よりも効率よくメガ粒子ビーム兵器を遮断防御できるようになった他、視界を遮らない、攻撃にも転用可能、防御時以外は発生機以外存在しない為常時実体が有りデッドウェイトとなる実体式シールドより軽量になる事による機動性の向上、といったメリットが得られた。一方、デメリットは展開中はジェネレーターに負荷を掛け続ける事で、従来既存のモビルスーツはもちろんの事、F90の他の換装タイプでシールドを長時間展開する事は不可能となっており、このVタイプですら機体の状態によってシールドビームを均一に張る事ができない事があり、本装備の今後の改良点となっている。また先述の放熱用スタビライザーパーツの併用も必須である為Vタイプのみ他のF90の換装フォーマットでは可能な換装装備混載が不可能となっている。
| + | 改良点の多い装備であるが、このVタイプによって得られた試験運用データは、[[ガンダムF91|F91]]の開発に活かされている。 |
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− | このVタイプによって得られた試験運用データは、[[ガンダムF91|F91]]の開発に活かされている。
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| == 登場作品と操縦者 == | | == 登場作品と操縦者 == |
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| ;バルカン砲 | | ;バルカン砲 |
| :頭部に2門内蔵。本体側唯一の固定武装。 | | :頭部に2門内蔵。本体側唯一の固定武装。 |
− | ;ビームサーベル | + | ;[[ビーム・サーベル]] |
| :通常形態のバックパック部が換装によって使用不能になる為左サイドアーマーのハードポイントに装着されたサーベルラックに2基移設装備されている。 | | :通常形態のバックパック部が換装によって使用不能になる為左サイドアーマーのハードポイントに装着されたサーベルラックに2基移設装備されている。 |
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| ==== ミッションパック側 ==== | | ==== ミッションパック側 ==== |
− | ;Vタイプ用ビームライフル | + | ;[[ビーム・ライフル]] |
− | :Vタイプ専用に開発された高収束型ビームライフル。収束率が向上している。マウントラッチなどは無い為原則常時手持ちの仕様。なお、『フォーミュラー戦記0122』のゲーム中では通常形態のF90の物を使用しているが作中内の事情による物か制作ミスなのかは不明。 | + | :Vタイプ専用に開発されたビーム・ライフル。収束率が向上しているが、ヴェスバーが予定通りのスペックを出せるのならば単なる飾りに過ぎなくなるとされる。 |
| + | :なお、『フォーミュラー戦記0122』のゲーム中では通常形態のF90の物を使用しているが作中内の事情による物か制作ミスなのかは不明。 |
| ;メガガトリングガン | | ;メガガトリングガン |
| :右腕部に1基装備された補助実体弾火器。三砲身式の小型ガトリングガン。 | | :右腕部に1基装備された補助実体弾火器。三砲身式の小型ガトリングガン。 |
| ;試作型ヴェスバー(V.S.B.R.) | | ;試作型ヴェスバー(V.S.B.R.) |
− | :背部増設パック部に左右一対2基装備。後にF91に引き継がれる装備。グリップ部が使用時に手の位置に合わせてスライド移動する様になっている。未使用時は[[AMBAC]]肢ユニットとして機能する。 | + | :背部増設パック部に左右一対2基装備。後にF91に引き継がれる装備。グリップ部が使用時に手の位置に合わせてスライド移動する様になっている。 |
− | ;試験型ビームシールド | + | :ジェネレーターから直接エネルギー供給を得て高速で貫通力の強いビームから、低速で破壊力の強いビームを撃ち分ける事が出来る。 |
− | :左腕部ハードポイントに1基装備。自力での故障時の対応の為予備の発生器が右腰のハードポイントに1基装備されている。本機は連邦製モビルスーツでビームシールドを装備した最初期の機体に当たる。 | + | :非使用時は[[AMBAC]]肢ユニットとして機能する。 |
| + | ;[[ビーム・シールド]] |
| + | :左腕部ハードポイントに1基装備。また自力での故障時の対応の為予備の発生器が右腰のハードポイントに1基装備されている。 |
| + | :高出力ジェネレーターの搭載によって使用が可能となった試作装備であり、ビーム・サーベルと同タイプのビームをシールド状に形成し防御を行う。ただし、Vタイプでも機体の状態によってはシールドビームを均一に張る事が出来ない事がある。 |
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| == 対決・名場面 == | | == 対決・名場面 == |