機動戦士ガンダムUC
;「本当にあるなら持って帰る。罠なら突破するまでだ」
:OVA版Ep.1より。[[フラスト・スコール]]の台詞に応えて。初登場の初台詞だがこの一言で「豪胆な軍人」というキャラクター性を如実に語っている。それと同時にそれだけの軍人が必要とする「ラプラスの箱」が何なのか、というキーワードをクローズアップさせている。
;「マスターはよせ」
:同上。ミネバ捜索任務に向かうマリーダから「マスター」と呼びかけられ。ジンネマンはマリーダを一人の人間として見ているため、かつてそうであった強化人間と主人という関係を意味する「マスター」呼びを好まなかった。そのため「マスター」呼びを続けられるジンネマンにとって習い性の応答となっていた。小説第1巻での同シーンでは戦闘前の緊張する場面であったためか、普段とは違い発言する事はなかった。
;「同感です。人が人を信じるのは本当に難しい」(原作小説版)<br/>「人が人を信じるのは本当に難しい…残念です、ご当主」(OVA版)
:小説第2巻およびOVA版Ep.1より。ガランシェール隊とビスト財団の接触を知った地球連邦軍の特殊部隊による襲撃であったが、これによりお互いが疑心暗鬼に陥ってしまい交渉は決裂。お互いを信頼したいと思いながらも様々な事情から100%信頼はできないという苦しい状況を物語ったもの。
;「おれたちを否定するのはいい だが被害者根性でふて腐れるのはやめろ。ギルボアを墜としたのが一人前のパイロットならあきらめもつくが、覚悟もないガキだったというのは許せん」(原作小説版)<br/>「被害者根性で不貞腐れるのはやめろ。墜とされたギルボアが浮かばれん」(OVA版)
:小説第6巻およびOVA版EP4より。バナージを伴って砂漠を横断している最中、ネガティブに陥ったバナージに言った言葉。
;【原作小説版】
;ジンネマン「そうやっていじけてたって、おまえの目はまだ死んでない。戦う力を残している。一人前以上の男になれる奴だと思うから、おれはおまえを連れてきたんだ。苦しくても、男なら他人様の期待に応えて胸を張れ。死ぬまでやせ我慢してみせろ」<br/>バナージ「戦うって……。なにと戦えって言うんです」<br/>ジンネマン「自分で考えろ 男の一生は、死ぬまで戦いだ」
;【OVA版】
;「お前の目はそんなこと納得しちゃいない、自分の生き死には自分で決めるって奴の目だ…なら死ぬまでやせ我慢してみせろ。男の一生は、死ぬまで戦いだ……!」
:上記の続き。砂漠を横断している最中、自分を野垂れ死にさせるつもりで連れてきたのだろうと自暴自棄になるバナージに言った言葉。
;バナージ「哀しいことです。それは……」<br/>ジンネマン「ああ、哀しいな。哀しくなくするために生きているはずなのに……なんでだろうな……」
:夜の砂漠で小休止し互いに語り合う中で、歴史の理不尽によって犠牲になった人々の怨念が今でも地球にへばりついていると語りながら。
;「自分を憐れんで流す涙はみっともないが<ref>OVA版ではカット</ref>、人を想って流す涙は別だ。何があっても泣かないなんて奴を、おれは信用しない」
:上記の続き。悲哀と理不尽に虐げられながらもなお人であり続けようとするジンネマンの生き方にすすり泣くバナージを前にした言葉。それを聞いて、声を押し殺していたバナージは泣き続けた……
;【原作小説版】<br/>「だめだ いま出たら狙い撃ちにされる。掃除が終わるまで待て」<br/>「……縛り上げて連れてきた覚えはない。そのノーマルスーツを着ないという選択肢だって、おまえにはあったはずだ。こんなはずじゃなかったと思うのは、おまえの想像力不足だ」<br/>「都市を制圧するというのはこういうものだ」<br/>【OVA版】<br/>「ダメだ。今出れば対空砲にさらされる。『掃除』が終わるまで待て」<br/>「行くな。縛り上げて連れてきた覚えはない。『こんなはずじゃなかった』と思うのはお前の想像力不足だ。敵地を制圧するというのは『こういうこと』だ」
:小説第6巻のダカール制圧作戦およびEP4のトリントン基地制圧作戦の際に。必要以上に破壊を行う[[マハディ・ガーベイ]] (小説)またはジオン残党 (OVA)のやり方に「ユニコーンがNT-Dを発動させればこんなことをしなくて済む」と抗議するバナージへ、銃を向けて。<br/>普段はそうした姿をおくびにも出さないジンネマンだが、内面には「ジオン狩り」を行った連邦への激しい憎悪の念が渦巻いていることがわかる。平静を保ち、あくまでも作戦だからという姿勢を崩さないところに怒りの大きさが伺える。
;「黙れ!お前を気にかけたのは『箱の鍵』だからだ。なびかせておいた方が都合がいいと思っただけだ。『こんなのは戦争じゃない』と言ったな。目を開けてよく見てみろ!」<br/>「こんなことが起こるのが『戦争』だ。主義も名誉も尊厳もない、殺すやつがいて殺されるやつがいるだけのことだ」
:同上。バナージに「こんなのはただの怨念返しだ」と指摘され激昂し殴り合いに発展する。直前に一瞬だけ唇が動いているところに図星を突かれたジンネマンの胸中が見て取れる。
;【原作小説版】<br/>「ひと思いに死ねればまだいい。もっと残酷な方法で、生殺しにされた人間だっている。怨念返しのなにが悪い。おれたちの戦争は、まだ終わっちゃいないんだ」<br/>「赦す心を持て、か? 冗談じゃねえ。おまえに女房子供を持った人間の気持ちがわかるか。自分の命どころか、世界を質にしたって釣り合うもんじゃねえ。この世でたったひとつの宝石、生まれた意味、生きてきた意味をぜんぶ教えてくれる宝石なんだ。それを嬲り殺しにされた人間の気持ちが、おまえにわかるのか!? 自分を騙すなんて器用なことはしちゃいない。おれはこの時を待っていたんだ。いますぐ下に下りて手伝いたいくらいだよ……!」<br/>【OVA版】<br/>「『怨念返し』の何が悪い!俺たちの戦争はまだ終わっちゃいないんだ!!」<br/>「俺は…俺達はこの時をずっと待っていたんだ!今すぐ降りて手伝いたいくらいだよ!!」
:ジンネマンやガランシェールのクルーが未だにジオン残党として生き続ける、そうしなければならない理由がこの一言にある。自身の全てを奪った連邦軍への復讐を求め、普段は諦めて胸のうちにしまい込んでいる激情は、こうしたチャンスを前に噴出してしまうほどにくすぶり続けている。本当に哀しい事を知らないバナージもこれには「それでも」と言う事ができず言葉を詰まらせるが、ダグザに教えられた「心という無くしてはいけない部品」を胸に説得を続ける。
;(マリィだ。おまえはマリィなんだ)<br/>(そう呼びたかったのに、呼べなかった。おれが臆病だったからだ。またなくすのが怖くて、なにも手に入れようとしなかったからだ。帰ろう、マリィ。父ちゃんと一緒に家に帰ろう)<br/>(……いまさら勝手な話だってことはわかってる。帰る気がないなら、それでもいい。一緒にここにいよう。おれはもうなにもなくしたくない。これ以上、なくせるものなんてないんだ)
:小説第7巻より、バンシィに囚われユニコーンを執拗に襲うマリーダに対して懸命に説得するジンネマン。しかしマリーダを取られまいとアルベルトが必死に指示を送り、マリーダは自身を惑わせる存在としてジンネマンを手にかけようとする。しかしその直前、背後で激しく燃え立った炎によってガンダムの姿となったバンシィの影が浮かび上がる。宿敵であるガンダムに乗っているという事実を目の当たりにしたマリーダは光を守りきれなかった自分自身こそが敵であると錯乱し昏倒。ジンネマンは機能を停止したバンシィから落下するマリーダを受け止め、バナージと共に崩壊しつつあるガルダから脱出。ようやくマリーダを取り戻す事に成功するのだった。
;「マリーダ、戻ってこい!お前が戻れば、みんな元通りだ!」
;「そこを開けて降りてこいマリーダ!一緒に宇宙へ帰るんだ!俺と来い、俺を一人にするなぁぁぁぁ!!」
:OVA版episode 5における上記のシーンより。こちらでは説得に成功しており、この心からの説得(+リディの威嚇射撃)で気を失ってコクピットから射出されたマリーダを受け止め、実の娘のように抱きしめた。
;【原作小説版】<br />いちばん必要な時にいてやれず、なにもしてやれなかった。 赦せることではない。理屈ではないのだ。たとえ亡霊と心中しようとも、この恨みと後悔だけは――。<br />【OVA版】<br />「理屈では消せんのです…恨みも、後悔も…。何もしてやれなかった…。怖かったろうに…痛かったろうに…。何も…。フィー、マリー…」<br />
:小説第8巻およびEP5より。ネェルアーガマに乗船したガランシェール隊、袖付きとまさに呉越同舟のなか、二転三転する状況で。ジンネマンは失った家族の大切に思うがゆえに、また奪われた理由があまりにも理不尽だったがゆえに、それを踏みにじった連邦への怨念を断ち切れずにいた。しかし……
;【原作小説版】<br/>なにを言い出す。なんて声で言う。《ガルダ》で言った事、あれは一時の錯乱だ。もう失いたくない、だからなにもいらないと決めたはずの男が、熱に浮かされて口走った妄言だ――。<br/>許すも許さないもない。赦しを乞うのはおれの方だ。なにもしてやれず、なにもしてこなかった。十六年前の不実を娘たちに押しつけ、自分は暗い場所に閉じこもり続けただけのことだった。そんな男に、父ちゃんに、おまえはまだ声をかけてくれるのか……。<br/>「……赦す」<br/>「心に、従え。それが、おれからの最後の命令だ」<br/>【OVA版】<br/>「…許す。最後の命令だ。『心に従え』」
:上記の続き。怨念を抱えるあまり父親としての資格を失ってしまったジンネマンは、『次女』マリーダ・クルスの「わがまま」によってついにその呪縛を自らの意志で断ち切り、父親として最後の命令を伝えた。
;「……頼まれてくれるか?」<br/>「マリィ……」
:小説第8巻より、ネェル・アーガマ奪還後、[[ガエル・チャン]]に介錯を頼もうと拳銃を渡した際に。しかし、ガエルは「断る」の一言と共に拳銃を投げ捨て、クシャトリヤからこちらを見据えるマリーダに視線を投げかける。「彼女も、バナージも、あんたを必要としている」の言葉と共に立ち去るガエルの背後でジンネマンは「そんな資格はない」と内心で叫びつつも1人涙を流すのだった。
;「…『楽にしてくれ』と言ったら…引き受けてくれるか?」<br/>「…そうだな。」
:OVA版ではこちら。フラスト・スコールから「これからどうしますか?」と問われて。これまで生きてこれた原動力である『憎悪』から解き放たれたことで目的を失ってしまったジンネマン。自身を手にかけてくれるかを部下のフラストに問うも、フラストから「これからやることがたくさんあるでしょう?」と返されて。
;「足がありませんな…」
:EP5より。[[ネオ・ジオング]]を見ながらつぶやく。もちろんこれは初代のジオングを見たシャアの「足はついていない」のパロディ