49行目: |
49行目: |
| MSの欠点の一つとして、その航続距離・行動時間の短い点が挙げられ、こと[[ガンダムタイプ|ガンダム系MS]]に関しては、その欠点を克服する目的で[[一年戦争]]当時[[Gアーマー]]構想が存在していた。戦後、MSの[[ムーバブルフレーム]]化が進んだ事でMSの飛行形態は再び見直され、アナハイム系ガンダムでは[[Ζガンダム]]がウェイブライダー形態への変形機構を導入。[[Ζ計画]]ではこれに[[コアブロックシステム]]をも導入したプランを進め、[[ΖΖガンダム]]と[[Sガンダム]]が開発された。Sガンダムでは、ΖΖで問題のあった脱出システムや変形の際のコア・ブロックにかかる負担等をクリアする為に、追加パーツ方式を採用。これにより、MSの飛行・巡航形態としては理想的な「Gクルーザー・モード」化を実現し、またそのGクルーザーからMSモードへの変形により、Ex-Sガンダムと呼ばれる攻撃/防御強化型重装MSモードをも同時に手中に収めた。 | | MSの欠点の一つとして、その航続距離・行動時間の短い点が挙げられ、こと[[ガンダムタイプ|ガンダム系MS]]に関しては、その欠点を克服する目的で[[一年戦争]]当時[[Gアーマー]]構想が存在していた。戦後、MSの[[ムーバブルフレーム]]化が進んだ事でMSの飛行形態は再び見直され、アナハイム系ガンダムでは[[Ζガンダム]]がウェイブライダー形態への変形機構を導入。[[Ζ計画]]ではこれに[[コアブロックシステム]]をも導入したプランを進め、[[ΖΖガンダム]]と[[Sガンダム]]が開発された。Sガンダムでは、ΖΖで問題のあった脱出システムや変形の際のコア・ブロックにかかる負担等をクリアする為に、追加パーツ方式を採用。これにより、MSの飛行・巡航形態としては理想的な「Gクルーザー・モード」化を実現し、またそのGクルーザーからMSモードへの変形により、Ex-Sガンダムと呼ばれる攻撃/防御強化型重装MSモードをも同時に手中に収めた。 |
| | | |
− | Ex-Sガンダムには、Sガンダムに対し8つの強化パーツが追加・換装されている。特に胸部パーツは、胸部可変機構の構造的な補強と[[Iフィールド|Iフィールド発生器]]を兼ねており、コクピット・ブロック周辺だけにビーム・バリアーを生じさせパイロット保護に務めている。 | + | Ex-Sガンダムには、Sガンダムに対し8つの強化パーツが追加・換装され、変形のための可動・脱着機構が根本的に変更、改変される。つまり、Sガンダムはそのままの状態でクルーザーモードに変形する事はできず、逆にEx-Sガンダムが3つのブロックに分離変形する事は(不可能ではないが)想定されていない。 |
| + | |
| + | Ex-Sガンダムの頭部はSガンダムそのものだが、ボディユニットは、Gクルーザーへの変形時に大きな応力がかかるコア・ブロック周辺の可変機構の構造的な補強と[[Iフィールド|Iフィールド発生器]]を兼ねており、コクピット・ブロック周辺だけにビーム・バリアーを生じさせパイロット保護に務めている。また、[[ビーム・スマートガン]]稼働のためのマウント装備が追加される。 |
| + | |
| + | 膝部にはニークラッシャー兼[[ビーム・サーベル]]ホルダー及び[[インコム|リフレクター・インコム]]ホルダーが増設され、脛後部にはプロペラントタンクとブースターが一体化された推力強化装置が装備され、Gクルーザー、MS両形態での機動性向上に貢献している。 |
| | | |
| バックパックはブースター・ユニットに換装され、内蔵された熱核ロケットとプロペラントにより推力が通常バックパックの11倍にまで強化された。このユニットは中央で27°まで折れ曲がり、複雑に入り乱れている各部ユニットとの干渉を極力回避させる。ブースター・ユニット自体が作動肢と同等の可動範囲を持つ事もあり、機動性だけでなく運動性も高める効果があった。また側面にはラッチが2基ずつ存在し、武装はもとより、コ・ジェネレーターからのエネルギー供給も可能。また、両肩部には増加プロペラント・タンクを装備でき、これを装備した状態でGクルーザーへの変形が可能となる。大気圏を離脱する程の総推力を発揮可能であるが、MS形態では変形時点で排除される事が殆どとなる。 | | バックパックはブースター・ユニットに換装され、内蔵された熱核ロケットとプロペラントにより推力が通常バックパックの11倍にまで強化された。このユニットは中央で27°まで折れ曲がり、複雑に入り乱れている各部ユニットとの干渉を極力回避させる。ブースター・ユニット自体が作動肢と同等の可動範囲を持つ事もあり、機動性だけでなく運動性も高める効果があった。また側面にはラッチが2基ずつ存在し、武装はもとより、コ・ジェネレーターからのエネルギー供給も可能。また、両肩部には増加プロペラント・タンクを装備でき、これを装備した状態でGクルーザーへの変形が可能となる。大気圏を離脱する程の総推力を発揮可能であるが、MS形態では変形時点で排除される事が殆どとなる。 |
73行目: |
77行目: |
| | | |
| == 登場作品と操縦者 == | | == 登場作品と操縦者 == |
− | <!-- :作品名:説明 -->
| |
| ;[[ガンダム・センチネル]] | | ;[[ガンダム・センチネル]] |
| :初登場作品。パイロットは[[リョウ・ルーツ]]。第七章にGクルーザーの状態で初登場し、同章ラストでMS形態へと変形した。<br />[[エアーズ]]攻防戦で実戦投入され、月面降下に失敗した[[ネロ]]部隊の救援やホワイト・フォースとの戦闘を行っている。[[ブレイブ・コッド]]の[[ガンダムMk-V]]との戦闘ではパイロットの技量差とリョウが迫りくるMk-Vへの恐怖でパニック状態になった事から窮地に陥るものの、それを受けて覚醒した[[ALICE]]が機体を操作して勝利した。その後、[[Ζプラス]]と共に単独で月から離脱して帰投、以降の戦闘では再びSガンダムに換装して運用されている。 | | :初登場作品。パイロットは[[リョウ・ルーツ]]。第七章にGクルーザーの状態で初登場し、同章ラストでMS形態へと変形した。<br />[[エアーズ]]攻防戦で実戦投入され、月面降下に失敗した[[ネロ]]部隊の救援やホワイト・フォースとの戦闘を行っている。[[ブレイブ・コッド]]の[[ガンダムMk-V]]との戦闘ではパイロットの技量差とリョウが迫りくるMk-Vへの恐怖でパニック状態になった事から窮地に陥るものの、それを受けて覚醒した[[ALICE]]が機体を操作して勝利した。その後、[[Ζプラス]]と共に単独で月から離脱して帰投、以降の戦闘では再びSガンダムに換装して運用されている。 |
82行目: |
85行目: |
| | | |
| === 特殊機能 === | | === 特殊機能 === |
− | <!-- :機能名:説明 -->
| |
| ;[[ALICE]](アリス) | | ;[[ALICE]](アリス) |
− | :MSの完全自動化を目指して造られたコンピューターシステム。正式名称は「'''A'''dvanced '''L'''ogistic & '''I'''nconsequence '''C'''ognizing '''E'''quipment(発展型論理・非論理認識装置)」。<br />Gコアに搭載された学習型コンピューターとA、Bパーツに搭載された補助機器で構成され、戦闘や機動を全て自身で判断して行う事を可能としている。ただし機体が分離した状態ではただの学習型コンピューターでしかなく、あくまでもMS形態時での運用が前提である。<br />α任務部隊に配備される際に封印されたと思われていたが実はそのままとなっており、時折リョウの制御下を離れては勝手に戦闘を行う事があった。 | + | :MSの完全自動化を目指して造られたコンピューターシステム。正式名称は「'''A'''dvanced '''L'''ogistic & '''I'''nconsequence '''C'''ognizing '''E'''quipment(発展型論理・非論理認識装置)」。<br />Gコアに搭載された学習型コンピューターとA、Bパーツに搭載された補助機器で構成され、戦闘や機動を全て自身で判断して行う事を可能としている。ただし、それらとのリンクが絶たれた状態ではただの学習型コンピューターでしかなく、あくまでもMS形態時での運用が前提である。<br />α任務部隊に配備される際に封印されたと思われていたが実はそのままとなっており、時折リョウの制御下を離れては勝手に戦闘を行う事があった。 |
| ;[[Iフィールド|Iフィールド発生器]] | | ;[[Iフィールド|Iフィールド発生器]] |
| :胸部増加パーツに搭載された対ビーム・バリア。ジェネレーターから供給されるエネルギーの一部をチャージし続ける事で、コクピット周辺への着弾が予想されるタイミングで瞬間的に展開される。<br />4基のジェネレーターを搭載しているとは言え、機体全体を覆うだけの範囲のフィールドを常時展開する事は不可能<ref>ゲーム作品等ではシステムの兼ね合いの関係で普通に展開している。</ref>で、コクピットブロックにのみ数秒間だけ展開するようになっている。 | | :胸部増加パーツに搭載された対ビーム・バリア。ジェネレーターから供給されるエネルギーの一部をチャージし続ける事で、コクピット周辺への着弾が予想されるタイミングで瞬間的に展開される。<br />4基のジェネレーターを搭載しているとは言え、機体全体を覆うだけの範囲のフィールドを常時展開する事は不可能<ref>ゲーム作品等ではシステムの兼ね合いの関係で普通に展開している。</ref>で、コクピットブロックにのみ数秒間だけ展開するようになっている。 |
| + | ;プロペラントタンク |
| + | :Gクルーザーモード時にサイドジャケットを介してショルダーユニットに連結される大型増槽。Gクルーザーモードでの作戦行動半径を飛躍的に拡大する他、大気圏内ではフェアリングユニットとしても機能する。無重量空間であればMS形態からGクルーザー形態に変形する事も可能であるが、このユニットはほぼ純粋なプロペラント・タンクであるため、重力下やMS形態時にはデッドウェイトとなる事が多く、プロペラントを消費しきった段階やMSに変形した時点で廃棄される事が多い。 |
| + | ;ブースターパック |
| + | :背部に装備するブースターパック。Sガンダムを構成する包括的なシステムとして高度に規格化されたコンフォマーブルユニットであり、Sガンダム、あるいはGコアとの組み合わせにより多様なモードで使用することが可能。プロペラントタンク、コ・ジェネレーター、エネルギーターミナル、大出力ブースターなどが一体化されており、操縦設備がないだけの航宙航空ユニットと呼べる。<br/>Ex-Sガンダムが装備する場合には背部スタビレーターにマウントされ、2基の大型ビーム・キャノンのターミナルとしても機能する。 |
| ;変形 | | ;変形 |
| :GクルーザーまたはMS形態に変形可能。胸部増加パーツは変形時の構造補強を兼ねている事から、Gクルーザーへの変形を実現した。 | | :GクルーザーまたはMS形態に変形可能。胸部増加パーツは変形時の構造補強を兼ねている事から、Gクルーザーへの変形を実現した。 |
95行目: |
101行目: |
| | | |
| === 武装・必殺攻撃 === | | === 武装・必殺攻撃 === |
− | <!-- :武装名:説明 -->
| |
| ;60mmバルカン | | ;60mmバルカン |
| :頭部に左右二対4門内蔵されている近接防御用武器。炸裂弾を発射する。 | | :頭部に左右二対4門内蔵されている近接防御用武器。炸裂弾を発射する。 |
| ;テール・スタビレーター60㎜バルカン | | ;テール・スタビレーター60㎜バルカン |
| :テール・スタビレーターに4門内蔵。主にGクルーザー時の武装として使用されるが、MS形態時にも後方の敵機に対して使用可能。<br />固定武装ではなくオプションであり、装備する場合はテール・スタビレーターそのものをバルカン砲内蔵型に換装する必要がある。 | | :テール・スタビレーターに4門内蔵。主にGクルーザー時の武装として使用されるが、MS形態時にも後方の敵機に対して使用可能。<br />固定武装ではなくオプションであり、装備する場合はテール・スタビレーターそのものをバルカン砲内蔵型に換装する必要がある。 |
− | ;インコム・システム | + | ;[[インコム]]・システム |
| :頭部に1基装備されている有線式の[[準サイコミュシステム|準サイコミュ]]兵器。出力3.8MW。[[オーガスタ研究所]]からの流出技術を使用している。その為、[[ガンダムMk-V]]が装備している物と基本設計を共有している。<br />左右にビームの発射口を3門ずつ、計6門備える。1回の使用につき3発まで発射でき、回収してエネルギーを再充填すれば再使用も可能。<br />2次元的な軌道しか描けない為に簡易的ではあるものの、オールドタイプの一般兵でもオールレンジ攻撃を行う事が可能。ビームの出力はあまり高くないが、不意打ちに使えるなど有効性が高い。 | | :頭部に1基装備されている有線式の[[準サイコミュシステム|準サイコミュ]]兵器。出力3.8MW。[[オーガスタ研究所]]からの流出技術を使用している。その為、[[ガンダムMk-V]]が装備している物と基本設計を共有している。<br />左右にビームの発射口を3門ずつ、計6門備える。1回の使用につき3発まで発射でき、回収してエネルギーを再充填すれば再使用も可能。<br />2次元的な軌道しか描けない為に簡易的ではあるものの、オールドタイプの一般兵でもオールレンジ攻撃を行う事が可能。ビームの出力はあまり高くないが、不意打ちに使えるなど有効性が高い。 |
| ;大腿部ビーム・カノン | | ;大腿部ビーム・カノン |
− | :大腿部に2門装備されているビーム砲。出力14MW。ムーバブルフレームに直接接続され、広範囲への攻撃を可能とする。Ζプラスが装備していた物の改良型で、通常のビーム・ライフル以上の射程距離や命中精度を有するなど高性能化されている。携行武装ではないので、攻撃しながら別の武器を手にして使用する事が可能。<br />Sガンダムではビーム・スマートガンとの選択式だったが、本機では同時に装備する事が可能。 | + | :大腿部に2門装備されているビーム砲。出力14MW。ムーバブルフレームに直接接続され、広範囲への攻撃を可能とする。Ζプラスが装備していた物の改良型で、通常のビーム・ライフル以上の射程距離や命中精度を有するなど高性能化されている。携行武装ではないので、攻撃しながら別の武器を手にして使用する事が可能。<br />このユニットはSガンダムでも運用は可能だが、ビーム・スマートガンの方が実効性が高く、3機に分離した場合Gボマー単体でのドライブはほとんど想定されていなかったため、実装が見送られることがほとんどだったが、Gクルーザーモードではこの装備で攻撃力を強化している。 |
| ;バック・パック部ビーム・カノン | | ;バック・パック部ビーム・カノン |
| :ブースター・ユニットに4門装備。こちらもムーバブルフレームに直に接続される。出力12MW。<br />コストパフォーマンスが比較的に良好であり、[[FAZZ]]にも転用されている。 | | :ブースター・ユニットに4門装備。こちらもムーバブルフレームに直に接続される。出力12MW。<br />コストパフォーマンスが比較的に良好であり、[[FAZZ]]にも転用されている。 |
114行目: |
119行目: |
| | | |
| == 対決・名場面 == | | == 対決・名場面 == |
− | <!-- :内容:説明 -->
| |
| ;VS:[[ガンダムMk-V]] | | ;VS:[[ガンダムMk-V]] |
| | | |
| == 関連機体 == | | == 関連機体 == |
− | <!-- :機体名:説明 -->
| |
| ;[[Sガンダム]] | | ;[[Sガンダム]] |
| :素体。Ex-Sガンダムはこの機体に8つの強化パーツを装着する事で構成されている。 | | :素体。Ex-Sガンダムはこの機体に8つの強化パーツを装着する事で構成されている。 |
135行目: |
138行目: |
| <amazon>B0002U3DWA</amazon><amazon>B0002YM3XQ</amazon><amazon>B00IWISI8I</amazon> | | <amazon>B0002U3DWA</amazon><amazon>B0002YM3XQ</amazon><amazon>B00IWISI8I</amazon> |
| | | |
− | == 資料リンク == | + | <!-- == 資料リンク == --> |
| <!-- *[[一覧:Ex-Sガンダム]] --> | | <!-- *[[一覧:Ex-Sガンダム]] --> |
| | | |