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== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[一年戦争]]末期に[[ジオン軍]]が極秘開発した[[ニュータイプ]]専用[[モビルスーツ]]。開発には[[サイコミュ試験用ザク|ビショップ計画]]で得られたデータが活用されており、[[サイコミュシステム]]を搭載する。
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[[一年戦争]]末期に[[ジオン軍]]が極秘開発した[[ニュータイプ]]専用[[モビルスーツ]][[一年戦争]]でジオン軍が投入した最後のMSであると言われている。YMS-16系などの機体計画が提案された当初から開発が検討されていたもので、度重なる紆余曲折と計画変更を経てようやく完成した機体であった。
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純粋な宇宙戦用に開発されている為、通常のモビルスーツに見られる歩行ユニットは装着されておらず、下半身には可変式ロケット・モーターが搭載されている。歩行ユニットの開発も並行して行われており、その場合はロケット・モーターをユニットごと交換する設計となっている。
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開発には[[ビショップ計画]]で得られたデータが活用されており、最大の特徴として[[サイコミュシステム]]を搭載する。これによって[[ミノフスキー粒子]]散布技術の発達に伴って無効化された電子戦、特に遠隔誘導技術をほぼ完璧に代替し、逆説的に当時の最新兵器であったMSをも凌駕する、空間戦闘用機動兵器のひとつの究極の形と謳われた。だが、この機体の開発は非常に難航し、その途上で[[ザクII]]をベースとする[[サイコミュ試験用ザク]]などが試作されている。
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全身に合計13基のビーム砲を固定武装として搭載しており、これを稼働させるエネルギーを賄う為にジェネレーターは大型化し、通常のモビルスーツの3.8倍のキャパシティで設計が行われた。
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当時、サイコミュそのものがようやく実用化が達成されたばかりであり、サイコミュデバイス自体の小型化も困難であり、加えて全身に合計13基のビーム砲を固定武装として搭載し、これを稼働させるエネルギーを賄う為にジェネレーターは大型化。通常のモビルスーツの3.8倍のキャパシティで設計が行われたため、機体もMSとしては巨大なものとなってしまった。また、サイコミュを搭載した高性能機として開発されているものの、A級ニュータイプの出現と前後して無線誘導型サイコミュ兵装の実用化の目処が立った事から、格闘戦のメリットを失ったジオングは一部プロジェクトチームを残して本国防空隊の工廠へ預けられ、研究が続行された。[[ア・バオア・クー]]戦では稼働状態にあった3機のうちの1機が[[キシリア・ザビ]]から[[シャア・アズナブル]]に与えられ実戦投入される。残り2機は開発中だった歩行ユニットと併せて戦火により喪失、シャア機も[[ガンダム]]との戦闘で大破し失われた。また、実戦投入された機体も未完成(完成度80%)であり、上腕部装甲の一部が未装着のままであった。
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コクピットは頭部と胸部の2箇所にあり、パイロット2名による運用も可能。その際は火器管制(頭部)と機体制御(胸部)を分担するが、ニュータイプパイロットであれば頭部から全機能をコントロールする事ができた<ref>ただし、初期設定などは胸部側のコクピットで行う必要があった。</ref>。また、頭部は緊急脱出ポッドとしても運用でき、パイロットの生存性が高められている。
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ジオングは純粋な宇宙戦用に開発されている為、通常のモビルスーツに見られる歩行ユニットは装着されておらず、この機体の股関節部分には脚部を装備するための充分なクリアランスはなく、相当する部位にはプロペラントタンクなどをはじめとするスラスター系の設備が実装されている。スカート後部の5基のバーニアは設計当初から設置されていたものであるが、本来なら脚部が装備されたであろう部位に装備されている2基のコンフォーマルバーニアは脚部そのものの代替デバイスとなっていた。ジオングに連なる計画の内、歩行機能をオミットし空間戦闘用兵器とするプランがあったことは[[サイコミュ高機動試験用ザク]]の存在からも傍証が得られており、一般的に言われる「80%の完成度」が、脚部の存在の有無とは必ずしも合致する訳ではない。
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[[サイコミュシステム]]を搭載した高性能機として開発されたものの、A級ニュータイプの出現と前後して無線誘導型サイコミュ兵装の実用化の目処が立った事から、格闘戦のメリットを失ったジオングは一部プロジェクトチームを残して本国防空隊の工廠へ預けられ、研究が続行された。[[ア・バオア・クー]]戦では稼働状態にあった3機のうちの1機が[[キシリア・ザビ]]から[[シャア・アズナブル]]に与えられ実戦投入される。残り2機は開発中だった歩行ユニットと併せて戦火により喪失、シャア機も[[ガンダム]]との戦闘で大破し失われた。また、実戦投入された機体も未完成(完成度80%)であり、上腕部装甲の一部が未装着のままであった。
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この機体自体に複数のプランが並行しており、歩行ユニットもその一つとして開発されており、その場合はロケット・モーターをユニットごと交換する設計となっていたとされる。ただし、この機体が脚部を持つ、いわゆる「フル装備」状態でのプランのまま完成していたとしても、全高が35mにも及ぶ機体を搭載可能な補給艦も航宙空母も存在していなかった当時においては、投入可能な局面もかなり限定されていたであろうことは想像に難くなく、重力下戦闘に対応できたかどうかにも疑問が残るという。そのような運用や兵站などの局面から見てもジオングはMSとして常軌を逸したものであり、むしろ[[モビルアーマー]]的な運用に特化させた技術陣の判断は当時の戦況からすれば最善のものだったと言えた。
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ジオングのコンセプトは後のニュータイプ用[[モビルスーツ]]や[[モビルアーマー]]に引き継がれている。
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コクピットは頭部と胸部の2箇所にあり、パイロット2名による運用も可能。その際は火器管制(頭部)と機体制御(胸部)を分担するが、ニュータイプパイロット用の感応波センサーは頭部コクピットに備えられており、頭部から全機能をコントロールする事ができた。また、頭部は緊急脱出ポッドとしても運用でき、データ及びパイロットの回収率が高められている。サイコミュの主機はボディ側に搭載されており、頭部との接続が途絶えた場合にはミノフスキー通信(いわゆる無線式サイコミュ)による遠隔制御に切り替えることも可能である。双方のコクピットは機体自体が航宙艇並みの規模だったこともあってか往還可能となっているが、試作機であったためか機体の起動や初期設定などはボディ側のコクピットで行う必要があった。なお、ボディユニットは中型の航宙戦闘艇そのものであり、高出力ジェネレーターと豊富なプロペラントを内装。このほか、[[エルメス]]に載されていたサイコミュとほぼ同等のスペックを持つデバイスが搭載されている<ref>エルメスはコクピット後方に脱出装置や避難ブロックを備えていたが、デバイスとコクピットが隣接していたためトータルでの占有体積はジオングよりは少なく、またジオングは基本的二頭部で機体を制御するように設計されているが、ボディ側にも設備的には頭部のものと同等のコクピットを有し、それぞれに送受信端末を装備していたため、これが機体を大型化させる要因にもなっていた。</ref>。
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ジオングのコンセプトは後のニュータイプ用[[モビルスーツ]]や[[モビルアーマー]]に引き継がれている。なお、機体が7つのパーツに分離し、その全てがワイヤーレスでオールレンジ攻撃を行うという機体プランも存在していたらしく、仕様書の存在も取り沙汰されている<ref>それこそが「YMS-16」系の一連のプランとは一線を画する「MS-16X計画」の究極の目的であったと言われ、更に同計画の切り札となるという意味で「Trumpf X(トルムプフ・イクス)」と呼ばれるプロジェクトが存在し、機体を7つに分離する計画はそちらだとする説もある。</ref>。
    
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
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:ニュータイプ用のマン・マシン・インタフェース。[[オールレンジ攻撃]]を可能とする。
 
:ニュータイプ用のマン・マシン・インタフェース。[[オールレンジ攻撃]]を可能とする。
 
;分離
 
;分離
:コクピットのある頭部を分離し緊急脱出ポッドとして運用可能。これ単体でもビーム砲を1基備える為、火力は高くパイロットの力量次第ではMS1機分の戦力になると言われている。頭部単体での稼働時間は約10分。
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:コクピットのある頭部を分離し緊急脱出ポッドとして運用可能。実際にはオールレンジ攻撃の一画を担う超小型の宇宙戦闘艇であるとも言える存在であり、本体とは独立したコクピットブロックであるばかりでなく、メインカメラや[[メガ粒子砲]]、移動用バーニアなどを備えている。稼働に必要なエネルギーはボディUNITから供給されているが、分離した場合に備え、複数の大容量コンデンサーと[[エネルギーCAP]]システムを共用し、動力や武装のバックアップとしている。それらを消費しきる前にボディと再結合すればプロペラントの再充填やメガ粒子砲のチャージも可能である。ただし、本体から分離した場合、戦闘艇としての実用稼働時間は60分(10分とする説もある)にも満たないため、脱出や撹乱以上の戦闘には耐えられない。そのため、頭部は直接の戦闘を回避しつつ、各部を遠隔操作するという戦術も想定されていたようであるが、パイロットの力量次第ではMS1機分の戦力になると言われている。
    
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
;頭部メガ粒子砲
 
;頭部メガ粒子砲
:頭部口部に内蔵された[[メガ粒子砲]]。頭部ユニットのみの状態でも使用可能であり、シャアは胴体を破壊されながらもこの装備でガンダムとの戦闘を継続した。
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:口吻部に内蔵された[[メガ粒子砲]]。頭部ユニットのみの状態でも使用可能であり、シャアは胴体を破壊されながらもこの装備でガンダムとの戦闘を継続した。なお、ジオングが装備するメガ粒子砲は、基本的に全てキアM-33E型と呼ばれるユニットをベースとしている。
 
;腰部メガ粒子砲
 
;腰部メガ粒子砲
:胴体部に2門内蔵。砲口部がある程度可動するため対地・対空攻撃にも対応できる。
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:胴体部に2門内蔵。砲口部がある程度可動するため対地・対空攻撃にも対応できる。本装備はジェネレーターからほぼダイレクトに接続された大容量のエネルギーコンバーターが圧縮ユニットの前段に設けられており、高出力での射出及び速射、連射が可能となっている。
 
;有線制御式5連装メガ粒子砲
 
;有線制御式5連装メガ粒子砲
:両腕の指に装備されたビーム砲。両肘の先から分離し、有線制御によるオールレンジ攻撃を行う。五指すべてにビーム砲を搭載する為、それぞれ個別のターゲットを攻撃するといった運用も可能。有線式を採用しているのは殆どのパイロットが有効レベルのサイコミュを操作できなかった為。本体コクピットにパイロットが二名搭乗する事でニュータイプ能力者でなくとも使用は可能。<br/>ケーブルは戦闘中に切断される場合を想定し、予備が2~3本搭載されていたとされている。
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:両腕の指に装備されたビーム砲。両肘の先から分離し、有線制御によるオールレンジ攻撃を行う。五指すべてにビーム砲を搭載するため、指の各関節には強指向性の収束/偏向装置が関節数に応じて内蔵されており、それぞれが独立したベクトルのビームを射出することができ、なおかつ同時に同じターゲットを攻撃するといった運用も可能<ref>腕部のエネルギーCAPシステム二エネルギーが充填される際、指の関節内に発生する強力なフィールドによって指の先端が光って見えることもあるらしい。</ref>。<br/>有線式を採用しているのは殆どのパイロットが有効レベルのサイコミュを操作できなかった為。本体コクピットにパイロットが二名搭乗する事でニュータイプ能力者でなくとも使用は可能。<br/>ケーブルは戦闘中に切断される場合を想定し、予備が2~3本搭載されていたとされているが、再接合の方法など、その実効性には不明な点も多い。マニピュレーターとしては既存の機体とは規格が大幅に異なるため、既存の武装は特別なエネルギーを必要としない斬撃武装などを除きほとんど使用できない。
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:;防塵版
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::ジオングの腕部は戦況によってマニピュレーターとしての使用も前提としてあるため、出撃時には防塵版を装着している場合もあるという。その場合でもメガ粒子砲は問題なく使用することができるが、防塵版は一瞬で蒸発してしまう。
    
== 対決・名場面 ==
 
== 対決・名場面 ==
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