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== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[ツィマッド社]]が開発した[[ジオン軍|ジオン公国軍]]の試作機。新型の「土星エンジン」を搭載しているとされる。
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[[ツィマッド社]]が開発した[[ジオン軍|ジオン公国軍]]の試作[[モビルスーツ]]。[[一年戦争]]以前、かつて[[ジオニック社]]の[[ザクI]]との正式採用トライアルで不採用となった「EMS-04 ヅダ」の再設計機である。
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加速性能は当時のMSの中でも最高クラスであり、最大推力は[[ガンダム]]をも上回る。原型である「EMS-04 ヅダ」はかつてジオニック社製の[[ザクI]]との制式採用をかけたトライアルで争った。性能はこちらが上回ったが、コストが1.8倍もかかる上、空中分解を起こし不採用となった。本機はそれをを改良した機体である。外観が若干変更され武装が追加されているが、基本的には同じ物であり、'''高速移動時に方向転換を行った場合に機体が負荷に耐え切れずに空中分解する'''という欠点(というより設計ミス)は改善されていなかった。軍のプロパガンダの一環として、ゴーストファイターとなった。
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ヅダの特徴は圧倒的な加速性能にある。これは通常の宇宙機器に使用されている推進機よりも重い元素を使用する「土星エンジン」によるものであり、土星エンジンはツィマッドの得意分野であるスラスター技術の粋でもあった。エンジンは構造的に背部に露出しており、ガスの噴射角度を自在に変化させる事で失速せずに急激な方向転換が可能である。秒単位のパルス噴射ならより高出力での加速も可能だが、通常の加速なら60秒前後噴射を維持でき、短時間で毎秒200m異常の加減速が可能。最大稼働時の加速能力は[[ジム]]どころか[[ガンダム]]をも上回り<ref>ガンダムのスラスター総推力は55,500kg。</ref>、[[一年戦争]]時の標準的な機体による迎撃は事実上不可能だったとさえ言われている。
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しかし、[[オデッサ]]陥落と同時に連邦によってその事実が暴露され、プロパガンダは脆くも失敗した。だが、デュバル少佐の操縦によって[[ジム]]を5機も撃破するという異例の結果を残す事にもなった。
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腕部には油圧ジャッキによる伸縮機構が盛り込まれ、脚部にマウントされた武器を素早く持ち帰る事が可能。武器マウントは脚部の左右に一つずつ、計4箇所設けられている。シールドには白兵戦用のピックが設けられ、裏面にシュツルム・ファウストなどをマウント可能。これらの経緯や武装から、ヅダは当初より対MS戦闘を考えて設計されている事が伺える。[[モビルスーツ]]そのものが産まれて間もないカテゴリーの工業製品であった事と、機体各部の構造限界などのノウハウも存在していなかった事を考えればその先進性は画期的な物であった。
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また、『黒衣の狩人』の異名で知られる低軌道パトロール艦隊の隊長ウォルフガング少佐は、組み立て途中で眠っていたヅダを専用機として受領し、[[サラミス級]][[ジム改]]を撃破するという戦果も残している。
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しかし、機体に含まれていた先進性に基礎技術が追いついておらず、土星エンジンの性能の高性能に機体が追いつかず、高速移動時に方向転換を行った場合に機体が負荷に耐えきれずに空中分解するという致命的な欠点を抱えていた<ref>ザクIとのトライアルで敗北したのも、ザクIの1.8倍にも及ぶ高コストもさる事ながら、この空中分解事故が原因とされている。</ref>。
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その後、ツィマッド社が[[ドム]]の開発に成功し、その改修機である[[リック・ドム]]が(ザクとゲルググの中継ぎではあるが)公国軍の宇宙戦力の中核として正式採用され、ヅダは事実上の「塩漬け」となっていた。しかし、総帥部によってプロパガンダの主役として抜擢され、仮初めの新鋭機「EMS-10 ヅダ」として[[第603技術試験部隊]]へ4機が配備された。
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EMS-10 ヅダはEMS-04を改良した機体と謳われているが。外観が若干変更された程度で基本的には同じ物であり、その欠点も引き継がれている。ただし、逆説的に言えば性能限界を超える運用さえしなければ優秀な機体であった事も、また事実である。
    
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
;[[機動戦士ガンダム MS IGLOO]]
 
;[[機動戦士ガンダム MS IGLOO]]
:『一年戦争秘録』第3話「軌道上に幻影は疾る」から登場。初登場回で1号機と3号機が喪失しているが、残存した2号機と予備機は『黙示録0079』最終回まで無事戦い抜いた。
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:初出作品。『一年戦争秘録』第3話「軌道上に幻影は疾る」から登場。1~3番機と予備機の全4機が[[ヨーツンヘイム]]へ配備されたが、3番機はテスト中の暴走事故によって喪失。時期を同じくして連邦軍の放送によってヅダの素性を暴露され、プロパガンダは失敗に終わり、残った機体も試験を中断させられる事になった。
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:その後、[[オデッサ]]から撤退する部隊を連邦軍部隊から守る為、試験再開を名目に1、2番機及び予備機が運用された。その際、1番機がエンジンをオーバーロードさせ、[[ジム]]を高速機動に誘い込み、空中分解に至らしめたが、エンジンの暴走によって1番機は爆散した。
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:その後、残存した2号機と予備機は『黙示録0079』最終回まで無事戦い抜いている。
 
;[[機動戦士ガンダム 黒衣の狩人]]
 
;[[機動戦士ガンダム 黒衣の狩人]]
:低軌道上パトロール隊の隊長であるウォルフガング少佐の専用機。シールドにパーソナルマークを刻み、全身が漆黒に彩られている。
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:低軌道上パトロール隊の隊長であるウォルフガング少佐の専用機として登場。組み立て途中で眠っていた機体を受領し、シールドにパーソナルマークを刻み、全身が漆黒に彩られている。大気上層部にごく浅い角度で機体を突入させ、水切りのように上層部で跳ねながら移動する機動を行い、高い戦果を挙げた。ウォルフガング少佐は機体の欠点を把握しており、それが結果として多くの人命を救う結果となった。
 
;[[機動戦士ガンダム U.C.ハードグラフ[小説]]]ジオン公国軍編
 
;[[機動戦士ガンダム U.C.ハードグラフ[小説]]]ジオン公国軍編
 
:地上の後方試験部隊で運用されている「ブリキ男」と呼称される本機と思わしき機体が登場している。
 
:地上の後方試験部隊で運用されている「ブリキ男」と呼称される本機と思わしき機体が登場している。
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:対艦用のバズーカ。口径は280mm、または240mm。
 
:対艦用のバズーカ。口径は280mm、または240mm。
 
;シュツルム・ファウスト
 
;シュツルム・ファウスト
:命中率は低いが威力の高い使い捨てのロケットランチャー。
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:シールド裏にマウントされる使い捨てのロケットランチャー。自動追尾装置などは無く、移動する標的に命中させるのは難しいが、携行用の武装としては強力な部類に入る。
 
;ヒート・ホーク
 
;ヒート・ホーク
:手斧型の格闘戦闘用兵器。刃の部分を高熱化することで対象を溶断する。
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:手斧型の格闘戦闘用兵器。刃の部分を高熱化することで対象を溶断する。非使用時には脚部マウントに懸架される。
 
;シールド
 
;シールド
:左腕に装備されている防御兵装。マウントレールに接続されているため前後に移動する。裏面にはシュツルム・ファウストを装備可能。
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:左腕に装備されている防御兵装。マウントレールに接続されているため、自由に設置角度を変えられる。裏面には武器マウントが取り付けられ、通常はシュツルム・ファウストを装備する。
 
:;シールド・ピック
 
:;シールド・ピック
 
::シールド表側に装備されている打撃用のピック。本機の高機動力と合間って高い威力を発揮する。
 
::シールド表側に装備されている打撃用のピック。本機の高機動力と合間って高い威力を発揮する。
 
;135mm対艦ライフル
 
;135mm対艦ライフル
:対艦攻撃を目的としたライフル。その大きさはモビルスーツに匹敵する。本機の初出であるOVA『MS IGLOO』では未登場。主にプラモデルやコミック、ゲームなどの媒体で装備している。
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:対艦攻撃を目的としたライフル。高速の弾丸を射出する事で、文字通り艦艇の装甲を撃ち抜く程の威力を誇る試験兵器。
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:本機の初出であるOVA『MS IGLOO』では未登場。主にプラモデルやコミック、ゲームなどの媒体で装備している。
    
=== その他 ===
 
=== その他 ===
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== 関連機体 ==
 
== 関連機体 ==
 
<!-- :機体名:説明 -->
 
<!-- :機体名:説明 -->
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;ヅダ(EMS-04)
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:ザクIとのトライアル時の機体。加速性など各種性能はザクIを上回っていたが、ザクIの1.8倍のコストとトライアル中の分解事故が原因となって不採用となった。
 
;[[ヅダF]]
 
;[[ヅダF]]
 
:一年戦争後期に開発されたヅダの改良型。弱点であった土星エンジンのリミッターを強化しており、少数が生産されている。
 
:一年戦争後期に開発されたヅダの改良型。弱点であった土星エンジンのリミッターを強化しており、少数が生産されている。
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*[[登場メカ]]
 
*[[登場メカ]]
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<!-- == 脚注 == -->
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== 脚注 ==
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