39行目: |
39行目: |
| | | |
| == 概要 == | | == 概要 == |
− | [[グリーン・オアシス]]に住む少年。両親ともに連邦軍の技術士官で家庭を顧みない両親によって孤独な子供時代をすごした。女性的な「カミーユ」という名前にコンプレックスを持っている<ref>カミーユ本人が「女性的な名前」と思い込んでいるだけで、現実では主に男性に用いられる名前である。ただ、偶然にも「女性的な名前」として認識してしまったジェリドと邂逅してしまった事が『Ζ』における一連の騒動の発端となった</ref>。ガンダムシリーズ中で最も優れた[[ニュータイプ]]の素養を持ちあわせる。 | + | [[グリーン・オアシス]]に住む少年。両親ともに連邦軍の技術士官で家庭を顧みない両親によって孤独な子供時代を過ごした。女性的な「カミーユ」という名前にコンプレックスを持っている<ref>カミーユ本人が「女性的な名前」と思い込んでいるだけで、現実では主に男性に用いられる名前である。ただ、偶然にも「女性的な名前」として認識してしまったジェリドと邂逅してしまった事が『Ζ』における一連の騒動の発端となった</ref>。 |
| | | |
− | 偶然居合わせた軍施設で [[ガンダムMk-II]]強奪作戦に巻き込まれた際、ニュータイプの感受性により[[エゥーゴ]]に共感しガンダムMk-IIの3号機を強奪、そのままエゥーゴに参加する。エゥーゴ参加は思想や主義に共感したわけではなく、自分の拠り所がエゥーゴだと感覚的に判断にした結果である。このため初期のカミーユは自分が民間人の子供という意識でおり、厳しい軍規律や子供扱いが許されない環境に戸惑うことも多かった。やがて [[クワトロ・バジーナ|クワトロ]]、[[エマ・シーン|エマ]]、[[ウォン・リー|ウォン]]らの指導により軍人としての意識を身に着けていく。 | + | 偶然居合わせた軍施設で [[ガンダムMk-II]]強奪作戦に巻き込まれた際、ニュータイプの感受性により[[エゥーゴ]]に共感しガンダムMk-IIの3号機を強奪、そのままエゥーゴに参加する。エゥーゴ参加は思想や主義に共感したわけではなく、自分の拠り所がエゥーゴだと感覚的に判断にした結果である。このため当初は自分が「民間人の子供」という意識でおり、厳しい軍規律や子供扱いが許されない環境に戸惑うことも多かったが、やがて [[クワトロ・バジーナ]]、[[エマ・シーン]]、[[ウォン・リー]]らの指導により軍人としての意識を身に着けていった。 |
| | | |
− | ガンダムMk-IIに搭乗し [[ジャブロー]]侵攻地球降下作戦をはじめ[[アーガマ]]の各作戦に参加し戦果を上げ続ける。後に[[Ζガンダム]]に乗り換え、次第にエゥーゴに欠かせない存在となっていく。[[グリプス戦役]]の最終局面ではティターンズの実質的指導者となった[[パプテマス・シロッコ|シロッコ]]と交戦しこれを撃破している。 | + | ガンダムMk-IIに搭乗し [[ジャブロー]]侵攻地球降下作戦をはじめ[[アーガマ]]の各作戦に参加し戦果を上げ続け、後に[[Ζガンダム]]に乗り換えると次第にエゥーゴに欠かせない存在となっていく。[[グリプス戦役]]の最終局面ではティターンズの実質的指導者となった[[パプテマス・シロッコ]]と交戦しこれを撃破している。 |
| | | |
− | 先述のとおりシリーズ最高のニュータイプ素養を持っており富野氏からも'''史上最高のニュータイプ'''と明言されている。主に他者との思考共有したり、死者と思念の交信をする「共感する力」が鋭く、回避や先読みなどが戦闘で優位に働いていた。[[バイオセンサー]]搭載のΖガンダムに搭乗した際は、死者の思念を集めビームをはじくフィールドやスペック以上の出力のビームサーベルを繰り出す超常現象を引き起こした。
| + | 優れた[[ニュータイプ]]の素養を持ちあわせ<ref>シリーズ最高のニュータイプ素養を持っており富野氏からも「史上最高のニュータイプ」と明言されている。</ref>、他者との思考共有はもとより、死者と思念の交信をする「共感する力」が鋭く、回避や先読みなどが戦闘で優位に働いていいる。Ζガンダムに搭乗した際には、それに搭載された[[バイオセンサー]]の働きによって死者の思念を集め、ビームをはじくフィールドやスペック以上の出力のビーム・サーベルを繰り出す超常現象を引き起こした。 |
| | | |
− | | + | だが、その感受性故に多数の戦死者が出た戦役終盤では死者の思念を許容しきれず、宇宙空間で[[ノーマルスーツ]]のバイザーを開けるなど行動に異変が見られ、最終的にシロッコを倒した際に、シロッコ自身が意識的に強い思念をカミーユに送ったことで遂に限界を迎えカミーユは精神崩壊を起こし、その後[[サイド1]]で艦から降ろされ、療養することになったが、そのニュータイプ能力は健在であり、[[第一次ネオ・ジオン抗争]]では[[ジュドー・アーシタ]]や[[エルピー・プル]]と交信を行っている。 |
− | 多数の戦死者が出た終盤では死者の思念を許容しきれず宇宙空間でヘルメットバイザーを開けるなど行動に異変が見られた。最終的にシロッコを倒した際に、シロッコ自身が意識的に強い思念をカミーユに送ったことで遂に限界を迎えカミーユは精神崩壊を起こす。
| |
− | | |
− | 次作の『ZZ』では療養中の姿で登場している。作中パイロットとして再起はしなかったものの、ニュータイプ能力は依然健在であり[[ジュドー・アーシタ|ジュドー]]や[[エルピー・プル|プル]]にテレパシーを送り彼らの危機を救った。
| |
− | 戦後[[ファ・ユイリィ|ファ]]と海岸を走る姿が描かれたため、完治したものと思われる。
| |
− | | |
− | 劇場版では結末が異なり精神崩壊は起こさずファと添い遂げている。この場合は続編のZZや逆襲のシャアなど後の物語に少なくない影響を及ぼしてしまうのだが……。
| |
− | | |
− | 余談だが、放映当時は後に社会問題として取りざたされる事になる「キレやすい若者」という言葉すらもない時代で、カミーユのその言動は一種の病気ではないかとささやかれていた。ところが物語が進むにつれ強い感受性を持つナイーブな少年という初期の[[アムロ・レイ]]に似た部分を内包していることが徐々に理解され、しかしその感情がコントロールできず矛先が他者への八つ当たり的に発露していたということがわかってくると、「若さゆえのやり場のない情念」という切り口は視聴者の共感を生んだ。しかし、よほどしっかりと物語を追った視聴者でなければなかなか伝わらない部分であったため、声優を務めた飛田展男氏は「最初はカミーユが良くわからなかった」と話している。
| |
− | | |
− | ちなみに飛田氏はZガンダムのオーディションに参加した際「(前作のガンダムが)'''あんなにいい終わり方をしたのだから、続編なんて作らないほうがいいと思います'''」と放言したらしい。今からその続編を作るオーディションという場で、しかも主人公役に志願しながらよくも言ったものだが、富野由悠季監督はそんな「生意気」なところにカミーユのイメージを見たのか、見事合格した(そして飛田氏自身も耳を疑った)というエピソードが残されている。
| |
− | | |
− | なお、この点に関して後年飛田氏自身が補足しており、上述の発言は自身が前作のファンであった事から咄嗟に出てしまった発言であり、オーディションの帰り道では「俺はなんてバカな事をしてしまったんだ」とガックリ肩を落としながら帰っていたとの事。また、実際に収録が始まるその日、富野監督がおもむろにスタッフやキャストを集め「何故続編を作るのか」という点について訥々と説明し、ひとしきり面々が納得した後でクルッと飛田氏に振り返り「そういう事です。」と付け加えたそうで、これを受け、飛田氏は平伏せんばかりの想いだったという。
| |
| | | |
| == 登場作品と役柄 == | | == 登場作品と役柄 == |
| ;[[機動戦士Ζガンダム]] | | ;[[機動戦士Ζガンダム]] |
− | :初登場作品。同作の主人公を務める。<br/>[[エゥーゴ]]の「ガンダムMk-II強奪事件」に巻き込まれ、どさくさにまぎれてエゥーゴに参加。以降エゥーゴのニュータイプとして活躍する。原作者であり総監督の富野氏曰くニュータイプ能力は最も高いがその力故に最終決戦で精神崩壊、以降戦いから身を引く。 | + | :初登場作品。同作の主人公を務める。[[エゥーゴ]]の「ガンダムMk-II強奪事件」に巻き込まれ、どさくさにまぎれてエゥーゴに参加。以降エゥーゴのニュータイプとして活躍する。原作者であり総監督の富野氏曰くニュータイプ能力は最も高いがその力故に最終決戦で精神崩壊、以降戦いから身を引く。 |
| ;[[機動戦士Ζガンダム A New Translation]] | | ;[[機動戦士Ζガンダム A New Translation]] |
| :人の痛みを理解しない人間に対して怒りをあらわにし、これを否定していったTVと比べ、暴力的でヒステリーな面はややなりを潜めている。エゴで人を傷つける人間を否定したTV、視野の狭い人間を否定した新訳の差だと言える。最後はシロッコの怨念を防ぎ、無事に生還した。 | | :人の痛みを理解しない人間に対して怒りをあらわにし、これを否定していったTVと比べ、暴力的でヒステリーな面はややなりを潜めている。エゴで人を傷つける人間を否定したTV、視野の狭い人間を否定した新訳の差だと言える。最後はシロッコの怨念を防ぎ、無事に生還した。 |
97行目: |
85行目: |
| ;[[トーレス]] | | ;[[トーレス]] |
| : | | : |
− | ;[[シンタ]]<br />[[クム]] | + | ;[[シンタ]] / [[クム]] |
| : | | : |
| ;[[カイ・シデン]] | | ;[[カイ・シデン]] |
184行目: |
172行目: |
| :ハイスクール時代に搭乗経験のある機体。 | | :ハイスクール時代に搭乗経験のある機体。 |
| | | |
− | == 商品情報 == | + | <!-- == 商品情報 == --> |
| <!-- *<amazon>B000BUNV78</amazon> --> | | <!-- *<amazon>B000BUNV78</amazon> --> |
− | | + | <!-- == 資料リンク == --> |
− | == 資料リンク == | |
| <!-- *[[一覧:カミーユ・ビダン]] --> | | <!-- *[[一覧:カミーユ・ビダン]] --> |
− | | + | == 余談 == |
| + | *放映当時は後に社会問題として取りざたされる事になる「キレやすい若者」という言葉すらもない時代で、カミーユのその言動は一種の病気ではないかとささやかれていた。ところが物語が進むにつれ強い感受性を持つナイーブな少年という初期の[[アムロ・レイ]]に似た部分を内包していることが徐々に理解され、しかしその感情がコントロールできず矛先が他者への八つ当たり的に発露していたということがわかってくると、「若さゆえのやり場のない情念」という切り口は視聴者の共感を生んだ。しかし、よほどしっかりと物語を追った視聴者でなければなかなか伝わらない部分であったため、声優を務めた飛田展男氏は「最初はカミーユが良くわからなかった」と話している。 |
| + | *カミーユを演じた飛田氏は『Zガンダム』のオーディションに参加した際「(前作のガンダムが)'''あんなにいい終わり方をしたのだから、続編なんて作らないほうがいいと思います'''」と放言したらしい。今からその続編を作るオーディションという場で、しかも主人公役に志願しながらよくも言ったものだが、富野由悠季監督はそんな「生意気」なところにカミーユのイメージを見たのか、見事合格した(そして飛田氏自身も耳を疑った)というエピソードが残されている。なお、この点に関して後年飛田氏自身が補足しており、この発言は自身が前作のファンであった事から咄嗟に出てしまった発言であり、オーディションの帰り道では「俺はなんてバカな事をしてしまったんだ」とガックリ肩を落としながら帰っていたとの事。また、実際に収録が始まるその日、富野監督がおもむろにスタッフやキャストを集め「何故続編を作るのか」という点について訥々と説明し、ひとしきり面々が納得した後でクルッと飛田氏に振り返り「そういう事です。」と付け加えたそうで、これを受け、飛田氏は平伏せんばかりの想いだったという。 |
| == リンク == | | == リンク == |
| *[[登場人物]] | | *[[登場人物]] |