「マウンテン・サイクル」の版間の差分
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2022年5月16日 (月) 16:45時点における版
マウンテンサイクル(Mountain Cycle)
概要
『∀ガンダム』の劇中において、黒歴史の遺産が埋没している地を指す用語。
「黒歴史」とは、同作中においてかつて存在した戦乱の時代(詳細は同記事を参照)を指し、その戦乱の時代の文明はかつて∀ガンダムが搭載している広域ナノマシン散布装置「月光蝶」により葬られた。しかし、月光蝶は文明の全てを分解に至らしめたわけではなく、兵器の一部についてはその機構が分解されないまま、ナノマシンの残滓により構成された大地の中に埋没した状態となった。以上の過程を経て兵器が埋没・保存された地形を、現代ではマウンテンサイクルと呼んでいる。
その事実は長い時を経て半ば忘れられた状態となっていたが、アメリア大陸に住む者の間などでは「先史文明の遺産が埋没している大地がある」とする伝承が伝えられていた。実際にビシニティの石像の中から∀ガンダムが発見されたことでこの説は俄かに現実味を帯び、また以前からこの伝承を元に調査を続けていた山師のシドらによって、各地から実際に兵器が発掘されるに至り、マウンテンサイクルの実在が実証されることとなった。
主な埋没物
前述の経緯から、マウンテンサイクルには過去の戦乱の時代に活躍した多くの兵器が眠っている。これらの兵器は長期間大地に埋没していたとは思えないほど良好な状態で発掘されており、即座に起動することも可能であった。これは兵器を埋め尽くしていたナノマシンの残滓が、兵器にとっていわば保管剤の役割を果たしていたことによるもので、宇宙戦艦ウィルゲムの発掘に携わったムーンレィスの技術者・ホレスらによってその事が明らかになっている。
発掘された兵器がそのまま戦力として転用可能であったため、ムーンレィスに比べて大幅に技術が遅れていた地球人にとってマウンテンサイクルは貴重な戦力供給源となった。このためミリシャはマウンテンサイクルの発掘に力を注ぎ、イングレッサ・ミリシャではカプルが、ルジャーナ・ミリシャではボルジャーノンが、それぞれ主力としての地位を得るに至っている。それ以外にも多くの兵器が発掘されており、中には前述のウィルゲムのように大型の戦艦が発掘されるケースもある。
劇中で発掘されるモビルスーツは概ね以上のようなものであるが、黒歴史とは「過去のガンダムシリーズの(諸説あるものの、概ね)全作品の時代」を包含する概念であるから、その設定からすれば、過去シリーズにおいて登場したあらゆる兵器について、マウンテンサイクルから発掘され姿を現す可能性は否定できない。発掘されたモビルスーツが過去に存在した機体(カプール、旧ザク、ザク改等)に酷似しているのもこの点を意識しているためであるが、この点は柔軟に解釈可能な余地が非常に大きく、コミックス版では「G-UNIT」に登場するガンダムアスクレプオスと思しき機体が登場していたりもする。
ロストマウンテン及び月面のマウンテンサイクル
マウンテンサイクルの埋没物は単なる量産機動兵器や戦艦だけではなく、中には極めて危険性の高い兵器も存在する。これらの存在は伝承の中でも示唆されており、それらが埋没している可能性の高い地域は「ロストマウンテン」と呼ばれて通常のマウンテンサイクルとは区別され、山師さえも近づかない禁忌の土地として忌み嫌われていた。
埋没物については恐らく何種類かのパターンがあったものと思われるが、劇中で特に取り上げられたのは「核兵器」であり、ギャバンはロストマウンテンの核兵器処理の中で命を散らすこととなった。
また、劇中の後半では月面にも地上同様にマウンテンサイクルが存在することが明らかになっており、そこからはバンデットなど、地上のマウンテンサイクルより数段性能の高いモビルスーツが発掘されている(この理由について、ファンの間では「アナハイムやグラナダが月面に存在していたことに起因する技術力の差」であるとする俗説も存在する)。更には∀ガンダムの兄弟機・ターンXも月面のマウンテンサイクルで発見され、ギム・ギンガナムの野望を実現するための道具として、地上で猛威を揮う事となった。