サイド共栄圏

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サイド共栄圏(Side Mutual prosperity zone)

モナハン・ハバロの提唱する経済圏構想。地球の経済活動がスペースノイドへの依存によって成り立っている事を逆手に取り、月と7つのサイドを中心に地球を排除した経済圏を確立させるという物であり、それによる地球連邦政府の孤立と衰退を目的としている。

宇宙世紀0090年代の地球の人口は20億とされているが、地球単体では彼らの生活を賄う事が出来ず、連邦政府がスペースノイドの自治権を認めた場合、宇宙と地球で主従が逆転するとして彼らの自治権を認めて来なかった[1]

モナハンはこの構想の中心足り得るのは連邦政府から曲がりなりにも自治権を与えられたジオン共和国であると考えていた。袖付きとその首魁であるフル・フロンタルラプラスの箱を欲したのも、このサイド共栄圏構想を実現させる時間を稼ぐべく、連邦政府に共和国の自治権返還の延長を交渉する材料として利用する為であった。

しかし、サイド共栄圏構想は人の革新を夢見たジオン・ズム・ダイクンの思想や、地球を寒冷化させてまで人類すべてを宇宙へ上げようとしたシャア・アズナブルの狂気から程遠い物であり、仮に共栄圏が実現した場合もアースノイドが自活の為に地球の再開発を加速させる事が予見されている。また、貧困の中で育ったアースノイドはやがてスペースノイドへの報復を考えるのではないかという危惧が成されており、調和も革新もなく弱者と強者が立場を入れ替えながら争いが続く未来を創るとして、ミネバ・ラオ・ザビラプラス事変終盤、フロンタルの口から語られたこの構想を否定した。

それどころか、この時代にはスペースコロニー同士でも経済の格差が広がっており、なし崩し的に独立させられたところで各サイドが本当に手を取り合えるかは疑問の残るところであった。それが一年戦争を引き起こしたジオン公国の後継であるジオン共和国が主導できるかも不明瞭であり、結局は理想論の域を出ない構想でしかなかったといえる。スペースノイドの期待を一身に背負ったシャア・アズナブルですら隕石落としなどで南極条約違反を犯しており、そのネオ・ジオンの残党テロリスト勢力でしかない『袖付き』ではサイド共栄圏構想などを大っぴらに宣言したところで、それを受け入れてもらえるだけの社会的信用など皆無に等しかった。

なお、後の時代ではコスモ・バビロニア建国戦争を契機にコロニー毎の自治権が有耶無耶の内に認められ、連邦政府がフォン・ブラウンに遷都した事でこの構想はほぼ意味を成さなくなっている。そこからさらに連邦政府がのコロニーの軍事的要求を跳ねのけたことで、各コロニーは自衛戦力として独自にモビルスーツの建造などを始める。それが原因で、コロニー同士が終わりなき戦乱の世に突入する時代に突入したのを見ると、一致団結したスペースノイドのみによる自治など夢想論でしかなったと証明されてしまった

登場作品 

機動戦士ガンダムUC
初出作品。物語終盤にフロンタルの口からその構想が語られた。宇宙移民独立の手段としては効率的かつ効果的な手段であったが、そこに伴う問題をミネバに否定され、フロンタルの語った概論もバナージからは「空っぽ」「他人事のよう」と断じられている。
機動戦士ガンダムNT
『ガンダムUC』に引き続き、モナハンが共栄圏の確立を狙って連邦軍の「不死鳥狩り」作戦に秘密裏に介入。同時にこれを嗅ぎつけたミネバ一派と水面下での腹の探り合いを展開した。

関連人物 

モナハン・ハバロ
ジオン共和国国防大臣。構想の提唱者。
フル・フロンタル
袖付きの首魁。モナハンの意を汲み、共栄圏構想実現の為に行動していた。

リンク

脚注

  1. ジオン・ズム・ダイクンも、スペースコロニーは地球と切り離しても自活出来る事をサイド3でコントリズムを実践する事で証明したものの、実際のスペースノイド独立運動でこの事実を活用していなかった。