アスティカシア高等専門学園
アスティカシア高等専門学園 [編集 | ソースを編集]
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場する教育機関。
パイロット、メカニック、経営者など、宇宙開発産業における従事者の育成を目的にベネリットグループにより経営されている高等教育機関。理事長は同グループの総裁デリング・レンブラン。学校施設はL4宙域のフロント73区に建造され、モビルスーツを運用する性質から広大な設備を有する。学園は資源採掘に使われていた小惑星の採掘跡を基部とし、5基のトーラス型フロントによって構成されている。
パイロット科、メカニック科、経営戦略科の3つの専科が存在し、入学にはグループ傘下の企業の推薦が必要となる。学生証は携帯端末としての機能を兼ね、通話やメッセージ機能のほか、セキュリティパスや電子決済、モビルスーツやモビルクラフトの起動キーとしても利用される。
在籍する生徒の学籍番号は、入学年、専科、個人番号を元に構成され、3年生は「K」、2年生は「L」、1年生は「M」が割り当てられ、パイロット科は「P」、メカニック科は「M」、経営戦略科は「S」となる。個人番号は推薦企業のヒエラルキーによって決定される[1]。特に企業のヒエラルキーの影響は大きく、生徒たちの待遇にも影響する。
授業形態はカリキュラムの自由選択制度を採用し、3つの専科共通の必修科目と、所属する専科に応じた選択科目があり、学生一人ひとりが自由にカリキュラムを組むことができる[2]。
学生間のトラブル解決の手段としてモビルスーツによる決闘制度が採用されており、金銭、栄誉などを賭けて戦闘が行われる。決闘は学生が運営する決闘委員会の立ち会いのもとで執り行われ、戦闘の様子は全校に配信される。決闘の勝者の中でも最も優秀な生徒には「ホルダー」の称号と、その証として白を基調とした制服とパイロットスーツが与えられる[3]。決闘は相手のブレードアンテナを折った者が勝利となるが、必ずしも対等な条件で行われる訳ではなく、財力や人脈によってMSの支給やサポートメンバーの支援など間接的な助力を受けることが黙認されている[4]。また、生徒の間では決闘を賭けの対象とした決闘賭博も横行している。
登場作品 [編集 | ソースを編集]
- 機動戦士ガンダム 水星の魔女
- 初出作品。同作の舞台であり、スレッタたちの生活と学びの場として、本作の「学園物」の側面を強調する一方、デリングの取り決めによってミオリネが17歳になった時点でホルダーとの婚約が有効になるため、裏では学園を運営するベネリットグループの権力闘争の様子も描かれ、中には決闘を新型機のデモンストレーションやテストに利用する企業も登場した。
オープンキャンパス最終日、ランブルリングの最中にフォルドの夜明けによる攻撃を受け、続くノレア・デュノクによる無差別攻撃によって学校施設にも甚大な被害を被り、多数の死傷者を出した事で、学園の存続を危ぶまれたが、クワイエット・ゼロの一件で運営母体であるベネリットグループが解散した後は、エラン・ケレスからの融資を受けたジェターク・ヘビー・マシーナリーの支援により、復興・存続する道を辿った。
人員 [編集 | ソースを編集]
理事・教官 [編集 | ソースを編集]
- デリング・レンブラン
- 理事長。
- ハロ
- 学園のドローン制御などに用いられるインフラロボット。
生徒 [編集 | ソースを編集]
パイロット科 [編集 | ソースを編集]
- グエル・ジェターク
- 3年。ジェターク寮筆頭。
- エラン・ケレス
- 3年。ペイル寮筆頭。
- シャディク・ゼネリ
- 3年。グラスレー寮筆頭。
- サビーナ・ファルディン
- 3年。グラスレー寮所属。
- エナオ・ジャズ
- 3年。グラスレー寮所属。
- ラウダ・ニール
- 3年。ジェターク寮副寮長。
- フェルシー・ロロ
- 2年。ジェターク寮所属。
- レネ・コスタ
- 2年。グラスレー寮所属。
- イリーシャ・プラノ
- 2年。グラスレー寮所属。
- メイジー・メイ
- 2年。グラスレー寮所属。
- スレッタ・マーキュリー
- 2年。地球寮所属。
- チュアチュリー・パンランチ
- 1年。地球寮所属。
メカニック科 [編集 | ソースを編集]
- カミル・ケーシンク
- 3年。ジェターク寮所属。
- ティル・ネイス
- 3年。地球寮所属。
- アリヤ・マフヴァーシュ
- 3年。地球寮所属。
- ペトラ・イッタ
- 2年。ジェターク寮所属。
- ヌーノ・カルガン
- 2年。地球寮所属。
- オジェロ・ギャベル
- 2年。地球寮所属。
- ロウジ・チャンテ
- 1年。ブリオン寮所属。
- ニカ・ナナウラ
- 2年。地球寮所属。
経営戦略科 [編集 | ソースを編集]
- マルタン・アップモント
- 3年。地球寮寮長。
- ミオリネ・レンブラン
- 2年。デリングの娘。
- セセリア・ドート
- 2年。ブリオン寮所属。
- リリッケ・カドカ・リパティ
- 1年。地球寮所属。
施設 [編集 | ソースを編集]
- 中央フロント
- 学園フロントを構成する5基のトーラス型フロントの内、中央部に位置する部分。円周が4つに分割されており、学園として使われる区画はそのうちの一つ。さらに同区画は校舎エリアと居住エリアに分けられる。
- 理事長室
- 理事長の執務室。理事長のデリングが殆ど立ち入る事が無いため、娘のミオリネ・レンブランが私室として使用している。入り口周辺には花壇が置かれ整然としているが、その奥の生活スペース周辺はゴミが散乱している。
- 格納庫
- パイロット科の生徒が搭乗するモビルスーツが収容されている格納庫。教習用MSとしてデミトレーナーの使用が推奨されている。MSはコンテナに格納した後、フロント全体に張り巡らされた高速路を通じ、各戦術試験区域へ速やかに搬送可能。
- 演習場
- 格納庫前に備わったMS演習場。デミトレーナーやモビルクラフトを使った各種カリキュラムに使用され、装備換装用のハンガーも有する。
- 戦術試験区域
- MSの実習や決闘に用いられる試験場。中央フロントを取り囲むように配置された4つのフロント内に設置されている。MSの戦闘試験や環境試験、パイロットの環境適応能力の訓練を行うための区画。複数の試験場が存在し、天候や重力、大気組成といった環境を試験にあった様々な状態に設定できる。地球や月、火星など人類が到達しすでに解析されている地域はもちろん、解析されているが行けない場所のシミュレートも可能で、センサーがほぼ働かない猛吹雪といった極限環境の再現もでき、壁面や地面はプロジェクションマッピングによって再現される。試験区域のチェックは決闘委員会の仕事に数えられている。
- ラウンジ
- 大型のモニターを有する決闘委員会のラウンジ。決闘の見届けや宣誓などに使用される。決闘委員会の他、ホルダーにも使用権が認められている。
- モノレール
- 生徒たちの通学に用いられるモノレール。シャフトを介して宇宙港や各戦術試験区域への移動にも用いられ、運行システムにはパーメットリンクが用いられている。
- 菜園
- ミオリネの個人菜園。彼女の趣味のガーデニングに使用される。基本的にミオリネの許可が無ければ立ち入る事が出来ない。
- 寮
- 学生達の生活の場となる寮。学園は全寮制で、入学後は寮生活が基本となる。寮は勝手に設立することは出来ず、学園に在籍する寮は基本的に後ろ盾となる企業のサポートを受け、同社の開発したMSを運用する。学園内での規模が大きい寮は専用の学園艦を保有しており、寮の地下にドッキングすることでエレベーターでの往来が可能。MSの整備・格納や決闘のオペレーションなどはそこで行われる。寮のある居住区エリアは御三家の合計だけで約7割の面積を占めており、立地もいい。反対に力のない企業の寮は周辺へと追いやられる傾向にある。
- ジェターク寮
- ジェターク・ヘビー・マシーナリーの支援する寮。使用MSはディランザ。
寮長はグエル・ジェターク。グエルがジェターク寮から追放された後は、副寮長であるラウダ・ニールが寮長となる。 - ペイル寮
- ペイル・テクノロジーズの支援する寮。使用MSはザウォート。
強化人士であるエラン・ケレスを擁するが、彼の正体については一般生徒には秘匿されている。 - グラスレー寮
- グラスレー・ディフェンス・システムズの支援する寮。使用MSはハインドリー。
寮長はシャディク・ゼネリ。軍人育成にも長けたグラスレー社の社風から、他寮に比べエース級の優秀な人材が多く、シャディクの取り巻きの女生徒達もチーム戦に長けている。 - ブリオン寮
- デミトレーナーを開発するブリオン社の支援する寮。
- ダイゴウ寮
- ダイゴウ社の支援する寮。使用MSはクリバーリ。
- 地球寮
- アーシアンの学生が所属する寮。地球を本拠にした企業は後ろ盾が弱く、さらに学生数も少ないので出身地で一括りにされている。他の寮よりも規模が小さく、校内での待遇も決していいものとは言えないが、優秀な生徒が在籍している。パイロットとMSもスレッタが入寮するまではチュチュと専用デミトレーナーのみだった(スレッタの入寮により、エアリアルも地球寮の所属となる)。
寮長はマルタン・アップモント。寮内では、アリヤが持ち込んだヤギやニワトリなどの家畜が飼育されている。
後にミオリネが株式会社ガンダムを起業すると、寮の施設は同社の社屋として接収され、寮生らもなし崩し的に社員として戸用された。
- 教室
- 生徒たちの学びの場。モビルクラフトを使用した実習を行うための大教室もある。
- 食堂
- 生徒たちの食事の場。
- カウンセリングルーム
- ハロが据えられた祭壇があるカウンセリングルーム。罪を犯した生徒の反省や相談など、使用目的は懺悔室に近い。
各学科の専門カリキュラム [編集 | ソースを編集]
No | パイロット科 | メカニック科 | 経営戦略科 |
---|---|---|---|
1 | MS&MC運用基礎 | MS工学基礎 | MS&MC産業経営総論 |
2 | MS&MC関係法規 | MS&MC動力機関 | 経営学 |
3 | MS&MC管制業務 | 応用パーメット工学 | 会計学 |
4 | MS&MC開発運用史 | MS&MC通信及びパーメット言語学 | MS&MC製造関連法学 |
5 | MS&MC技術開発連携 | 応用破壊学 | 経営戦略論 |
6 | MS運用会計学 | MS&MC推進機関 | イノベーションマネジメント |
7 | MS&MC運用環境 (微小重力下及び地球外惑星) |
MS&MC複合材料工学 | ユニバーサルマーケティング |
8 | 統合シミュレーション演習 | 保守運用管理論 | 人事労務管理論 |
9 | 戦術訓練演習 (MSに搭乗して実施) |
MS&MC構造工学 | 経済学特別講義 |
10 | 特別戦術訓練演習 (大規模戦闘訓練を実施) |
MS&MC技術・政策・産業特別講義 | パーメット資源管理 |
関連用語 [編集 | ソースを編集]
- ベネリットグループ
- 学園を運営するMS産業最大手の企業グループ。
- 決闘委員会
- 学内での決闘を取り仕切る、学生有志による組織。すべての決闘は委員会の立ち会いの下で行われるのがルールとなる。
- ホルダー
- 決闘の勝者の中でも最も優秀な生徒にのみ与えられる称号。学園最強のパイロットの証として、白い制服とパイロットスーツが与えられる。ホルダーは決闘を挑まれた場合、2週間以内にそれに応じなければならない義務が生じる。
- ランブルリング
- オープンキャンパス最終日に行われるエキシビジョンマッチ。ルールは制限時間30分のバトルロイヤル形式を採用する。基本は自由参加だが、ホルダーの参戦は義務となっている。