30行目: |
30行目: |
| | | |
| == 概要 == | | == 概要 == |
− | [[ΖΖガンダム]]の[[フルアーマーΖΖガンダム|増加装甲]]の評価試験を行うために制作された機体。ΖΖと同様に[[アナハイム・エレクトロニクス社]]が開発を行い、ΖΖの半年近く前にロールアウトしている。 | + | [[ΖΖガンダム]]の[[フルアーマーΖΖガンダム|増加装甲]]の評価試験を行うために制作された機体。機体名称の「FAZZ(ファッツ)」とは関係者やパイロットが便宜的に与えたニックネームであり、正式名称ではなく、型式番号も建造後に便宜的に与えられたものである。 |
| | | |
− | 外見はフルアーマーΖΖに酷似しているが、フルアーマー状態の性能試験のみを目的とする機体である為、頭部及び腹部に装備されたハイ・メガ・キャノンはバランス調査用のダミーであり、増加装甲の着脱及びGフォートレスへの変形機構も省略されている上、ガンダリウム・コンポジットを用いた装甲もワンランク劣る材質が用いられた。また、コクピットの脱出機構も[[コアブロックシステム]]ではなくイジェクションポッドが使用されている。
| + | ΖΖガンダムは[[アナハイム・エレクトロニクス社]]が[[Ζ計画]]に基づいて開発した6番目「θ(シータ)ガンダム」に相当する機体であり、合体・変形を特徴とし、スペックや機能の構成要素から第4世代MSにカテゴライズされる極めて大出力・大火力志向の強い[[モビルスーツ]]であった。ただし、[[コアブロックシステム|コア・ブロック]]が露出する構造であったため、その脆弱さが懸念されており、設計段階から装甲の強化のための増加パーツが考案されていた。このシステムは俗に「フルアーマー」と呼ばれる装甲や武装の追加による機能向上であり、[[一年戦争]]以降のMS開発者にとって至極スタンダードな手法ともなっていた<ref>ΖΖガンダムは機体そのもののブロック化によって、当初から非常にシステマティックな構造が採用されていたため、運用方針による仕様変更なども当初から設計に盛り込まれており、非変形のバージョンも検討されていた。単機能のMSとしての運用を限定すれば、FA化された状態こそがΖΖガンダムの完成形だったとも言える</ref>。FAZZは、ΖΖガンダム本体の変形のためのフレーム設計は難航し、実機の建造が滞る中、フルアーマー形態のみを指標とし、変形機構や頭部ハイメガキャノンなどをオミットして建造された先行試作機である。 |
| | | |
− | それでもそれ以外の性能はフルアーマーΖΖと同等とされ、武装やジェネレーター出力は実戦に対応する必要な条件を満たしていた。特にハイパー・メガ・カノンを中心とした多数のビーム兵器やミサイル群による火力は[[宇宙世紀]]0088年のMSとしては最高クラスに位置している。
| + | 外装には[[ガンダリウム合金|ガンダリウム・コンポジット]]が使用されているものの、指定水準ではない素材が用いられていた事から、実戦投入にあたって装甲防御力を強化するべく、機体と同時進行で開発中のFA化用パーツの試作品が装備されている。 |
| + | |
| + | FAZZはフルアーマー状態での機体性能のみを試験するのが目的の試作機と、ΖΖガンダムのMS時の機体性能を試験する目的の試作機を母体とするものの2系統が存在するが、両者とも機体の外観やスペックはどちらも同じである。[[ムーバブルフレーム|内部フレーム]]はΖΖガンダムのMS性能時のみを再現した汎用フレームが使用されており、ΖΖガンダムの機体構造を標準的なフレームで模倣、強度評価を行っているものの、Gフォートレスなどへの変形は不可能。コア・ファイターも[[イジェクション・ポッド]]へ変更されている。 |
| + | |
| + | 頭部はΖΖガンダムの製造ラインとは別に社内コンペティションに敗れた試作品の頭部ユニットを独自に調達したもので、頭部ハイメガキャノンもバランスを調べるためのダミーが配置されている。代わりにバルカン砲の装弾数が増加し、高効率のクーリングユニットなども内装されている。 |
| + | |
| + | 増加装甲パーツは全て固定化され、基本的に着脱は出来ないとされているが、メンテナンスやΖΖガンダムの改装などへの対応を想定し、別工程により除去が可能な機体もあったと言われており、それ以外のスペックはフルアーマー時のΖΖとほぼ同等である。 |
| | | |
| 本機は3機が建造されたが、[[ペズン]]での[[ニューディサイズ]]反乱を受け、AE社の依頼で実用評価試験中だった全機が[[アーガマ級]][[ペガサスIII]]に配備され、[[α任務部隊]]の戦闘に投入された。 | | 本機は3機が建造されたが、[[ペズン]]での[[ニューディサイズ]]反乱を受け、AE社の依頼で実用評価試験中だった全機が[[アーガマ級]][[ペガサスIII]]に配備され、[[α任務部隊]]の戦闘に投入された。 |
48行目: |
54行目: |
| | | |
| === 武装・必殺攻撃 === | | === 武装・必殺攻撃 === |
− | ;バルカン砲 | + | ;60mmバルカン |
− | :頭部のこめかみ部分に左右一対2基内蔵されている60㎜バルカン砲。近接防御や牽制などに使用される。ΖΖガンダムでは左右二対の計4門だが、本機の場合、上部の左右一対がダミーであるためカバーで塞がれている。 | + | :頭部のこめかみ部分に左右一対2基内蔵されている60㎜バルカン砲。近接防御や牽制などに使用される。ΖΖガンダムでは左右二対の計4門だが、本機の場合、上部の左右一対がダミーであるためカバーで塞がれているものの、装弾数はΖΖよりも増加している。 |
| ;ハイパー・メガ・カノン | | ;ハイパー・メガ・カノン |
− | :本機の主武装である大型ビームキャノン。出力はハイ・メガ・キャノンの60%増しであり、同時期に運用されていた標準的な艦艇の主砲クラスの威力を有するとされる。インターバルを数秒置けば連射も行える。装備時には右側の18連装2段階ミサイル・ランチャーと換装し、ベルト状のパーツをリアスカートに接続する。 | + | :本機の主武装である大型ビームキャノン。出力はハイ・メガ・キャノンの60%増しであり、同時期に運用されていた標準的な艦艇の主砲クラスの威力を有するとされる。インターバルを数秒置けば連射も行える。装備時には右側の18連装2段階ミサイル・ランチャーと換装し、ベルト状のパーツをリアスカートに接続する。<br/>この装備を標準兵装とするFAZZはα任務部隊において不可避的に遠距離支援用の機体として機能しており、その意味で純然たる重火力支援機だったという事が出来るが、それによってこの機体の機動性そのものはスポイルされておらず、戦況によっては砲身を基部ごと排除し、ダブル・ビーム・ライフルを主軸とした高機動戦闘に対応する事も可能であった。それでも、ハイパー・メガ・カノンの質性重量は膨大であり、通常の状態では可能な限り近接戦闘は回避する必要があった。 |
| ;ダブル・[[ビーム・ライフル]] | | ;ダブル・[[ビーム・ライフル]] |
− | :右前腕部に固定されている武装。手持ちでの運用は想定されておらず、コネクターで接続されている。銃身が[[ディープストライカー]]の改良型ビームカノンに似た形状に変更され、オリジナルの装備から威力が抑えられている。 | + | :右前腕部に固定されている高出力ビーム・ライフル。FAZZにおいては副武装として位置づけられている。ΖΖのそれはモジュール自体がジェネレーターを内蔵し、本体からエネルギー供給を受ける事が可能な装備だが、砲身の消耗が激しかったものの、FAZZでは副兵装となった事で出力を抑える事が可能となり、逆に稼働回数や信頼性が向上する事になった。加えてモジュールをコネクタージョイントによって腕部の固定武装とした事で使い勝手が改善され、迎撃装備としても威力を発揮する事となった。 |
| ;背部ビーム・カノン | | ;背部ビーム・カノン |
| :背部に2基装備されている。[[Sガンダム]]と同様の武装。オリジナルとは違い[[ビーム・サーベル]]としての機能はない。 | | :背部に2基装備されている。[[Sガンダム]]と同様の武装。オリジナルとは違い[[ビーム・サーベル]]としての機能はない。 |
96行目: |
102行目: |
| *[[登場メカ]] | | *[[登場メカ]] |
| | | |
− | <!-- == 脚注 == -->
| + | == 脚注 == |
− | <!-- <references /> -->
| + | <references /> |
| <!-- 本文には<ref>内容</ref>のかたちで挿入してください。 --> | | <!-- 本文には<ref>内容</ref>のかたちで挿入してください。 --> |
| | | |