アド・ステラ

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アド・ステラ (Ad Stella)

機動戦士ガンダム 水星の魔女』の世界観で使用されている紀年法。略称は「A.S.」。「星へ」を意味するラテン語「Ad Stella」を語源とする。

A.S.の発足時には複数の企業が宇宙に進出してフロントの構築を開始しており、宇宙開拓条約を基本として宇宙側に中央政府機能を置くことを目的に宇宙行政機関が設立され、その下に各ラグランジュエリアを管轄するフロントコミュニティが置かれることとなった。しかし、宇宙進出の黎明期における様々な課題が噴出する中、宇宙行政機関はそれらの対応に追われる一方で、宇宙企業の経済力は急拡大し、宇宙のパワーバランスは大きく企業優勢となった。宇宙企業の規模はたちまち巨大化し、各企業間で経済戦争が激化したことで、散発的な小競り合いも起き始めていた。

宇宙企業間の本格的な武力衝突を回避するため、他フロントへの侵攻や大規模破壊兵器の宇宙実験に対して制限をかける宇宙連絡協議条約が結ばれることとなった。同日、フロント間の問題解決のための実務の場として、宇宙側の統括組織とフロントコミュニティが「宇宙植民共同体 (Space Front Community)」を立ち上げる。SFCは利益の生ずる取引を行うことで参加企業を増やしながら巨大化していき、発足から10年足らずで宇宙行政機関を取り込み、宇宙議会連合として組織改編することなった。

宇宙でのフロント構築と前後して地球では徐々に地域経済圏が確立していき、大小10の行政ブロックが成立することとなる。しかし政治や経済の不安定さから、各ブロックの内外で絶え間なく紛争が起きる事態となっていた。条約により宇宙での武力衝突が禁じられた宇宙企業はこの状況に着目し、各ブロックと協力するという名目のもとに地球側に多額の融資と兵器の貸与を開始する。ほどなくして地球の紛争は激化し、地球全域で同時多発的にブロック間戦争が勃発することとなる。この流れで各ブロックは宇宙企業からの債務を返済できないまま、さらなる融資を受ける構造に落とし込まれ、経済が著しく疲弊する状況となった。同時期に宇宙企業の主導で、突発的な紛争を防ぐことで各行政ブロックを安定して統治する組織「地球経済援助機構 (UNDER)」が地球に設置されるが、その実態は宇宙側が望む施策を遂行する機関であった。

こうして宇宙企業同士の争いは直接的な対立から、各企業が繋がりを持つ地球の行政ブロックによる代理戦争へと変容していった。この軍事ビジネスモデルは戦争シェアリングと呼ばれ、いわばコントロールされた戦争であるため地球が破局的な状況を迎えることを防ぐことはできたが、地球からすれば戦火が収まることなく宇宙企業に搾取され続ける状況にあり、宇宙開発事業の莫大な費用を裏で支える形となっていた。これはA.S.122時点においても変わらないどころか、悪化の一途を辿っている。

アド・ステラの文化

生活圏
各ラグランジュエリアにフロントコミュニティが置かれており、宇宙企業によって小惑星を基部としたフロントが建設されている。ラグランジュ4にはベネリットグループの数多くの企業が置かれている。
技術
パーメット言語工学の発展により、パーメットを用いた通信、機械、エネルギー、制御を同時に兼ねることが可能となっている。この成功により様々な通信や工学の技術革新が進んだ。一方でコストの問題から、経済的に見合わない部分には旧来の技術が使われている。

用語

ヴァナディース事変
A.S.101に発生した監査組織カテドラルドミニコス隊によるヴァナディース機関襲撃事件。

関連作品

機動戦士ガンダム 水星の魔女
出典元。A.S.122を舞台とする作品で、主人公スレッタ・マーキュリーミオリネ・レンブランの物語が描かれる。
機動戦士ガンダム 水星の魔女 PROLOGUE
水星の魔女本編に先駆けて公開された前日譚。本編の21年前であるA.S.101を舞台にヴァナディース事変の顛末が描かれる。
機動戦士ガンダム 水星の魔女 ヴァナディースハート
ヴァナディース事変から5年後のA.S.106を舞台とする外伝作品。荒廃した地球を舞台にヴィルダ・ミレンキユウ・ラボットの物語が描かれる。

関連項目 

未来世紀 (F.C.)
機動武闘伝Gガンダム』の世界観およびそこで使用されている紀年法。アド・ステラと同様、政治・経済・軍事のパワーバランスが宇宙に偏っており、荒廃した地球が代理戦争の場として利用されている点も共通している。

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