ダブルオークアンタ
GNT-0000 ダブルオークアンタ(00 QAN[T])
- 登場作品:劇場版 機動戦士ガンダム00
- デザイナー:海老川兼武
- 分類:イノベイター専用モビルスーツ(第5世代ガンダム)
- 装甲材質:Eカーボン
- 頭頂高:18.3m
- 本体重量:63.5t
- 主動力:GNドライヴ×2(ツインドライヴ)
- 出力:不明
- 開発組織:ソレスタルビーイング
- 主なパイロット:刹那・F・セイエイ、ティエリア・アーデ(意識データ)
ソレスタルビーイングの太陽炉搭載型モビルスーツ。
ダブルオーライザーの後継機であり、同機ですら追従できなくなっていた刹那・F・セイエイの能力に対応するべく木星にて開発が進められていたイノベイター専用機である。設計者はイアン・ヴァスティ。
本機もツインドライヴシステムを搭載しており、胸部とGNシールドにGNドライヴを1基ずつ左右非対称の構成で備えているが、これはツインドライヴ用として機体と共に木星で製造された新型であり、起動開始時から既に安定稼働領域に達している。
基本フレーム等の設定データはダブルオーガンダムの物を一部流用している(資金不足で旧世代機のフレームを流用したサバーニャやハルートとは違い、本機のそれはダブルオーガンダムの時点で既にほぼ完成形に達している為、新設計する必要がなかったというのも理由の一つである)が、それ以外は全て新開発のパーツを採用しており、これは従来のパーツではイノベイターの能力に対応できないであろうという判断から来ている。
GNドライヴの一基が胸部に搭載されている為、コクピットの位置も胸部から腹部へ変更され、内部のコンソール等も一新されている。
更に本機はトランザムシステムに加え「クアンタムシステム」と呼ばれる新システムも搭載している。
名称の「クアンタ」は「Quantum(量子)」の複数形であり、型式番号の「T」は「Twin」の頭文字でツインドライヴ搭載機を表している。
頭部の外見はガンダムエクシアと似ているが、これはイアンの配慮によるものらしい。
本機は刹那の要望で開発された「対話の為の機体」であるが、純粋な機動兵器として見た場合でもその戦闘力は絶大で、作中最強のガンダムであると言っても過言ではない。しかし、投入されたのが最終決戦で、尚且つマイスターの刹那の目的が戦う事では無かった為、劇中ではほとんど戦闘は行わなかった。
ちなみにファーストの主題歌『飛べ!ガンダム』に『銀河に向かって飛べよガンダム』という一節があったが、31年目にして銀河を越え、外宇宙へ飛んだ初めてのガンダムである。
余談として、外宇宙探査を目的に作られたガンダムとして、機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZERに登場したスターゲイザーがあるが、こちらは目的外の事に使用され外宇宙へ飛ぶ事は出来なかった。
登場作品と操縦者
- 劇場版 機動戦士ガンダム00
- ガンダムマイスターは刹那・F・セイエイ。
木星から地球圏のソレスタルビーイングの基地へと運び込まれ、外装の取り付けなどが行われた。
ELSとの最終決戦の際にはプトレマイオス2改へと搬入されて最終調整が行われ、さらにティエリア・アーデの希望でヴェーダの小型ターミナルユニットが追加搭載されている。その後、復活した刹那が搭乗して出撃。ELSとの対話を行い、彼らの母星へと向かった。
それから50年後の西暦2364年に地球圏へと帰還を果たしている。この時、形状は以前と変わっていた。
装備・機能
特殊機能
- ツインドライヴシステム
- 2基のGNドライヴを同調させる事で粒子生産量を2乗化させるシステム。
本機はツインドライヴ用として開発された新型の物を搭載している為、起動時から安定稼働領域に達している。 - トランザムシステム(TRANS-AM)
- オリジナルGNドライヴのブラックボックス内に組み込まれていたシステム。機体各部のGNコンデンサー内に蓄積している高濃度圧縮粒子を全面開放する事で機体性能を通常の3倍以上に引き上げるというもの。ただし、限界時間がある上、使用後はしばらく性能が大幅にダウンしてしまうという短所もある。
本機は第4世代の技術も引き継いでいる為、トランザムの使用に伴う問題もある程度解消された状態であると思われる。ダブルオーライザーと同様、他のガンダムを遥かに超える粒子放出量を誇る。 - クアンタムシステム
- 本機に実装された純粋種のイノベイターの能力に反応する新システムで、刹那の「戦いそのものを止めさせる」という想いを実現させる為に開発された。
GNシールドと背部にある2基のGNドライヴを直結させ、ダブルオーライザーに搭載されていた「トランザムバースト」をも凌駕する超高濃度粒子領域を展開する事で領域内にいる全ての人々の意識を繋げる。発動時には機体が一瞬だけ赤くなった後、緑色に輝き出す。
また、最大出力モード「クアンタムバースト」時には全身の装甲をパージ(粒子散布を効率的に行う為)し、各部GNコンデンサーを露出させる事で大量のGN粒子を放出する。この時、GNソードビットも全基が機体を取り巻くように展開する。 - 小型ターミナルユニット
- コクピットの後ろ側に設置されている。これによって常時、ヴェーダと一体化したティエリアのサポートを受けられるようになった。
- GNフィールド
- GNソードビットをリング状に展開する事で使用可能なGN粒子のバリア。
ビットそのもので攻撃を防ぐ訳ではない為、GNシールドビットやGNホルスタービット等と比べて破壊される確率が非常に低い。 - 量子テレポート
- GNソードビットをリング状に展開して量子ゲートを形成し、そこに飛び込む事で空間跳躍が可能。
トランザムライザーではごく短距離の跳躍しかできなかったのに対し、本機では長距離跳躍が可能である。また、トランザムを起動せずにパイロットの任意でテレポートが可能。 - 換装
- ダブルオークアンタ フルセイバーに換装可能。
武装・必殺攻撃
- GNソードV
- 本機の主兵装の一つで、今までのモデルと違い刀身がかなり細身になっている。その刀身部は全て新素材製。ソードモードとライフルモードに変形可能で、その変形機構はGNソードIIと同様である。不使用時は左腰にマウントされる。
GNソードビットとの合体も可能で、ソードモード時に合体した「バスターソードモード」(劇中未使用)とライフルモード時に合体した「バスターライフルモード」に2形態が存在する。前者は高い切断力を持ち、後者は通常より高出力の粒子ビームを放つ事ができる。 - GNソードビット
- GNシールドにマウントされている誘導兵器。A、B、Cビットが各2基用意されており、刃が新素材製となっている。コントロールは脳量子波で行われる。また、それぞれグリップも内蔵しており、手に持って使う事もできる。
- ライザーソード
- トランザム時にバスターライフルモードのGNソードVから発射した粒子ビームをそのまま巨大なビームサーベルとして振り回す。
トランザムライザーのそれと同様に非常に長大かつ強力だが、すでに粒子ビームに対する対策を学習した巨大ELSの前には無力だった。 - GNシールド
- 背部から伸びるアームを介して左肩にマウントしている実体盾。フレキシブルに可動する為、左腕に干渉せずに広範囲の防御が可能。裏にはGNドライヴが1基搭載されており、GNソードビットに急速かつ大量に粒子供給が行える。また、表面の青いパーツは開閉可能で、クアンタムシステム起動時にはここを開いてGN粒子を散布する。
- GNビームガン
- GNシールドの上部に1門内蔵している粒子ビーム砲。主にミサイル等の迎撃に使用されるが、太陽炉から直接粒子供給を受けている事もあって、迎撃用とは思えない程の高い威力を持つ。
対決・名場面
- 来るべき対話の始まり
- ロックオン、アレルヤの援護とグラハムの特攻により、遂に巨大ELSの中枢部に到達したダブルオークアンタ。人類の存亡をかけ、刹那とティエリアはクアンタムシステムを起動させてELSとの対話に臨む。
情報の奔流に呑まれそうになりながらもELSの「想い」を理解しようとする二人は、その先に彼らの真意を見る――。 - 銀河をも越え、外宇宙へ翔べ、クアンタ
- ELSとの対話を果たした刹那は、クアンタの手持ちの武器であるGNソードVを放棄しGNソードビットを環状に展開させて作った量子ゲートをくぐって外宇宙にあるELSの母星へと旅立った。
- 1979年のファーストから始まったガンダムの歴史の中で、31年目にして初めてガンダムは銀河すら越えて外宇宙へ飛翔したのであった。
- 時を同じくしてELSは行動を停止し、戦闘は終結した。世界は、存亡の危機を乗り越えることができたのであった。
関連機体
- ダブルオークアンタ フルセイバー
- ELSクアンタ
- ダブルオーガンダム
- ダブルオーライザー
- ダブルオーライザー (粒子貯蔵タンク型)
- ガンダムエクシア
- ガンダムダブルオーシアクアンタ
- ガンダムビルドファイターズトライ アイランドウォーズに登場する本機をベースとしたガンプラ。