ビスケット・グリフォン
ビスケット・グリフォン | |
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外国語表記 | Biscuit griffon |
登場作品 | 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ |
声優 | 花江夏樹 |
プロフィール | |
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種族 | 人間 |
性別 | 男 |
年齢 | 16歳 |
出身 | 火星 |
職業 | CGS参番組隊員 ⇒ 鉄華団団員 |
所属 | CGS参番組 ⇒ 鉄華団 |
主な搭乗機 |
CGSモビルワーカー (地上型) イサリビ |
概要
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の登場人物。『鉄華団』の立ち上げメンバー。 『鉄華団』への参加後は裏方全般で大きな役割を果たし、また交渉事などでは常にオルガの傍らで支え続けた。
恰幅のよいアンコ型の体格に帽子がトレードマークの少年。食糧事情の悪いCGS(および鉄華団)では稀有なぽっちゃり体型をしている。といっても実はがっしりした体躯に鍛えられた筋肉がみっちりとついており、「ふとっちょ」キャラではなくムチムチのマッチョ。脱ぐとすごい『どすこい』タイプ。
鉄華団の中では特に論理的で理性的。そのため前のめりになりがちなオルガとは意見がかみ合わないことが少なくなかったが、ビスケットが一歩引きつつ可能な限りフォローしていたこともあり、オルガもそうした「ブレーキ役」のビスケットを非常に信頼しておりその仲は良好だった。
性格は温厚で安全・安定志向。低リスクな選択肢を好み、争いごとは好まず、できれば平和的な解決法がベターと考えている。しかしあくまでもリスクを回避できない場合、どうしてもやむを得ず武力が必要になる場合には躊躇しない。「やるときはやる」タイプ。
家族構成は妹の双子クッキーとクラッカ、祖母の桜・プレッツェル、兄のサヴァラン・カヌーレがいる。両親とは年少期に死別している。 祖母の経営する桜農場での作物はバイオ燃料の原料になるため需要はあるものの、安価で買い叩かれることもあり、裕福とは言えない環境にあった。 兄は早い段階でカヌーレ家に養子に入っているため、一家の柱として妹たちをなんとか学校に通わせたい思いからCGSへ志願入隊した。
物語中盤、立場の違いから(そうとは知らず)兄のサヴァランを追い詰めてしまい、最終的には自殺にまで追い込んでしまったことを知り、自責の念に苛まれてしまう。一方、勢いに乗り「リスクを顧みない」オルガと衝突。ついには鉄華団の退団云々にまで発展してしまう。しかしそうして感情をぶつけ合ったことで冷静になり、また大人たちに悩みを吐露することで険悪になっていた関係もお互いが歩み寄ることで一旦は落ち着きを取り戻す。今後の方針については任務中ということもあり、一旦は棚上げとなった。
だが独自の命令系統で動くギャラルホルンの追撃を受け、カルタ・イシューの攻撃からオルガを離脱させるも自身はモビルワーカーの下敷きになり、致命傷を負ってしまう。 朦朧とする意識のなかで、妹たちの将来や鉄華団の未来を思いながらオルガに看取られて息を引き取った。
彼の死後、オルガの方針に真っ向からNOを出せる人間がいなくなってしまったため、オルガは意思決定において孤立してしまい、三日月・オーガスの影に追い立てられるかのように鉄華団の暴走ともいえる「ハイリスクで前のめりな方針」を加速させていったことから、物語の結末である鉄華団の崩壊の遠因になったとも言える。
登場作品と役柄
- 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ (第一期)
- 最序盤から登場し、基本的には癒やしポジションではあったものの、時折鋭い洞察力で鉄華団を支える軍師として存在感を見せた。
人間関係
- 我を出さず、チームのなかで役割を果たす。武の三日月に知のビスケットというべきオルガの右腕。ともすれば没個性的な一歩引いたポジションだったが、その分析力や思慮深さでオルガを、鉄華団を支えた。鉄華団の仲間たちのなかでもユージン・セブンスタークやノルバ・シノといった実働部隊とは異なり裏方のサポート役に徹し、モビルスーツに搭乗して戦闘を行うことはなかった。
- ヒューマンデブリや孤児の多い鉄華団のなかでは数少ない「家族持ち」だったため、しがらみという意味では向こう見ずな行動は好まず、周囲とその認識のギャップが生じたりもしていた。この点は平時においてはお互いの気遣いのなかで問題になることはなかったが、兄を失った際にはオルガと決定的な意見の相違として表面化した。
鉄華団
- オルガ・イツカ
- 上司にあたるが関係は対等。オルガが弱気を見せられる数少ない友人でもある。オルガの向こう見ずな性格をよく知っており、文句をいいつつもよき仲間としてお互いに支え合った。
- アトラ・ミクスタ
- CGS時代からの知己。両者とも穏やかな性格だったこともあり、関係は良好だった。
- タカキ・ウノ
- お互い「妹」がいるという共通点がある。後にタカキは妹を優先して鉄華団を降りたが、ビスケットも同じように自身と家族を取ってオルガを見限っていれば命を拾えたのだろうか?
- ナディ・雪之丞・カッサパ
- CGS時代から懇意であった整備班長。大人達の中では参番組に好意的で、後に鉄華団が発足した時も引き続き所属している。地球降下後にオルガと衝突した際に話を聞いてもらったことでわだかまりが解けたかに見えたが…。
火星
- クーデリア・藍那・バーンスタイン
- 依頼主。お互い平和的な性格だったため鉄華団の方針会議などでは意見が一致することが多かった。
家族
- クッキー・グリフォン / クラッカ・グリフォン
- 妹。
- 桜・プレッツェル
- 祖母。
- サヴァラン・カヌーレ
- 兄。
名台詞
本編
- 「いまのままでも充分じゃないか…仲間のことをもっと考えてくれ。みんなを危険な目に合わせず火星に帰る手はきっとあるはずだ!」
- 「また危険な道をあえて選ぼうとするのは辞めてくれ、って言ってるだけだ!」
- 「ここで無理してまた誰かが死んだらどうなる?こんなことを続けて将来も何も…」
- 20話より。兄、サヴァランの死にショックを受けていたビスケットに、そうと知らずに「アガリはデカいほうがいい」「全部奪い取る」と危険を顧みない方針を持ちかけるオルガ。決してオルガは団員を軽んじていたわけではないが、その影響は利益対立関係にある相手側にも及びうるということに気づいていなかった。鉄華団の利益を最優先するオルガの方針は当然だが、そうした波風を立てるやり方を改めてほしい、というビスケットの要求もまた当然であった。そこに兄の死を持ち出さないあたり、ビスケットの切実な思いが見え隠れする。
- 「文句は言ってたよ。オルガが聞いていなかっただけだ。」
- 1期21話より。衝突し、険悪になっていたオルガとビスケットだったが、お互いが冷静になって自身を見つめ直したことで歩み寄ることができた。その会話のなかで。この返しにオルガは苦笑するしかなかった。
- 「島を出たら、話をしよう…俺達の『これから』のことを…」
- オルガの自嘲を聞き、苦笑いしながら優しく答える。ビスケットはオルガを支え続け、オルガもまたビスケットに支えられていたということをお互いが改めて知り、オルガもビスケットも「これから」に向けて前を向こうとしていた。
- 「これからは少し先のことも考えていかなければならないんですね『俺達』は」
- モビルワーカーの整備中、カッサバとのやり取りで。もうビスケットの心は鉄華団と共にあると定まっていることが伺える。これを聞いたカッサバは「そいつを聞けりゃあ安心だ」と微笑みかけた。
- 「オルガ、手を放して!」
- カルタ・イシューの駆るグレイズリッターの猛追を受け、逃げきれないと判断したビスケット。スピードを出すのでしっかりと掴まっていろと指示することはあっても放せということは普通ない。これでオルガはモビルワーカーから振り落とされ、大怪我を負ってしまったが命だけは助かった。だがそのビスケット本人はグレイズリッターの一撃を受け、木の葉のように吹き飛ばされてしまう…。
- 「行かないと…まだ、こんなところで…俺は…死ねない…!」
- 「全部終わったら火星に帰って、クッキーとクラッカを学校に入れて、またみんなで一緒に…だから死ねない…死にたくない…俺にはまだオルガとの約束が…」
- 「オルガ…俺たちの…鉄華団…」
- 致命傷を負い、朦朧とした意識のなかでなおも生きようともがくビスケット。最後にオルガと手を取り合い、何かを言いかけてこと切れた。かけがえのない戦友の死にオルガは慟哭する。その後の鉄華団の前のめりな方針は加速し、結果としてビスケットの死は鉄華団の崩壊を決定づけたともいえる。
ゲーム作品等
搭乗機体・関連機体
- CGSモビルワーカー (地上型)
- 指揮官用の複座型。
- イサリビ
- 座乗艦。元はCGS所有の強襲装甲艦「ウィル・オー・ザ・ウィスプ」であり、鉄華団に名義変更した際にオルガがイサリビと命名した。