グラハム専用ユニオンフラッグカスタム
グラハム専用ユニオンフラッグカスタム | |
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外国語表記 | Graham's Union Flag Custom |
登場作品 | 機動戦士ガンダム00 |
デザイン | 福地仁 |
スペック | |
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通称 | カスタムフラッグ |
分類 | 可変モビルスーツ |
生産形態 | ワンオフカスタム機 |
型式番号 | SVMS-01E |
頭頂高 | 17.9m |
本体重量 | 66.6t |
主動力 | 水素エンジン |
装甲材質 | Eカーボン |
原型機 | ユニオンフラッグ |
開発組織 | ユニオン |
改修 | レイフ・エイフマン |
所属組織 | ユニオン |
所属部隊 | 対ガンダム調査隊 ⇒ 第8独立航空戦術飛行隊 (オーバーフラッグス) |
主なパイロット | グラハム・エーカー |
概要
ユニオン軍の最新鋭量産型モビルスーツ「ユニオンフラッグ」の強化改良機。対ガンダム調査隊のグラハム・エーカー専用の機体として、フラッグの開発者であるレイフ・エイフマン教授が自ら完成させた。
わずか一週間という短期間で制作された機体ながら、当時最高水準の技術が投下されている。
注目すべき点は、通常のフラッグの2倍近いスピードを出す事が可能な事であり、このスピードを生み出す為にフライトユニットを制式採用の見送られた高出力型に換装している。更に、機体内の水素吸蔵率を下げると同時に装甲材も含めて軽量化を図っており、大型フライトユニットを装備したにも関わらず、総重量は元のフラッグより軽くなっている。
パイロットであるグラハム本人の希望により、最大速度制限のリミッターをも解除している。しかし、高速化の代償として最大旋回時には12Gという多大な加速負荷がパイロットにかかることになり、グラハム以外には操縦不可能な機体として完成した。また、通常のフラッグよりも航続距離は短く、「遠くの前線に急行する」というフラッグ本来の運用方から離れた対ガンダム仕様となっている。
この他、対ガンダム戦を想定し、ビーム兵器への耐性を高めるべく機体表面の耐ビームコーティングが施され、各部関節の強化、他の機体の指揮官機として通信能力強化といった改修が施されており、主兵装としてアイリス社製の試作リニアライフルを装備する。
なお、左利きであるグラハムに合わせ、本機はリニアライフルを左腕に、ディフェンスロッドを右腕に装備している。この左右逆転した機体では、火器管制ソフトの書き換えも行われており、ハード・ソフト共にグラハム専用となった。
主兵装の試作リニアライフルは、オーバーフラッグスの正式な発足に伴いオーバーフラッグと同型の物へと換装された。これにより外見的には(装備の左右逆転・色の差異以外は)一般的なオーバーフラッグとの違いはなくなったが、機体の改良点が異なる為、同仕様は便宜上、「グラハム専用ユニオンフラッグカスタム オーバーフラッグス仕様」と呼称され、オーバーフラッグとは別機体として扱われている。
登場作品と操縦者
- 機動戦士ガンダム00(1stシーズン)
- 第4話で初登場。パイロットはグラハム・エーカー。フラッグ主任設計者レイフ・エイフマンの手で一週間で改修が行われている。タリビアやアザディスタン、タクラマカン砂漠での戦闘でガンダムエクシアやガンダムデュナメスと交戦。アイリス社の軍事工場付近でもガンダムスローネアインと交戦して右腕を斬り落とすという活躍を見せた。その後、本機はさらにジンクスのパーツを使ってユニオンフラッグカスタムIIへと改修される事になった。
- 太陽炉を搭載していないMSであったが、パイロットの技量により単機でガンダムを圧倒し、損害を与えた唯一の機体でもある。「非太陽炉搭載MSが太陽炉搭載MSに勝利した事例」も本機とCB仕様のフラッグのみである。
装備・機能
特殊機能
- 耐ビームコーティング
- ガンダムとの戦闘を想定し、装甲の表面に施された対粒子ビーム用防御コーティング。コーティング剤の色については、黒色の為に機体色が黒になったとする説と、コーティングは無色であり、フラッグの装甲の地色が黒であるとする説の二種類が存在する。
- 変形
- 飛行形態へと変形可能。フラッグはユニオンリアルドとは異なり変形の為に機体の換装を必要としない為、パイロットの技量次第では空中変形も可能となる。空中変形は俗に「グラハム・スペシャル(正式名:グラハム・マニューバ。下記参照)」と呼ばれる。
武装・必殺攻撃
- 20mm機銃
- 胴体部分、コクピットドラムの左側に装備された実弾機銃。飛行時に敵ミサイルの迎撃に使用する他、人型時の対人・対車両など大きな火力を必要としない時に使用される。
威力はないが連射が可能であり、利用価値は高い。対MS戦闘では牽制目的の使用が殆どとなる。 - XLR-04 試作新型リニアライフル
- アイリス社の試作したリニアライフル。大型バッテリーを搭載し、使用可能電力を増大させた事で、弾速と威力が格段に向上した。反面、電力チャージに長い時間がかかるという欠点を持ち、それを補う為の連射が可能な低出力モードを備えており、機関内部で弾種ごと切り替えられる。
飛行形態ではアッパーレシーバーとストックが上方に折れ、頭部を覆う形となる。 - 新型リニアライフル「トライデント・ストライカー」
- XLR-04を発展させた新型リニアライフル。銃口を3つ持つのが特徴。中央の銃口は200mm大口径高初速弾を発射可能だが、電力チャージに時間がかかる為、連射は出来ない。その弱点を補う為、左右に配された二つの銃口からは、威力は低いが連射性の高い60mm口径弾の発射が可能となっている。
左右にもグリップを配し、60mm口径使用時にはこちらをメインとして使う事もある。その場合、使用グリップに対してもっとも上部に位置する銃口が機能する。砲身中央のクリア部分は特殊ジェルジャケットであり、冷却用の熱変換機能と、外部への防磁機能を持つジェルが封入されている。なお、冷却ジェルカバーはオーバーフラッグが白色なのに対し、本機の物は識別の為に青色へと変更されている。 - ソニックブレイド
- 超硬質カーボン製の接近戦用ナイフ。刃の部分は高周波振動によって高い切断能力を持つ。また、プラズマ流を進展させる事でプラズマソードとしても使用可能。
- プラズマソード
- ソニックブレイドの刃の周囲にプラズマを纏わせる事で長剣として使用可能。ビームサーベルの開発途中で生み出された兵器であり、プラズマ刃は出力により長さが変化するが、フル出力での連続稼働は3分ほどしか出来ない。
- ミサイル
- 両脚部の脛部分に格納されているミサイル。作戦目的に合わせて各種ミサイルを装備可能。飛行時に使用される事が多いが、弾種換装する事で陸戦でも地対空用途に使用できる。本体内の搭載数が限られる為、主翼や副翼の下、及び両脚の間にミサイルポッドを追加装備する場合もある。
- ディフェンスロッド
- 敵からの攻撃に対し、その着弾の確度を調整して跳弾を狙う盾。使用時には、腕の軸を過中心に可動する。また、着弾時には中央部から瞬間的にプラズマフィールドを展開する。重い盾を装備出来ない飛行機体ならではの装備だが、仮に正面から攻撃を受けた場合には、ロッドが折れてしまう事もある。人型での使用を前提としており、空戦のみの作戦では装備される事は無い。
その他
- GNビームサーベル
- ガンダムスローネアインの装備するGNビーム・サーベル。アイリス社の兵器工場を襲撃したスローネアインから奪って使用した。
内部に小型のGNコンデンサーを持ち、手を離してもすぐにビームが消える事は無く、粒子供給が切れるまでの間にスローネアインの右腕を斬り落としている。
戦法・マニューバなど
- グラハム・スペシャル (グラハム・マニューバ)
- グラハムが過去にフラッグの先行試作機のテストパイロットを務めた際に自ら編み出した空戦機動。フラッグが空気抵抗による失速への懸念から空戦機動中の変形が想定されていない事を逆手に取り、MS形態へ変形する事で急制動を掛ける。当初はエイフマン教授により「グラハム・マニューバ」と命名されたが、直後にビリーが提案した「グラハム・スペシャル」が通称となった。
『00』作中では1stシーズン第12話でガンダムデュナメスの初撃を回避する際に初披露され、続く攻撃も悉く回避し、接近戦に持ち込む離れ業を見せた。
対決・名場面
- 阿修羅すら凌駕する存在
- 『00』1stシーズン第18話より。戦死した部下ハワードの遺志を汲み、グラハムは「フラッグを駆ってガンダムを倒す」決意を固める。
そしてアイリス社を襲撃したスローネアインとカスタムフラッグで交戦。トリニティのこれまでの非道に怒りを爆発させたグラハムは巧みな操縦技術でスローネアインを翻弄し、遂にはGNビームサーベルを奪って片腕を斬り落として撤退させる、という今までどの陣営でも成す事が出来なかった「単機でガンダムに損害を与える」という事をやってのけた。接近戦の対応力に差があるとはいえ、まさしく「機体の性能差が、勝敗を分かつ決定的条件ではない」というグラハムの(そして、あの人物の)持論が証明された瞬間であり、視聴者にとっても「フラッグ」という機体がガンダムと並ぶ特別な機体へと昇華した瞬間でもあった。
関連機体
- ユニオンフラッグ
- 原型機。
- オーバーフラッグ
- カスタムフラッグの制式仕様。フライトユニットにリミッターがかけられてる。
- ユニオンフラッグカスタムII
- カスタムフラッグに更なる改造を施したもの。ジンクスの擬似太陽炉を搭載している。
商品情報
ガンプラ