「スペースノイド」の版間の差分
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ただし、「全面的」に協力的ではなく、戦争やテロリズムによって自治権を獲得するやり方に反発するスペースノイドの勢力もいたのだが、そういった者達は「裏切者」と見なされる傾向が強く、宇宙世紀とXではコロニーに毒ガスが注入される「コロニー潰し」によって虐殺された上に、残されたコロニーも[[コロニー落とし]]の道具として利用されてしまっている。また、Wでも自分達がスペースノイド全体の意志であるかの様に破壊活動をしていたガンダムのパイロット達のやり方に反発を覚えていたスペースノイド達も存在し、そこを[[OZ]]付け込まれた結果、ガンダムのパイロット達は逆に平和を乱す憎悪の対象になってしまっている。 | ただし、「全面的」に協力的ではなく、戦争やテロリズムによって自治権を獲得するやり方に反発するスペースノイドの勢力もいたのだが、そういった者達は「裏切者」と見なされる傾向が強く、宇宙世紀とXではコロニーに毒ガスが注入される「コロニー潰し」によって虐殺された上に、残されたコロニーも[[コロニー落とし]]の道具として利用されてしまっている。また、Wでも自分達がスペースノイド全体の意志であるかの様に破壊活動をしていたガンダムのパイロット達のやり方に反発を覚えていたスペースノイド達も存在し、そこを[[OZ]]付け込まれた結果、ガンダムのパイロット達は逆に平和を乱す憎悪の対象になってしまっている。 | ||
− | + | 物語では「スペースノイドがアースノイドよりも弱い立場にある」という偏った描写が行われる事が多いが、実際はそうとも言い切れない部分がある。 | |
− | + | 高度な科学・機械技術の塊と言えるスペースコロニーに暮らすスペースノイド達には、「コロニーを維持し続ける」という目的の為に高度な科学・機械知識を身に付ける事が義務付けられており<ref>ガンダムシリーズに登場するスペースノイド(宇宙居住者)の主人公達も、ほぼ全員が、モビルスーツに関わる前から既に高レベルの科学・機械知識を持っている。</ref>、上層の人間の中には民間人でも軍用モビルスーツを動かす事が出来([[カミーユ・ビダン]]等)、最下層の人間でもプチモビやエレカ(電気自動車)の操縦、コンピューターの操作も当たり前の様にこなしている([[ジュドー・アーシタ]]等)。 | |
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こういった部分から、[[アナハイム・エレクトロニクス社]]の会長である[[メラニー・ヒュー・カーバイン]]は、後に記者である[[カイ・シデン]]との対面にて、「'''必然的にテクノクラート(高水準の機械知識を持つ者)となっているスペースノイドこそが、ギレンの妄想とは異なる一種のエリートである'''」という見解を見せている<ref>公式設定資料集『アナハイム・ジャーナル』参照。</ref>。 | こういった部分から、[[アナハイム・エレクトロニクス社]]の会長である[[メラニー・ヒュー・カーバイン]]は、後に記者である[[カイ・シデン]]との対面にて、「'''必然的にテクノクラート(高水準の機械知識を持つ者)となっているスペースノイドこそが、ギレンの妄想とは異なる一種のエリートである'''」という見解を見せている<ref>公式設定資料集『アナハイム・ジャーナル』参照。</ref>。 | ||
− | + | また、『[[袖付き]]』の首魁である[[フル・フロンタル]]も、既に経済面に関してはスペースノイドの方が優勢でアースノイドに頼らなくても独自の経済圏の構築が可能である事に気付いており、「[[ラプラスの箱]]」を脅迫材料に利用し、地球を完全に孤立させてスペースノイドの間だけで経済・貿易を行う「サイド共栄圏」を実現させようと目論んでいた事実からも、スペースノイドの優位性が示されていると言える<ref>これらの部分が極端に先鋭化された世界観こそ『[[機動武闘伝Gガンダム]]』の舞台となる『未来世紀』であると言え、この世界ではスペースコロニー側が完全に支配階級となっており、地球で暮らす人々の間ではコロニーの居住権を巡っての暴動や争いが頻繁に起こり、またコロニー側の都合で開催される地球を代理戦争の場とした[[ガンダムファイト]]も、黙って受け入れざるを得ない状況となっている。</ref>。 | |
− | また、『[[袖付き]]』の首魁である[[フル・フロンタル]] | ||
== 登場作品 == | == 登場作品 == |
2020年7月14日 (火) 20:34時点における版
スペースノイド(Spacenoid)
宇宙の、主にスペースコロニーに居住する人類を示す言葉。ガンダムのうち宇宙世紀物とW、X辺りで使われる。
地球に住む人々を示すアースノイドの対義語であり、多くの場合両者の政治的・軍事的対立を表す際に使われる。 地球連邦政府の圧政に苦しむスペースノイドは、ジオン公国やネオ・ジオン、Wに登場する5人のガンダムパイロットやホワイトファング、ガンダムXの宇宙革命軍など、様々な手段で自治権の獲得を狙い、またそういった勢力に対して概ね協力的である。
ただし、「全面的」に協力的ではなく、戦争やテロリズムによって自治権を獲得するやり方に反発するスペースノイドの勢力もいたのだが、そういった者達は「裏切者」と見なされる傾向が強く、宇宙世紀とXではコロニーに毒ガスが注入される「コロニー潰し」によって虐殺された上に、残されたコロニーもコロニー落としの道具として利用されてしまっている。また、Wでも自分達がスペースノイド全体の意志であるかの様に破壊活動をしていたガンダムのパイロット達のやり方に反発を覚えていたスペースノイド達も存在し、そこをOZ付け込まれた結果、ガンダムのパイロット達は逆に平和を乱す憎悪の対象になってしまっている。
物語では「スペースノイドがアースノイドよりも弱い立場にある」という偏った描写が行われる事が多いが、実際はそうとも言い切れない部分がある。 高度な科学・機械技術の塊と言えるスペースコロニーに暮らすスペースノイド達には、「コロニーを維持し続ける」という目的の為に高度な科学・機械知識を身に付ける事が義務付けられており[1]、上層の人間の中には民間人でも軍用モビルスーツを動かす事が出来(カミーユ・ビダン等)、最下層の人間でもプチモビやエレカ(電気自動車)の操縦、コンピューターの操作も当たり前の様にこなしている(ジュドー・アーシタ等)。 こういった部分から、アナハイム・エレクトロニクス社の会長であるメラニー・ヒュー・カーバインは、後に記者であるカイ・シデンとの対面にて、「必然的にテクノクラート(高水準の機械知識を持つ者)となっているスペースノイドこそが、ギレンの妄想とは異なる一種のエリートである」という見解を見せている[2]。 また、『袖付き』の首魁であるフル・フロンタルも、既に経済面に関してはスペースノイドの方が優勢でアースノイドに頼らなくても独自の経済圏の構築が可能である事に気付いており、「ラプラスの箱」を脅迫材料に利用し、地球を完全に孤立させてスペースノイドの間だけで経済・貿易を行う「サイド共栄圏」を実現させようと目論んでいた事実からも、スペースノイドの優位性が示されていると言える[3]。
登場作品
- 宇宙世紀シリーズ
- 『1st』が初出。以降、基本設定として各シリーズでも用いられる。
関連用語
リンク
- ↑ ガンダムシリーズに登場するスペースノイド(宇宙居住者)の主人公達も、ほぼ全員が、モビルスーツに関わる前から既に高レベルの科学・機械知識を持っている。
- ↑ 公式設定資料集『アナハイム・ジャーナル』参照。
- ↑ これらの部分が極端に先鋭化された世界観こそ『機動武闘伝Gガンダム』の舞台となる『未来世紀』であると言え、この世界ではスペースコロニー側が完全に支配階級となっており、地球で暮らす人々の間ではコロニーの居住権を巡っての暴動や争いが頻繁に起こり、またコロニー側の都合で開催される地球を代理戦争の場としたガンダムファイトも、黙って受け入れざるを得ない状況となっている。