「ホバートラック」の版間の差分
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− | + | [[一年戦争]]開戦劈頭、[[ジオン軍]]の快進撃は[[ミノフスキー粒子]]の実用化とMSの実戦大量配備という2つの軍事的大変革に支えられていた。緒戦においてジオン軍の[[ザクII]]の威力を思い知らされた連邦軍は、それまで細々と行ってきたMS開発に本腰を入れ、同時にMS開発の戦術的研究をスタートさせた。試行錯誤の結果到達した結論が、情報収集とネットワークの要たる特殊車両を、複数のMSと組み合わせた機械化混成部隊を編成し、そのユニットを敵に勝る物量で集中投入することであった。かくして、モビルスーツ戦闘支援車輌と分類するべき特異な車種の開発が急ピッチで行われ、MSの進出速度に追従可能なホバートラックをベースに最低限の防衛用武装と短距離通信機能を強化改良した上で正式化された。 | |
− | + | 最大の特徴は荷台の右脇に装備した杭状のアンダーグラウンド・ソナーにある。電磁波を阻害する[[ミノフスキー粒子]]の散布下ではレーダーが無効化され、光学センサーとパイロット自身の目による有視界戦闘が基本となるが、地上ではあらゆる兵器が「音」を発する。アンダーグラウンド・ソナーはミノフスキー粒子の影響を受けにくい地下を利用して敵音源の位置特定や音紋解析による敵識別を可能とするものである。 | |
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+ | 他にも変式伸縮アンテナや回転式ペリスコープによる充実した通信・索敵機能を備えている他、車体後部は荷台となっており、歩兵用携行火器や予備人員を積載することが可能。また部隊指揮官用車輌は荷台部に通信能力を強化するレドームを装備することもあった。 | ||
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+ | この車両は、地球連邦軍極東方面軍第1混成機械化大隊(通称[[コジマ大隊]])に[[陸戦型ガンダム]]などと共に優先配備されており、同大隊において編成されたMS小隊各隊の活躍の影には、この車両の存在があった。 | ||
== 登場作品と操縦者 == | == 登場作品と操縦者 == | ||
;[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊]] | ;[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊]] | ||
− | : | + | :初登場作品。[[第08MS小隊]]を始めコジマ大隊の各MS小隊に1両ずつ配備されており、08小隊では[[ミケル・ニノリッチ|ミケル]]が操縦手兼機銃手、[[エレドア・マシス|エレドア]]がソナー手を務める他、[[キキ・ロジータ]]など他の人員が搭乗したこともある。 |
;[[機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…]] | ;[[機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…]] | ||
− | :[[ホワイト・ディンゴ]] | + | :[[ホワイト・ディンゴ]]隊に「オアシス」のコールサインを持つ車輛が1両配備されており、オペレーターの[[アニタ・ジュリアン]]が部隊のバックアップを務める。 |
− | ;[[機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線]] | + | ;[[機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線]] / [[U.C. HARD GRAPH]] |
− | : | + | :「ブラッドハウンド」の通称や詳細設定が新たに設定された。『重力戦線』劇中では独立混成第44旅団大隊の[[ミケーレ・コレマッタ]]少佐が乗車し、野戦司令部として運用されている。 |
;[[機動戦士ガンダムUC]] | ;[[機動戦士ガンダムUC]] | ||
− | : | + | :OVA版のep4にて、バルカン砲の代わりに大型砲塔を装備した車両が1カットだけ登場。しかし[[ヨンム・カークス]]に狙撃され撃破された。 |
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+ | :『08』第9話と第10話の合間のエピソードであり、第9話で損傷したカレン機の応急修理のため一時的に部隊を離れたエレドアに代わって[[テリー・サンダースJr.]]が乗車した。 | ||
== 装備・機能 == | == 装備・機能 == | ||
=== 特殊機能 === | === 特殊機能 === | ||
;アンダーグラウンド・ソナー | ;アンダーグラウンド・ソナー | ||
− | : | + | :右側後部に装備した杭状の音紋索敵用装備。地中にソナーを埋め込み、周囲の振動を探知するパッシブ・ソナー。車体を前後のアウトリガーによって固定したうえでソナー・ポッドを火薬によって地面に打ち込み、音によって敵の位置・種別などを識別する。ミノフスキー粒子の影響を受けずに情報収集でき、障害物が多く光学センサーによる索敵に限界があるジャングルや市街地で真価を発揮する。 |
+ | ;ホバー・ユニット | ||
+ | :車体底部に4基備えるホバー・ユニット。湿地帯や水上など、多様な地形に対応可能で、MSの進出速度にも追従出来る走破性を持つ。 | ||
+ | ;アウトリガー | ||
+ | :フロントとリア部に装備された車体固定用アーム。アンダーグラウンド・ソナーを用いる際に使用される。 | ||
;大型伸縮アンテナ | ;大型伸縮アンテナ | ||
:左側後部に装備。上方に向けて展開でき、「MS IGLOO2 重力戦線」で使用している。 | :左側後部に装備。上方に向けて展開でき、「MS IGLOO2 重力戦線」で使用している。 | ||
− | ; | + | ;スモークディスチャージャー |
− | : | + | :車体左側と砲塔右側に装備された煙幕弾。 |
=== 武装・必殺攻撃 === | === 武装・必殺攻撃 === | ||
− | ;20mmバルカン砲 | + | ;20mmバルカン砲 (20mmチェーンガン) |
− | : | + | :車体上部のターレットに装備された防御用の武装。ガンナーが手動で操作を行う。砲弾は軽装甲用の徹甲弾と大人・対空用の榴弾を切り替えて使用することができた。 |
;大型砲塔(詳細不明) | ;大型砲塔(詳細不明) | ||
− | : | + | :『UC』にてトリントン基地に配備されていた車両が装備していた物。ほんの数秒しか映っていないうえ一切発砲せずに撃破されたことから詳細は一切不明。 |
== 対決・名場面 == | == 対決・名場面 == | ||
== 関連機体 == | == 関連機体 == | ||
+ | ;M340ホバートラック / XM353 | ||
+ | :『U.C. HARD GRAPH』で言及されている派生元。文字設定のみ。M340からXM353へと派生し、それに最低限の防衛用装備と短距離通信機能の強化改良を施したのが本機にあたる。 | ||
;[[陸戦型ガンダム]] / [[陸戦型ジム]] | ;[[陸戦型ガンダム]] / [[陸戦型ジム]] | ||
:コジマ大隊などで小隊を構成していた装備。 | :コジマ大隊などで小隊を構成していた装備。 |
2024年8月6日 (火) 01:15時点における最新版
ホバートラック | |
---|---|
外国語表記 | Hover Truck |
別表記 | 74式ホバートラック (ゲーム作品など) |
登場作品 | |
デザイナー | 山根公利 |
スペック | |
---|---|
通称 | ブラッドハウンド |
分類 | モビルスーツ戦闘支援車両 |
型式番号 | M353A4 |
全長 | 9.4m |
全高 | 3.3m |
全幅 | 6.6m |
開発組織 | 地球連邦軍 |
所属組織 | 地球連邦軍 |
所属部隊 |
第08MS小隊 ホワイト・ディンゴ その他 |
主なパイロット |
概要[編集 | ソースを編集]
既存のホバー・カーゴトラックから派生したM340ホバートラック、更にそこから派生したXM353をベースに、モビルスーツの行動を積極的にバックアップする特殊車両として地球連邦軍が開発した車輌。連邦軍地上部隊の各MS小隊に1両ずつ配備されている。通称「ブラッドハウンド」。
一年戦争開戦劈頭、ジオン軍の快進撃はミノフスキー粒子の実用化とMSの実戦大量配備という2つの軍事的大変革に支えられていた。緒戦においてジオン軍のザクIIの威力を思い知らされた連邦軍は、それまで細々と行ってきたMS開発に本腰を入れ、同時にMS開発の戦術的研究をスタートさせた。試行錯誤の結果到達した結論が、情報収集とネットワークの要たる特殊車両を、複数のMSと組み合わせた機械化混成部隊を編成し、そのユニットを敵に勝る物量で集中投入することであった。かくして、モビルスーツ戦闘支援車輌と分類するべき特異な車種の開発が急ピッチで行われ、MSの進出速度に追従可能なホバートラックをベースに最低限の防衛用武装と短距離通信機能を強化改良した上で正式化された。
最大の特徴は荷台の右脇に装備した杭状のアンダーグラウンド・ソナーにある。電磁波を阻害するミノフスキー粒子の散布下ではレーダーが無効化され、光学センサーとパイロット自身の目による有視界戦闘が基本となるが、地上ではあらゆる兵器が「音」を発する。アンダーグラウンド・ソナーはミノフスキー粒子の影響を受けにくい地下を利用して敵音源の位置特定や音紋解析による敵識別を可能とするものである。
他にも変式伸縮アンテナや回転式ペリスコープによる充実した通信・索敵機能を備えている他、車体後部は荷台となっており、歩兵用携行火器や予備人員を積載することが可能。また部隊指揮官用車輌は荷台部に通信能力を強化するレドームを装備することもあった。
この車両は、地球連邦軍極東方面軍第1混成機械化大隊(通称コジマ大隊)に陸戦型ガンダムなどと共に優先配備されており、同大隊において編成されたMS小隊各隊の活躍の影には、この車両の存在があった。
登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]
- 機動戦士ガンダム 第08MS小隊
- 初登場作品。第08MS小隊を始めコジマ大隊の各MS小隊に1両ずつ配備されており、08小隊ではミケルが操縦手兼機銃手、エレドアがソナー手を務める他、キキ・ロジータなど他の人員が搭乗したこともある。
- 機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…
- ホワイト・ディンゴ隊に「オアシス」のコールサインを持つ車輛が1両配備されており、オペレーターのアニタ・ジュリアンが部隊のバックアップを務める。
- 機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線 / U.C. HARD GRAPH
- 「ブラッドハウンド」の通称や詳細設定が新たに設定された。『重力戦線』劇中では独立混成第44旅団大隊のミケーレ・コレマッタ少佐が乗車し、野戦司令部として運用されている。
- 機動戦士ガンダムUC
- OVA版のep4にて、バルカン砲の代わりに大型砲塔を装備した車両が1カットだけ登場。しかしヨンム・カークスに狙撃され撃破された。
- 三次元との戦い
- 『08』第9話と第10話の合間のエピソードであり、第9話で損傷したカレン機の応急修理のため一時的に部隊を離れたエレドアに代わってテリー・サンダースJr.が乗車した。
装備・機能[編集 | ソースを編集]
特殊機能[編集 | ソースを編集]
- アンダーグラウンド・ソナー
- 右側後部に装備した杭状の音紋索敵用装備。地中にソナーを埋め込み、周囲の振動を探知するパッシブ・ソナー。車体を前後のアウトリガーによって固定したうえでソナー・ポッドを火薬によって地面に打ち込み、音によって敵の位置・種別などを識別する。ミノフスキー粒子の影響を受けずに情報収集でき、障害物が多く光学センサーによる索敵に限界があるジャングルや市街地で真価を発揮する。
- ホバー・ユニット
- 車体底部に4基備えるホバー・ユニット。湿地帯や水上など、多様な地形に対応可能で、MSの進出速度にも追従出来る走破性を持つ。
- アウトリガー
- フロントとリア部に装備された車体固定用アーム。アンダーグラウンド・ソナーを用いる際に使用される。
- 大型伸縮アンテナ
- 左側後部に装備。上方に向けて展開でき、「MS IGLOO2 重力戦線」で使用している。
- スモークディスチャージャー
- 車体左側と砲塔右側に装備された煙幕弾。
武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]
- 20mmバルカン砲 (20mmチェーンガン)
- 車体上部のターレットに装備された防御用の武装。ガンナーが手動で操作を行う。砲弾は軽装甲用の徹甲弾と大人・対空用の榴弾を切り替えて使用することができた。
- 大型砲塔(詳細不明)
- 『UC』にてトリントン基地に配備されていた車両が装備していた物。ほんの数秒しか映っていないうえ一切発砲せずに撃破されたことから詳細は一切不明。
対決・名場面[編集 | ソースを編集]
関連機体[編集 | ソースを編集]
- M340ホバートラック / XM353
- 『U.C. HARD GRAPH』で言及されている派生元。文字設定のみ。M340からXM353へと派生し、それに最低限の防衛用装備と短距離通信機能の強化改良を施したのが本機にあたる。
- 陸戦型ガンダム / 陸戦型ジム
- コジマ大隊などで小隊を構成していた装備。
商品情報[編集 | ソースを編集]
ガンプラ[編集 | ソースを編集]