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== ラプラスの箱(Box of Laplace) ==
 
== ラプラスの箱(Box of Laplace) ==
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[[ビスト財団]]が所有する、開放すれば[[地球連邦政府]]を転覆させると伝えられている存在。ビスト財団はこれを脅迫として利用して連邦政府から莫大な資金を引き出し、政府の裏の組織としての権力を作り上げた。
  
[[機動戦士ガンダムUC]]』に登場する用語。
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その正体は、[[宇宙世紀]]0001年、改暦セレモニーで公開されるはずだった宇宙世紀憲章を刻んだ石碑のオリジナルである。宇宙世紀元年、[[首相官邸ラプラス]]で行われたセレモニーは、テロによってその場にいた全員が死亡する大惨事となった。当時、テロの実行犯の一人であった[[サイアム・ビスト|サイアム・マーキス]]は、口封じの爆破を免れ、天文学的な偶然から宇宙に漂う石碑を発見。後に作られたレプリカの石碑にはない一節を発見した事で、これを「箱」として隠匿した。その一節とは、当時の各国代表たちのサインとともに"第七章 未来"と銘打たれた一文であり、「'''将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合、その者たちを優先的に政府運営に参画させる'''」と記されたそれは、地球を離れコロニーに住まわんとする人々に向けた手向けであり、人類の未来への"祈り"だった。
  
[[ビスト財団]]が所有する箱。<br />その正体は連邦政府・軍だけでなく世界を覆す物とも言われている。ビスト財団はこれにより莫大な資金と権力を作り上げた。
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石碑の存在は、連邦政府初代首相[[リカルド・マーセナス]]の[[ラプラス事件|暗殺]]が連邦政府の自作自演であることを裏付ける決定的な証拠となりえたが、サイアムは上手く立ち回ることでそれを握る己を守りつつ「箱」を自身から切り離して秘匿し、表向きは美術品輸送を業務とするビスト財団を作り上げていった。
  
その正体は、宇宙世紀元年を祝してセレモニーで公開されるはずだった、宇宙世紀憲章を認めた石碑。サイアムの眠る氷室を収めた航宙艦メガラニカに封印されている。
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しかし、[[ジオン・ズム・ダイクン]]によって提唱された「宇宙に出た人間は[[ニュータイプ]]へと進化しうる」という[[ジオニズム]]思想は、奇しくも[[スペースノイド]]の権利と政治への優先的介入を明記した「箱」の碑文と重なり、連邦政府にとって"恐れ"となってしまったことで全てが狂い始める。もし「箱」の存在がジオニズム信奉者達に知れれば、彼らはその碑文を根拠に政治的権利を主張するのは必然であり、それを拒む連邦との間に衝突が起こることも明らかであった。
  
サイアムの持ち帰った「箱」はオリジナルの石碑であり、これにはレプリカにも刻まれた第六章に加え、後に言う[[スペースノイド]]の権利を明文化した七番目の章立てが存在していた。<br/>
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その後、既得権益を守りたい地球側と、権利を主張するコロニー側との対立が表面化し、[[一年戦争]]が勃発。戦争終結後、「箱」の条文に反した戦争を起こしてしまった連邦にとってそれは"呪い"となり、政府とビスト財団の関係はより深く、宇宙世紀憲章によって予期されていた新しい人類=[[ニュータイプ]]は「箱」の存在ごとタブー視されることになる。そうして「箱」=宇宙世紀憲章の石碑という単純な真相が世に出ることのないまま、次第に事実を知る者も少なくなり、(政府にとっての)危険性だけが、ある種の都市伝説として伝わるのみとなった。
これは、マーセナス首相の[[暗殺]]が連邦政府の自作自演であることを裏付ける決定的な証拠となりえたが、サイアムは上手く立ち回ることでそれを握る己を守りつつ「箱」を自身から切り離して秘匿し、同時にいずれ来たる「箱」の開放に備えてビスト財団を作り上げていた。
 
  
しかし、のちにジオン・ズム・ダイクンによって「宇宙に出た人間は、進化しうる」というジオニズム思想が世に出たことにより、スペースノイドの権利と政治への優先的介入を明記した「箱」の第七章碑文が、連邦政府にとって噂の域を超えた本物のタブーとなってしまったことで全てが狂い始める。もし「箱」の存在がジオニズムの信奉者達に知れれば、彼らはその碑文を根拠に政治的権利を主張するのは必然であり、それを拒む連邦との間に衝突が起こることも明らかであった。そのため連邦政府は、真実を隠匿し続けた。
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宇宙世紀0093年、総帥[[シャア・アズナブル]]の戦死と、それに伴う「[[第二次ネオ・ジオン抗争|シャアの反乱]]」の終結により、[[ネオ・ジオン]]は反連邦勢力としての力を失う。また、かつて[[ジオン公国]]と名乗った[[サイド3]]の自治権返還が7年後の宇宙世紀0100年に迫っていた。コールド・スリープで生きながらえていたサイアムはこれを期に、連邦政府の絶対的統治のもとに人類が逼塞する危機を憂えて財団本来の目的である「箱」の開放を決断。これを受けた現当主の[[カーディアス・ビスト]]は「箱」をネオ・ジオン残党、通称「[[袖付き]]」に譲渡しようとした事から、[[ラプラス事変]]と呼ばれる抗争が勃発する事となった。
  
この結果、「箱」=宇宙世紀憲章の石碑という単純な真相が世に出ることのないまま、サイアムの存在からその(政府にとっての)危険性だけが一人歩きし、ある種の都市伝説として広まっていくことになった。
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ラプラス事変最終盤、紆余曲折を経て「箱」はサイアムからジオンの遺児[[ミネバ・ラオ・ザビ]]へと託され、その真実は世界に公表された。
 
 
宇宙世紀0096年、「シャアの反乱」の終結と、それに伴う[[ネオ・ジオン]]総帥[[シャア・アズナブル]]の戦死により、ジオンは反連邦勢力としての力を失う。生きながらえていたサイアムはこれを期に、連邦政府の絶対的統治のもとに人類が逼塞する危機を憂えて財団本来の目的である「箱」の開放を決断。
 
 
 
これを受けた当主・カーディアスは「箱」をネオ・ジオンの残党に譲渡しようとしたが、この時彼は連邦軍再編計画と銘打たれたニュータイプ殲滅計画「UC計画」のフラグシップ機である[[ユニコーンガンダム]]を利用することを考案。「ニュータイプ・デストロイヤー・システム」の中枢に細工を施し、特定の場所でシステムが起動するたび「箱」のありかへと少しずつ搭乗者を導いていく仕掛け「ラプラス・プログラム」をインストールした。
 
 
 
だが、この計画を嗅ぎ付けた[[マーサ・ビスト・カーバイン]]は甥の[[アルベルト・ビスト]]を通じ、インダストリアル7を訪れたガランシェール隊を強襲させる。混乱の中でカーディアスは死亡したが、ユニコーンガンダムは数奇な偶然を経て彼の妾腹の息子、[[バナージ・リンクス]]が受領し、戦火に身を投じる。
 
 
 
その後、紆余曲折を経て氷室へとたどり着いたバナージとミネバに対し、サイアムは「箱」の真実と己が元年に見た幻の意味、そして進化を続けてきた人間の可能性を語りつくして落命。「箱」の真実は[[ミネバ・ラオ・ザビ]]により、世界に公表された。
 
 
 
それが後の世にどのような影響を与えたかは語られていないが、少なくともそれによって戦火が収まることがなかったのは確かである。
 
  
 
== 登場作品 ==
 
== 登場作品 ==
 
;[[機動戦士ガンダムUC]]
 
;[[機動戦士ガンダムUC]]
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:初出作品。いつしかささやかれるようになった「解放されれば地球連邦政府による体制が崩壊する」という曰くつきの存在として序盤から物語の中心に据えられた。
  
 
== 関連用語 ==
 
== 関連用語 ==
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;[[ラプラス事件]]
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;[[首相官邸ラプラス]]
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;[[ラプラス事変]]
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;[[ビスト財団]]
 
;[[ビスト財団]]
 
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;[[ユニコーンガンダム]]
 
;[[ユニコーンガンダム]]
 
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== リンク ==
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*[[小道具]]
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*[[主義・思想]]
  
== 関連商品 ==
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== リンク ==
 
*[[小道具]]
 
*[[小辞典]]
 

2022年4月3日 (日) 07:19時点における最新版

ラプラスの箱(Box of Laplace)[編集 | ソースを編集]

ビスト財団が所有する、開放すれば地球連邦政府を転覆させると伝えられている存在。ビスト財団はこれを脅迫として利用して連邦政府から莫大な資金を引き出し、政府の裏の組織としての権力を作り上げた。

その正体は、宇宙世紀0001年、改暦セレモニーで公開されるはずだった宇宙世紀憲章を刻んだ石碑のオリジナルである。宇宙世紀元年、首相官邸ラプラスで行われたセレモニーは、テロによってその場にいた全員が死亡する大惨事となった。当時、テロの実行犯の一人であったサイアム・マーキスは、口封じの爆破を免れ、天文学的な偶然から宇宙に漂う石碑を発見。後に作られたレプリカの石碑にはない一節を発見した事で、これを「箱」として隠匿した。その一節とは、当時の各国代表たちのサインとともに"第七章 未来"と銘打たれた一文であり、「将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合、その者たちを優先的に政府運営に参画させる」と記されたそれは、地球を離れコロニーに住まわんとする人々に向けた手向けであり、人類の未来への"祈り"だった。

石碑の存在は、連邦政府初代首相リカルド・マーセナス暗殺が連邦政府の自作自演であることを裏付ける決定的な証拠となりえたが、サイアムは上手く立ち回ることでそれを握る己を守りつつ「箱」を自身から切り離して秘匿し、表向きは美術品輸送を業務とするビスト財団を作り上げていった。

しかし、ジオン・ズム・ダイクンによって提唱された「宇宙に出た人間はニュータイプへと進化しうる」というジオニズム思想は、奇しくもスペースノイドの権利と政治への優先的介入を明記した「箱」の碑文と重なり、連邦政府にとって"恐れ"となってしまったことで全てが狂い始める。もし「箱」の存在がジオニズム信奉者達に知れれば、彼らはその碑文を根拠に政治的権利を主張するのは必然であり、それを拒む連邦との間に衝突が起こることも明らかであった。

その後、既得権益を守りたい地球側と、権利を主張するコロニー側との対立が表面化し、一年戦争が勃発。戦争終結後、「箱」の条文に反した戦争を起こしてしまった連邦にとってそれは"呪い"となり、政府とビスト財団の関係はより深く、宇宙世紀憲章によって予期されていた新しい人類=ニュータイプは「箱」の存在ごとタブー視されることになる。そうして「箱」=宇宙世紀憲章の石碑という単純な真相が世に出ることのないまま、次第に事実を知る者も少なくなり、(政府にとっての)危険性だけが、ある種の都市伝説として伝わるのみとなった。

宇宙世紀0093年、総帥シャア・アズナブルの戦死と、それに伴う「シャアの反乱」の終結により、ネオ・ジオンは反連邦勢力としての力を失う。また、かつてジオン公国と名乗ったサイド3の自治権返還が7年後の宇宙世紀0100年に迫っていた。コールド・スリープで生きながらえていたサイアムはこれを期に、連邦政府の絶対的統治のもとに人類が逼塞する危機を憂えて財団本来の目的である「箱」の開放を決断。これを受けた現当主のカーディアス・ビストは「箱」をネオ・ジオン残党、通称「袖付き」に譲渡しようとした事から、ラプラス事変と呼ばれる抗争が勃発する事となった。

ラプラス事変最終盤、紆余曲折を経て「箱」はサイアムからジオンの遺児ミネバ・ラオ・ザビへと託され、その真実は世界に公表された。

登場作品[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダムUC
初出作品。いつしかささやかれるようになった「解放されれば地球連邦政府による体制が崩壊する」という曰くつきの存在として序盤から物語の中心に据えられた。

関連用語[編集 | ソースを編集]

ラプラス事件
首相官邸ラプラス
ラプラス事変
ビスト財団
袖付き
地球連邦政府
アナハイム・エレクトロニクス社
ユニコーンガンダム

リンク[編集 | ソースを編集]