カイ・シデン

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カイ・シデン(Kai Shiden)

一年戦争当時サイド7に住んでいた少年。皮肉や憎まれ口を叩きがちで戦争にも消極的。だが本質的にはおせっかいでお人よし。ミハルとの出会いが彼の心境を大きく変えるが、「臆病なくらいがちょうどいい」というモットーは変えなかった。軽口を叩いては仲間たちから咎められることも少なくなかった。
一見すると嫌味な皮肉屋というポジションだが一方で戦争に慣れていくホワイトベースのクルーとの対比となっており、彼の目線こそが一般人から見た戦争、という描写になっていた。 ホワイトベースの仲間たちを大切には思っているものの、軍属となることに関しては極めて否定的で、一度はホワイトベースを降りた。しかし窮地に立たされている(元)仲間たちを見殺しにもできず、ホワイトベースへと出戻りをしながらも、スパイとして潜入したミハルを庇うなど自分勝手で矛盾しているが、戦う理由を戦争の「大義」に依存していくアムロ達と異なり非常に人間臭い。 また、彼は自分からあまりのめり込んでいかないタイプである分他人の機微に非常に敏感で、ミハルの嘘を瞬時に看破するなど優れた洞察力を見せた。しかしこれはニュータイプ能力の発露ではなく、物語終盤ではアムロの思念を感じ取る描写が明的にはなかったことからも彼自身の能力であると思われる。 パイロットとしての能力は並。主にガンキャノンに搭乗し、華々しい戦果を挙げることはできなかったがそれほど大きな被害を被った描写もなく、彼自身大きな負傷もないまま終戦を迎えていることからもおおむね可もなく不可もなくといったところだろう。

一年戦争終結後、他のホワイトベース隊メンバーと同じく宇宙に出られなくなったが、ジャーナリストとして活動。グリプス戦役ではエゥーゴやカラバには参加しないもののジャーナリストとして活動を支援していた。

その後も敏腕ジャーナリストとして活躍している模様。著書も多く、機動戦士ガンダムUCでは小説版とOVA版でポジションが異なるものの、「信用のおける人物だが気難しい」「相手が上院議員でもノーなものはノーという」という彼のスタンスに変わりはない。 毒ガス攻撃を行ったりコロニー落としを行うなどのジオン軍の蛮行をひどく嫌い、批判的なスタンスを持っており機動戦士ガンダムUCでも「腕はいいが大のジオン嫌い」と評されている。

軍人からジャーナリストへの転身は大成功だったようで、Ζガンダムの時点から白色系のお洒落なスーツを粋に着こなし、ガンダムUCではかなり大きな書斎のあるオフィスを構えていること、政府の要人から直接指名を受けるなどかなりやり手のジャーナリストとして有名なようだ。ちなみにリディ・マーセナスの義兄パトリック・マーセナスはホワイトベース戦記の愛読者で、こと「軟弱者のカイ」の大ファンだという。

登場作品と役柄

機動戦士ガンダム
前半~中盤は皮肉屋キャラとして存在感のあるキャラクター。
機動戦士Ζガンダム
ジャーナリストとしてジャブローに潜入するなどの活動を行っている。
機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ~カイ・シデンのレポートより~
カイ・シデンの視点からのグリプス戦役。
機動戦士ガンダムUC
フリーのジャーナリストとして活動中。ローナン・マーセナスが独自にアポを取ろうとする事から、信頼はされている様子。中盤ではブライトの意向でガランシェール隊のジンネマンとの交渉役となり、ミネバとユニコーンの奪還作戦のきっかけを作っている。また、旧知の仲であるブライトの為にコロニーレーザー発射の情報を手に入れた。
アナハイム・ジャーナル
メラニー・ヒュー・カーバインにインタビューしている記事あり。

人間関係

アムロ・レイ
年齢が近いということもあってそれなりに付き合いもあったが、カイ自身があまり人付き合いの良いほうではなく、彼の皮肉は序盤の繊細なアムロにとってはあまり喜ばしいものではなかったようだ。
それでも徐々にクルーとしては信頼し、カイが下船するときは私物を餞別に渡すほどには良好な関係になっていた。
ミハル・ラトキエ
ジオンの女スパイ。一度ホワイトベースを降りようとした時に出会う。
レコア・ロンド
一緒にジャブロー潜入を試みるが、捕まってしまう。
ブライト・ノア
シャア・アズナブルクワトロ・バジーナ
ハヤト・コバヤシ
ローナン・マーセナス
スベロア・ジンネマン

名台詞

「いやだねぇ…」「おぉいやだいやだ」
カイの代名詞ともいえるセリフ。様々なバリエーションがあるが、基本的には戦争という非情な状況を皮肉めいて言うのが主な用いられ方。
「俺もお前の全部が好きってわけじゃねーけどよ。恩にきるぜ。」
第26話「復活のシャア」で、ホワイトベースを降りる際に。アムロから「僕は貴方の全部が好きなわけじゃないけど、僕達仲間でしょう?」という慰留を受けたが固辞。去り際に私物の工具を持たせて換金しろと勧められた時に。カイらしい言い回し。なお、ホワイトベース隊に戻った際に、くだんの工具は「お前の工具一銭にもならねえとよ」と彼らしい言い回しでアムロに返却した。
「連中ときたら手が遅くて見てらんねぇんだよ!」
これも第26話「復活のシャア」から。シャア率いるマッドアングラー隊によって窮地に陥ったホワイトベースへ駆けつけながら。なんだかんだ言いながらも、彼のお人よしなところがよくわかる。
「ミハル…俺はもう悲しまないぜ。お前みたいな子を増やさせないために、ジオンを叩く…徹底的にな!」
第29話「ジャブローに散る」にて。ジャブローの秘密基地防衛に出撃する際に、決意の独白。戦後はジャーナリストとして様々な切り口から世界情勢を見続けることになるが、彼らしい闘い方である。
「フリーのジャーナリストってさ、いつバチカンに取材に行くか分らないだろ?」
ジャブローのジャングルでレコア・ロンドを救出して。ジャングルの中でも白のスーツといういでたちに、見るからに不信そうなレコアに。彼らしい物言いだが、「バチカンに行く=ローマ法王の面会に行く」という意味から転じて「いつ死ぬか分らないからどこでもお洒落な恰好をしているんだ」とも取れる。
「だから最初から共同作戦だといってるでしょ。応援は差し向ける。あんたらとは、因縁浅からぬ艦(ふね)だろうがね」
機動戦士ガンダムUC episode5「黒いユニコーン」より。ビスト財団手動のもと、地球連邦の手に落ちたユニコーンとラプラスの箱は封印されるべく宇宙へと運び出される手はずになっていた。しかしこれをよく思わない「現場の指揮官」と、ビスト財団の「商売敵」ルオ商会の思惑でガランシェール隊に情報が流されていた。オードリー・バーン奪還のためこの計画に協力するスベロア・ジンネマンだったが、戦力の確保を願い出る。しかして、カイの言う「因縁浅からぬ艦」とは……。ちなみにこのセリフの最中、カイのネクタイを緩める仕草は「この後一杯どう?」または「腹を割って話しましょう」という意味を持つジェスチャーだそうな。

搭乗機体・関連機体

ガンキャノン
ガンタンク
ガンペリー

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