プロヴィデンスガンダム
ZGMF-X13A プロヴィデンスガンダム(Providence Gundam)
- 登場作品:機動戦士ガンダムSEED
- デザイナー:大河原邦男
- 分類:試作型モビルスーツ
- 装甲材質:フェイズシフト装甲
- 全高:18.16m
- 重量:90.68t
- 主動力:核分裂炉
- 開発組織:ザフト軍
- 主なパイロット:ラウ・ル・クルーゼ
ザフト軍が開発した試作型モビルスーツ。所謂「ザフト・ガンダム」の内の一機で、フリーダムガンダム、ジャスティスガンダムと同時期に開発されていた、いわば兄弟機ともいえる立場にある。核エンジンやニュートロンジャマーキャンセラー、フェイズシフト装甲、マルチロックオンシステムなどが採用されており、出力、運動性、攻撃力、防御力などの全てにおいて、在来機を遥かに凌駕する性能を持つ。宇宙空間での運用を主に想定していたのか、機動力自体はフリーダム、ジャスティスを下回るが、それを補って余りある火力が特徴。その火力を堅持するのが、最大の特徴であるバックパックと腰のジョイントに装備された無線式自動攻撃兵器、通称「ドラグーン・システム(Disconnected Rapid Armament Group Overlook Operation Network・system=DRAGOON SYSTEM:分離式統合制御高速機動兵装群ネットワーク・システム)」の存在と言えるだろう。
元々は4本のビームサーベルを搭載した近接戦闘用の機体となるはずだったが、核エンジンから供給される無尽蔵ともいえるエネルギーや、パイロットが空間認識能力の高いクルーゼに決まった事もあり、ドラグーン搭載機に変更された。ドラグーン・システムの搭載は機体の基本設計が終了した後に決定された為、機体の腹部には量子通信ケーブルの一部が露出している。普通なら致命的弱点になりうる箇所だが、このケーブルもPS装甲でカバーされているため弱点でなくなっている。なお、このシステムはパイロットの超人的な空間認識能力を必要とするため、本機はその適正が確認されているクルーゼの専用機となっている。そのためか、頭部にはクルーゼの仮面に似た形状のフェイスカバーが取り付けられている。
裏話として、実はこの機体については当初、案がなかった。しかし福田監督曰く「ガンダムでないと今のキラ達に太刀打ちできない」ということから、急遽デザイナーの大河原邦男氏に発注され(彼は1週間で作成したという)、設定が作られる。さらにその存在は劇中に登場するまで隠蔽されていた。
たった2話しか登場しなかったが、パイロットのクルーゼと相まってSEED系MSでもかなりの人気を誇る。尚、意外な事にこの形で空が飛べる。
登場作品と操縦者
- 機動戦士ガンダムSEED
- 第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦にて、ラウ・ル・クルーゼが搭乗して出撃し、連合、オーブのMSをことごとく葬り去った。さらにディアッカ・エルスマンの駆るバスターガンダムを一瞬にして中破させ、ムウ・ラ・フラガのストライクガンダムも圧倒的な強さで退けた。その後、ジェネシス付近の宙域でキラの駆るフリーダムガンダムと交戦し、ミーティアを破壊。さらにその後、熾烈な接近戦にもつれこみ、お互い、腕や足などを破壊されるが、最後はキラの駆るフリーダムのビームサーベルでコクピットを貫かれ、クルーゼは戦死。機体もジェネシスの爆発の炎に灼かれ、散った。
装備・機能
特殊機能
- フェイズシフト装甲
- 通電させる事で相転移する特殊な装甲で、物理攻撃を無効化する。通常はグレー一色だが、通電させると色が変化する。大気圏突入なども可能になるが、エネルギーを大量に消費する上、高出力のビーム兵器などには弱いという欠点もある。
- ニュートロンジャマーキャンセラー
- ニュートロンジャマーを無効化する装置。
武装・必殺攻撃
- MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御用機関砲
- 頭部及び肩部に装備されたバルカン砲。近距離に迫ったミサイルなどを迎撃するために使用された。ピクウスは「きつつき」の意。
- MA-M221 ユーディキウム・ビームライフル
- ドレッドノートガンダムの物の改良型である肩掛け式の大型ビームライフル。フリーダム、ジャスティスのそれより高出力だが、その重量ゆえ取り回しに難がある。しかし、機能面でそれを補っている。ユーディキウムは「審判」の意。
- MA-V05A 複合兵装防盾システム
- 対ビームシールドに大型ビームサーベルと2門のビーム砲を内蔵した複合兵装。ザフト独特の「一つの武器に多数の機能を持たせる」という思想の元に開発されており、腕にかぶせるようにして使う。武器としての取り回しを優先させた為、シールドとしての性能は低いが、近接戦闘用の武装としての性能は申し分なく、極めて強力である。
- ドラグーン・システム
- エルメスのビットや、キュベレイのファンネルを彷彿とさせる武器。連合側のMAであるメビウス・ゼロのガンバレルの思想を模倣・発展させた物で、ビーム砲を9門内蔵する大型の物を3基、2門内蔵する小型の物を8基、計11基43門装備している。配置としては背部に大型3基と小型2基の合計5基、腰部に小型6基が装備され、背部の小型2基は分離せずに可動砲台として使用可能。パイロットによって無線操作され、多角的な攻撃が可能になる。だが、使える者は少数に限られ、誰しも運用出来るという訳ではなかった。
対決・名場面
- 対エールストライクガンダム
- 機体性能差を乗り越えてプロヴィデンスに肉薄するも、各所にダメージを受け、追いつめられて戦線離脱。
- 対バスターガンダム
- アークエンジェルを守るため、バスターが攻撃を加えたが、プロヴィデンスの前にそれは掠りもせず、逆にドラグーンを交えた猛攻で数秒でぼろぼろにされてしまった。
- 対フリーダムガンダム (ミーティア)
- MSや戦艦の残骸の中を飛び回り、激しい攻撃を加え合うが、図体の大きいミーティアが徐々に追いつめられていき、ついにはエンジン部分にサーベルの一撃を喰らい、キラはミーティアを破棄せざるを得なかった。
- 対フリーダムガンダム
- 激しい攻撃の繰り返しとなり、お互い、一進一退の攻防を繰り返すも、ついには一騎打ちとなり、ドラグーンの攻撃を受けながらもビームサーベルを構えたフリーダムによってコックピットを貫かれ、クルーゼは戦死。さらにジェネシスの爆発の炎に灼かれ、機体も爆発、四散した。このミーティアも含めるフリーダムとの戦いで、数々の名台詞が飛び出した。
関連機体
- ニクスプロヴィデンスガンダム
- レジェンドガンダム
- 後継機。
- ドレッドノートガンダム
- プロト・ザフト・ガンダム。
- ジャスティスガンダム
フリーダムガンダム
リジェネレイトガンダム
テスタメントガンダム - 兄弟機。