デスティニーインパルスガンダム

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デスティニーインパルスガンダム
外国語表記 DESTINY IMPULSE GUNDAM
登場作品
デザイナー 大河原邦男
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スペック
分類 統合兵装システム試験運用モビルスーツ
生産形態 ワンオフ機 / 換装形態
型式番号 ZGMF-X56S/θ
主動力 バッテリー
装甲材質 ヴァリアブルフェイズシフト装甲
素体 インパルスガンダム
開発組織 ザフト軍
所属組織 ザフト軍
主なパイロット
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概要[編集 | ソースを編集]

インパルスガンダムに万能型シルエット「デスティニーシルエット」を装着した形態。型式番号の「θ」は「デスティニーシルエット」が8番目に設計されたことを示している。

インパルスは任務や状況に応じて各種装備を換装するシルエットシステムを採用していた機体であったが、機体構造が極めて複雑で製造コストや整備面も良好とは言えず、シルエットシステムを運用するためにはシルエットフライヤーや専用母艦が必要という運用上の問題もあった。加えてザフトはモビルスーツに単機単一装備による万能性を求めていたため、これを実現すべくフォースソードブラストの主要3シルエットの武装を統合した「デスティニーシルエット」が開発された。

デスティニーシルエット本体は従来のシルエットモジュールよりコンパクトに設計されており、小型推進器と兵装プラットフォームから構成されている。武装としてソードシルエットのレーザー対艦刀と新規モデルのビーム砲塔が装備され、シルエット左右に新機軸の推進器であるウイングユニットを備えている。このウイングユニットはD.S.S.Dが独自開発したヴォワチュール・リュミエールの技術を改良導入した新型推進機で、ミラージュコロイドの技術を応用した機能も追加されたことで、爆発的な推進力と視覚およびレーダー撹乱能力を実現している。またシルエット自体にヴァリアブルフェイズシフト装甲が採用されている。

シルエットの性能を引き出すためにインパルス本体にも改造が加えられており、チェストフライヤーにはビームブーメランとユーラシア連邦の光波防御帯を祖とするビームシールドが装備されている。またオールインワンのシルエットモジュールを装備するため、アビオニクスとベトロニクスの強化も行われている。これらの改良により、様々な戦況において各シルエットと同等以上の性能を発揮する万能機として完成した。

だが、これらの過剰なまでの兵装の搭載はシルエットシステムという枠の中では限界に近い設計であり、合体変形機構を備えた複雑かつ精微なインパルスの構造では大きな負担となった。また装備の多くが高出力モデルであるためエネルギー効率が極めて悪く、平均して1回の出撃もしくは1任務あたり2ないし3回のデュートリオン充電が必要とされ、この充電サイクルは到底実戦に耐えうるものではなかった。そのため試作された4機をもって開発・生産は中止され、新たに開発されたデスティニーに名称と機体コンセプトが受け継がれることとなった。なお完成した4機は、各パイロットの特性に合わせた調整が施された後に戦線に投入されたとされる。

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSV
出典元。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSV戦記
コートニー・ヒエロニムスが搭乗する3号機が登場。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY
マーレ・ストロードが搭乗する1号機が登場。
機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 天空の皇女
エンカウント7にカイト・マディガンが所有する機体の1機として登場。なおこの機体が既存の機体か、非正規に製造された機体なのかは不明とされる。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

特殊機能[編集 | ソースを編集]

ヴァリアブルフェイズシフト装甲
フェイズシフト装甲の改良型。装甲に掛ける電圧を調整できるようになっており、エネルギー消費の効率化を図っている。その影響で装甲の色が変化するようになった。理由は不明だが本形態は1~4号機全てが別のカラーリングとなっている。1号機は薄紫中心、2号機は「ザフトレッドのような赤」色中心、3号機はロイヤルブルー中心のカラーリングとなっている。4号機はその存在以外のことは分からないため、当然の事ながらカラーリングも不明。
メタ視点で述べるなら、この配色の違いはホビージャパンの企画でデザインを作成した際に関係者間で色彩の解釈の違いによって3つの配色パターンが生まれ、それが公式に反映された結果である。当初、担当編集者は「機体色は青紫に」という要望を出したものの、大河原氏はデザイン画稿の機体色を紫に近い色で彩色し、更にそのデザイン画稿を元にプラモデルの作例を製作したモデラーが「デザイン画稿の紫は空気遠近法によるもの(富士山が遠くからでは青く見えるのと同様の現象)だ」と解釈して、青みを抜いた配色にした。
デュートリオンビーム送電システム
電力を指向性のビームに変換し、機体へ照射する事でワイヤレスでエネルギーを供給するシステム。これにより、母艦が存在する限り帰艦する事なく戦闘を継続する事が可能となった。
シルエットシステム
機体の背部装備を換装し、様々な運用用途に対応する。元々はユニウス条約によるMSの保有数が制限される中で、一機のMSで複数の用途に対応する目的で採用されたが、本機ではデスティニーシルエットの運用を専門としているため、実質的に使用されることはない。
ウイングユニット
デスティニーシルエットに備わっている翼型の推進器。ヴォワチュール・リュミエールの技術を改良した光圧による推進器で、出力を向上させることによって「光の翼」が発生する。後のデスティニーに採用される物とは若干形状が異なる。
ミラージュコロイド
背部ウイングユニットから放出される。本機はステルス装備としてではなく、自機の残像を映す幻惑機能として装備している。特に高速機動時の効果は高く、本機の高い機動性と相俟って敵機を翻弄する。

武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

インパルス本体側[編集 | ソースを編集]

MMI-GAU25A 20mmCIWS
胸部に2門内蔵された近接防御火器。ミサイル迎撃などの防御や牽制、対人戦や対ソフトスキン目標への攻撃を目的としている。連射性能に優れ、至近距離ではMSの装甲を破壊したケースも確認されているが、搭載部位の関係上、有効射界が限定されるという欠点がある。
M71-AAK フォールディングレイザー対装甲ナイフ
ストライクの装備するアーマーシュナイダーのデータをベースに開発された格闘兵装。両腰部に1本ずつ、計2本を装備する。高硬度のブレードと振動波を併用し、一般的なMSの装甲であれば切断するほどの攻撃力を発揮する他、使用時に電力を消費しない。
MA-BAR72 高エネルギービームライフル
フリーダムジャスティスに装備されたルプス・ビームライフルの改良型。マティウスアーセナリー製の最新モデルで、デュートリオンビーム送電システムによるエネルギー供給を前提として設計されている。
RQM60 フラッシュエッジビームブーメラン
両肘部に装備された投擲武装。名称はソードシルエットの物と同じだが、形状は変更されており連結機構もオミットされている。
ビームシールド
両腕部に装備されたビームシールド発生器。ビームや実体弾を問わず、高い防御力を発揮する。資料によってはソリドゥス・フルゴール ビームシールド発生装置とするものもある。

デスティニーシルエット側[編集 | ソースを編集]

MMI-710 エクスカリバーレーザー対艦刀
デスティニーシルエットに二振り装備されたレーザー対艦刀。ソードシルエットに装備された物と同型の武装で、柄頭部分で連結したアンビデクストラスフォームとしても使用可能。
テレスコピックバレル延伸式ビーム砲塔
デスティニーシルエットに2門装備された大出力ビーム砲。名称の通り使用時には砲身が延長され、肩越しもしくは脇下に展開して砲撃が行われる。

対決・名場面[編集 | ソースを編集]

関連機体[編集 | ソースを編集]

各種換装形態[編集 | ソースを編集]

インパルスガンダム
背部に何も装着しない形態。
フォースインパルスガンダム
高機動戦闘用装備「フォースシルエット」を装着した形態。大気圏内でも自立飛行可能である。
ソードインパルスガンダム
近接格闘戦用装備「ソードシルエット」を装着した形態。巨大な対艦刀を主武装とする。
ブラストインパルスガンダム
砲撃戦闘用装備「ブラストシルエット」を装着した形態。巨大なビーム砲を主武装とする。

系列機・派生機など[編集 | ソースを編集]

デスティニーインパルスガンダムR / DIアダガ
デスティニーインパルスの開発を引き継いだ民間企業が独自に発展させた機体。
デスティニーガンダム
デスティニーインパルスで起きた諸処の問題を解決するために新規建造された後継機。

その他[編集 | ソースを編集]

パーフェクトストライクガンダム
この機体の元となった「ストライクガンダム」が本機同様にエール、ソード、ランチャーの3つのストライカーを装備した形態。

余談[編集 | ソースを編集]

  • 前半主人公機に新機能を追加しようとしたが開発に頓挫し、後半主人公機を新規建造する、という流れはセカンドVと共通する。
  • 劇場版『SEED FREEDOM』において登場する構想があり、CG発注までされたようだが、作劇上デスティニーと被るため没になったことが3DCG制作デスクの藤田進夢氏より語られている[1]

商品情報[編集 | ソースを編集]

ガンプラ[編集 | ソースを編集]

フィギュア[編集 | ソースを編集]

リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]