ガエリオ・ボードウィン
ガエリオ・ボードウィン | |
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外国語表記 | Gaelio Bauduin |
登場作品 | 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ |
声優 | 松風雅也 |
プロフィール | |
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あだ名 |
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偽名 | ヴィダール |
種族 | 人間 |
性別 | 男性 |
出身 | 地球、ボードウィン家 |
所属組織 | ギャラルホルン |
所属部隊 | 監査局 ⇒ アリアンロッド |
階級 | 特務三佐 |
主な搭乗機 | シュヴァルべ・グレイズ (ガエリオ機) ⇒ ガンダム・キマリス ⇒ ガンダム・キマリストルーパー ⇒ ガンダム・ヴィダール ⇒ ガンダム・キマリスヴィダール |
概要
ギャラルホルンを統べるセブンスターズの一家門ボードウィン家の長男。マクギリス・ファリドと同じく監査局に属する特務三佐であり、MS戦闘に長けたエースパイロット。名門の出ゆえの強い身内意識と無自覚な差別意識を持ち合わせるが、認めた相手には情が熱い。
幼少期からの友人であるマクギリスと共に腐敗した組織の改革を目指しているが、彼自身もまた貴族社会特有の価値観が根付いた人間であり、マクギリスからは粛清の対象であると同時に利用出来る「駒」として扱われていた。
火星圏の戦いで鉄華団に辛酸を嘗めさせられた結果打倒鉄華団に固執し、ボードウィン家の家宝であったガンダム・キマリスに自ら搭乗してアイン・ダルトンと共にこれを追撃した。しかし、エドモントンでクーデリア・藍那・バーンスタインを護衛する鉄華団を追撃する最中にモンタークの駆るグリムゲルデと交戦。戦闘中にモンタークの正体がマクギリスである事、そしてその目的がギャラルホルンの粛清および掌握であったことを聞かされ、激昂。だが、彼もまたマクギリスが打倒しようとした腐敗の一部であったと返され、涙ながらに感情をぶつけるもそれすら届かずに敗北した。
エドモントン戦後、公式記録では戦死したと偽装され、仮面の男「ヴィダール」と名乗りマクギリスへの反撃のチャンスを伺うべくラスタル・エリオンの下に身を寄せた。ヴィダールとなった彼は言葉数が減り寡黙な雰囲気を醸し出しながらも、過去の経験から行動に移すまでに物事を冷静に見極める慎重さを身に着けている。
ヴィダールとなった彼は戦死したアインの脳の一部を使用した阿頼耶識システムType-Eによって阿頼耶識システムと同等の戦闘能力を得ており、同時にこれで失った半身の機能を補っている。このシステムは倫理的な問題を孕む産物であったが、本人は「戦いを望んでいるに違いないアインの脳を眠らせるのは自身のエゴ」と決断しており、Type-Eを人であればこその力や想いによるものだと肯定的に語っている。
マクギリスがクーデターの混乱に乗じガンダム・バエルの強奪を目論んだ事で、彼の望む物が「力」だと結論付けたガエリオは、マクギリス打倒を決意して仮面を外し、ガエリオ・ボードウィンとして表舞台に戻り、マクギリスに付き従う革命軍や彼にかつての自分を重ねつつ圧倒し、介入してきたマクギリスとも互角に渡り合う。地球軌道上での会戦ではマクギリスの逃走を許すものの、火星圏へと逃走したマクギリスを逆賊として追撃。激しい戦闘ののち生身で対峙した二人は銃を向け合い、激闘の中で友情を捨てきれない自身を自覚しながらも引き金を引いた。
動乱の終結後には車椅子生活を送っている。これは阿頼耶識システムを用いた歩行補助デバイスを埋め込み恩恵を受けていたのが、その有機デバイスを除去したことによるものだという。
登場作品と役柄
- 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
- 初登場作品。当初は火星支局への査察に赴いたマクギリスに同行。支局長コーラル・コンラッドの不正を紐解いていく中で、偶然にも三日月達と遭遇(このときは自身の運転する車がクッキー達を撥ねそうになったため、激昂した三日月に首根っこを掴み上げられる羽目になった)。このときマクギリスがお詫びにチョコをあげたことから、三日月には「チョコの隣の人」と認識されるようになる。直後の火星軌道上の戦闘では初めて刃を交える事になった。乗機は、当初は専用のランスユニットを装備した紫色のシュヴァルべ・グレイズだったが三日月には全く歯が立たずに終わる。後にボードウィン家の蔵に眠っていたガンダム・キマリスに乗り換えると、ガンダム・バルバトスに対して性能相性が良いようで、互角の戦闘を披露した。
人間関係
ギャラルホルン
- マクギリス・ファリド
- 幼少期からの親友。元はファリド家に迎えられた養子であったが、そんなマクギリスを毅然と認めたカルタの影響もあってか出会った頃から対等な付き合いをしてきている。共にギャラルホルンに属してからは妹アルミリアとの婚約の事もあり、良好な関係。しかしガエリオにとっては幼少から劣等感と裏腹の憧れの対象でもあり、優男の仮面によって人望も備えたマクギリスが仮面を外して本音で話し、共に理想を語り合える親友として認められることに喜びを感じてもいた。一期では「マクギリスはガエリオのことが実は嫌い」という設定もあったようで、ガエリオ声優の松風氏が担当キャラが死ぬ可能性を危惧して親友関係を主張していくことにした、というエピソードが明かされている。
- 彼が本性を現し、カルタと自身の命を奪ってまで野望を達成しようとすると、彼の真意を見極めたうえで全面対決を宣言。自身と友人を殺めた仇として、世界の敵として引導を渡す。それでも友情は消えず、最後は泣きながら彼を看取った。
- アイン・ダルトン
- 鉄華団追撃任務に際して、アインの志願に応えたマクギリスがガエリオの新たな部下として配属させたパイロット。鉄火団との戦いで戦死したクランクを強く慕い仇を取るために戦う姿勢に共感し自身がガンダムキマリスに乗り換えた際には自分のシュバルベ・グレイズを譲るなどして強い信頼を結ぶこととなる。鉄華団との戦闘でアインが自分を庇って意識不明の重体に陥った際には彼を救うために奔走。医師がアインの生存に不可欠だとした(地球で差別対象である義肢や人工臓器などの)機械化処置を「機械の化け物」だと拒否するとともに、アインを戦える身体に戻せと要求。そこでなされたマクギリスの進言によって、禁忌とされる阿頼耶識システムの投入を決意した。
- カルタ・イシュー
- ギャラルホルンの名家であるイシュー家の長女にして、マクギリスと同じく幼馴染の1人(付き合いに関してはマクギリスよりも長い)。周囲に流されず、自分が認めた他者に対等に接するといった共通点があり、ガエリオにとっては憎まれ口を叩く事もあり、ある種の苦手意識を持っていた節もあったがよき親友でもある。アインとカルタの死は、後々までガエリオが戦う理由となっていた。
- イズナリオ・ファリド
- マクギリスの義父にして地球本部長。
- ラスタル・エリオン
- セブンスターズのエリオン家当主。アリアンロッド艦隊の司令官で利害の一致から彼の側近となり、ヴィダールの素性を知る数少ない相手。マクギリスの真意を知った後は、ラスタルと共に戦う事になる。一期での怪我の治療やキマリスの確保・改修や脳阿頼耶識の開発など、二期でのガエリオ勝利の全てを担保する存在とも言える。逆にラスタルにとっても二期開始時点でマクギリスの裏切りを知るガエリオを確保できていることこそが多大なアドバンテージになっている。そのため形式的にはラスタルの方が目上なのだが、ガエリオにとってはあくまでも対等の立場。
- ジュリエッタ・ジュリス
- アリアンロッド艦隊所属のパイロット。当初は素顔を隠していたガエリオの事を不審に思っていたが、その戦いを見て認められる。自身を見出したラスタルに対して絶対的な忠誠を誓う姿にガエリオにかつてのアインを思い出させる。三日月の強さに恐怖して阿頼耶識は使わず人間として強くなると決意するが、アインの脳の戦闘利用は人間の力だとするガエリオの意見には納得している。気心の知れた信頼関係を結び、成長後にはデートの誘いに応えて肉を所望した。
- ヤマジン・トーカ
- アリアンロッド艦隊所属の整備兵。ガンダム・ヴィダールを初めとした機密性の高い機体の整備を任されている。
- イオク・クジャン
- セブンスターズのクジャン家当主にてアリアンロッド艦隊第二艦隊司令官。
- 同じ七星の若者ではあるがカルタやマクギリスとは違い、あまり交流がなかったらしく、劇中では、お互い事務的なやり取りに終始し、ヴィダールの正体が明らかになった後も確執も関係描写もほとんどない。一方、第1期でのガエリオはイオク同様に高貴な環境で育ったこともあり、正義感は強いものの若さゆえの未熟さが見られた。
- イオクが火星に行く事になったのは元はといえば七星勲章に関するヴィダール(ガエリオ)の何気ない発言が発端だが火星でのMAが起こした騒動の際にもガエリオとは同じ場所にいなかった。
- 石動・カミーチェ
- マクギリスの目指す未来に夢を見て付き従う部下。マクギリスは部下の事すら道具にしか思っていない男だというガエリオの主張に対して、石動はそのような感傷的な関係をマクギリスに求めていないと反論した。マクギリスの語る理想に夢を見た者同士ではあったが、裏切られたことでマクギリスと決別しセブンスターズとしての自分を選んだガエリオと冷遇されるコロニー出身者として最後までマクギリスの未来に夢を見ていた彼とは分かり合う事は無かった。
鉄華団
- 三日月・オーガス
- 自身にとって因縁浅からぬ宿敵。火星において、グリフォン姉妹の件で軽率な行動をした三日月に首を締め上げられた上、ロクな謝罪をされなかったこと(三日月が謝り慣れていないこともあるが)に端を発し、軌道上での戦いは回線越しの声からお互いに相手の正体を看破することもあった。
しかし出会う度に「チョコレートの隣の人」だの「ガリガリ」だの好き放題に呼ばれており、名前をまともに覚えて貰えない模様。一期では三日月の阿頼耶識を見たことで嘔吐し、アインが阿頼耶識を施したのちも三日月たちの阿頼耶識を紛い物だと扱っていた[1]。だが二期にてギャラルホルンの本部で交戦した際には、自らも阿頼耶識システムを用いたことで心境の変化があったのか、阿頼耶識の施術を受けている彼らを唾棄すべき存在だとした事を一応謝罪している。
家族
- アルミリア・ボードウィン
- 年の離れた幼い妹。マクギリスに恋焦がれており、後に婚約が成された。二期では会話の機会はなく、ガエリオにとっても憎き仇の元で暮らしていることになるが、お互いへの言及もほとんどないままだった。最終回では、マクギリスの事を殺したのはガエリオだということも知っているはずだが、そもそも出番がない為マクギリス事件後はどういう関係かも不明。ただし、鉄ラジにおけるコメントによると、兄がマクギリスを殺した事実を知ったショックから人前に出られる状態では無くなってしまったとの事。
- ガルス・ボードウィン
- 父親。ボードウィン家の現当主。ガエリオの死を聞いた際はショックを受けていたようだが、それをマクギリスが陥れた物である事を知った後は、当然ながらマクギリスを激しく憎む様になっている。
火星
- クッキー・グリフォン、クラッカ・グリフォン
- 火星で車を運転中に飛び出してきた彼女たちの安否を確認しに行った際、その場に居合わせた三日月に問答無用で首を絞められる羽目に。ある意味、三日月との因縁を作ってくれた姉妹である。
名台詞
- 「そのクソ生意気な声、あの時のガキか!?」
- 「ガエリオ・ボードウィンだッ!火星人は火星に帰れェーーーーーーッ!!!」
- 火星軌道上で三日月と邂逅した時の台詞。思いもよらない相手であったが、この戦闘を期に幾度となく相見えていく事になる。
搭乗機体・関連機体
- シュヴァルべ・グレイズ (ガエリオ機)
- 当初の搭乗機。自身のスタイルに合わせてランスユニットを装備するなど専用機として改修されている。
- ガンダム・キマリス
- ボードウィン家から投入したガンダム・フレーム機。
- ガンダム・キマリストルーパー
- キマリスを地上様に改修した形態。窮地に陥ったカルタの救援やエドモントンでの戦闘において使用されている。
- ガンダム・ヴィダール
- 仮面の男ヴィダールを名乗っていた時に搭乗した機体。戦死したアインの脳を介した疑似阿頼耶識を搭載している。
- ガンダム・キマリスヴィダール
- ガンダムヴィダールの偽装を解き、本来の姿を取り戻した機体。仮面を脱ぎ再びガエリオへと戻った際に搭乗し、マクギリスとの決着をつけた。
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脚注
- ↑ 圏外圏で横行している阿頼耶識手術は技術衰退や知識の欠落によって300年前と比較して大きく劣化している所があるのもまた事実である。