エクリプスガンダム

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エクリプスガンダム
外国語表記 ECLIPSE GUNDAM
登場作品 機動戦士ガンダムSEED ECLIPSE
デザイナー 阿久津潤一(アストレイズ)
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スペック
分類 可変モビルスーツ
生産形態 特務機
型式番号 MVF-X08
頭頂高 19.8m
全高 22.18m
本体重量 56.4t
主動力
装甲材質 フェイズシフト装甲
開発組織
所属組織
  • ODR (1号機)
  • アンティファクティス (2号機)
  • 主なパイロット
  • タツミ・ホーリ (1号機)
  • ケン・ノーランド・スセ (2号機)
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    概要[編集 | ソースを編集]

    ODR(オーブ外務省外郭団体国際協力機構管轄組織国際災害救助隊)が運用する、その任務の中核として位置付けられる可変モビルスーツユニウス条約締結後、主権を取り戻したオーブが、中立国家としての立場を維持しつつ、国外の国籍保有者の生命財産を守る目的で運用される。

    最大の特徴としてMA形態への可変機構を有し、MA形態での最高速度は音速を超える。同年代までの機体でこれに匹敵する速度に到達する機体は如何なる勢力にも存在しておらず、エクリプスはこの超高速飛行を以って現地へ向かい、任務を遂行する。また、ミラージュコロイドステルスを用いた高度なステルス能力を持ち、「眼の前にいても視覚認識できない」ほどの高度な隠密性を有する。

    可変機としては、後発のムラサメシリーズに比して圧倒的な可変時の高速度・高高度飛行を実現。また、オーブが戦後秘匿したフリーダムのフレーム構造を徹底的に検証し、再現した事でMA形態、MS形態のどちらにおいても高い耐久力を誇り、可変MSにおける欠点である近接戦闘時の脆弱性を克服した強靭さを実現。また、その洗練された構造は同年代でも最高クラスの動きを可能とした。

    高速飛行を実現させる変形機構を追求した結果、飛行時の安定性を損なうデッドウェイトとなる過剰装備は排除され、武装は基本的なもののみとなっている。しかし、それはMS形態時の適応力を失う事を意味しており、これを補う為に開発陣はストライカーパックシステムに着目。オプション装備方式を採用する事によって回答とした。また、従来兵装に加えて新規開発を行う事で更なる多様性を得る事も想定している。

    この高性能を追求した設計は一方で、パイロットの身体を全く考慮していない点が問題となっていた。高機動戦闘で発生する強烈なGに、パイロットの肉体が耐えられず、この問題に対応出来るのは、強靭な身体能力と高度な操縦技術を持ったパイロットのみとなる。

    この機体が開発された経緯として、オーブは中立の島国として領空を限られた軍事リソースで守り切る必要性があり、「敵先制攻撃の本土到達前の迎撃」の為の航空戦力の増強がコズミック・イラ60年代から検討が続けられて来た事が挙げられる[1]。それと同時に、「敵国が攻撃姿勢を整えた段階で攻撃を開始する、超長距離、超高速度、超高高度からの敵基地攻撃能力」が強調され、その運用方針には「敵国への核攻撃」の可能性すらも含まれていた。それは、オーブの中立国としての理念を根底から揺るがす思考であったが、「いかなる国とも結ばない」を国是とした方針を守る為に研究開発が進められた。機体名称であり、開発計画名でもある「エクリプス」は「日蝕」を意味し、オーブの国家シンボルである太陽が陰る事から、「もし表沙汰になればオーブを闇に落とす者」というニュアンスが込められている。

    従来は、MSではなく戦略爆撃機として計画されたものであり、その存在が明らかになれば、オーブの基本理念すら失墜するとして最高機密の一つに指定された。それでも、長らく仮想戦略の領域で研究が進められていたが、C.E.70年以降の動乱とオーブ解放作戦により主権を奪われ、実質的に占領下に置かれるという国家的屈辱を味わった事で、本格的な開発が行われる。開発時のオーブは連合による支配下にあった為、表沙汰には「救助隊の特殊機体」の名目かつ、五氏族のキオウ家の管理下で、軍部ではなく外務省の管轄で行うという念の入ようで秘匿されていた。

    1号機と2号機が建造され、2号機は「先制攻撃可能な技術の確立による他国への軍事侵攻の抑止」を目的とした検証機として建造され、その役目を果たした後、封印の上1号機のパーツ取り用の予備機とされた。

    本来は核動力による稼働を想定した機体であるが、OSは自壊プログラムが組まれた専用のものが組み込まれており、一週間ごとにマスタープログラムから再インストールしなければシステムそのものが自己崩壊するよう仕組まれている。

    機体バリエーション [編集 | ソースを編集]

    1号機
    タツミ・ホーリが搭乗するバッテリー動力仕様の1号機。カラーリングは白と青を基調とする。ビーム兵器主体の武装とミラージュコロイドステルスは多くの電力を消費するため、稼働時間の短さが大きな弱点となっていた(これは翻せば、核エンジンによるエネルギー供給を前提とした機体であるという証左でもある)。
    2号機と比較すれば不完全な機体ではあるが、これは技術的抑止力の概念に基づいてわざと技術的に「間違った使い方」をして見せる事で、大量破壊兵器を保有していないオーブが「正しい使い方(それら技術を用いた強力な報復兵器の開発)をすれば」という恐怖を各国に抱かせる事を企図していた[2]
    2号機
    核動力仕様の2号機。頭部はイージスの多目的センサーユニットの改良版を搭載し、高い索敵能力を有する。また、夜間迷彩を兼ねた黒を基調としたカラーリングなど、「爆撃機」としての機能を強めている。電力消費の問題が核エンジンによって解消され、「真のエクリプス」とも呼べる機体であるが、政治的理由により運用は中止され、OSすらインストールされず、1号機の予備パーツとされていた。
    ケン・ノーランド・スセ の策により強奪され、アンティファクティスの所属となるが、OSの仕様から強奪から一週間以内に核攻撃を実行しなければならないという運用上のペナルティが課せられた。

    登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

    機動戦士ガンダムSEED ECLIPSE
    初出作品。諸々の手違いや偶然が重なり、ナチュラルでありながらこの機体に高い適合性を示したタツミ・ホーリの乗機として各地を転戦した。また、オーブの開発した敵地攻撃能力保有機体、ユニウス条約締結後のミラージュコロイド搭載機、フリーダムのコピー機などの機体設定は様々な波紋を呼んだ。

    装備・機能[編集 | ソースを編集]

    特殊機能[編集 | ソースを編集]

    フェイズシフト装甲
    一定の電圧を持つ電流を装甲材に流す事で相転移させ、物理的な衝撃を無効化する特殊装甲。実体弾兵器をほぼ完全に無力化するが、高出力ビーム兵器の前には無力となる。
    ミラージュコロイドステルス
    可視光線を歪め、レーダー波を吸収するガス状物質。これによって「眼の前にいても視覚認識できない」ほどの高度な隠密性を発揮する。
    ストライカーパックシステム
    背部コネクタを介し、各種ストライカーパックを装着する換装システム。可変による音速飛行を主とする為に余剰装備を備えられなかった事に対して、それをオプション化する事で様々な作戦に対応可能となった。エクリプスには専用ストライカーパックとして「マニューバストライカー」が開発されている。
    変形
    MS形態及びMA形態への変形が可能。ストライカーパックシステムを搭載する関係上、背部を塞がない可変機構を採用。また、フレーム構造はフリーダムの物を解析、再現しており、洗練された機体構造によって可変機の宿命である「構造の複雑化によるMS形態での脆弱性」を克服している。

    武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

    72E4式ビームライフル「ジンライ」
    左右サイドスカートに二挺マウントされたエクリプス専用のビームライフル。MA形態では安定翼としての役割を果たす。使用時にはグリップを回転させ、マニピュレータに把持させる。
    72式ビームサーベル
    ジンライのグリップを分離する事で抜刀状態となる、エクリプス専用のビームサーベル
    PS-02ビームシールド
    両腕部に搭載されたビームを展開する防御兵装。第1次連合・プラント大戦では見られなかった装備。篭手のビーム発信機をポップアップさせ、楔状のビームを展開する。シールドだけでなく、アームソードとしても使用可能。
    R2-W1 ビームライフル
    フリーダムのデータを基にして開発された核エンジン搭載機用のビームライフル。2号機が装備する予定であったが、運用中止に伴い武装の開発も中断。名称は与えられず開発コードと設計データのみが残され、R2-W2 実体剣と共にアンティファクティスが制作している。
    R2-W2 実体剣
    2号機が装備する実体剣。実体剣部分には試験的にジンのMA-M3重斬刃がそのまま組み込まれている。MA形態時にはライフルと共にサイドスカートにマウントされる。
    専用シールド
    矢じり状の小型シールド。2号機のビームライフルと実体剣にそれぞれ装着したまま使用される。腰部へのマウント時にはジョイントパーツを軸に180度回転させ、装着する。

    関連機体[編集 | ソースを編集]

    装備バリエーション[編集 | ソースを編集]

    エクリプスガンダム ライジン装備
    ライトニングストライカーの発展形にあたるライジンストライカーパックを装備した形態。
    マニューバエクリプスガンダム
    マニューバストライカーを装備した形態。

    技術的関与のある機体[編集 | ソースを編集]

    ムラサメ
    同じオーブの防空計画から派生した機体。型式番号も同じMVFナンバーを採用している。ただし、ムラサメは領海・領空防衛を主とするのに対して、エクリプスは敵基地攻撃能力を有するなど、設計理念は大きく異なる。
    フリーダムガンダム
    フレーム構造のベースとなった機体。機体を再生する際にフレーム構造を解析・コピーしており、その結果エクリプスは可変機でありながら強靭な機体構造を有する事になった。

    商品情報[編集 | ソースを編集]

    リンク[編集 | ソースを編集]

    脚注[編集 | ソースを編集]

    1. この検討はエクリプスとは別にムラサメシリーズの運用計画の基礎として結実する事になる。
    2. この結果、仮にオーブが壊滅したとしても僅かに生き残りがいればまた同じものを作り出すかもしれないという可能性を残し、「報復が行われるかもしれない」という恐怖を他国に植え付ける事で、「オーブという国家をこの世からなくす」という選択をさせない効果を生む。無論、オーブという永久中立国家が存在する限りはエクリプスの「正しい使い方」は行われない。