サイド
サイド (Side)
宇宙世紀におけるスペースコロニー群の通称。地球と月の各ラグランジュポイントを中心とした楕円状の軌道に設置され、建造順に番号が割り振られている。
各サイドにはザーン、ハッテ、ムンゾといったように固有の名称が付けられており、一つのサイドにつき1~30基以上のコロニー[1]が集まる事で形成され、サイド7のようにコロニー1基でも「サイド」として認識されている。
宇宙世紀の歴史でサイド1~8までの全8つのサイドの存在が明らかになっているが、一年戦争で甚大な被害を被った各サイドの再建等の理由から、サイド7の建造からサイド8の建造まで百年以上の間が空いている。また一年戦争の前後でサイドの番号や配置が異なっているが、これは戦後行われたコロニー再生計画によるものである。
サイド1
通称は「ザーン」。人類が最初にコロニーを建造し、宇宙移民を初めたサイド。
一年戦争(厳密には一週間戦争)開戦時にジオン公国に奇襲を受け、甚大な被害を被ったサイドの一つでもある。サイド1方面には宇宙要塞ソロモンが配置され、ア・バオア・クー、グラナダとともにジオン公国の防衛ラインを形成した。
一年戦争後復興したが、30バンチでは反地球連邦活動が活発化した事を理由にティターンズによって30バンチ事件が引き起こされ、グリプス戦役勃発の遠因を作る事になった。
サイド2
通称は「ハッテ」。サイド1と同じく一年戦争の緒戦で壊滅的な被害を被った。また、本サイドに所属するコロニー「アイランド・イフィッシュ」がジオンのコロニー落としに利用された。
一年戦争後は復興し、グリプス戦役では中立を表明するも、18バンチがティターンズのコロニーレーザーの試射によって、21バンチが毒ガス攻撃によって壊滅する被害を負った。
宇宙世紀0149年にはアメリアコロニーにてザンスカール帝国が建国され、ザンスカール戦争の中心地の一つとなる。
サイド3
通称は「ムンゾ」。地球から最も離れた場所にあるサイド。ジオン公国を名乗り地球連邦から独立を宣言し、一年戦争を勃発させた。工業生産能力と人口収容能力の向上を目的に主だったコロニーは密閉型を採用している。
戦後は連邦により宇宙世紀0100年までの期限付きではあるものの自治権を認められ、ジオン共和国の国号で存続。戦争の直接被害が無かったこともあり、コロニー再生計画の中心地として、戦争で破壊されたコロニーの修復事業に関わっている。
サイド4(新サイド6)
「ムーア」とも呼ばれる。一年戦争で壊滅的な被害を被り、その際に生じた残骸が密集し、絶えず放電している事から戦時中は「サンダーボルト宙域」と呼ばれていた。元ムーア居住者達はムーア同胞団を結成し、故郷奪還の為に連邦軍に兵力の提供や資金援助を行った。
戦後はコロニーが再建され、新たにサイド6として割り振られた。
サイド5(新サイド4)
通称「ルウム」。一年戦争序盤に「ルウム戦役」が行われ、殆どのコロニーが壊滅的な被害を被った。コロニー再生計画で新たにサイド4に割り当てられ、宇宙世紀110年に再建計画が本格始動。「フロンティア・サイド」の別名で呼ばれるようになった。
宇宙世紀0096年にはラプラス事変の、宇宙世紀0123年にはコスモ・バビロニア戦争の舞台となる。
サイド6(新サイド5)
通称「リーア」。一年戦争から一貫して中立を表明し続けるサイド。戦後のコロニー再生計画ではサイド5に改称されるが、中立地帯の代名詞として改称後も「サイド6」の名称で呼ばれるケースもある。
本サイドにおけるコロニー内での戦闘及び武器の開封は重罪であるが、ジオン・連邦双方ともにサイド6に極秘裏に実験施設や研究機関を作り上げている。
サイド7
通称「ノア」。一年戦争後は「グリーン・オアシス」に改称された。月と反対側の軌道に建設されたサイドであり、サイド3から最も遠く、近傍にルナツーが存在する事もあって連邦軍のV作戦の中心地として使用された。
0078年の段階で未完成のコロニーが1基のみ、0087年にはコロニーが2基に増えるものの、グリーンオアシス2はティターンズの軍事拠点として「グリプス」の別名で呼ばれており、グリプス戦役後半ではコロニーを分割し、コロニーレーザーとして使用された。
宇宙世紀168年にはルナツー付近に移動させられ、エバンス・ジルベスターによって「賛美歌の国」が建国されている。
サイド8
U.C.0210年代に建設されていた最も新しいサイド。通称は「ガイア」。
地球連邦崩壊の後は中立を維持していたが、その後食料問題解決の為の生物発光対の研究を巡りセツルメント国家議会軍と対立。「ガイアの光事件」の舞台となった。