デラーズ紛争
デラーズ紛争(Delaz Conflict)
宇宙世紀0083年10月13日にデラーズ・フリートのアナベル・ガトー少佐が、地球連邦軍のオーストラリア・トリントン基地で停泊中の強襲揚陸艦アルビオンの格納庫にある2機の試作ガンダムのうち、核弾頭を搭載したガンダム試作2号機を強奪してから、翌0084年3月10日の終戦までの戦争の事をいう。
ガンダム試作2号機強奪事件後、ジャブローより強襲揚陸艦アルビオンと、トリントン基地で補充されたMS部隊とで2号機追撃任務を拝命。デラーズ・フリートの宣言した「星の屑作戦」を阻止の為に作戦行動をおこなう。
しかし、2号機追撃任務はほぼアルビオンの単独任務に近かったため、連邦軍の上層部には伝わりきれず、観艦式が行われていたコンペイトウ(宇宙要塞ソロモン)への核攻撃を許し、北米大陸へのコロニー落としまでも阻止することはできなかった。後に軍事裁判が開廷され、当時のアルビオンクルーの内ガンダム1号機のパイロット、コウ・ウラキ中尉(戦時階級)は少尉に降格し懲役1年、現場最上位指揮権限の有った艦長で指揮官であるエイパー・シナプス大佐は即時極刑(死刑)、ジョン・コーウェン中将は失脚となり、その他の微罪扱いのアルビオンクルーは監視も兼ねて後のティターンズとなるジャミトフ配下の部隊へと転属となった。しかし、後にGPシリーズの存在そのものが政治的事情により隠蔽抹消されたため、生存していたコウの罪状事実は消滅、懲役から開放された[1]。
なお、この紛争を契機に「ティターンズ」が結成され、後のグリプス戦役へと繋がっていく。
また、観艦式の襲撃においては連邦政府はトリントン基地の核が使われたという事実を重く見たために、撃沈から逃れた多くの連邦兵士や艦隊を全て『行方不明』として処理してしまっている。そのため勝手に行方不明とされた将兵達の不満を募らせる結果となり、挙句の果てに反連邦組織である『シン・フェデラル』を生み出す要因となっている。
登場作品
- 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
- 機動戦士ガンダム カタナ
- 直接登場しないが、その1年後の世界観を描いた内容であるため話に大きく関係している。
関連人物
年表
- 宇宙世紀0083年7月30日
- デラーズ、星の屑作戦を立案。
- 8月9日~11日
- ハマーン・カーン、デラーズ・フリートへのノイエ・ジールの譲渡を決定。アクシズ先遣艦隊を派遣する。
- 9月~10月
- ガンダム試作1~3号機、ロールアウト。
- 10月7日
- アルビオン、月面で試作1~2号機を受領し地球へ向けて出発。
- 10月9日
- ガトー、アフリカ大陸へ降下。アフリカ公国軍残党と合流。
- 10月13日
- アルビオン、トリントン基地へ到着。試作2号機へ戦術級核弾頭が搭載される。
ガトー、トリントン基地に潜入し試作2号機を強奪。残党軍による基地への奇襲攻撃開始。バニング小隊およびカレント小隊、基地を脱出した2号機の追撃戦に向かう。 - 10月14日~
- ガトー、基地の追撃部隊と交戦。交戦中に回収艇で脱出する。アルビオンに試作2号機奪還命令が発令される。アルビオン、アフリカへ向け出発。同月16日に到着する。
- 10月23日~
- ガトー、キンバライト基地へ到着。アルビオン、基地へ到着し同基地のMS部隊と交戦。交戦中、ガトーと試作2号機を搭載したHLVが発射され、これの撃破を試みるものの失敗。キンバライト基地、基地司令官ノイエン・ビッターの戦死により降伏。HLV、軌道上でペール・ギュントにより回収される。アルビオン、宇宙へと移動。
- 10月25日
- シーマ・ガラハウ、デラーズ・フリートに参画。ペール・ギュント、茨の園に到着。
- 10月28日
- ガンダム試作3号機、ラビアンローズにおいてトライアル開始。
- 10月31日
- アルビオン、暗礁宙域の探索中にリリー・マルレーンの急襲を受ける。試作1号機、シーマ搭乗のゲルググMと交戦し大破。デラーズ・フリート、地球圏全域への宣戦布告放送を実行。
- 11月1日
- 第2次コロニー再生計画開始。コロニーの移送が開始される。
- 11月2日
- アルビオン、フォン・ブラウン市に到着。試作1号機、アナハイム・エレクトロニクス社の工場で修理およびフルバーニアンへの換装が開始される。
- 11月3日
- シーマ、偽装連絡艦でフォン・ブラウン市の資源搬入港に入港。AE社のオサリバンと密談する。
- 11月4日
- 試作1号機フルバーニアン、AE社のリボモア実験場でトライアル開始。ケリィ・レズナー、ヴァル・ヴァロを駆ってアルビオンを強襲。試作1号機と交戦の末、撃墜される。アルビオン、月面を出発しソロモン海へと向かう。
- 11月5日
- ガトー艦隊、ソロモン海へ向け茨の園を出発。アルビオン、ルンガ沖にてジオン残党軍と接触。砲撃戦の末、これを撃破する。
- 11月7日
- ガトー艦隊、ソロモン海へ到着。
- 11月8日
- シーマ艦隊、地球連邦軍のバーミンガムと裏取引のため接触するも、アルビオンに発見され取引を中断。アルビオンと交戦する。アルビオン隊のサウス・バニング、交戦後に損傷による乗機の爆発事故で戦死。
- 11月10日
- デラーズ・フリート旗艦グラデン、艦隊と共に茨の園を出発。アクシズ先遣艦隊、地球圏へと到着。
地球連邦軍、観艦式を挙行。ガトー、観艦式を襲撃し核攻撃を実行。地球連邦軍、観艦式参加艦艇の3分の2が航行不能に陥る大損害を被る。グリーン・ワイアット戦死。
試作1号機、試作2号機と交戦。交戦の末、相打ちとなり両機が失われる。
シーマ艦隊、移送中のコロニー2基をジャックし、コロニー同士を衝突させる。その内1基(アイランド・イーズ)が月面への落下コースに入る。地球連邦軍残存艦艇、コンペイトウから出発しコロニーの追撃を開始。 - 11月11日
- シーマ艦隊、デラーズ・フリート本隊と合流。ガトー艦隊、アクシズ先遣艦隊と合流しノイエ・ジールを受領。
アルビオン、試作3号機受領のためラビアンローズに接舷するも、ナカット・ナカハ少佐がこれを拒否。デラーズ・フリート追撃任務の解除通告を受ける。
ガトー、ノイエ・ジールを駆り、連邦軍先鋒部隊を撃破。ガトー艦隊およびアクシズ先遣艦隊、デラーズ・フリート本隊と合流。
アイランド・イーズ、シーマとの密約を受けたAE社による月面からのレーザー照射により地球落下軌道へ進路変更。連邦軍追撃艦隊、推進剤切れにより月軌道からの脱出不可能、追撃を断念。
アルビオン、試作3号機を強奪に近い形でラビアンローズから受領。ラビアンローズより発進する。 - 11月12日
- 試作3号機、デラーズ・フリートと交戦。月軌道の連邦軍艦隊、補給を受けコロニー追撃を再開。
シーマ艦隊、デラーズ・フリートより離反。シーマ、グワデンのブリッジを占拠し、デラーズを人質に取る。アイランド・イーズ、阻止限界点を突破。デラーズ、シーマに射殺される。
地球連邦軍、ソーラ・システムIIをアイランド・イーズへ照射するも、直前にコントロール艦をガトーに撃沈され、コロニーの破壊に至らず。
シーマ艦隊、試作3号機の攻撃を受け壊滅。シーマ、試作3号機と交戦の末、戦死。ガトー、コロニーの最終軌道調整を完了させる。 - 11月13日
- ソーラ・システムII、連邦軍と交戦中のデラーズ・フリートへ向けて最照射。アイランド・イーズ、ジャブロー上空を通過後、北米大陸穀倉地帯へ落着。アクシズ先遣艦隊、アクシズへ向けて転進。ガトー、連邦軍追撃艦隊と交戦の末、戦死。デラーズ紛争終結。
- 11月23日
- 一連のデラーズ紛争に絡んだ軍事裁判が開廷。エイパー・シナプスに死刑、コウ・ウラキに懲役刑1年の即時判決が下される。
- 12月3日
- オサリバン、死亡。AE社フォン・ブラウン支社にて拳銃自決したと思わしき状態で発見される。
- 12月4日
- ティターンズ結成。
- 宇宙世紀0084年3月10日
- デラーズ紛争での一連の出来事およびガンダム開発計画、公式記録より抹消。これによりコウおよび関係者の罪状・賞罰消滅。
関連用語
資料リンク
リンク
脚注
- ↑ おそらく他の生存していたアルビオンクルーも本紛争に関する経歴に機密を付けた状態で罪状消滅・戦時昇進の階級への正規着任処理が為された物と思われる。