三日月・オーガス
三日月・オーガス | |
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漢字表記 | 三日月 王我主 |
外国語表記 | Mikazuki Augus |
登場作品 | 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ |
声優 |
河西健吾 諏訪彩花(幼少期) |
プロフィール | |
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性別 | 男 |
所属 | CGS参番組 ⇒ 鉄華団 |
所属部隊 | 鉄華団 ⇒ 鉄華団遊撃隊 |
称号 | 鉄華団の悪魔 |
主な搭乗機 | CGSモビルワーカー (陸戦型) ⇒ ガンダム・バルバトス ⇒ ガンダム・バルバトスルプス ⇒ ガンダム・バルバトスルプスレクス |
概要
火星の民間警備会社「クリュセ・ガード・セキュリティ(CGS)」の参番組に所属する少年兵で、後に結成された「鉄華団」にも所属する。『鉄血のオルフェンズ』の主人公。
火星のスラム街出身の孤児で、幼少の頃から幼馴染であるオルガ・イツカと少年兵として行動を共にしており、彼とは実の兄弟以上の信頼関係で結ばれている。おおらかな性格であまり細かいことを気にしないが、その出自故にシビアな思考も同時に備えており、殺人や恋愛に関する倫理観も常人離れしている節がある。ただし「仲間」に対しては自分なりの考えを築いているようで、仲間の死に落ち込むクーデリアやシノ、オルガを彼なりに励まして再起させ、自身も仲間のためならばいかなる犠牲も厭わない一方、ビスケットを直接殺めたカルタには怒りをむき出しにしたり、ヒューマンデブリを人として扱わないクダル・カデルを「死んでもいい奴」と評するなど、仲間を大切にすることが重要な価値観になっている様子。
また仲間と共に育ち孤独を感じないで育ったためか、表情豊かではなく言葉数も多くないものの、発言自体は率直で喜んで笑ったり軽口を言うシーンも見られる。老女の桜・プレッツェルをちゃん付けで呼び、自分に片思いしているアトラ・ミクスタの追及をごまかすために方便を使い、クーデリアには突然キスをするなどジゴロめいた言動もする[1]。
「阿頼耶識システム」の施術を3回も受けた強靭な精神力の持ち主で、阿頼耶識の恩恵もあってモビルワーカーやモビルスーツの扱いは作中トップクラス。戦闘力においては別格でライバルがおらず、バルバトスのリミッターを外すことでグレイズ・アインやハシュマルを身体の一部不随と引き換えに単独で撃破した戦果を持つ[2]。加えて生身の鍛錬にも余念がないため、体格差の大きいガエリオであってもその気になれば絞殺しかねない筋力を持つ。
その一方で、就学経験がなく文字の読み書きや世界情勢などの知識、論理的な思考力や戦略・戦術立案力に乏しいという短所を持っており、これらに関しては行動の決定権をオルガに強く依存することで対処している。後に農園を経営すると言う夢の実現とバルバトスの整備マニュアルを読む為にクーデリアから字の読み書きを習う事となる。
名瀬・タービンから与えられた漢字名は「三日月 王我主」。
登場作品と役柄
- 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第一期
- CGS所属時は、オルガ率いる参番組のモビルワーカーパイロットの1人であり、阿頼耶識を3度受けた影響もあってチームの中では一番の腕前を有していた。
しかし、クーデリアの護衛依頼に端を発したギャラルホルンとの抗争において、オルガ達の提案で基地の動力としてエイハブ・リアクターを利用していたガンダムバルバトスに搭乗。その後は元参番組メンバー一同によって鉄華団が組織されると、改めて自身達に護衛を依頼するクーデリアに同行して地球への旅に向かっている。
鉄華団の主戦力として多くの敵と交戦する一方で、鉄華団とタービンズが兄弟分となった折にも名瀬から漢字名を与えられ、マクマード・バリストンの意向によってバルバトスを大幅に強化して貰うなど鉄華団の主要メンバーとしてテイワズ側からも目をかけられる存在になる。最終話ではエドモントン市街での戦闘でグレイズ・アインを相手にガンダム・バルバトスのリミッターを解除して稼働させた反動から、勝利と引き換えに右目と右腕が不自由になってしまう。 - 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ第二期
- 満足に訓練ができない身体となり寝て過ごすことが多くなるも、日々農作業などをしながら過ごしていた。しかしテイワズやギャラルホルンの内部抗争などに巻き込まれて各地で戦端が開かれると、三日月も戦場へと赴くことになる。
モビルアーマー「ハシュマル」との総力戦では再びガンダム・バルバトスのリミッターを解除して下半身不随になり、日常生活に支障が出るほどにまで進行してしまう。加えてマクギリスのクーデター失敗に伴って鉄華団を取り巻く状況は悪化の一途をたどり、オルガ・イツカが暗殺されると、団員たちを逃がすために「俺たちの居場所」である鉄華団本部の防衛にあたる。絶対的不利な状況でありながら次々に敵機を撃破していくも、衛星軌道上からのダインスレイヴの掃射を受け機体は大破。最後はジュリエッタ・ジュリスとの戦いの最中、先のダインスレイヴ掃射とリミッター解除によるダメージの反動により事切れ、バルバトスはそれによる停止した後、首級が掲げられる形で討ち取られた。
人間関係
鉄華団
- オルガ・イツカ
- 鉄華団のリーダー。三日月にとっては一番昔からの幼馴染にして行動の原動力でもある。
- ビスケット・グリフォン
- 家族ぐるみで付き合っている大事な仲間の一人。彼の死亡時には怒りに飲まれてカルタ機を蹂躙した。
- アトラ・ミクスタ
- ダブルヒロインの一人で幼馴染。働かされていた店を飛び出し、空腹で途方に暮れていた彼女を三日月が馴染みの雑貨屋であるハバに紹介するなど世話を焼いたことで、一話前から好意を持たれている。二期では三日月の子供が欲しいと望まれて応じる。本作はダブルヒロイン制[3]なのでどちらが正ヒロインとも言いがたいが、三日月にとっても大事な存在ではある様子。
- 昭弘・アルトランド
- 同じ鉄華団のMSパイロット。CGS時代からの実力者で、三日月もその実力を信頼している他、よく一緒にトレーニングに励んでいる。その為、低軌道ステーションではグレイズ改の操縦に慣れていないにも関わらず援護を任せるという無茶振りをかますが、昭弘はきっちり役目を果たした。
- ユージン・セブンスターク
- タカキ・ウノ
- 三日月を慕う少年。
- ナディ・雪之丞・カッサパ
- 鉄華団のメカニック。参番組にも友好的だった為、CGS時代からメカニックとして信頼している。
- ハッシュ・ミディ
- エドモントン戦以降に鉄華団に入隊した新規参入組のパイロット。当初は三日月を強く意識していたが、地球で彼との実力差を見せつけられて以降は三日月に本気でついていくことを決めている。
- 暁
- アトラとの間に産まれた息子。しかし、誕生したのは「マクギリス事件」後で、自身がその姿を見る事は叶わなかった。
火星
- クーデリア・藍那・バーンスタイン
- ダブルヒロインの一人で護衛対象。当初はきつい物言いをする事もあったが、後に仲間と認めたのか理想と現実の差を突きつけられた時に自分なりの励ましのアドバイスを送っている。一期で彼女から子供扱いのハグをされた際に三日月がお返しにキスをした。その頃から異性として意識されており、二期でもそのまま愛情を持たれている様子。
- 桜・プレッツェル
- ビスケットとクッキー、クラッカ姉妹の祖母。怒った三日月を落ち着いて止められる女傑であり、三日月からも信頼されている。
- クッキー・グリフォン
- クラッカ・グリフォン
- ビスケットの妹で双子。気軽な軽口や心配の言葉もかけられたりと慕われている。三日月側も二人があわや事故で傷つけられたかと思い込んだ際には本気の怒りを見せていたので、大事な相手ではあるようだ。
テイワズ
- 名瀬・タービン
- ラフタ・フランクランド
- タービンズとの戦闘の際に戦い、互角の勝負をした事から興味を持たれる。
- マクマード・バリストン
- テイワズの代表。三日月の事を気に入りバルバトスのオーバーホールをやらせている。
ギャラルホルン
- マクギリス・ファリド
- 火星で諸事情から出会う事になる。その際にクッキーとクラッカにお詫びとしてチョコを上げた事から後に戦場で再会した時に「チョコレートの人」と呼んだ。また、基本的に敵対者に関心を払わない三日月をして「こいつは違う」と言わしめるほどの技量の持ち主として強く印象に残った様子。そのため、モンタークと名乗った際も正体を見抜き、グリムゲルデを駆って援護に駆け付けた時にも、その動きからすぐに見破った。
- クランク・ゼント
- ギャラルホルンのパイロット。
- 殲滅対象であるCGSの隊員として敵対したバルバトスのパイロットが少年だと知り、三日月達を大人の犠牲になる子供として案じつつもギャラルホルンは裏切れずに決闘を申し込む。最後は三日月に敗北し重傷を負い、三日月に介錯を頼み銃を向ける三日月に感謝する……が襲撃してきた敵の身で子供は戦うなと言いながら、クーデリアを賭けた決闘や介錯を望むクランクに三日月は怒りを覚えてもいるようで感謝の言葉を最後まで語る前に引き金を引いて射殺している。
- ガエリオ・ボードウィン
- 火星でビスケットの妹たちを轢きそうになり、カッとなって首に掴みかかった相手。後に戦場で再会した時にはマクギリスの隣にいた事から、チョコの隣の人と呼んで交戦し、ほとんど相手にならずに三日月が勝利したことで強い対抗心と敵対心を抱かれる。再戦時には相手に名乗られたにもかかわらず、ガリガリと呼び、以後はそう呼ぶようになる。
- アイン・ダルトン
- ギャラルホルンのパイロット。クランクの仇である三日月や鉄華団に対して強い恨みを持つようになる。
- カルタ・イシュー
- 地球外縁軌道統制統合艦隊司令。地球降下前とミレニアム島での戦いで鉄華団に立て続けに破れ、背水の陣の構えで3戦目に挑んできた。しかし2度目の戦闘でビスケットの命を奪っていた事もあり、決闘を申し出てきた際にはこれを無視し、先手で部下を殺害。残されたカルタに対しても激しい殺意を以って圧倒し致命傷を負わせるが、止めを刺す寸前にガエリオによって回収された。
その他
名台詞
- 「ねぇ。次は何をすれば良い? オルガ」
- オルガへの信頼を表す言葉。一方のオルガからは三日月から寄せられる信頼に応えればならないと言うプレッシャーからオルガに対する呪いの言葉でもある。
- 「かわいいと思ったから。嫌だった?」
- 名瀬達のキスを見た後、自らハグしてきた後に一人でうろたえているクーデリアが「可愛いと思った」という理由だけでキスした際の台詞。
- 「ま、いいか。こいつは死んでいいやつだから」
- クダル・カデルを追い詰め「殺しを楽しんでいる」と罵倒されるが、的外れな指摘に三日月は全く意に介さず、まるで無価値なもののように彼を真っ二つにした。クダル・カデルは「所有物」であるヒューマンデブリを、無価値なものとして日常的に虐待していたためだが、同様に鉄華団も他者の命を踏み潰していった結果、このセリフを言った三日月自身も社会から「死んでいいやつ」として葬らる結果になるのはなんとも皮肉。
- 「ここが俺達の場所なの?」
「ダメだよオルガ。オルガが連れてってくれる場所に付くために俺達は止まらない。止まれない。そう決めたんだ。」
「そう…あの日に…決まったんだ。」
「その為にはあと何人殺せばいい?どれだけ殺せばいいんだ?教えてくれオルガ。オルガ・イツカ」 - ビスケットの死後、意気消沈としているオルガに向かっての激励。たとえ彼が死んだとしても自分達は止まるわけにはいかない。これまで死んでしまった仲間の為に。そして自分達の為に。そういった感情が爆発した瞬間だった。ヒイロ・ユイの名台詞と似ているが、あちらとは意味が真逆。
- 「…おい、バルバトス…お前の力…全部よこせ。」
「まだだ…もっと…もっと寄越せ…バルバトス!」 - アイン相手に苦戦した際、バルバトスへ語り掛けた言葉。同時にこれにこたえるように阿頼耶識を通じて情報量が三日月の中に流れていき、それに同調して三日月は片目の視力を失う。…悪魔はパイロットの一部を糧として、その者に強大な力を与えた。
- 「うるさいな…オルガの声が聞こえないだろ」
- 強大な力を持ってしても、純粋な阿頼耶識による力はそれよりも高く、一度は倒される事を覚悟した三日月…。しかし、オルガによる激励で目覚めたのだった。それに呼応するかのようにグレイズ・アインの反応速度をも超える力をもたらす悪魔。その後、やっとの事で太刀の使い方を知った三日月は、フレームごと腕部装甲を切り裂くという芸当を見せ、両腕を切断されたアインによる叫びを太刀でコックピットを突き刺して止めた後の台詞。
搭乗機体・関連機体
- CGSモビルワーカー (陸戦型)
- CGS時代の搭乗機で、白で塗装されている。
- ガンダム・バルバトス
- 愛機。阿頼耶識システム対応施術を三度にわたって受けている三日月に合わせて調整されたため、三日月以外には扱えない事実上の専用機であり、三日月本人も愛着を持っている。因みに三日月が不在の際に別のパイロットがバルバトスの阿頼耶識を繋げた際、「バルバトスの阿頼耶識は三日月に合わせてあるんだ、おめぇなんかが乗れる機体じゃねぇぞ」と雪之丞のおやっさんが叱るシーンがある。
- ガンダム・バルバトスルプス
- バルバトスの改修機。エドモントンの決戦後に右目の視力と右腕の感覚を失った三日月の為に阿頼耶識の感度を引き上げてある。流線的なフォルムとなっている他、前腕部を伸ばしている為、原型機であるバルバトスのシルエットとは少しばかり離れている。ルプスとはラテン語の「狼」を意味する。
- ガンダム・バルバトスルプスレクス
- バルバトスルプスを更に改修した機体。両腕を大型化し、テイルブレード等を追加した為本来のバルバトスのシルエットとはかけ離れてしまった。レクスとはラテン語で「王」を意味する為、ルプスと合わせてマクギリスが作中にて「狼の王」と称している。
- 百錬
- MSの操縦訓練で使用している。