「ロト」の版間の差分

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== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[サナリィ]]が開発した特殊部隊用の[[モビルスーツ]]。[[地球連邦軍|地球連邦宇宙軍]]特殊作戦群「[[エコーズ]]」の専用機で特殊任務(特に隠密作戦)での運用を目的としており、それに最適化された機体となっている。使用は2機一組を前提とする。<br />前述の目的を実現する為の「ダウンサイジングによる高い秘匿性の確保」と「一小隊8名からなる兵員を輸送する為の収容性」、「速やかに作戦を実行する為の高機動性」という3つの要求を満たすべく、設計時には徹底的な検討を重ねている。これにより要求された性能を満たす機体として完成した。<br />動力には独自に研究開発を行っていた超小型熱核反応炉を搭載し、同時に内外装パーツの間隔をミリ単位で調整してデッドスペースを完全に排除する事で、20m前後が主流だった当時の[[MS]]よりもはるかに小型である12m級へのダウンサイジングと兵員の高い収容性を両立させる事に成功した。なお、超小型熱核反応炉はあの[[アナハイム・エレクトロニクス社]]ですら実現できていない技術であるが、出力は通常の熱核反応炉より多少劣っている。装甲部材にはチタン合金セラミック複合材が使用され、最低限度の耐弾性しか持たないが、これは適切な出力重量比を得る為の相対的な重量軽減を図った結果である。<br />高機動性に関しては戦車形態への[[可変モビルスーツ|可変機構]]を採用し、キャタピラによる高い踏破性を発揮する。この時、全高が約3mになるので被弾面積はかなり少なくなる。現地到着後は通信車や司令本部としても運用する為、INS(慣性航法装置)等といった最新の各種センサー類や通信設備も有している。<br />コクピットは機体上部と下部に2つ存在し、通常は上部に車長と操縦士、通信士の計3名が乗っている。下部は追加乗員用で、任務に応じて非乗務作業のサポートを行う。また戦車形態の後部には兵員室があり、兵員はここから出入りするようになっている。<br />武装は両肩部と両腕部に集中しており、作戦内容に応じて換装が可能。基本的に特殊任務用であるせいで対MS戦闘では少々火力不足だが、エコーズ隊員らの技量や戦法次第では撃破する事も不可能ではない。ちなみに両腕部にマニピュレーターは存在しない(サブ・アームは存在するが)。
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[[サナリィ]][[地球連邦軍 (UC)|地球連邦宇宙軍]]特殊作戦群「[[エコーズ]]」の専用機として極秘裏に開発した特殊部隊用[[モビルスーツ]]。型式番号の「50」はタンク形態への可変機を指す番号として使用されている。
  
型式番号の「50」は戦車形態への可変機を指す番号となっている。<br />この機体から得られた実戦データは、後のサナリィの小型機開発に活かされる事となった。
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[[可変モビルスーツ]]二機を一組とし、特殊任務、特に隠密作戦での運用を想定した本機の発注において、連邦軍が要求したのは秘匿性を獲得する為の大幅な機体のダウンサイジングと、一小隊八名の兵員輸送機としての収容性の確保。そして迅速な作戦行動を可能とする高い機動性能の三点。もはや相反する要求とも言えるこの難題に対してサナリィは独自に研究開発を行っていた[[熱核融合炉|超小型熱核反応炉]]を採用。従来のMS用ジェネレーターと比較して出力性能は多少見劣りするものであったが、当時の[[アナハイム・エレクトロニクス社]]すら実現し得なかった小型サイズの実用化に成功。この技術を基点として、内外装部品のクリアランスをミリ単位で調整し、一切のデッドスペースを発生させずに兵員の収容性も確保した全高12.2mの機体として完成した。
  
原作とアニメ版ではカラーリングが多少異なっている。
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装甲部材は最低限の対弾性にとどめ、相対的な機体の軽量化を図る事により適切な出力重量比を獲得。それぞれの開発部門が抱えた問題点を利点で補い合う徹底した設計検証によって導き出された本機の総合性能評価は、MS、タンク両形態共に要求されたレベルを十二分に満たすものであり、本機の実戦データは[[宇宙世紀]]0100年代に主流となった小型MS開発においても活用されている。
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コクピットは上半身の操縦室に車長と操縦士、通信士の三名が収まり、下半身には作戦内容に応じて非搭乗作業を補佐する追加乗員用の補助席が配置されている。
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慣性航法装置(INS)をはじめとする最新鋭の各種センサー類、通信設備によって作戦域到達後は司令本部を兼ねた移動式通信車両としても機能する。
  
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
;[[機動戦士ガンダムUC]]
 
;[[機動戦士ガンダムUC]]
:パイロットは[[ダグザ・マックール]]、[[コンロイ・ハーゲンセン]]らエコーズ隊員。<br />[[インダストリアル7]]での戦闘で[[ラプラスの箱]]を確保するべく2機が出撃しており、うち1機が[[クシャトリヤ]]によって撃破されている。[[パラオ]]での[[ユニコーンガンダム]]と[[バナージ・リンクス]]の奪還作戦では合流したエコーズ729の機体と共に投入され、その後の戦闘でも砲台代わりとして運用される事があった。
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:初出作品。[[ダグザ・マックール]]、[[コンロイ・ハーゲンセン]]らエコーズ隊員が搭乗した。<br />[[インダストリアル7]]での戦闘で[[ラプラスの箱]]を確保するべく2機が出撃しており、うち1機が[[クシャトリヤ]]によって撃破されている。[[パラオ]]での[[ユニコーンガンダム]]と[[バナージ・リンクス]]の奪還作戦では合流したエコーズ729の機体と共に投入され、その後の戦闘でも砲台代わりとして運用される事があった。なお、原作小説とOVAとでカラーリングが異なっている。
 
;[[ガンダムビルドファイターズ]]
 
;[[ガンダムビルドファイターズ]]
:第14話に青と赤で塗装された機体が登場。モデラーはライナー・チョマー。世界大会予選のレースで使用した。この時点でチョマーは予選落ちが確定していたため、せめてもの嫌がらせに[[リカルド・フェリーニ]]の邪魔をしようとする・・・が、[[ウイングガンダムフェニーチェ]]のバスターライフルカスタムによって、跡形もなく消滅した。
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:第14話に青と赤で塗装された機体が登場。モデラーはライナー・チョマー。世界大会予選のレースで使用した。この時点でチョマーは予選落ちが確定していたため、せめてもの嫌がらせに[[リカルド・フェリーニ]]の邪魔をしようとする……が、[[ウイングガンダムフェニーチェ]]のバスターライフルカスタムによって、跡形もなく消滅した。
 
;[[機動戦士ガンダムF90FF]]
 
;[[機動戦士ガンダムF90FF]]
 
:第2話においてアグレッサー部隊の機体が登場。[[ガンタンクR-44]]<ref> 頭部と一部武装を[[ガンタンクR-44 パワードウェポンタイプ]]と同じものにした機体。</ref>とともに何者かに奪取され試験部隊を攻撃するが、[[ガンダムF90-Sタイプ]]の砲撃によって撃破された。
 
:第2話においてアグレッサー部隊の機体が登場。[[ガンタンクR-44]]<ref> 頭部と一部武装を[[ガンタンクR-44 パワードウェポンタイプ]]と同じものにした機体。</ref>とともに何者かに奪取され試験部隊を攻撃するが、[[ガンダムF90-Sタイプ]]の砲撃によって撃破された。
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=== 特殊機能 ===
 
=== 特殊機能 ===
 
;変形
 
;変形
:戦車形態に変形可能。
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:戦車形態及びモビルスーツ形態に変形可能。
 
;換装
 
;換装
:両肩部や両腕部の武装を換装可能。
+
:任務内容に応じて両肩部や両腕部の武装を換装可能。
 
;サブ・アーム
 
;サブ・アーム
:ミサイル・コンテナの上部に1基ずつ、計2基が設置されている。
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:ミサイル・コンテナの上部に1基ずつ、計2基配置されている作業用小型アーム。先端部にビーム・バーナーを有する。
 
;サーチライト
 
;サーチライト
:マシン・キャノン装備時に左肩部に装着されている。
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:肩部に装着可能な投光器。主にマシン・キャノン装備時に左肩部に装着される。
  
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
;ビーム・バーナー
 
;ビーム・バーナー
:サブ・アームに各1基を内蔵。高エネルギー状態の[[メガ粒子]]を直に吹き付けて使用する。ビームサーベルとの違いは「Iフィールドで形成維持が施されていない」事等が挙げられる。<br />主に[[スペースコロニー|コロニー]]の外壁等を溶断する為に使用されるが、接近戦用の武器としても機能させる事は可能。
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:サブ・アームの先端部に収納された溶断用装備。ビーム束が刃を形成する[[ビーム・サーベル]]とは異なり、Iフィールドで刀身を形成せず、高エネルギー状態のメガ粒子を溶断対象に直接吹き付けて使用する。<br />主に[[スペースコロニー|コロニー]]の外壁等を溶断する為に使用されるが、接近戦用の武器としても機能させる事は可能。
 
;ミサイル・コンテナ
 
;ミサイル・コンテナ
:対MS用の装備で、両前腕部自体がウェポンラックとなっている。<br />内部はユニット化され、大型ミサイルと3連装小型ミサイルのどちらか一方を左右に4基ずつ搭載可能。
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:対MS用兵装として前腕部に装備されたミサイル発射装置。4連ユニット式となっており、ミサイルごとに3発連装小型ミサイルや、大型ミサイルなどの弾頭選択が可能。
 
;マシン・キャノン
 
;マシン・キャノン
:右肩部に装備された実弾兵器で、対人・装甲車両等ソフトスキン目標掃討を目的としている。口径は25mm。<br />基本的にこの武装を装備している事が多い。
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:右肩部に装備されたロトの基本兵装。対人・装甲車両等の掃討を目的としている。口径は25mm。
 
;メガ・マシン・キャノン
 
;メガ・マシン・キャノン
:本機のオプション武装で、右肩部に装着される4連装マシン・キャノン。対空攻撃用に特化しており、対空精密照準システムを銃身に内蔵した事で命中率が非常に高い。
+
:右肩部に装着されるオプション武装。対空戦に特化した4連装マシン・キャノン。銃身に組み込まれた対空精密照準システムにより、高い命中率を誇る。
 
;ロング・キャノン
 
;ロング・キャノン
:本機のオプション武装で、両肩部に装着される支援用の200mm滑腔砲。射程が長く、長砲身による徹甲弾の貫通力の高さは折り紙つき。
+
:両肩に装備する専用のオプション武装。長い砲身が特徴的な200mm滑腔砲から放たれる徹甲弾の貫通力の高さは、長距離支援兵装として申し分ない性能を有する。
  
 
== 対決・名場面 ==
 
== 対決・名場面 ==

2022年6月21日 (火) 00:12時点における最新版

ロト
外国語表記 Loto
登場作品
デザイナー カトキハジメ
テンプレートを表示
スペック
分類 特務部隊用可変モビルスーツ
型式番号 D-50C
頭頂高 12.2m
全高
  • 12.2m(MS形態時)
  • 3m程度(戦車形態時)
本体重量
  • 16.84t(小説版)
  • 16.8t(アニメ版)
  • 主動力 超小型熱核融合炉
    ジェネレーター出力 980kw
    スラスター総推力 32,400kg
    装甲材質 チタン合金セラミック複合材
    センサー有効半径 8,800m
    開発組織 サナリィ
    所属 エコーズ
    主なパイロット
    テンプレートを表示

    概要[編集 | ソースを編集]

    サナリィ地球連邦宇宙軍特殊作戦群「エコーズ」の専用機として極秘裏に開発した特殊部隊用モビルスーツ。型式番号の「50」はタンク形態への可変機を指す番号として使用されている。

    可変モビルスーツ二機を一組とし、特殊任務、特に隠密作戦での運用を想定した本機の発注において、連邦軍が要求したのは秘匿性を獲得する為の大幅な機体のダウンサイジングと、一小隊八名の兵員輸送機としての収容性の確保。そして迅速な作戦行動を可能とする高い機動性能の三点。もはや相反する要求とも言えるこの難題に対してサナリィは独自に研究開発を行っていた超小型熱核反応炉を採用。従来のMS用ジェネレーターと比較して出力性能は多少見劣りするものであったが、当時のアナハイム・エレクトロニクス社すら実現し得なかった小型サイズの実用化に成功。この技術を基点として、内外装部品のクリアランスをミリ単位で調整し、一切のデッドスペースを発生させずに兵員の収容性も確保した全高12.2mの機体として完成した。

    装甲部材は最低限の対弾性にとどめ、相対的な機体の軽量化を図る事により適切な出力重量比を獲得。それぞれの開発部門が抱えた問題点を利点で補い合う徹底した設計検証によって導き出された本機の総合性能評価は、MS、タンク両形態共に要求されたレベルを十二分に満たすものであり、本機の実戦データは宇宙世紀0100年代に主流となった小型MS開発においても活用されている。

    コクピットは上半身の操縦室に車長と操縦士、通信士の三名が収まり、下半身には作戦内容に応じて非搭乗作業を補佐する追加乗員用の補助席が配置されている。

    慣性航法装置(INS)をはじめとする最新鋭の各種センサー類、通信設備によって作戦域到達後は司令本部を兼ねた移動式通信車両としても機能する。

    登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

    機動戦士ガンダムUC
    初出作品。ダグザ・マックールコンロイ・ハーゲンセンらエコーズ隊員が搭乗した。
    インダストリアル7での戦闘でラプラスの箱を確保するべく2機が出撃しており、うち1機がクシャトリヤによって撃破されている。パラオでのユニコーンガンダムバナージ・リンクスの奪還作戦では合流したエコーズ729の機体と共に投入され、その後の戦闘でも砲台代わりとして運用される事があった。なお、原作小説とOVAとでカラーリングが異なっている。
    ガンダムビルドファイターズ
    第14話に青と赤で塗装された機体が登場。モデラーはライナー・チョマー。世界大会予選のレースで使用した。この時点でチョマーは予選落ちが確定していたため、せめてもの嫌がらせにリカルド・フェリーニの邪魔をしようとする……が、ウイングガンダムフェニーチェのバスターライフルカスタムによって、跡形もなく消滅した。
    機動戦士ガンダムF90FF
    第2話においてアグレッサー部隊の機体が登場。ガンタンクR-44[1]とともに何者かに奪取され試験部隊を攻撃するが、ガンダムF90-Sタイプの砲撃によって撃破された。

    装備・機能[編集 | ソースを編集]

    特殊機能[編集 | ソースを編集]

    変形
    戦車形態及びモビルスーツ形態に変形可能。
    換装
    任務内容に応じて両肩部や両腕部の武装を換装可能。
    サブ・アーム
    ミサイル・コンテナの上部に1基ずつ、計2基配置されている作業用小型アーム。先端部にビーム・バーナーを有する。
    サーチライト
    肩部に装着可能な投光器。主にマシン・キャノン装備時に左肩部に装着される。

    武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

    ビーム・バーナー
    サブ・アームの先端部に収納された溶断用装備。ビーム束が刃を形成するビーム・サーベルとは異なり、Iフィールドで刀身を形成せず、高エネルギー状態のメガ粒子を溶断対象に直接吹き付けて使用する。
    主にコロニーの外壁等を溶断する為に使用されるが、接近戦用の武器としても機能させる事は可能。
    ミサイル・コンテナ
    対MS用兵装として前腕部に装備されたミサイル発射装置。4連ユニット式となっており、ミサイルごとに3発連装小型ミサイルや、大型ミサイルなどの弾頭選択が可能。
    マシン・キャノン
    右肩部に装備されたロトの基本兵装。対人・装甲車両等の掃討を目的としている。口径は25mm。
    メガ・マシン・キャノン
    右肩部に装着されるオプション武装。対空戦に特化した4連装マシン・キャノン。銃身に組み込まれた対空精密照準システムにより、高い命中率を誇る。
    ロング・キャノン
    両肩に装備する専用のオプション武装。長い砲身が特徴的な200mm滑腔砲から放たれる徹甲弾の貫通力の高さは、長距離支援兵装として申し分ない性能を有する。

    対決・名場面[編集 | ソースを編集]

    クシャトリヤ
    インダストリアル7市街地での戦闘。小説版とOVA版で戦法が異なる。
    小説版ではタンク形態で狭い建物の合間を縫うように走りながらファンネルを地表近くまで誘導し、車外に出たダグザがネット弾で墜落させるというものだった。2基を無効化させることに成功するが、2基目を墜落させた時に民間人を巻き込み、ダグザがそれに気をそらされた一瞬の隙を突かれ、3基目のファンネルによって撃墜されてしまった。
    OVA版ではMS形態で戦闘。物陰からミサイルによる不意打ちを仕掛け、ミサイルを撃ち尽くした後に車外に出たダグザが閃光弾を発射。クシャトリヤを墜落させるが、直前に射出されたファンネルによって撃墜された。
    いずれもダグザが撃墜直前に脱出しているため、負傷のみに留まっている。
    パラオ攻略戦
    隕石のバルーンで偽装し、パラオ表面まで工作員を輸送。爆破を成功させ作戦に大きく貢献した。その後の戦闘にも参加し、岩陰からの砲撃で敵機を撃墜していった。OVA版では敵機との直接戦闘が追加され、地表面を軽快に動き、攻撃を回避しながら敵機を撃墜する小型モビルスーツならではの戦闘シーンが見られた。しかし最後はシナンジュ(OVA版ではアンジェロ専用ギラ・ズールも加入)の奇襲を受け撃墜されている。

    関連機体[編集 | ソースを編集]

    ガンタンクR-44
    共通点が多く、ロトからこの機体へと発展していったと思われる。
    GFタンク
    式典用に改装された機体。ガンタンクGファイターを模した形態への変形機能を持つ。

    商品情報[編集 | ソースを編集]

    ガンプラ[編集 | ソースを編集]

    リンク[編集 | ソースを編集]

    脚注[編集 | ソースを編集]

    1. 頭部と一部武装をガンタンクR-44 パワードウェポンタイプと同じものにした機体。