マルス・ガンダム
| マルス・ガンダム | |
|---|---|
| 外国語表記 | Mars Gundam |
| 登場作品 | 機動戦士ガンダムF90クラスター |
| スペック | |
|---|---|
| 分類 | 試作実験用モビルスーツ |
| 生産形態 | リバースエンジニアリング |
| 型式番号 |
|
| 頭頂高 | 15.2m |
| 全備重量 | 21.81t |
| 主動力 | 熱核融合炉 |
| ジェネレーター出力 | 3,160kw |
| スラスター総推力 | 77,720kg |
| 開発組織 | オールズモビル |
| 所属 | オールズモビル → サナリィ |
| 主なパイロット | イヴァル・ダーナ |
概要[編集 | ソースを編集]
オールズモビルが強奪したガンダムF90 2号機を解析し、コバヤシ丸から強奪した資材と疑似人格AIを利用し複製した機体。
F90のリバースエンジニアリングは2号機強奪後、その改装と同時に火星へ向かうジオン艦隊の内部でスタートしたが、その前段階としてサナリィ中枢部に潜入していたボッシュ・ウェラーとそのシンパによってフォーミュラ計画の設計データ、特にアナハイムに供与されていたF7系、ツィマットに供与されたF8系のデータはそれ以前から火星に流出していた[1]。唯一、高性能火器管制システムは流出しえなかったため、火星の技術者陣はガンレイドおよびGキャノンに搭載された在来型システムをベースにFシリーズの解析を進めたと言われているが、その後強奪したF90とそのAIシステムをベースに、再設計を行っている[2]。
開発は2号機の改装と同時に行われ、宇宙世紀0120年12月には完了。完成したデータは先行する超高速連絡艇によって火星に届けられ、それを元にロールアウトした機体がマルス・ガンダムとなる。この際、火星側のエンジニア(TR計画に携わった技術者が関与したと推測されている)によって主に製造側の仕様に合わせる形で設計変更が行われた結果、胴体部にはサイコフレームを内蔵した増加装甲が施され、当初から火星製ハル・ファイターとの合体が想定されていた。
マルス・ガンダムはオリジナルの2号機と異なり、機体各部のハードポイントは原型機の規格と同等のものに差し戻した上でジオン規格のハードポイントにも対応するハイブリッド・タイプを採用している。これは同機に採用された疑似人格AIを十全に使用するためであるとも、ツィマットから裏取引で入手したガンレイド用ミッションパックの流用を想定したものであるとも言われている。ただし、下半身部のハードポイントの撤廃などは同様であるため、F90と同様の装備を行うことはできない。腕部及び左肩部にはビーム・シールド搭載を想定した大型の接続マウントとコンデンサが設けられているが、これはF90 2号機と異なり完成したもので、大出力のビーム・シールドの展開を可能とした。ただし、ジェネレータとのマッチングには(AIが初期化されていたこともあって)不具合を抱えており、実際の使用時にはエネルギーバイパス系統にトラブルを発生させていた。
兵装はビーム・ライフル、ビーム・サーベルなど、ティグリスIIやガンレイドの流用品が搭載されており、腕部の大容量接続マウントを使用したより大出力の火器も想定されていた。
製造数は不明だが、AIシステムの複製が不可能である以上、オリジナルのAIを搭載した機体はイヴァル・ダーナによって持ち出された1機のみとされる。同機はイヴァルらによってマルス・ガンダムと名付けられ、以降はこの機体を指す非公式のペットネームとなった[3]。
第一次オールズモビル戦役後、サナリィのジャンクパーツという名目で火星を脱出したマルス・ガンダムは、地球に持ち込まれるとジョブ・ジョンによってF90V(フィフス)のナンバーが与えられ、「サナリィが開発していた増加実験機」として扱われるようになる。この予算措置はだいぶ強引なものであったが、サナリィは遅延していたF91用の予算枠と廃止されたF60の予算枠とを流用することで帳尻を合わせており、ジオンが極秘開発したニュータイプ用ガンダムを独占的に解析できることは(たとえパイロットとの協約でリバースエンジニアリングできなかったとしても)サナリィには価値のあるものだった。
登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]
- 機動戦士ガンダムF90クラスター
- 初登場作品。同作の主役機の1つを務める。火星でガンダムF90火星独立ジオン軍仕様を模倣して建造された機体であり、イヴァル・ダーナが第一次オールズモビル戦役時にオリンポス基地を脱出するための手段として組み立て状態にあった機体を完成させた上で搭乗。仲間たちとともに地下の隔離区画から地上を目指す最中にデス・ガンズと交戦した後、偶然出会ったデフ・スタリオンのF90 1号機と協力して地上に脱出。その後機体はサナリィのジャンクパーツという扱いで地球へと持ち出され、地球でガンダムF90の5号機としてF90V(フィフス)のコードを与えられると共に、イヴァルも嘱託のテストパイロット扱いとなった。
装備・機能[編集 | ソースを編集]
特殊機能[編集 | ソースを編集]
- 換装
- 機体各所に配置されたハードポイントを介しミッションパックを換装可能。マルス・ガンダムのハードポイントは原型機の規格と同様のものに差し戻した上でジオン規格にも対応するハイブリッド・タイプとなっており、ミッションパックの流用が可能。ただし、下半身部のハードポイントが撤廃されているため、原型機と同様の装備を行うことはできない。
- 疑似人格AI
- コバヤシ丸から強奪した次世代フォーミュラ計画用疑似人格AI。本来はF90 4号機(予備機)への搭載を想定したと言われている。AIはイヴァルにのみ反応するため、それ以外のパイロットでは操縦が不可能。
- サイコフレーム
- 胴体部の増加装甲に内蔵されたサイコミュデバイス。
武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]
- 頭部バルカン砲
- 頭部に左右一対二基内蔵されている機関砲。
- ビーム・ライフル
- 本機の主兵装となる長砲身のビーム・ライフル。腕部の大容量接続マウントを介して接続することで、大出力での射撃が可能だが、ビーム・シールドと同時にドライブすることはできない。非使用時はリアスカートにマウントされる。
- ビーム・シールド
- 左肩部の接続マウントに搭載されたビーム・シールド。ジェネレータとのマッチングに不具合を抱えており、使用時にはエネルギーバイパス系統にトラブルが発生し、他のビーム兵器と同時に使用することが出来なかった。
- ビーム・サーベル
- 腰部ハードポイントにマウントラッチを介して装備される近接格闘戦用装備。本装備もシールドと同時に使用出来ない不具合を抱えていた。
その他 [編集 | ソースを編集]
- ビーム・マシンガン / 対MS用グレネード
- スペック表に記載されている装備。オリジナル機の装備であり、本機での装備は確認できない。後者についてはオリジナル機では腰部に装備されているが、本機ではサーベルラックに置き換えられている。
- ヒート・ホーク
- 斧状の近接戦闘用の斬撃装備。ブレード部分が赤熱化し、敵の施設や装甲を溶断する。『F90クラスター』第3話で地下水路に放棄されていたザクIIの残骸から拾い、左手で逆手持ちして使用。続く第4話でドドンガのF80が放ったミサイルを咄嗟に防御した際に破壊された。
- ゼノビア
- 本来はXタイプミッションパックに装備される複合兵装。マニャラ基地に対する汎アフリカ解放戦線の襲撃に際し装備された。
対決・名場面[編集 | ソースを編集]
関連機体[編集 | ソースを編集]
- ガンダムF90
- 大元の原型機。第一次オールズモビル戦役後、サナリィによって本機の5号機として扱われることになった。
- ガンダムF90火星独立ジオン軍仕様
- 原型機。各部形状は同一だが、腕部、腰部サイドスカート、左肩などの仕様が異なる。
- 傭兵騎士マルスガンダム
- 『SDガンダム外伝』に登場するF90 2号機(奪取前~奪取後)モチーフのキャラクター。モチーフとなった機体と名前が共通しているため、本機の名前の由来と思われる。