高機動型ザクII (R-2型)
| 高機動型ザクII (R-2型) | |
|---|---|
| 外国語表記 | Zaku II High Maneuver Model Type R-2 |
| 登場作品 | MSV |
| デザイナー | 大河原邦男 |
| スペック | |
|---|---|
| 分類 | 宇宙用量産型モビルスーツ |
| 生産形態 | 少数生産機 |
| 型式番号 | MS-06R-2 |
| 頭頂高 | 18.0m |
| 本体重量 | 49.5t (58.2t説あり) |
| 全備重量 | 75.0t |
| 主動力 | 熱核融合炉 |
| ジェネレーター出力 | 1,340kW |
| スラスター総推力 | 60,000kg |
| 装甲材質 | 超硬スチール合金 |
| センサー有効半径 | 5,600m |
| 開発組織 | ジオニック社 |
| 所属 | ジオン公国軍 |
| 主なパイロット | エリオット・レム |
概要[編集 | ソースを編集]
ジオニック社が開発した高機動型ザクIIの発展型。一年戦争期に「量産機」として開発されたザクの最終型とされている。
F型の改良機として生産されたR-1型は稼働条件が複雑ではあったものの極めて高性能でもあったため、エースパイロットに歓迎されたが、製造コストの高さからF型のような大量生産には至らず、調達が非常に困難であり、ベテランパイロットの間では「連邦軍の戦艦を沈めるよりもR型を手に入れる方が難しい」とまで言われていた。その後、更に改良が加えられたR-1A型は前線における燃料補給などが簡便なことから多くのパイロットに愛用され、それを更に改良した機体がR-2型となる。
一年戦争開戦から一ヶ月にも及ぶ初期の戦闘を経て、数ヶ月あまりの膠着状態が続く中、連邦製モビルスーツの出現もあって 戦略的に本土防衛も検討され始め、軌道上の戦力拡充や月面の拠点確保、周辺宙域の制空権確保など、ジオン軍は抜本的な戦術転換が図られることになった。その一環として次期主力機が急遽必要となり、これを決めるためのコンペティションが実施されることとなる。ジオニック社が開発したR-2型は、F型の後継機選定でツィマット社のリック・ドムと競合。しかし、コストや生産性に問題があったため、試作機が4機作られたのみとなった。単純にスペックだけで比較するならR-2型がトライアルでR-2型が選定されただろうと言われているが、この選択はツィマットのドム系開発拠点が宇宙に多く存在し、地上用装備を空間戦闘装備に換装するだけで済むという経済的な事情もあったため、両社とも納得ずくだったとされている。また、ジオニックは本格的な次期主力機としてビーム兵器の兵器開発を前提としたゲルググを開発しており、その開発に遅延が生じていたため、この裁定に従ったとも言われている。
R-2型とR-1系との主な違いは、ジェネレーターの換装と装甲材質の変更、脚部装甲の構造強化、プロペラントの増加などである。構造材や装甲材質も大幅に変更され、コクピット周りも設計変更されている。
頭部は基本的にF型と同じデザインのヘッドモジュールが使用されているが、機能向上のために部品にはより高性能なものが採用され、内部構造もかなり変更されている。頭部は全機にプロトタイプレベルの通信モジュールを採用。ブレードアンテナは通常のザクIIのように指揮官機を示すものではなく、単なる飾り棒でデザイナーの自己主張によるものと言われており、形状も複数のバリエーションが検討され、「スタビライザータイプ」が多く採用されている。
腕部モジュールは装甲材の材質以外にかなり変更が施されている。当時開発途上であったゲルググの流用部品が数多く採用されており、各部品の規格設定も相当異なっていたため、制御機器周りも大幅に改修されている。
R-2型の主な改修点は脚部モジュールの徹底変更で、プロペラントタンクを内包する大腿部以外、全てゲルググで開発されていた新規格の装備品で構成されている。前面パネルこそR-1系のシルエットを持ち、外見上の変更点もそこに集中しているが、その内部構造は全くの別物である。これにより、下半身全体が巨大なバーニアユニットと見紛うばかりの構造となっているが、それでいてドム系のように巨大な推進ユニットを覆うために必要な外径を割り出すのではなく、必要十分な外径内に必要十分な推進ユニットを内装する構造とし、リック・ドム以上の機動性と運動性を発揮している。
ランドセルは胴体部と動力パイプと連結され、R-1A型やそれ以前のものをベースとしながらもスラスターノズルの大型化やランドセル上部のプロペラントタンクの大容量化によってR-1A型と比較して18%の燃料搭載量の増加を果たしている。
試作された4機のうち、1機は開発チームに残され生産性改善のテストヘッドとなり、残りの3機はエースパイロットのもとに配備された。その内訳はジョニー・ライデン、ロバート・ギリアム、ギャビー・ハザードであり、開発チームに残されたエリオット・レム機は腰部を中心に徹底的な改造が加えられた上でR-3型と呼ばれ、ゲルググの試験機として使用された。
本機は基本的にゲルググのアビオニクスにザクのシルエットを持つ装甲を被せただけのものと言えるもので、後に「ザクの皮を被ったゲルググ」と呼ばれるようになった。
登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]
- MSV
- 出典元。
装備・機能[編集 | ソースを編集]
武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]
- ザク・マシンガン
- ドラムマガジン式の120mm口径マシンガン。新旧ザクの最も一般的な携行武装で、一年戦争の初期に多用された。
- ヒート・ホーク
- 手斧型の格闘戦闘用兵器。ブレード部分が赤熱化し、敵の機体を溶断する。
- ザク・バズーカ
- 対艦用の280mm口径バズーカ砲。開戦島嶼は核弾頭の射出にも使用されたが、南極条約締結後は通常弾を装備していた。
- ジャイアント・バズ
- 主にドム系列機に装備されている360mm口径バズーカ砲。
- シールド
- 右肩部に固定装備されているシールド。
- 簡略式ミサイルランチャー
- 大型ミサイル4本を簡易フレームに搭載した、使い捨て前提のMS携行用簡略式ミサイルランチャー。一部ゲーム作品で装備されている。
対決・名場面[編集 | ソースを編集]
関連機体[編集 | ソースを編集]
パーソナルカスタム機[編集 | ソースを編集]
- 高機動型ザクII (ジョニー・ライデン少佐機)
- パーソナルカラーの紅を基調に塗装されたジョニー・ライデン専用機。
- 高機動型ザクII (ロバート・ギリアム大佐機)
- パーソナルカラーのスカイブルーを基調として塗装されたロバート・ギリアム専用機。
- 高機動型ザクII (ギャビー・ハザード中佐機)
- パーソナルカラーのブラウンとブラックのツートンで塗装されたギャビー・ハザード専用機。
- 高機動型ザクII (カート・ラズウェル機)
- パーソナルカラーである赤に塗装されたカート・ラズウェル専用機。
系列機・派生機[編集 | ソースを編集]
- 試製高機動型ザクII (R-2P型)
- ベース機。後に本機の1号機として改修されている。
- サイコ・ザク
- R型をベースにリユース・P・デバイスを搭載した機体。R-2型との共通点が多い。
- フルバレットザク
- 大量の実体弾を装備したジョニーのR-2型の改修機。
- ドズル専用ザクII後期型
- R-2型をベースにドズル・ザビ専用機として開発した機体。
- 高機動型ザクII (R-3型)
- 本機を元にゲルググ用のパーツで開発された機体。