「クェス・パラヤ」の版間の差分
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客観的に見て、家庭環境の悪さがクェスの人格を狂わせ、利用されるがまま誰からも大事な存在と思われず、孤独に散った人生は自らの破滅という最悪な結果を生んでしまった。<br />小説版ではアムロに寄り添う[[ベルトーチカ・イルマ]]に、劇場版では[[チェーン・アギ]]に嫉妬し、またシャアに寄り添う[[ナナイ・ミゲル]]に敵意をむき出しにしていた。 | 客観的に見て、家庭環境の悪さがクェスの人格を狂わせ、利用されるがまま誰からも大事な存在と思われず、孤独に散った人生は自らの破滅という最悪な結果を生んでしまった。<br />小説版ではアムロに寄り添う[[ベルトーチカ・イルマ]]に、劇場版では[[チェーン・アギ]]に嫉妬し、またシャアに寄り添う[[ナナイ・ミゲル]]に敵意をむき出しにしていた。 | ||
− | 上映直後はそのエキセントリックな言動や、13歳という若さを顧みても非常に我儘な性格に、多くの反感があった。<br /> | + | 上映直後はそのエキセントリックな言動や、13歳という若さを顧みても非常に我儘な性格に、多くの反感があった。<br />しかし、両親の愛情が薄い家族環境、高いニュータイプ能力、自分勝手で自己を顧みない性格などは、実はTV版初期のアムロの姿とオーバーラップする。<br />アムロは多くの出会いと別離を経て本当の意味でのニュータイプとして変革したのに対し、クェスはことごとく正反対の選択をし続けていった。<br />アムロを人類の変革すべき姿のひとつとして描かれているのなら、クェスは反面教師の姿として描かれていると言える。<br />つまるところ、優れたニュータイプ能力を持っていたとしても、結局は本人次第ということであろう。<br />作中の彼女の言動を見て共感できる人は多くはないと思われるが、このような描写からも他者と共感はできても他者からは共感はされない、という彼女の孤独が描かれている。<br />これは、月刊ニュータイプに掲載された[[富野由悠季]]氏のインタビューで「クェスのように最後の3秒間だけ人の気持を考えても遅いんです」という言葉からも伺える。 |
後に、[[ハサウェイ・ノア]]の夢に意識体となって姿をあらわすが、これもアムロ・レイとララァ・スンの関係に酷似している。<br />ちなみにOVA版[[機動戦士ガンダムUC]]の終盤でシャアらしき意識体の傍らにその姿はない。<br />機動戦士ガンダムUCは逆襲のシャアのオマージュ的描写を多く取り入れているが、意図的にそうしたのであれば、シャアにとってクェスは「その程度」の存在でしかなかったことの裏付けともなっている。 | 後に、[[ハサウェイ・ノア]]の夢に意識体となって姿をあらわすが、これもアムロ・レイとララァ・スンの関係に酷似している。<br />ちなみにOVA版[[機動戦士ガンダムUC]]の終盤でシャアらしき意識体の傍らにその姿はない。<br />機動戦士ガンダムUCは逆襲のシャアのオマージュ的描写を多く取り入れているが、意図的にそうしたのであれば、シャアにとってクェスは「その程度」の存在でしかなかったことの裏付けともなっている。 |
2017年3月3日 (金) 16:01時点における版
クェス・パラヤ(Quess Paraya)
- 登場作品:機動戦士ガンダム 逆襲のシャア、GUNDAM EVOLVE、機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
- 声優:川村万梨阿
- 種族:地球人
- 性別:女
- 年齢:13歳
- 髪型:ツインテール
- 所属:民間人→ネオ・ジオン軍
- 役職・称号など:MSパイロット
- 主な搭乗機:クェス専用ヤクト・ドーガ→α・アジール
地球連邦政府の参謀次官アデナウアー・パラヤの娘。
実母は離婚して家を出て行き、父の愛人とは険悪な仲という家庭環境で育ったためか、反抗心の強い我侭なお嬢様として育っていた。
ニュータイプへの関心が深く、インドでニュータイプ主義者の僧のもとで学び、自身もニュータイプとして高い資質を持っている。
ところが、父親によって強制的に宇宙へと連れていかれたことでクェスの運命が変わる。
ニュータイプへの関心が強いクェスは初めての宇宙に惹かれ、かつてニュータイプとして名を馳せたアムロ・レイやシャア・アズナブルと出会う。シャアの優しさに触れたクェスは「父親」を求めて彼のみを拠り所として慕う。
そして、シャアに言われるがまま戦場へと駆りだされたクェスは父親を手にかけ、最期はハサウェイ・ノアを庇うような形で死亡した。
客観的に見て、家庭環境の悪さがクェスの人格を狂わせ、利用されるがまま誰からも大事な存在と思われず、孤独に散った人生は自らの破滅という最悪な結果を生んでしまった。
小説版ではアムロに寄り添うベルトーチカ・イルマに、劇場版ではチェーン・アギに嫉妬し、またシャアに寄り添うナナイ・ミゲルに敵意をむき出しにしていた。
上映直後はそのエキセントリックな言動や、13歳という若さを顧みても非常に我儘な性格に、多くの反感があった。
しかし、両親の愛情が薄い家族環境、高いニュータイプ能力、自分勝手で自己を顧みない性格などは、実はTV版初期のアムロの姿とオーバーラップする。
アムロは多くの出会いと別離を経て本当の意味でのニュータイプとして変革したのに対し、クェスはことごとく正反対の選択をし続けていった。
アムロを人類の変革すべき姿のひとつとして描かれているのなら、クェスは反面教師の姿として描かれていると言える。
つまるところ、優れたニュータイプ能力を持っていたとしても、結局は本人次第ということであろう。
作中の彼女の言動を見て共感できる人は多くはないと思われるが、このような描写からも他者と共感はできても他者からは共感はされない、という彼女の孤独が描かれている。
これは、月刊ニュータイプに掲載された富野由悠季氏のインタビューで「クェスのように最後の3秒間だけ人の気持を考えても遅いんです」という言葉からも伺える。
後に、ハサウェイ・ノアの夢に意識体となって姿をあらわすが、これもアムロ・レイとララァ・スンの関係に酷似している。
ちなみにOVA版機動戦士ガンダムUCの終盤でシャアらしき意識体の傍らにその姿はない。
機動戦士ガンダムUCは逆襲のシャアのオマージュ的描写を多く取り入れているが、意図的にそうしたのであれば、シャアにとってクェスは「その程度」の存在でしかなかったことの裏付けともなっている。
登場作品と役柄
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
- GUNDAM EVOLVE
- 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
- 青年へと成長したハサウェイの夢の中で登場。しかし、死亡してもシャアの所へ行ったらしい。
人間関係
- アデナウアー・パラヤ
- 父親。
- ハサウェイ・ノア
- おそらくクェスを本当の意味で必要としてくれていた存在。彼がまだ子供だった故か拒絶してしまうが、最後は彼を庇うようにして命を落とす事になった。
「閃光のハサウェイ」では彼の夢の中に現れ、彼女がシャアの所に行った事に対して怒りをぶつけられる。 - シャア・アズナブル
- 彼に好意を寄せるが、結局は利用されただけだった。父親やアムロにはない「大人の男としての頼りがい」を見ていたようだ。
- ギュネイ・ガス
- ナナイ・ミゲル
- レズン・シュナイダー
- アムロ・レイ
- 一方的に憧れの感情を持った。そして勝手に失望。
- チェーン・アギ
- 彼女によって撃墜される。
- アストナージ・メドッソ
名台詞
逆襲のシャア
- 「先に行っててよ!……何も判ってないんだから!」
- アデナウアー・パラヤは父親としての立場から単に心配を口にしているだけなのだが、「軍事機密だから人に言っちゃいかんぞ」「邪魔になるからこっちにきなさい」という自分の体裁ばかりを優先していると彼女は解釈してしまう。彼女は「すごいね」という素直な感想に同意(または共感)してほしかった、あるいは褒めて欲しかっただけである。このことからも、彼女が愛情に飢えており、自分を受け入れてくれる人を探していたことがわかる。
- 「あれがアムロ・レイか……『こっちで~す!』、だって」
- 宇宙に上がって初めてアムロ(とチェーン)に会った時の台詞。
- 「アムロ、あんた、ちょっとセコイよっ!」
- クェスがシャアの側についた時の台詞。
- 「ああ…!なんか、あたしの中に人がいっぱい入ってくる…。こ、怖い…気持ちが悪い…」
- 感受性が強い為戦場での様々な波を受けてしまった時の台詞。
- 「大佐!あたし、ララァの身代わりなんですか!?」
- 周囲に人があり、しかも作戦中に地雷中の地雷を平然と。
彼女の才能だけを欲しているシャアにとって、こうしたプライベートな部分に踏み込まれるのは非常に疎ましかったのだろう。
その後笑顔で抱きつくクェスと対照的に、シャアの険しい表情からも伺える。 - 「子供は嫌いだ!図々しいから!!」
- クェスの未熟さを如実に物語る一言。彼女のこれまでの言動が慎ましやかであると感じる人は少ないだろう。
図々しいから嫌いだ、という自分自身が図々しいことに気づいていない「子供」なのだ。
閃光のハサウェイ
- 「あんたは、あたしと一諸に行くんじゃなかったの……」
- 「ハハハハ…ひがんでる!」
- 青年へと成長したハサウェイの夢の中で彼女が言い放った台詞。
その他の媒体
- 「ハサウェイ、ゴメン…。今は会えない…」
- 『SUNRISE WORLD WAR Fromサンライズ英雄譚』にて。