バイオコンピューター
バイオコンピューター(Bio Computer)
『機動戦士ガンダムF91』においてシーブック・アノーの母親、モニカ・アノー博士が開発したサイコミュの一種。モビルスーツの機体主管制コンピュータでありそのパーツである演算素子などに有機材料が使われている為「バイオコンピュータ」という呼称が付いた。元々は障害者用の機器操作の補助用(義肢など)として開発されたのだが、研究を円滑に進めるため協力を仰いだ連邦軍研究所サナリィによってモビルスーツ操縦用のシステムに転用された。ガンダムシリーズ制作史上の初搭載機はガンダムF91だが試験型を含めた作中内宇宙世紀上の初搭載機はガンダムF90Ⅱである。
人間の脳内から発生する電気信号を、コンピュータを通して機械に伝える。具体的には、あたかもパイロットがモビルスーツと一心同体となり、自分の意思をモビルスーツにダイレクトに伝えられるようになる。と同時にパイロットの感覚を飛躍的に鋭敏化させる。このコンピュータが搭載されたモビルスーツは、通常時はパイロットに負担を掛けないためにその技量に合わせてリミッターが掛けられるが、ラフレシアとの戦いの中でニュータイプとして覚醒したシーブックはリミッターを解除した状態であるガンダムF91の最大稼動モードを発動させ、更にF91そのものをセンサーとする事によって高められた感応力で、宇宙空間に投げ出されたセシリー・フェアチャイルドを感知して救出する事に成功している。
弱点は先代であるF90で採用されていた「8000系ニューロコンピュータ」同様熱負荷に弱い事。これは有機材料を使用した事で更に顕著化した物である。F91がラジエータフィンなど外見からも冷却機器が目立つ冷却機能重視の仕様で設計開発されたのは当時の技術ではバイオコンピュータ用の高度な冷却機能を優先する事が必須だった為である。冷却機能最大稼動時には搭載機体の各部フィンなどが展開し、熱放散冷却が行なわれ、MSの顔からは時には高温の排熱が添付された冷媒を直接放出する事でも強制冷却が行われる。
このコンピュータ開発のためにモニカ博士は夫や子供たちと離れて暮らすことを選んだため、シーブックと妹リィズは母に対して蟠りがあった。しかし、コンピュータシナプスに母が得意であった「あやとり」を取り入れていることに気付いたリィズによって死蔵状態のF91は起動に成功し、親と子との絆を回復させることにも繋がった。
関連用語
- サイコフレーム
- 同じサイコミュという関連性があり、感知する機能も同じ。ただしF91ではどちらかと言えば機体構造であるMCA構造の方に技術系譜は移行している。
- ネオサイコミュシステム
- ブッホ・コンツェルンで開発されていた新機軸のサイコミュシステムで元々はロナ家に養子になる前の鉄仮面ことカロッゾ・ビゲンソンが研究開発していたシステム。後にAE側に技術は譲渡されネオガンダム1号機に搭載された。
登場作品
- 機動戦士ガンダムF91
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人
- クロスボーン・ガンダムX1フルクロスにも搭載されている事が判明している。ただし元から搭載されていたのか、それともフルクロスへの改修時に搭載されたのかは不明。