機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争(Mobile Suit Gundam 0080 War in the Pocket)
概要
機動戦士ガンダム本編とは直接関係ない外伝的作品で、主人公・アル少年の視点から一年戦争を描く。
それまでガンダムシリーズを手がけてきた富野由悠季氏から、他の監督へ交代した初の作品である。また、一連のガンダム作品の中で最初のOVA作品でもある。
「ポケ戦」の相性で呼ばれ、リリースから長い時間が経っているが未だに根強いファンが多いことでも知られる。 TVシリーズと異なりジオン軍側の視点で描かれており、これはガンダムにおける「戦争」は勧善懲悪の物語ではないため、双方の主張や立場があるにもかかわらず、TVシリーズでは対象年齢層を考慮して、わかりやすい地球連邦側からの視点に限定して描かれていることに起因する。 そのため、この「ポケットの中の戦争」に限らず、TV版で語りきれなかった敵側の主張を補完するために、TV版は地球連邦、OVA版ではジオン軍(または敵対勢力)寄りの内容になることが多い。
また、これまでのロボットアニメと異なり、子供達が喜ぶであろう戦闘シーンは極めて少なく、一方で主人公は年齢層を想定した「少年」の目線で描かれており、アンバランスとも取れる構成になっている。 物語の序盤は「戦争」をロボットが戦う娯楽の一環としか見ていなかった主人公、アルフレッド・イズルハが、バーニィやクリスとの触れ合いのなかで、近しい人が死傷する「戦争」というものの恐ろしさを知る、成長の物語であり、出会いと日常、そして別離を経るという「善悪」ではないビターな内容になっている。
モビルスーツもアレックス以外は目新しいものはなく、量産機主体であり、これ以降のOVAでは量産機にスポットが当たるというのが通例になった。
当時の視聴者層ではなかなか理解され難かったものの、後年になって改めて視聴した際に、当時の自分とアルを重ね、作品の魅力に取り付かれたというケースも案外少なくない。
21世紀に入った現在でも、12月24日のクリスマスにはバーニィの追悼(または快癒祈願)と称してポケ戦を視聴する慣わしがあるという。
あらすじ
一年戦争末期、中立コロニーサイド6に連邦軍の新型ガンダムが持ち込まれた情報を元に、ジオン軍特殊部隊「サイクロプス隊」が潜入する。
登場人物
主要キャラクター
- アルフレッド・イズルハ(アル)
- 主人公。サイド6に住む少年。2012年現在における、ガンダムシリーズ最年少主人公にして初のモビルスーツに乗らない主人公。
- バーナード・ワイズマン(バーニィ)
- アルと友達になる青年。ジオン軍潜入工作隊「サイクロプス隊」配属の学徒動員兵。
- クリスチーナ・マッケンジー(クリス)
- アルの「隣のお姉さん」。ガンダムNT-1(アレックス)のテストパイロット。
サイクロプス隊
- ハーディ・シュタイナー
- サイクロプス隊隊長。
- ミハイル・カミンスキー(ミーシャ)
- ガブリエル・ラミレス・ガルシア
- アンディ・ストロース