「ビームシールド」の版間の差分
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− | + | ビーム・シールド登場以前の実体式シールドはビーム兵器の攻撃を完全に遮る事は出来ず<ref>ビームコーティングなどが完全に効果を発揮しても若干のダメージは受けるので連続着弾などはなるべく避けた方がよい</ref>、また[[Iフィールド|Iフィールド・ジェネレーター]]も機体を完全防御可能なレベルの物は装備の大型化を招き、小型の物も防御範囲が狭く耐えられる攻撃にも限度があるなどの欠点が様々に存在した。一方、ビーム・シールドはビームでビームを相殺し、実体弾兵器もビームの粒子反応で破壊防御するため、防御力が格段に向上している。またビームは透過している性質上、防御を行いつつ相手の行動を伺う事も出来る。 | |
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+ | シールドビーム自体は[[ビーム・サーベル]]と同じ性質の為、そのまま切断攻撃に転用する事も可能<ref>[[ゾロアット]]等は初めから防御用途のビームシールドと攻撃用途のビームカッターを使い分ける例もある。</ref>。またシールドビームは形成形状にある程度自由が利き、発生器に複数搭載されているビーム形成機単位で発生部をカットし部分的に「シールドの隙間」を形成出来る。 | ||
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+ | 一方で発光体であるビームを防御に使用する関係上、遠距離での視認性が高く、長時間使用によってセンサーやカメラに悪影響を及ぼしやすいなどの短所も存在する。加えて艦砲のような高出力ビームや[[ヴェスバー]]等の貫通力の高いビームは防ぎきる事は出来ない<ref>ただし、『V』にVガンダムが[[リシテア級]]の艦砲射撃を完全に防ぎきるシーンがあるなど、その時代においては『F91』の頃に比べてシールドビームの耐久度が向上している事が伺える描写が見られる</ref>。また一定以上の大型質量物をぶつけられるとビームによる破壊より前に物体が貫通し、無力化されてしまう<ref>この弱点性質を利用しているのが[[ジャベリン]]の[[ショットランサー]]や[[リガ・ミリティア]]の[[Vガンダム|ヴィクトリー]]系列機で行われていた「パーツアタック」である。</ref>。 | ||
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+ | 発展技術としてビームの回転によって生じる力場を大気圏内飛行に用いる[[ビーム・ローター]]がある。また、フル規格のビーム・シールドを装備していない機体でも、ビーム・サーベルを持つ手首を高速回転させる事で簡易的なビーム・シールドとして使用する戦術が取られている。 | ||
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+ | シールドを展開した状態であれば大気圏突入も可能であり、バリュートなどの大気圏突入装備を外装する必要性が無くなった。また、ブースターを併用すれば、MSによる大気圏離脱にも対応出来た。 | ||
=== [[コズミック・イラ]] === | === [[コズミック・イラ]] === | ||
− | [[ユーラシア連邦]] | + | [[ユーラシア連邦]]が保有していた光波防御帯、通称「[[アルテミスの傘]]」から発展した技術。防御力が高い反面エネルギー消費が激しく、バッテリー動力では長時間の安定稼働が出来ないが、[[核エンジン]]搭載機の場合はその限りではない。またC.E.世界の高水準のビームコーティングを施した実体兵器の前には無力化されるリスクもある。 |
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+ | ヤキン・ドゥーエ戦役時はユーラシア連邦の機体である[[ハイペリオンガンダム|ハイぺリオン]]に実験的に搭載されていたが、[[第二次連合・プラント大戦]]時は大西洋連邦にも技術が行きわたっており、発展型である[[陽電子リフレクター]]を搭載した機体が多数戦線投入され、更に[[デスティニーガンダム|デスティニー]]、[[ストライクフリーダムガンダム|ストライクフリーダム]]等にも標準装備された。 | ||
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− | [[アリオスガンダム]] | + | [[アリオスガンダム]]や[[アルケーガンダム]]に採用されている「GNビームシールド」が該当。[[GN粒子]]によるバリアを展開する装備だが、[[GNフィールド]]とは異なり展開したビームは攻撃力を持っており、防御のみならず近接攻撃にも転用出来る。アルケーガンダムは実体盾を併用するタイプを使用するが、アリオスガンダムはショルダーアーマーに装備した事で実体盾を装備する事なく機体の軽量化を実現している。 |
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;ビームシールド・サーベル | ;ビームシールド・サーベル | ||
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== 余談 == | == 余談 == | ||
− | + | *本装備は模型商品を制作する際、比較的小型な発生器と発生するシールドビーム部を再現するクリアープラパーツのみで構成可能な為、造形コストを抑えられる部分が有った。 | |
+ | **しかし、作中内全機体の標準装備としてしまった際にデザインが単調化してしまう事や、使用時も機体全体を描かなければならない上にビームの透過エフェクトを重ねた描写を加えなければならないといった作画班への負担が増加した。その為、Vガンダムで一旦その系譜が途絶え、SEEDシリーズで復活して以降は特定機体の特殊装備にする等様々な策が採られている。 | ||
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2022年12月6日 (火) 15:09時点における最新版
ビームシールド(Beam Shield)[編集 | ソースを編集]
その名の通り、ビームで形成されたシールド。モビルスーツなどに搭載され、本体からエネルギー供給を受ける事で膜状のビームを発生させ、攻撃を防御する。
ビームの発生原理等は作品によって異なるが、複数作品に様々な設定で登場する。
各世界観のビームシールド [編集 | ソースを編集]
宇宙世紀[編集 | ソースを編集]
U.C.0110年頃に実用化された防御兵装。中央に位置する発生器から膜状に展開した「シールドビーム」を盾としたものであり、ガンダムF90-Vタイプやクロスボーン・バンガード系モビルスーツ等に装備されて以降、第二期MSの標準装備として普及した。原理としてはビーム・サーベルの発生領域を広げたアレンジ技術である[1]。
ビーム・シールド登場以前の実体式シールドはビーム兵器の攻撃を完全に遮る事は出来ず[2]、またIフィールド・ジェネレーターも機体を完全防御可能なレベルの物は装備の大型化を招き、小型の物も防御範囲が狭く耐えられる攻撃にも限度があるなどの欠点が様々に存在した。一方、ビーム・シールドはビームでビームを相殺し、実体弾兵器もビームの粒子反応で破壊防御するため、防御力が格段に向上している。またビームは透過している性質上、防御を行いつつ相手の行動を伺う事も出来る。
シールドビーム自体はビーム・サーベルと同じ性質の為、そのまま切断攻撃に転用する事も可能[3]。またシールドビームは形成形状にある程度自由が利き、発生器に複数搭載されているビーム形成機単位で発生部をカットし部分的に「シールドの隙間」を形成出来る。
一方で発光体であるビームを防御に使用する関係上、遠距離での視認性が高く、長時間使用によってセンサーやカメラに悪影響を及ぼしやすいなどの短所も存在する。加えて艦砲のような高出力ビームやヴェスバー等の貫通力の高いビームは防ぎきる事は出来ない[4]。また一定以上の大型質量物をぶつけられるとビームによる破壊より前に物体が貫通し、無力化されてしまう[5]。
発展技術としてビームの回転によって生じる力場を大気圏内飛行に用いるビーム・ローターがある。また、フル規格のビーム・シールドを装備していない機体でも、ビーム・サーベルを持つ手首を高速回転させる事で簡易的なビーム・シールドとして使用する戦術が取られている。
シールドを展開した状態であれば大気圏突入も可能であり、バリュートなどの大気圏突入装備を外装する必要性が無くなった。また、ブースターを併用すれば、MSによる大気圏離脱にも対応出来た。
コズミック・イラ[編集 | ソースを編集]
ユーラシア連邦が保有していた光波防御帯、通称「アルテミスの傘」から発展した技術。防御力が高い反面エネルギー消費が激しく、バッテリー動力では長時間の安定稼働が出来ないが、核エンジン搭載機の場合はその限りではない。またC.E.世界の高水準のビームコーティングを施した実体兵器の前には無力化されるリスクもある。
ヤキン・ドゥーエ戦役時はユーラシア連邦の機体であるハイぺリオンに実験的に搭載されていたが、第二次連合・プラント大戦時は大西洋連邦にも技術が行きわたっており、発展型である陽電子リフレクターを搭載した機体が多数戦線投入され、更にデスティニー、ストライクフリーダム等にも標準装備された。
西暦[編集 | ソースを編集]
アリオスガンダムやアルケーガンダムに採用されている「GNビームシールド」が該当。GN粒子によるバリアを展開する装備だが、GNフィールドとは異なり展開したビームは攻撃力を持っており、防御のみならず近接攻撃にも転用出来る。アルケーガンダムは実体盾を併用するタイプを使用するが、アリオスガンダムはショルダーアーマーに装備した事で実体盾を装備する事なく機体の軽量化を実現している。
関連作品と使われ方[編集 | ソースを編集]
- 機動戦士ガンダムF91
- 初出作品。
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム
- 機動戦士Vガンダム
- 機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY
- 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
- 機動戦士ガンダム00(2ndシーズン)
- ガンダム Gのレコンギスタ
関連用語[編集 | ソースを編集]
- ビーム・ローター
- ザンスカール系MSに搭載されたビーム・シールドの亜種。大気圏内での飛行システムも兼ねている。
- ビームシールド・サーベル
- ビギナ・ロナのみに装備された亜種。ビーム・サーベルとしての使用も初期想定されている。
余談[編集 | ソースを編集]
- 本装備は模型商品を制作する際、比較的小型な発生器と発生するシールドビーム部を再現するクリアープラパーツのみで構成可能な為、造形コストを抑えられる部分が有った。
- しかし、作中内全機体の標準装備としてしまった際にデザインが単調化してしまう事や、使用時も機体全体を描かなければならない上にビームの透過エフェクトを重ねた描写を加えなければならないといった作画班への負担が増加した。その為、Vガンダムで一旦その系譜が途絶え、SEEDシリーズで復活して以降は特定機体の特殊装備にする等様々な策が採られている。
リンク[編集 | ソースを編集]
脚注[編集 | ソースを編集]
- ↑ 一部資料ではνガンダム搭載のフィン・ファンネルの機能にその源流を求める記述があるが、時系列的に初のビームシールド搭載機であるガンダムF90-Vタイプの解説に於いて「フィン・ファンネルの原理とは異なる」という内容が言及されている。
- ↑ ビームコーティングなどが完全に効果を発揮しても若干のダメージは受けるので連続着弾などはなるべく避けた方がよい
- ↑ ゾロアット等は初めから防御用途のビームシールドと攻撃用途のビームカッターを使い分ける例もある。
- ↑ ただし、『V』にVガンダムがリシテア級の艦砲射撃を完全に防ぎきるシーンがあるなど、その時代においては『F91』の頃に比べてシールドビームの耐久度が向上している事が伺える描写が見られる
- ↑ この弱点性質を利用しているのがジャベリンのショットランサーやリガ・ミリティアのヴィクトリー系列機で行われていた「パーツアタック」である。