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2019年7月6日 (土) 00:27時点における版
全天周囲モニター(All View Monitor)
『機動戦士Ζガンダム』が初出の、コクピット内壁をモニターにして、360度の視界を確保する技術。全天周モニターとも。これまでの三点モニター方式から死角を無くし、視認性を向上させている。
リニアシートとワンセットで扱われる技術であり、パイロットはリニアシートによってコクピットの中央部に浮かぶような形で機体を操縦する。コクピットは球形になっている場合が殆どで、その外壁はイジェクションポッドと呼ばれる脱出ポッドを兼ねる[1]。
内壁モニターに映される映像はセンサー間の視差をCG補正した映像が映し出される。自機は通常はモニターに表示されないようになっているが、損傷の確認やマニピュレータを使った作業を行う時など、機体の状況を確認する必要がある場合は表示をオンに出来る。機体の視点は一部の機体を除きコクピットのある腹部に視点が合わされており、状況に応じて頭部からの視点とも切り替えが可能となっている。モニターの映像は状況に応じて一部をオン・オフする事もでき、また映像のズームも可能。
コアブロックシステムを搭載している機体はキャノピーに映像を投影し、モニター化する技術によって全天周モニターとしての機能を確保しているが、小型化した第二期モビルスーツの場合機体スペースの関係から完全な全天周囲視界を確保していないケースもある[2]。
欠点はダミーバルーンなどの欺瞞装備によってセンサー情報が誤処理される点であり、あたかもダミーが本物であるかのようにモニターに表示されてしまう。
登場作品
- 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
- ガンダムNT-1に採用。宇宙世紀の時系列で最初に採用された機体であるが、この段階では水平・垂直360度を網羅していない。
- 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
- ガンダム試作3号機のコクピットに採用されている。この時点ではコア・ファイターとは排他的な技術となっている。
- 機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル
- アスナ・エルマリートがシミュレーターのモードを変更してあえて三点モニターと同じ視界状況で模擬戦を行った[3]。
- ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに
- ガンダムTR-1[ヘイズル]がガンダムTR-1[ヘイズル改]に改修される際にコクピットが全天周囲モニター・リニアシートへと変更されている。ベテランパイロットであるウェス・マーフィーは、この技術を目の当たりにして「若い世代の為のもの」だと述べている。
- ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者
- ジム改、ジム・キャノンII、ジム・クゥエルなど従来機のコクピットを換装する近代化改修が行われている。またガンダム[ケストレル]がコア・ファイター搭載機として全天周囲モニターとリニア・シートを採用している。
- 機動戦士Ζガンダム
- グリプス戦役の段階でほぼ全ての機体に採用されている。量産機として初の採用はハイザック。
- GUNDAM EVOLVE
- グレイ・ウルフの特性に合わせ、グレイ・ゼータのモニターを三点モニター方式に変更している。
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- ΖΖガンダムがリニアシートと合わせて採用。ただし、コクピットの形状の関係から非球形となっている。
- 機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー
- 全天モニターでの操縦は慣れるまで酔いを誘発しやすく、実写映像ではなく簡略化されたCGを表示する事が出来る旨の記述がある。
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト
- ファントムの全天周囲モニターはロックによって機体に固定されており、それを解除する事で機体の状況にかかわらずコクピット内の状態を水平に保つ独立水平システムを採用している。
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST
- 技術後退により全天周囲モニター技術は失われつつあり、損傷した場合は別途モニターを設置して対応する。アンカーのように、モニターを叩けば全天周囲モニターの機能が復活する場合もある。
- 機動戦士ガンダム00
- ティエレンタオツーに採用。パイロットへの負担の関係から超兵など特定のパイロット以外に扱える者は少なく、普及率は低い。箱型の壁面にモニターを取り付けた形となる。
- 機動戦士ガンダムAGE
- ヴェイガン系の機体に標準採用されている。
- ガンダム Gのレコンギスタ
- リギルド・センチュリーの時代でも(レクテンを除き)モビルスーツの標準装備として採用されている。G-セルフはコア・ファイターと、コア・ファイターが収まるスペースがモニター化する二重構造になっている。