「シン・アスカ」の版間の差分

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(『THE EDGE』の事を中心に加筆)
(→‎人間関係: 我々のアスランをちょっと補足しました)
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== 人間関係 ==
 
== 人間関係 ==
 
;[[ルナマリア・ホーク]]
 
;[[ルナマリア・ホーク]]
:士官学校からの友人。シンにとっては数少ない、うち解け合う関係に。<br/>ストーリー中盤でシンが彼女の妹である[[メイリン・ホーク|メイリン]]をアスラン討伐に巻き込む形で撃墜してしまい、彼女に涙ながらに責められる。しかし、シンが自分の行為を後悔し、傷ついていることを感じ取ったルナマリアは彼を許し、戦争が原因で肉親を失ったトラウマを共有することで恋仲に近い関係になった。<br/>最終話では撃墜されたシンを介抱し、陥落するメサイアを目前にしつつ、共に涙を流した。
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:士官学校からの友人。シンにとっては数少ない、うち解け合う関係に。<br/>ストーリー中盤でシンが彼女の妹である[[メイリン・ホーク|メイリン]]をアスラン討伐に巻き込む形で撃墜してしまい、彼女に涙ながらに責められる。しかし、シンもまた妹を失っており、自分が受けた悲しみを生むことを、自分自身が行ったことを後悔し、傷ついていることを感じ取ったルナマリアは彼を許し、戦争が原因で肉親を失ったトラウマを共有することで恋仲に近い関係になった。<br/>最終話では撃墜されたシンを介抱し、陥落するメサイアを目前にしつつ、共に涙を流した。
 
;[[レイ・ザ・バレル]]
 
;[[レイ・ザ・バレル]]
 
:士官学校からの友人。のちにシンに自分の過去を打ち明ける。<br/>アニメではシンを利用する悪役のような面が目立ったが、小説版ではシンを親友と思いつつも利用しなければならないレイの心の葛藤が描かれ、メサイア陥落後に自分を助けるためにインパルスで駆けつけたシンとルナマリアに遺言を託した。
 
:士官学校からの友人。のちにシンに自分の過去を打ち明ける。<br/>アニメではシンを利用する悪役のような面が目立ったが、小説版ではシンを親友と思いつつも利用しなければならないレイの心の葛藤が描かれ、メサイア陥落後に自分を助けるためにインパルスで駆けつけたシンとルナマリアに遺言を託した。
 
;[[アスラン・ザラ]]
 
;[[アスラン・ザラ]]
:直属の上官で作戦指揮官。常にそりが合わず衝突していて、後に引導を渡される形となってしまった。しかしシンは本気で彼のことを尊敬しており、彼と対峙する時の極端な怒りの感情の中にも逡巡が見え隠れする。
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:直属の上官で作戦指揮官。常にそりが合わず衝突していて、後に引導を渡される形となってしまった。シンは本気で彼のことを尊敬しており、だからこそ毅然たる「ヒーロー」として振舞ってくれない彼に苛立ちをぶつけてしまっていたことも原因である。何かと挑発してみたり、突っかかってみたりしたのはそのため。後に彼と対峙する時の極端な怒りの感情の中にも逡巡が見え隠れする。これは、彼の故郷である[[オーブ連合首長国]]が「非戦争」を貫くとしながらも結局は戦いに巻き込まれ、結果、シンは家族を目の前で失うという「裏切り」にあったためである。シンがアスランを尊敬もし、信頼していたからこそ「裏切られた」と感じたことが(実際裏切りではあるが)反動となったことが理由といえる。<br/>シンがアスランを一人の人間として受け入れられるだけの度量を持っておらず、人間的に未熟だったこともあるが、アスランもまたシンを受け入れてやれるだけの大きさがなかった。本来ならば、その間を取り持つのが[[ハイネ・ヴェステンフルス]]であったのだろうか。
 
;[[ステラ・ルーシェ]]
 
;[[ステラ・ルーシェ]]
 
:[[ファントムペイン]]所属のパイロットで[[エクステンデッド]]の少女。第1話でシンが偶然胸を触ってしまう。その後ディオキアの海で溺れた際に助けられたことが切っ掛けで惹かれ合う。<br/>最初は溺れる原因となったステラの行動に怒ったシンであったが、無意識にステラのブロックワードである「死」を口走ってしまい、錯乱した彼女を『戦争でトラウマを負った少女』と誤解して必死に宥め、その後も優しく接していた。このシチュエーションはアスランとカガリが初めて出会った時と似ている。<br/>何気なく再会を約束した両者であったが、皮肉にも戦場で敵として遭遇してしまう。シンはステラを戦場から引き離すために奔走したが、結局ステラは戦場から逃れられず、乗機であったデストロイを脅威と感じたキラに機体を大破させられた時の怪我により絶命。その死はシンの今後に暗い影を落とした。<br/>最終回では月面に墜落し一時気を失っていたシンの精神世界に魂となった彼女が現れ、明日への希望をシンに語った。<br/>なお、最終回の描写は前作『SEED』では魂となってキラに語りかけた[[フレイ・アルスター]]との対比となっている。敗れたシンにはステラの声が届いていたが、勝利するキラにはフレイの声が届いていなかったという興味深い違いがある。<br/>鈴村氏はシンとステラの関係について「ステラは恋人というより戦争を感じさせる人間」と述べている。(恋人として死にゆく彼女に寄り添うよりも'''一人の人間として生きていてほしい'''という願いを最優先したから、ステラを[[ネオ・ロアノーク|ネオ]]の下へと帰した。恋愛とは人間関係の一つの形だが決して最上級のものではなく、シンとステラの間にはもっと大きな繋がりがあると考えて演技した、とも述べている。)
 
:[[ファントムペイン]]所属のパイロットで[[エクステンデッド]]の少女。第1話でシンが偶然胸を触ってしまう。その後ディオキアの海で溺れた際に助けられたことが切っ掛けで惹かれ合う。<br/>最初は溺れる原因となったステラの行動に怒ったシンであったが、無意識にステラのブロックワードである「死」を口走ってしまい、錯乱した彼女を『戦争でトラウマを負った少女』と誤解して必死に宥め、その後も優しく接していた。このシチュエーションはアスランとカガリが初めて出会った時と似ている。<br/>何気なく再会を約束した両者であったが、皮肉にも戦場で敵として遭遇してしまう。シンはステラを戦場から引き離すために奔走したが、結局ステラは戦場から逃れられず、乗機であったデストロイを脅威と感じたキラに機体を大破させられた時の怪我により絶命。その死はシンの今後に暗い影を落とした。<br/>最終回では月面に墜落し一時気を失っていたシンの精神世界に魂となった彼女が現れ、明日への希望をシンに語った。<br/>なお、最終回の描写は前作『SEED』では魂となってキラに語りかけた[[フレイ・アルスター]]との対比となっている。敗れたシンにはステラの声が届いていたが、勝利するキラにはフレイの声が届いていなかったという興味深い違いがある。<br/>鈴村氏はシンとステラの関係について「ステラは恋人というより戦争を感じさせる人間」と述べている。(恋人として死にゆく彼女に寄り添うよりも'''一人の人間として生きていてほしい'''という願いを最優先したから、ステラを[[ネオ・ロアノーク|ネオ]]の下へと帰した。恋愛とは人間関係の一つの形だが決して最上級のものではなく、シンとステラの間にはもっと大きな繋がりがあると考えて演技した、とも述べている。)

2014年7月9日 (水) 23:19時点における版

シン・アスカ(Shinn Asuka)

機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の主人公。キラ・ヤマトアスラン・ザラに続く「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ」における「第3の主人公」に位置する。

人種はコーディネイターであり、人種を問わず、法さえ守れれば国民となれるオーブ連合首長国で平和に暮らしていた。両親と妹の4人家族。 彼自身述懐しているように、当時は「遠い世界の戦争の話より、テレビゲームの発売日が気になるような」普通の少年だった。コーディネーターの意識としてはあくまでも「病気などに悩まされるよりは生まれる前から耐性があればいい」というレベルでしか考えておらず、ナチュラルへの特権意識や敵愾心は持っていなかったようだ。

しかしC.E.71年の地球連合軍によるオーブ侵攻で、家族と共に避難艇に向かっている最中、妹マユの落とした携帯を拾おうと家族から離れた瞬間にフリーダムカラミティの戦闘に巻き込まれて家族を失う。(但し、映像的にはフリーダムとカラミティが互いに砲撃を行った直後に起きた爆風で家族は死んでいるだけで、両機の戦闘が直接原因かどうかは不明)。その時の絶望と哀しみ、戦争の諸悪への激しい怒りが、彼の行動の機軸となる。
家族を失った後は、トダカの勧めでプラントへ移住した。家族を失い、戦争を憎む執念が原動力となり、優秀な成績でアカデミーを卒業。晴れてザフト軍に入隊、エリート集団「赤服」の一員となる。そして、新型モビルスーツインパルスを駆り、活躍する事になる。

パイロットとしての技量は、エリートとはいえまだ新米ということもあり、アスランやキラ、イザークなど前作から引き続き登場するキャラと比べると劣り、劇中序盤はさしたる戦果を挙げられなかった。しかし中盤にS.E.E.D.能力が覚醒して以降は目覚ましい成長を遂げる。特に目覚しい戦果としては、無敵を誇っていたフリーダムをインパルスのドッキングシステムを利用して撃破した事や、デストロイとの戦闘で素早く反応して格闘戦に持ち込み、単独で3機、レイやルナマリアと協力して1機の計4機を撃破した事などが挙げられる。
射撃よりは格闘を好み、万能機であるデスティニーでも積極的に格闘戦を仕掛けていた。
拳銃射撃は日頃からレイと共に訓練しているが、最終的に銃口を向ける相手が居なかったので生かされなかった。

ガンダムシリーズではOVAを除けば最初から軍人である唯一の主人公である。しかし終盤においては、軍人であり続けた事が悲劇に繋がったと言える。また歴代のガンダム主人公達が戦いの中で多くの人間に出会って成長していった事に比べると、彼自身は良き大人との出会いに恵まれず、人間的な成長の描写が乏しかったことが挙げられる

彼の「主人公」としての扱いは各メディアによって大きく違い、TV版、漫画版、小説版のいずれの作品も最後は敗北という結末を迎えるものの、そこに至るまでの描写や表現が異なっている。

ボンボン版(執筆した作家の高山瑞穂から高山版とも言われる)の評価は特に高く、シン・アスカを最後の最後まで主人公として描いた本作は高山氏が、「作家生命を賭けてでも描き切る」とまで発言したという逸話があるほど。
かつての自分を投影し、戦いをやめさせようとするアスランに対し、それを理解しながらも自分自身の信念を持って対峙する。激闘の末敗れたシンは、それでも生きている限りは前に進み続けるという、敗北の苦味と未来へ歩み行く希望を含ませて終わる。

久織ちまき氏の『THE EDGE』版も高山版に匹敵するほどの人気を誇る。「アスランからの視点で物語を見る」というコンセプトではあるが、アスランがシンに対して抱く感情とシンの感情の衝突を通じてシンというキャラクターを伝える、という描かれ方をされている。
絶望の感情に満ちて力に傾倒し、アスランと一進一退の攻防を繰り広げるも敗北。月面に墜落した後の顔に明るさは無かったものの、力の呪縛から一時的に解き放たれて、必死に希望を掴もうとする表情のシンが立ち上がった所で彼のパートは終了となる。
後にアスラン以外の様々な主要メンバーの視点で補完したオムニバス『THE EDGE Desire』も追加され、そこでは士官学校時代のシンも描かれている。

小説版でも全体的に原作では補完し切れなかった部分を改善されており、ステラを助ける為に連合へ送った事で起きたデストロイの被害(ステラを返さなかったとしても、スティングが搭乗したであろうが)、アスランを撃墜した後の精神の不安定さ、そして最後のレイとの会話等、様々な部分が書き足されている。

TV版では、中盤以降は物騒な発言や、自己中心的・身勝手な行動がだんだんと増えていき、視聴者に悪い印象を与えていくようになっていく。一部では「ストーリーの都合で、視聴者に嫌われるような演出になったのではないか?」と推察されている。
家族を失った事による怒りや憎しみによる「負の要素」からの人間関係のもつれ・視野狭窄故に周囲が見えてない事などから、視聴者には主人公として悪いイメージが付きまとった。これは彼の人間的未熟さに起因するものではあるが、残念ながらそれを導いてやれる人物に恵まれなかった。

前作の主人公のキラやアスランは「機動戦士ガンダムSEED」中盤からお互い健全な人間関係を築き上げたとのは対照的に、終止戦いから開放されず苦しい立場に置かれた事により、彼らに比べると健全なイメージを作り上げた主人公としての立場を無くした。またロボットアニメという世界は結局、主役ロボットに主人公が活躍してこそ視聴者も安心して見られるが、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」ではシンの主人公としてのイメージ、ラストのシンとデスティニーガンダムの敗退の描写が一層、主人公としての立場をなくしてしまった事が一番の要因である。TV放送時から番組構成面での問題が取り上げられたのだが、その割を食ったのがシンである事は異論はないだろう。

「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の監督、福田己津央氏によれば「キラ、アスラン、シンの主人公3者でストーリーを動かしたかった」という旨の発言をしているのだが、先に述べた通りシンの主人公としての扱い、デスティニーストライクフリーダムを両者共に主役扱いしたいスポンサー・バンダイの販売に対する思惑等から、主人公を上手く機能させる事は出来なかったと言えよう。スペシャルエディションではシンとキラにソフトに接せるアスランが主人公として機能したのも、シンとキラとの主人公の格差の是非を取り上げたかったのでないかと考えられる。

シンの声優を担当した鈴村氏は、キラやアスランなどのシンが反目するキャラクターを好きな視聴者から「キラと対立するから嫌い」「アスランの言う事を聞かないから嫌い」等の批判の手紙が送られてきたということもあってか「シンの人格を理解したうえで彼を嫌ってくれるなら嫌いでいいですし、役者冥利に尽きます。しかし、折角各キャラクターを多面的に見られるアニメという媒体で、デュランダル議長に与するから、キラやアスランの敵だからという記号的な理由でシンを嫌うのはどうなのでしょうか?(意訳)」との感想を小説版第4巻のあとがきに綴っており、シン自体は嫌われてもしょうがないキャラクターである事は理解しながらも、その嫌われる理由に対しては問題提起をしていた。

登場作品と役柄

機動戦士ガンダムSEED DESTINY
主人公。ただしストーリー後半では実質キラ(ラクス陣営)が主役であり、シンも彼が所属するZ.A.F.T.陣営も敵役のような扱いを受けている。

人間関係

ルナマリア・ホーク
士官学校からの友人。シンにとっては数少ない、うち解け合う関係に。
ストーリー中盤でシンが彼女の妹であるメイリンをアスラン討伐に巻き込む形で撃墜してしまい、彼女に涙ながらに責められる。しかし、シンもまた妹を失っており、自分が受けた悲しみを生むことを、自分自身が行ったことを後悔し、傷ついていることを感じ取ったルナマリアは彼を許し、戦争が原因で肉親を失ったトラウマを共有することで恋仲に近い関係になった。
最終話では撃墜されたシンを介抱し、陥落するメサイアを目前にしつつ、共に涙を流した。
レイ・ザ・バレル
士官学校からの友人。のちにシンに自分の過去を打ち明ける。
アニメではシンを利用する悪役のような面が目立ったが、小説版ではシンを親友と思いつつも利用しなければならないレイの心の葛藤が描かれ、メサイア陥落後に自分を助けるためにインパルスで駆けつけたシンとルナマリアに遺言を託した。
アスラン・ザラ
直属の上官で作戦指揮官。常にそりが合わず衝突していて、後に引導を渡される形となってしまった。シンは本気で彼のことを尊敬しており、だからこそ毅然たる「ヒーロー」として振舞ってくれない彼に苛立ちをぶつけてしまっていたことも原因である。何かと挑発してみたり、突っかかってみたりしたのはそのため。後に彼と対峙する時の極端な怒りの感情の中にも逡巡が見え隠れする。これは、彼の故郷であるオーブ連合首長国が「非戦争」を貫くとしながらも結局は戦いに巻き込まれ、結果、シンは家族を目の前で失うという「裏切り」にあったためである。シンがアスランを尊敬もし、信頼していたからこそ「裏切られた」と感じたことが(実際裏切りではあるが)反動となったことが理由といえる。
シンがアスランを一人の人間として受け入れられるだけの度量を持っておらず、人間的に未熟だったこともあるが、アスランもまたシンを受け入れてやれるだけの大きさがなかった。本来ならば、その間を取り持つのがハイネ・ヴェステンフルスであったのだろうか。
ステラ・ルーシェ
ファントムペイン所属のパイロットでエクステンデッドの少女。第1話でシンが偶然胸を触ってしまう。その後ディオキアの海で溺れた際に助けられたことが切っ掛けで惹かれ合う。
最初は溺れる原因となったステラの行動に怒ったシンであったが、無意識にステラのブロックワードである「死」を口走ってしまい、錯乱した彼女を『戦争でトラウマを負った少女』と誤解して必死に宥め、その後も優しく接していた。このシチュエーションはアスランとカガリが初めて出会った時と似ている。
何気なく再会を約束した両者であったが、皮肉にも戦場で敵として遭遇してしまう。シンはステラを戦場から引き離すために奔走したが、結局ステラは戦場から逃れられず、乗機であったデストロイを脅威と感じたキラに機体を大破させられた時の怪我により絶命。その死はシンの今後に暗い影を落とした。
最終回では月面に墜落し一時気を失っていたシンの精神世界に魂となった彼女が現れ、明日への希望をシンに語った。
なお、最終回の描写は前作『SEED』では魂となってキラに語りかけたフレイ・アルスターとの対比となっている。敗れたシンにはステラの声が届いていたが、勝利するキラにはフレイの声が届いていなかったという興味深い違いがある。
鈴村氏はシンとステラの関係について「ステラは恋人というより戦争を感じさせる人間」と述べている。(恋人として死にゆく彼女に寄り添うよりも一人の人間として生きていてほしいという願いを最優先したから、ステラをネオの下へと帰した。恋愛とは人間関係の一つの形だが決して最上級のものではなく、シンとステラの間にはもっと大きな繋がりがあると考えて演技した、とも述べている。)
キラ・ヤマト
フリーダムのパイロットで、シンにとってはステラの仇。ただ、キラ本人が仇と知るのは「機動戦士ガンダムSEED DESTINY FINAL PLUS ~選ばれた未来~」の中で、アスランがキラをフリーダムのパイロットとして紹介した時である。
キラが「一緒に戦おう」と語りかけると、シンは涙ながらに「はい」と答え、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」は本当のエンディングを迎えるのであった(ただし、この描写が「自分の行いを省みず、更にシンまで丸め込もうというのか!」と更なるアンチを作る原因となってしまった)。
ちなみにこのエピローグ、シン役の鈴村健一氏が本編放送終了後に発したシンは最後まで自分の意志を貫けて良かったという言葉をコケにしているのではないかと指摘されたりもしている。
マユ・アスカ
実妹。シンにとって可愛い妹であったが、オーブで戦闘が行われた際、フリーダムとカラミティの砲撃に巻き込まれて死亡。シンはマユの落とした携帯電話を拾いに行ったために砲撃に巻き込まれずに済んだ。
シンは彼女の遺品である携帯電話を大切に保管しており、留守録に吹き込まれたマユの肉声を聞いている描写があった。また『THE EDGE Desire』においては、士官学校の同期にその携帯を見つけられただけでシンがヒステリックな反応を示すシーンがあり、心の傷の深さを改めて読者に訴えかけている。
ちなみにマユの担当声優は後にシンと恋仲になるルナマリアと同じ坂本真綾氏。声が似ているというのは付き合ったことには関係ない…はず。
トダカ
オーブ軍一佐。オーブ解放戦の時に家族を失ったばかりのシンを保護し、プラントへの移住を進めた。しかし、後のクレタ島沖海戦の時に皮肉にもシンの手によって命を失っている。
ハイネ・ヴェステンフルス
上官。ハイネの性格によりアスランと少しは打ち解けるきっかけとなるが、ダーダネルス海峡での戦闘で戦死している。

名台詞

「何でこんな事…また戦争がしたいのか、アンタ達は!?」
記念すべき1話で登場。1話における彼の出番自体が少なく、番組終了間際に飛び出た台詞から各所で話題を呼んだ。
「さすが奇麗事はアスハのお家芸だな!」」
奇麗事を言い続けるカガリに対し発言。しかし、普通に考えれば元オーブ国民とはいえ、今はザフト軍人であるシンが他国のトップであるカガリに対して罵声を浴びせるというのは国際的に考えて大問題なのだが、なぜか罰せられることはなく、その後もシンはカガリに対して罵声やわざと肩をぶつけるなどの問題行為をするが、まったく問題になっていない。
「俺を助けろ!この野郎!とか…」
墜落寸前のアスランを助けた際に。他人を頼ろうとせず、自分で抱え込みすぎるアスランに「こんな時くらい人を頼ってくれ」という彼なりの思いやり。
「あの人が可哀想だよ!」
またしてもカガリに。ユニウスセブンの破壊を成功させ、帰艦したアスランをねぎらったつもりのカガリだったが、ユニウスセブンを落としたのはパトリック・ザラの言葉を信じていたコーディネイターで、多くの破片は地上に降り注ぎ、少なくない被害をもたらした。それによって悲しむ人々、コーディネーターへの憎悪を募らすことを危惧するアスランに、そこまで気が回らなかったカガリの賞賛はむしろ重荷になってしまっていた。それを咎めての言葉。
「いくら綺麗に花が咲いても、人はまた吹き飛ばす…」
オーブに降りた際のキラとの邂逅での台詞。
「守るって言ったのに…俺、守るって言ったのに…!ステラ…ごめん…!」
死亡したステラを葬った別れの際に。失ってしまったものを守れるように軍人になった彼が、再び守れなかった無力感から涙を流しながら詫びる。鈴村氏迫真の演技が胸を打つ。その後、形相が変わってしまうほどの憎悪にゆがんだシンの顔つきに驚いた視聴者は少なくないという。
「アンタは俺が討つんだ…今日、ここで!」
エンジェルダウン作戦時にキラに対して。フリーダムの戦闘データから徹底的にフリーダムの戦い方を研究した上でインパルスの性能を活かしきり、フリーダムを撃墜する。
「ク…ハハハ…やった…ステラ…やっと…これで…ハハハハハハ…」
フリーダムを撃墜し、執念の勝利に。それでも何も得られない虚しい笑い声が哀しい。フリーダムの爆発を至近距離で受けたインパルスは全壊一歩手前という被害を被った。あるいはシンは刺し違える覚悟で挑んでいたのだろう。アスランはシンのこのような「命を捨てる復讐」をやめさせようとしたが・・・。この後、シンは無敵のフリーダムを撃墜したスーパーエースとして自信を膨張させ「増長」してゆく。
「アンタって人はぁぁぁぁ!」
裏切ったアスランに対する一言。彼を象徴する台詞。
「アンタが悪いんだ、アンタが……アンタが裏切るから!」
アスランとレイの双方からの説得に耐えきれず、S.E.E.D.を覚醒させた直後の台詞。
「こんな事をする…こんな事をする奴ら…ロゴス!許すもんかぁぁぁ!」
ヘブンズベースでのデストロイとの戦闘時の台詞。対艦刀でデストロイを一刀両断する等、シンの気迫を感じられる。
「お前達のようなのがいるから…世界はぁ!」
上記と同じく、パルマフィオキーナで2機目のデストロイを撃墜する際の台詞。
「あんたらの理想ってやつで、戦争が止められるのか!?」
 「戦争のない世界以上に 幸せな世界なんて……あるはずがないっ!!」
ボンボン版の台詞。理想を追求するアスランに放った一言。
「これがデスティニーの力だ!」
ボンボン版のアスランとの最終戦にて。単機でジャスティスのミーティアや右腕を破壊しアスランを追い詰める等、嘘偽りのない戦果を挙げている。
「 もう俺は選んだんだ!!この道を!!なら行くしかないじゃないかっ!!」
 「あんたが正しいって言うのなら!俺に勝ってみせろ!」
上記と同じボンボン版のアスランとの最終戦時の台詞。パルマフィオキーナでジャスティスの右腕を破壊する。
「アスラン…あんた、やっぱ強いや…」
ボンボン版での最終決戦でアスランに敗れた際の台詞。
「でもっ……生きろ!レイ!」
「言ったじゃないか、前に!どんな命でも、生きられるのなら生きたいだろうってっ!」
小説版より。自分と同じ短い寿命を持つステラに対してレイが言った言葉であり、その言葉をシンが彼に言う印象深い場面の一つ。
「俺だって!!守りたかったさ…俺の力で、すべてを!」
「だけど…俺が撃ってるのは敵じゃないって、撃つのは奪うことだって…"力"で解決できることなんて何もないって!!アンタが俺に言い続けてきたんじゃないか!!」
『THE EDGE』より。民間人として戦争による絶望を味わったシンが軍人としても希望を見失い、その絶望をアスランにぶつける場面。
アスランが事あるごとに口を酸っぱく説教してきた訓告をシンはきちんと覚えていた。しかしその言葉だけでは「戦争で大切なものを失う」という同じ痛みを持つはずの二人は互いに歩み寄ることが出来なかった。アスランは伝えたいことをきちんと伝えられず、シンはデスティニープランに縋り付くしかなかった。
直後にインフィニットジャスティスの右腕がデスティニーの攻撃で吹き飛ぶ。
「でも…議長とレイは戦争のない世界を作るために…俺の力が役に立つって言ってくれたんだ…!」
「この"力"ですべてを終わらせて…その先に平和があるのなら、俺は!!」
『THE EDGE』より。シンを(正しいかどうかはさておき)導けた議長やレイと、導けなかったアスランとの対比、そしてシンの力に対する傾倒っぷりが顕れた言葉。
アスランは「諦めるな!こんな風に"力"を使ってしまったら…お前は永遠に"力"の呪縛から逃れられなくなるんだぞ!」と、本気でシンを心配して言葉を返す。
直後にシンの信じる"力"の象徴であるアロンダイトを奪われ、議長の提示する"力"の象徴であるレクイエムを破壊される。
「…ひとりで立てます」
『THE EDGE』より。月面でアスランに手を差し出された際、それを振り払っての台詞。アスランは「そうか…」とだけ返すしかなかった。
シンは吹っ切れてこそいないものの、その目に強い意志を秘めていた。
「でも…同じことじゃないか?」
「俺のデスティニーとあの兵器に、結局どんな違いがあるっていうんだ?」
『THE EDGE Desire』より。議長の手に渡ったレクイエムが地球軍アルザッヘル基地に向けて発射されたことに疑念の声が上がったのを受けて。
ヴィーノに「デスティニーがもし撃たれたら、シンが死ぬだろ!」と返される。いい仲間を持ったな・・・
この時のシンは死んだ魚のような目をしており、精神的に極限状態だったことが覗える。
「レイの運命は…変わらないのか?」
「議長は、定められた運命を受け入れることが幸せだっていってたけど、レイは…」
『THE EDGE Desire』より。頭ではデスティニープランに納得していてもあえて尋ねたのは、プランを適用しても全く救われない無二の親友のことを考えると心に引っかかるものがあったから。
レイは一瞬だけ虚を突かれた表情を見せるも、「そろそろ出撃だぞ」と言って答えをはぐらかした。そしてレイがメサイアで亡くなったことで、シンがその答えを聞くことは永遠に叶わなくなった。
「なんで議長までチェックしてるんだぁぁぁ!」
フレッツCMより。デュランダルにCMで「CMの方が喋ってる」と揶揄される。あながち間違っていない?
「そんなの、ただの言葉じゃないか。誰がそんなことを決めたんだ!
失っている過去を守るのは間違いで、今ある現実を守ることだけが正義なのかよ!
それを決めていいのはあんたじゃない!オレなんじゃないのか!
オレは決めたんだ!過去を放ってはおかない!決着をつけるんだ!
ガンダム無双2より。アスランとの掛け合いで「過去に囚われたまま戦うのはやめろ、そんなことをしても何も戻りはしない」と諭された際に答えて。失った大切な過去があるからこそ、未来のために戦うのだという決意。間違いなくガンダムシリーズ主人公のセリフ。これがアニメ本編で発揮されていれば・・・。
「大切なものを守るために戦う、それでいいんだ。
でも、だからって、俺も戦わないわけには行かないんだ!」
ガンダム無双2より。キラの戦う理由を理解しながらも、真正面から自分の信念をぶつけて。
「やめてくれよ、ルナ。もうエースの力はいいんだ。必要ない。
スーパーエースなんて、もう捨てていい過去だって、決めたんだ。オレ自身で。」
シンが過去に囚われているのではなく、悲しみを乗り越えて未来に向かって行くという人間的な成長が見て取れるセリフ。

余談

  • シンを演じた鈴村健一氏は2011年8月にルナマリア役の坂本真綾氏と結婚している。

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